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脱炭素化は地球を救うか(新潮新書)
地球が温暖化しているのは事実だが、果たしてそれは「人間の活動」が原因なのか。そもそも温暖化は「悪いこと」なのか。悪いことだとして、それを止めるための手段は本当に脱炭素化が最適解なのか。科学的データは、そうした問いにいずれも「イエス」の答えを返さない。いま必要なのは、温暖化問題をイデオロギーから解放し、「適応策」を積み重ねていくことである。硬直的な脱炭素化推進に一石を投じる論争の書。 -
トランプ再熱狂の正体(新潮新書)
二〇二四年の米大統領選に、トランプが帰ってくる。前回選挙の敗北を受け入れず、司法当局の追及も受ける男に、なぜ国民は再び熱狂するのか。国外から見れば不可解な現象も、支持者の声にじっくりと耳を傾けると、その正体が浮かび上がる。トランプ支持には相応の論理があり、共感を呼ぶものも少なくない。選挙が終わっても国民を分断する価値観の衝突は終わらない。アメリカの「今」を解き明かす第一級レポート。 -
ひっくり返す人類学 ――生きづらさの「そもそも」を問う
常識をひっくり返して「そもそも」を問う思考法には、問題を定義し直し、より本質的な議論に導く力があります。学校教育や貧富の格差、心の病など、身近で大きな社会・環境危機に人類学で立ち向かう一冊。 【本書で扱う一例】ヘヤー・インディアンは「教わる」という概念を持たない⇒学校ってなぜ行くの?そもそも学ぶって何?/プナンは獲物もお金もみんなでシェアして貧富の差がない⇒格差や権力はそもそもなぜ生まれるの? -
恐怖箱 禍言百物語
奇々怪々の取材記録たっぷり100話! 「幽霊なんて信じていない」 …でも、いる。少年が座っている。 「前席の中年、後席の少年」より 押し入れのびしょ濡れ老婆 箱から聞こえる恨み言 不孝を呼ぶ禁断の建築… 本物の怪が現れる現代の百物語! 「恐怖箱」のお馴染み怪談蒐集家4人がこの世の闇を浚う。 代々「控えよ」と言い含められている社で犯した粗相、その天罰は?…「代価は高く」(加藤 一) ちょうだいと繰り返す彼女が欲したのは身体か、命か。言えばもらえるとでも思ったか…「ちょうだい」(神沼三平太) ライブの打ち上げ、皆で差し入れのケーキを口にした途端、場の空気は一変し…「yes,but」(高野 真) 猟の途中、野宿での睡眠時に目にした足のようなものは大凡人間のものには見えなくて…「忠告」(ねこや堂) など、何気ない日常に禍を招く恐怖の連続、体験者の実在する怒涛の怪奇譚100話! -
義父母の介護(新潮新書)
義母の認知症が八年前に始まり、義父も五年前に脳梗塞で倒れた。結婚以来そりが合わなかった姑と舅だが、「私がやらなければ!」と一念発起。仕事と家事を抱えながら、義父母のケアに奔走する日々が始まった――。しかし、急速に進行する認知症、介護サービスを拒絶する義父に翻弄され、やがて体力と気力は限界に。介護は妻の義務なのか? 夫の出番は? 最初の一歩から悪徳業者との闘いまで、超リアルな介護奮闘記! -
たらちね怪談
「最愛」にして「最恐」。 母に纏わる怖ろしい話、不思議な話。追憶の怪異蒐集録! 母より優しきものはなし、恐ろしきものもまたなし。 世に賢母あれば毒母あり。 すべてが母の胎から生まれるように、怪もまた母より生まれいづる。 ・母の愛を求め想像の世界で生み出した理想の母。いつしかそれに魂が…「三母の似 創母」(郷内心瞳) ・一枚の心霊写真から紐解かれる母と家の怪…「出窓」(川奈まり子) ・父の暴力から物置で一生を終えた母の遺志…「夫婦水いらず」(つくね乱蔵) ・怪と縁の深い女性が占い師に告げられた自身と母と運命…「糾える」(久田樹生) ・人生のハレの日に現れ踊る裸婦。その正体は死んだ母?…「狂女乱舞」(蛙坂須美) ・彼女の隣に立つ首吊り自殺で死んだ母の霊。彼氏にしか見えないその意味は…「帰り道」(内藤駆) ・龍を見ることができた母。さがそれは凶事の先触れ…「天を駆ける龍」(服部義史) ・子を殺された母猿の怨念が本懐を果たすまで…「母猿」ひびきはじめ 他、怪談作家20名が競筆、母に纏わる追憶の怪異談集。 -
正岡子規スケッチ帖
