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Posted by ブクログ
シリーズ20作目
前作から間があいちゃったけど、意外に内容を覚えていてほっとする。
今回は海里の朗読と淡海先生の話がメイン。
とは言え今作品の主役は、黒いラブラドール・レトリバーだろう。
一人暮らしの飼い主が自宅で病死したことを誰かに知らせようと、近所の淡海家に助けを求めに来たと思われる。
なんて頭が良くて、優しい犬なんだ。
主人公の五十嵐海里は芦屋市の小さな定食屋〝ばんめし屋〟の住み込み店員で、近くのカフェ・バーで朗読の舞台にも挑戦中だ。
そしてその台本を書いているのが、人気作家の淡海五朗で「ばんめし屋」の馴染み客でもある。
引き取り手のいない犬は様々な手続きを経て、淡海が飼うことになった。
するとそこに〝松の盆栽〟の霊が現れて…
この松は犬と一緒に暮らしていた盆栽で、飼い主を失った犬を心配し、霊になって現れたのだろう
(残念ながらこの松は枯れてしまった)
ついに植物の霊まで登場するようになって、ちょっと驚いたけど、今回も温かい作品だった。
Posted by ブクログ
前回との間がいつもより開いたせいか、これまでの出来事や登場人物の説明がやや詳しいような気がする。親切。
海里の朗読のクオリティも、少しずつ成長している。「雨垂れ石を穿つ」いや、そんなゆっくりでもないのだけど、芸能人として成長したいというのとは違うところを目指している彼には、そういう成長でもいいのかもしれない。
人によって時間の流れは違ってもいい。それが、人とは寿命の異なる生き物ならなおさらである。
今回、淡海が書いて海里が朗読する作品は『街路樹の独白』。
もっともっと長生きするはずだった木の寿命は、人間の都合で二日後に伐採されることになっていた。寿命を全うした老人ではないだろう。望まぬ夭折だろうか?
海里は街路樹の気持ちを探る。
生きていたら、人間でなくてもさまざまな感情はあるのではないか。
あれ?犬、関係無いんじゃない?
いやいやいや・・・
街路樹の最後の述懐は、なんだか宮沢賢治っぽい。
死ぬ時に誰かの幸せを願えるなら、それはきっと、幸せな幕切れなのだろうと思う。
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