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幻想の未来
あのときは、倒れ伏している私の周囲を、廃墟の幽鬼がとり巻いて歌い踊っていた――。放射能と炭素熱で破壊された大都会。極限状況で出逢った二人は、子をもうけたが。進化しきった人間の未来、生きていくために必要な要素は何か。「だけど俺たちは本能を持ってうまれてきてるんだ。生きて行こうとする本能だ。どんな環境に生まれてきたにしろ、本能を持っている限り種族の繁栄のために尽くすべきじゃないか。本能にしたがって行動をしていさえすれば、われわれは、知らない間にこの世界を改造していることになるんだ」(表題作)ほか、ふたりの印度人、アフリカの血、姉弟、ラッパを吹く弟、衛星一号、ミスター・サンドマン、時の女神、模倣空間、白き異邦人の一〇編を収録。解説:山下洋輔。 -
幻魔大戦 全20冊合本版
パリからニューヨークへと向かう飛行機に一人の美女が座っていた。トランシルヴァニア国のルナ姫。彼女は未来透視の才能を持つミスティック(神秘家)だった。精神を集中して予知夢の世界に入った彼女の意識を、強烈な衝撃が遅い、膝の上の水晶玉が炸裂した。「――落ちる!」彼女の絶叫の直後、凄惨な現実が訪れる。それは、地球征服を企む宇宙の破壊者「幻魔」との戦いの幕開けだった。「幻魔」には、いかなる近代兵器も用をなさない。対向しうるのはただ一つ、エスパー(超能力者)の力のみ。ルナ姫は宇宙戦士ベガとともに、世界中から有能なエスパーを探し集める。その中に、日本の高校生・東丈がいた――。宇宙の邪悪な存在に敢然と立ち向かう正義のエスパーたちの活躍を描く、壮大な宇宙ドラマが、今、はじまる! 本書は『幻魔大戦』第1巻から20巻までを1冊にまとめた合本版です。 -
小泉八雲先生の「怪談」蒐集記
明治29年(1896年)東京。市谷に妻子と暮らす帝大教授、ラフカディオ・ハーンこと小泉八雲のもとに、松江から上京してきた少女・好乃が現れ、女中として雇ってほしいと申し出る。不愛想ながら利発で怪異にも詳しい好乃のことを、八雲やその家族、下宿人である書生の己之吉らは気に入るが、実は好乃には誰にも明かせない秘密があった。八雲はそれを知った上で好乃を雇い入れるが……。 日本の原風景と怪異をこよなく愛する八雲は、急速に変わりゆく東京の風景や、怪異を迷信扱いする風潮に心を痛めていたが、近代化の進むこの町でも怪しい噂はまだ辛うじて生きていた。森の中の食人鬼、怨霊に夜毎誘われる音楽家、妖怪を使役する易者、幻影の美少年、そして雪女やのっぺらぼう……。街でささやかれる数々の怪談を追う中で、八雲や好乃は、華やかな文明開化の陰を目撃し、失われていくものたちの声を聞くこととなる。 怪談はなぜ生まれ、なぜ語られ続けるのか。好乃の真の目的とは何か。そして、小泉八雲はどうして「怪談」を書かなければならなかったのか――。激しい変動の時代を背景に、名著「怪談」成立の裏側を描く文豪×怪異×ミステリー。 -
恋と王冠
様々な問題を抱える小国、ヴァルイーダ国の新しい女王となったのは、たった16歳のいたいけな少女イザベルだった。 そんな彼女の摂政として、イザベルの従兄弟で元皇太子のリュシアンが王宮に呼び戻される。 3年前に不義の子と発覚し王位継承権を取り上げられたリュシアンは、女王を傀儡とし、いずれは王冠を奪い取る算段でイザベルを支配しようとする。 一方、イザベルは初恋の人で憧れのお兄さまでもあるリュシアンとの再会に歓喜していたが、彼の腹黒い一面を偶然知り、ショックを受ける。 怒りに震えるイザベルは、リュシアンに自分を侮ったことを後悔させ、心から忠誠を誓わせ支配すること、そして絶対に王冠は渡さないことを固く決意する。 そして持ち前の頭脳と女王としての才覚を遺憾なく発揮し、画策を巡らせ始める。 こうして、表向きは女王と摂政として友好的な関係を築きつつも、裏ではお互いを手中におさめるべく激しい頭脳戦と駆け引きを繰り広げる日々が始まった。 そんな中、数々の国を傀儡にし支配を広げている大国の女王の魔の手が、ヴァルイーダ国にも迫ろうとしていてーー。 -