「写生は多くモルヒネを飲みて後やる者と思へ」.子規の絵は味わいある描きぶりの奥に気魄が宿る.子規にとって絵を描くことは病床の慰めや楽しみ以上の,生きるよすがであった.最晩年の三か月に描き,『果物帖』『草花帖』『玩具帖』と題してまとめられた画帖をオールカラーで収録.漱石,鼠骨ら,子規の絵をめぐる文章を併載する.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません. -
真夜中のマリオネット
殺した後、一晩かけて遺体をバラバラにする殺人鬼――通称「真夜中の解体魔」。婚約者を殺された救急医の秋穂は、深い悲しみを抱えながらもなんとか職場に復帰をした。そこに運ばれてきたのは、交通事故で重傷を負った美少年・涼介。無事、命を救って手術室を出た秋穂に刑事が告げた。「彼は『真夜中の解体魔』だ」。復讐しようとする秋穂に、涼介は涙ながらに無実を訴え証拠を見せた。秋穂は、ためらいながらも涼介と真犯人を探すことになるが……。涼介は真犯人に操られた哀れな人形(マリオネット)なのか、それとも周囲を操る冷酷な人形遣いなのか。知念実希人が贈る、究極のクライムサスペンス! -
あとは司直の判断に委ねます 私設秘書 真野正司
与党議員の政治的スキャンダルを立て続けに暴き、「国会のトマホーク」の異名を持つ衆議院議員・荒岩光輝に憧れた真野正司は、荒岩の私設秘書となる。ある日、地元選挙区に向かう新幹線の喫煙室で、荒岩が若い男とともに死亡。荒岩はロシア諜報機関に協力して情報を集めていたが、ウクライナ侵攻を批判する発言が元で暗殺されたのではないかという噂が広がり、疑問を抱いた真野が調査を進める。すると、新興宗教教団からの怪しい寄付金や総務省が絡む政治資金の不正還付など、さまざまな疑惑が持ち上がる。真野は、学生アルバイトの樽見、ロシア人貿易商イワンと協力して真相に近づいていく。新幹線内での殺人に隠された意外なトリックとは? -
傷物令嬢と氷の騎士様~前世で護衛した少年に今世では溺愛されています~
生まれつき肩にある傷のせいで、傷物令嬢と揶揄されているルピナスは、妹に婚約者を奪われ、実家を追い出されてしまう。職を求めて訪れた王都で騎士だった前世の記憶を取り戻した彼女は、かつて自分が護衛していた貴族の少年キースと再会。騎士団長になった彼は、イケメンながら女性を受け付けない氷の騎士様と呼ばれていた。しかしルピナスの前世を知った途端、激甘キャラに豹変し……。転生の裏に隠された秘密とライバルを巻き込んだ恋の行方は? -
赤虫村の怪談
愛媛県の山間部にある過疎の村・赤虫村(あかむしむら)には、独自の妖怪伝説が存在する。黄色い雨合羽を着て暴風を呼ぶ「蓮太(はすた)」、火災を招く「九頭火(くとうか)」、廃寺に現われる無貌の「無有(ないある)」、そして古くから伝わる“クトル信仰”。フィールドワークのために村を訪れた怪談作家・呻木叫子(うめききょうこ)は、村の名家・中須磨(なかすま)家で続く不可能状況下での連続殺人に関わることになる。周囲を足跡一つない雪原で囲まれた大木に全裸で吊るされた縊死体。内側から施錠された石蔵で発見された焼死体。妖怪伝説の禍を再現するような事件は、やがて人知を超えた終結を迎える──第17回ミステリーズ!新人賞受賞者による初長編。/【目次】プロローグ/第一章 無有の怪談/第二章 位高坊主の怪談/第三章 九頭火の怪談/第四章 苦取の怪談/第五章 蓮太の怪談/第六章 赤虫村の怪談/エピローグ/解説=多田克己 -
メディアはなぜ左傾化するのか―産経記者受難記―(新潮新書)
事件記者になりたい一心で産経新聞に入社した著者は、現場での同業者たちに違和感を抱くようになる。なぜ彼らは特定の勢力や団体に甘いのか。左派メディアは、事実よりもイデオロギーを優先していないか。ある時は警察と大喧嘩をし、ある時は誤報に冷や汗をかき、ある時は記者クラブで顰蹙を買い、そしてある時は「産経は右翼」という偏見と闘い……現場を這いずり回った一人の記者の可笑しくも生々しい受難の記録。 -
組織不正はいつも正しい~ソーシャル・アバランチを防ぐには~
組織不正は、いつでも、どこでも、どの組織でも、誰にでも起こりうる。なぜなら、組織不正とは、その組織においていつも「正しい」という判断において行われるものだからだ。組織不正を行わない方が得策と言えるにもかかわらず、組織不正に手を染めてしまう企業が少なくないのはなぜか。燃費不正、不正会計、品質不正、軍事転用不正の例を中心に、気鋭の経営学者が組織をめぐる「正しさ」に着目し、最新の研究成果を踏まえて考察。 -
毎日世界が生きづらい
できないことを、数えないで。 どうやって生きていいのか分からない。 自分を責め続ける、小説家志望の私。 夢を抱いた仕事に躓く、会社員の夫。 そして、インコのピピ。 心理サスペンス『誰かが見ている』でメフィスト賞を受賞した著者が挑む新境地。 小さな家族の幸せをめぐる物語。 ――美景はうまいことやったよなー。 旦那に稼ぎがあるから、なんの心配もないだろ? パートでお小遣い稼いでたらいいんだし。(略) 傍から見れば、なんの悩みもなく、苦労もなく、ぼんやりと生きているように映るのだろう。(略) うまくいかない自分を責める妻の気持ちを、想像することもできないのだろう。――本文より 美景と雄大は結婚して十年。 ある日、妻の書斎に入った夫は何か様子が違っていることに気づく。 ままならない毎日をどのように生きてきたかを語り出す二人。 小説家になる夢を叶えたかった美景。 夢を抱いた仕事に躓く雄大。 二人をつなぐインコのピピ。 メフィスト賞作家の新境地となる、小さな家族の幸せを探す物語。 -
「モノ言う株主」の株式市場原論
新NISAで投資への関心が高まったこともあり、株価はバブル期の最高値を超えた。だが「失われた30年」で開いた海外との差はまだまだ大きい。逆にいえば、やり方しだいで成長に転じる潜在力が日本企業にはあるとも言えよう。それでは、どこをどう変えればいいのか? まずは「ふつうの資本主義」を取り戻すことから始めなければならない。しかるに、日本企業は内部留保を抱え、研究開発や新規事業への投資に消極的であり、親方日の丸からの天下りなどガバナンスにも問題が大きい。著者は、そんな諸課題を抱える企業を相手に「社長はおやめになったほうがいい」と直言してきた国内アクティビスト(モノ言う株主)の代表格・株式市場と企業経営の本質を喝破するとともに、ピカピカの会社ではなく、あえて改善点が多い会社に投資してきた自らの哲学を明かす。 -
病院の怖い話
「病院」に纏わる傑作怪談集! 「あっ、これは死に顔なんだ。どの表情で絶命するか、最期の☺を見せているんだ」 絶叫、号泣、憤怒、困惑、苦悶… 入院患者の百面相ルーレット 収録作「ルーレット」黒木あるじより 病院には怖い話が多い。生と死が隣接する場所ならではの、人智 を超えた何かが潜んでいるからか―― ・危篤状態から持ち直した患者の奇妙な変化「今際の際にて」(渡井 亘) ・あの人そろそろだね、ベテラン看護師が言うと…「スリーアウト!」(Dr.マキダシ) ・患者の白目を視診したときに覚えた違和感「百パーセント」(神 薫) ・脳梗塞を発症し入院している高齢女性の奇妙な行動と驚愕の真相「左側のミチル」(雨宮淳司) ・学生時代に世話になったと新人看護師から言われたが…「チョイ借り」(小田イ輔) ・父の跡を継いだ病院で起きた患者のクレーム、その原因は…「人柄と腕前」(黒木あるじ) ――など、書き下ろし24編を含む選りすぐりの最恐作の数々 -
戦史における小失敗の研究 二つの世界大戦から現代戦まで
戦場の失敗から学ぶ強力な決断力! 太平洋戦争、ベトナム戦争、中東戦争などを俎上に、全力を注ぎつつも敗北者となった各国の戦いを研究、成功への手がかりを読み解く。 -
落葉シティ
秋になると色づく樹木さながらに、さまざまな彩りを持った老若男女たちが住む〈落葉シティ〉。その中でもちょっと変わった人が集う不思議な館〈カナリィ館〉。本当の想いを内面に隠しながら、他人の心配をしてばかり……。さあ、今日は何が起こるのか──。〈やさしさ〉溢れるこの街で巡り会った人々が織りなす、ちょっと変わった“愛”の物語。あなたもこの街に住んでみませんか? -
米番記者が見た大谷翔平 メジャー史上最高選手の実像
本塁打王、2度目のMVPを獲得し、プロスポーツ史上最高額でロサンゼルス・ドジャースへの移籍が決まった大谷翔平。渡米以来、その進化の過程を見続けた米国のジャーナリストが語る「二刀流」のすごさとは。データ分析や取材を通して浮かび上がってきた独自の野球哲学、移籍後の展望など徹底解説する。 -
宇宙の哲学