恋道行
お前のためなら、誰だって殺すぜ――。 切実に愛し合う男女の逃避行が、嵐を巻き起こす。 著者がどうしても書きたかった人情時代活劇、開幕! 不幸な生い立ちから悪事に手を染めるも、親切な絵草紙屋の主人に拾われ店番として更生した千七。 物語を楽しむささやかな生活を送っていたある時、茶立女のおゆきと出会い、運命的な恋に落ちた! だが直後、おゆきに懸想する御家人崩れの久蔵が、ある裏仕事で入った大金で彼女を落籍してしまった。 救出に向かった千七は、諍いの末に久蔵を殺してしまう……。 追われる身となった二人の逃避行の行方は? 著者新境地の時代恋物語、開幕! -
恋虫
『恋』を知っていますか? 正式名称は「感情性免疫不全症」。ウイルス性の病で、感染すると、驚くほど人が変わってしまい、自我がなくなってしまう事から、『恋虫』と呼ばれ、恐れられている。この病に感染すると、身体のどこかに特徴的なピンク色の痣が現れ、他者の感染を防ぐため、駆除される運命にある――。 四ノ宮美季は、念願の『恋虫駆除隊』に入隊した。治療薬の存在しない『恋虫』に感染した人を駆除する部隊だ。上官になったのは冬野花火というこの世界の救世主。入隊して初の出動で、四ノ宮は対象者を目の前にして駆除できなかった。今まで恐れていた『恋』という病が、本当に悪いものなのか疑問を抱いてしまったからだ。叱咤されるのを覚悟で連れられて来られた冬野の部屋で、四ノ宮は彼の秘密を知ることになり……。 『恋』に堕ちる切なさと、脆い感情を彩り豊かに描いた、泣けるラブ・ストーリー。 -
香華宮の転生女官
「働かざる者食うべからず」が信条の苦労性貧乏OL・長峰凜、28歳。仕事も恋も、最近若干停滞気味。 ある日凜は、彼氏が親友と浮気をしている場面に遭遇する。 追いかけようとして車に轢かれてしまった凜は、目覚めると中国とおぼしき過去の世界に転生していた! すぐ横には血まみれの死体。まったく状況が呑み込めずにいると、なんと殺人事件の犯人と間違えられ、投獄されてしまう。 窮地に陥る凜だが、時の皇帝の甥で武官である趙子陣(ちょう・しじん)に助けられ事なきを得る。 周囲の人の話から推測するに、どうやら凜は、自分と同じ名前を持つ宮廷女官・南凜(なん・りん)の体に転生してしまったらしい。 子陣の屋敷に居候することになった凜は、現世では全く役に立たなかった数々のスキルを使い、子陣や周囲の人を助ける。 その活躍ぶりが耳に入り、凜は皇帝の勅命を受けて香華宮で女官として働くことに! 裏ミッションとして、皇帝のスパイを命じられた凜は、宮中で数々の奇妙な事件に遭遇し……? -
後宮書堂の転生司書
図書館司書の瀬名愛は、仕事でもプライベートでも好きな本に囲まれながら、おひとり様生活を満喫している。一人で迎えた26回目の誕生日にほんの少し寂しさを覚えながらも、仕事を終え帰宅しようと歩いていたそのとき、交通事故に巻き込まれ意識を失ってしまう。 目が覚めた場所は、なんと異国の柩の中だった! どうやら中華風の世界で、流行り病で死んだ冬梨という人物に転生してしまったらしい。自分と容姿がそっくりな冬梨として生き返った愛は、彼女が向かおうとしていた、後宮にいる賢妃のもとに赴くことに。 愛と同じく大の本好きだった冬梨には書庫の管理の仕事が与えられるが、しかしそのさなか、書庫の中で殺人事件が起こり、冬梨は否応なく巻き込まれてしまう。捜査の中で知り合ったのは第二皇子の李佑。冷酷無慈悲だと怖がられる彼だが、冬梨とは過去に何か関係があったようで……? 本で得た知識を生かして事件解決を進めながら、書庫係として異世界での新たな生活が始まる! -
「高校サッカーボーイズ」シリーズ【全3冊合本版】
時は2011年、高校生になった武井遼介は、関東の強豪サッカー部に入部。新入部員50名からスタートするが……(『高校サッカーボーイズ U-16』より)。Aチーム入りが叶わず、Bチームに留まる遼介は、インターハイで応援役に回ることに。このままでは絶対に終われない(『高校サッカーボーイズ U-17』より)。高校総体県予選を準々決勝で敗退してしまった遼介。ついにラストシーズン、ピッチで輝けるか(『高校サッカーボーイズ U-18』より)?高校1年から3年までの成長を辿る全3巻を収録。【収録作品】『高校サッカーボーイズ U-16』『高校サッカーボーイズ U-17』『高校サッカーボーイズ U-18』 -
高校入試
悪意は拡散する――。衝撃の結末が待ち受ける、『告白』以来の学校ミステリ! この作品を書けたことで、小説家として次のステージに一歩進むことができました。 ――湊かなえ 県下有数の公立進学校・橘第一高校の入試前日。新任教師・春山杏子は教室の黒板に「入試をぶっつぶす!」と書かれた貼り紙を見つける。迎えた入試当日。試験内容がネット掲示板に次々と実況中継されていく。遅れる学校側の対応、保護者からの糾弾、受験生たちの疑心。杏子たち教員が事件解明のため奔走するが……。誰が嘘をついているのか? 入試にかかわる全員が容疑者? 人間の本性をえぐり出した、湊ミステリの真骨頂! -
荒城に白百合ありて
森名幸子から見て、母の鏡子は完璧な会津婦人だった。江戸で生まれ育った母は教養高く、武芸にも秀でており、幸子の誇りで憧れだった。 薩長軍が城下に迫り、白装束を差し出して幸子に自害を迫った時も、母の仮面が崩れる事はなかった。 しかし、自害の直前に老僕が差し出した一通の手紙が、母の、そして幸子の運命を大きく変えた。 手紙から視線を外し、再び幸子を見た母は、いつもの母とは違うものに変わってしまっていた。その視線を見て、幸子は悟った。 ――母は、この美しい人は、いまこの瞬間、はじめて私を「見た」のだ、と。 薩摩藩士の青年・岡元伊織は昌平坂学問所で学ぶ俊才であったが、攘夷に沸く学友のように新たな世への期待を抱ききれずにいた。 そんな中、伊織は安政の大地震の際に燃え盛る江戸の町でひとりさ迷い歩く、美しい少女と出会う。あやかしのような彼女は聞いた。 「このくには、終わるの?」と。伊織は悟った。「彼女は自分と同じこの世に馴染めぬいきものである」と。 それが、伊織の運命を揺るがす青垣鏡子という女との出会いであった。魂から惹かれあう二人だが、幕末という「世界の終わり」は着実に近づいていて――。 この世界で、ともに生きられない。だから、あなたとここで死にたい。 稀代のストーリーテラーが放つ、幕末悲劇、いま開幕。 -
遠巷説百物語
【第56回吉川英治文学賞受賞作】 『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞を受賞――本作でシリーズ三冠! 「遠野は化け物が集まんだ。咄だって、なんぼでも来る」 盛岡藩筆頭家老にして遠野南部家当主の密命を受けた宇夫方祥五郎は、巷に流れる噂話を調べていた。 郷が活気づく一方で、市場に流れる銭が不足し困窮する藩の財政に、祥五郎は言い知れぬ不安を感じる。 ある日、世事に通じる乙蔵から奇異な話を聞かされた。 菓子司山田屋から出て行った座敷童衆、夕暮れ時に現れる目鼻のない花嫁姿の女、そして他所から流れて迷家に棲みついた仲蔵という男。 祥五郎のもとに舞い込む街談巷説、その真偽は――。 ハナシは、やがて物語になる。どんどはれ。 〈巷説百物語〉シリーズの集大成! -
皇帝の調色師
大晨帝国の名門・白家の分家の娘・彩玉(さいぎょく)は、 ある事情から皇后として後宮に入る。 しかし皇帝の寵姫に嵌められ、禁足を命じられる。 悶々とする中、彼女は世話係で宦官の少年・彩珂(さいか)と入れ替わることを思いつく。 そして皇宮で働く中、出会ったのは皇帝の双子の弟・黄燎(こうりょう)だった。 どうやら彼は病弱な皇帝の身代わりを務めることになるらしい。 秘密を知ってしまった彩玉だが、披露した「調色」の才を見込まれ、黄燎に仕えることになり……。 -
皇帝陛下の禍祓士 堕ちた後宮
□■第10回 角川文庫キャラクター小説大賞<カクヨムテーマ賞(異能×溺愛)>■□ その国には道士や巫覡(ふげき)をはじめとした、常人には見えざる百鬼、百邪を祓う者がいる。 なかでも禍(まが)を祓う道士は「禍祓士(かばつし)」と名乗った。 ある日、姚流麗(ようりゅうれい)は、禍祓士として皇帝の許に召される。 そこで目にしたのは、穢れた皇城と、複雑な呪いにより衰弱した若き皇帝、姫舜(きしゅん)の姿だった。 術で舜の不調を一時的に鎮めた流麗だが、原因究明のため最も穢れが濃い後宮を探ることに――。 孤高の皇帝を救うために後宮の秘密を暴く、中華退魔謎解きファンタジー! -
幸福御礼
東京で夫と穏やかな暮らしを送っていた由香にとって、悩みの種は夫の実家のことだった。 結婚当初「どうってことないうち」と言っていた夫の実家は、北関東にある河童市の由緒ある家柄で、祖父が元市長であり伯父は現職の市長だったのだ。 煩わしいことには関わらないと宣言していた由香だったが、夫の伯父である現職市長が病に倒れてから状況は一変。 地元に帰ることはないといっていた夫は、姑や伯父の懇願に負けてしまい、選挙に出ることを決意してしまう。 最初は別居して選挙と距離を置いていた由香だったが、次第に選挙をめぐる問題に巻き込まれていき――。 選挙を通じて描かれる、本音と建て前が渦巻く家族小説! -
高野聖 アニメカバー版
≪TVアニメ「文豪ストレイドッグス」 アニメ描き下ろしコラボカバー版を配信!通常表紙版と内容が同じ商品です。ご注意ください。≫ 飛騨から信州へと向かう僧が、危険な旧道を経てようやくたどり着いた山中の一軒家。家の婦人に一夜の宿を請うが、彼女には恐ろしい秘密があった。耽美な魅力に溢れる表題作や、滝の白糸で知られる「義血侠血」、「夜行巡査」「外科室」「眉かくしの霊」の5編を詳しい解説とともに収録。 <「文豪ストレイドッグス」シリーズとは> 中島 敦、太宰 治、芥川龍之介、与謝野晶子、泉鏡花、F・スコット・フィッツジェラルドなど国内外の文豪のイメージをモデルに擬人化されたキャラクターが、横浜を舞台に「人間失格」「羅生門」などといった各文豪に関連する異能力を用いて戦うバトルアクション。 -
声も出せずに死んだんだ
レオナと呼ばれる少女が「殺された」。 その少女は生身の人間ではなく架空のキャラクターだったが、ほんの数ヶ月前まで、レオナは彼のすべてだった。 だが突然、レオナは「殺されて」しまったのだ。 レオナを蘇らせるため、ネットに犯行声明をアップした吉永千裕がまず企てたのは、現実の少女の誘拐だった。 ネットで知り合った少女・星来を呼び出し誘拐を実行した千裕だったが、星来からの提案で、ある「勝負」を受けることになる。 それからふたりの、奇妙な旅がはじまった――。 千裕はいったい何を目論んでいるのか? 旅するふたりの「勝負」の行方は? 驚きと切なさに満ちたラストが胸を刺す、異色の長篇ミステリ! ※本作は第37回横溝正史ミステリ大賞の奨励賞受賞作「pH」を改題の上、加筆修正したものが底本です。 -
氷の下の暗い顔
氷結した暗い湖面の底に沈んでいる、青みがかった灰白色の巨大な「顔」。長さ十数キロ、幅7から8キロもある途方もない大きな「顔」だ。どう見ても、人間の、地球人の痩せた男の顔だった。今にも死にそうな重病人の、苦痛にみちた表情をしている。なぜ、そんな巨大な「顔」が、それも銀河系をはるか200万光年も離れているNGC244(アンドロメダ星雲)の中の小恒星のわびしい惑星上にあるのか。また、これほどスケールの大きい彫刻を、誰がどんな技術を駆使して作ったのだろうか。地球上のビーヴァーに似たこの星の原住民たちも、その成因をまったく知らないという。一惑星上にあらわれた巨大な「顔」の謎と心を感ずる木が解き明かす秘密とは? 本格SFの金字塔!
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