宇宙の歴史は有限か無限か? 「この宇宙」はどのように生まれたのか? 時間以前には何があったのか? …… 宇宙の謎をめぐる人類の探究の歴史を、ケプラーのSF的宇宙探索物語、パスカルの無限空間への恐怖、ニュートンの普遍力学、カントのコペルニクス的転回、ラプラスの魔、パースの進化論的宇宙論といった魅力的なトピックとともに、コンパクトかつ深く辿る! ビッグバン宇宙論や多宇宙論など、物理学の最新成果を踏まえた、哲学の泰斗による「新しい自然哲学」構築の試み。 解説は、『なぜ宇宙は存在するのか』の野村泰紀氏(理論物理学/カリフォルニア大学バークレー校教授)。 [目次] ■講義 自然哲学の行方 第一講 コスモロジーの自立 (われわれの生きる宇宙/…新しい自然哲学の時代のとばぐち/…) 第二講 ケプラーの夢 (伝統的思考法からの独立/…世界初のサイエンス・フィクション/…) 第三講 無限宇宙の永遠の沈黙 (…沈黙する宇宙と人間の孤独/…パスカルの根源性と先駆性) 第四講 時空をめぐる論争 (ニュートン力学が切りひらいた問い/カントによる時空論の総合/…) 第五講 レヴォリューションーー回転か革命か (世界観の転換/…時空やカテゴリーは固定的か) 第六講 決定論の崩壊 (ラプラスの魔/…非決定論の方へ) 第七講 ビッグバンの方へ (「人類の偉大な一歩」/…哲学に役割は残されているか/…) ■補講 宇宙の時間、有限か無限か 補講一 有限説と無限説 (カントの「誤り」を超えて/…宇宙の歴史は無限か/…) 補講二 カントのアンチノミー (アンチノミーが暴くもの/…ゼノンのパラドクスから一九世紀の数学・論理学へ) 補講三 パースの宇宙論 (進化論的宇宙論ーーカオスからコスモスへ/…現実の「外」へと目を向ける方法) ■解説 新しい自然哲学は未解決問題に挑めるか 野村泰紀 ■人名索引 -
世界をこの目で
80ヶ国を駆け抜けた国際金融マン作家の地球丸呑みエッセイ集ー海の向こうはこんなに面白く、油断ならない ロンドン在住歴30年以上。訪れた国は80ヶ国。国際金融マン時代から小説家となった今も「真実」を追いかけ、かばん一つで世界を飛び回る。そんな著者が自分の旅を振り返り、「世界の見方」を伝授する。宿選びのポイントやトラブル回避の方法など一人旅の流儀から、肌で感じた世界情勢、作家業の舞台裏まで。どこからでも読み始められて役に立つエピソードが満載のエッセイ集。世界はこんなに面白く、複雑で、感動的だ!! 【目次】 はじめに、第1章 世界をこの目で、第2章 ロンドンで暮らす、第3章 作品の舞台裏、第4章 作家になるまで、なってみて、おわりに 【著者】 黒木亮 1957年、北海道生まれ。早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院(中東研究科)修士。都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、国際協調融資をめぐる攻防を描いた『トップ・レフト』で作家デビュー。主な作品に『巨大投資銀行』『メイク・バンカブル!』『地球行商人』など。早稲田大学時代は箱根駅伝に2度出場し、『冬の喝采』で自身の競技生活を描いた。1988年から英国ロンドン在住。 -
プロレス 至近距離の真実 レフェリーだけが知っている表と裏
あのベストセラー『流血の魔術 最強の演技』における「プロレス革命――エンターテインメント宣言」の原点はここにあった!!――新日本プロレルのレフェリーとして、アントニオ猪木らの試合を2万試合以上裁き、また外国人レスラー担当、マッチメイカー、審判部長を務めた男が、そこにいた人間のみが知るリング内外のプロレスの魅力を存分に語り尽くした!! ● 「教えてもらうことなんてないと思っていたけど、やっぱりミスターは知っていた!! この本こそ極上のSRS(スペシャルリングサイド)」である!!――(浅草キッド) -
ドキュメント 奇跡の子―トリソミーの子を授かった夫婦の決断―(新潮新書)
「生まれてすぐ命が果てるかもしれません」――夫婦が授かった子は18トリソミーだった。染色体に異常があるため、脳から肺・消化器まで全身に先天性疾患を抱える。2019年1月9日、希(まれ)ちゃん誕生。国内最高の医師とスタッフ総がかりでも次々に起こる緊急事態と生命の危機、そのたび迫られる決断……。だが夫婦は揺らがなかった。「できる限りのことをしてあげたい」。ある家族の軌跡と、予想もしなかった「未来」。 -
航西日記 パリ万国博見聞録 現代語訳
1867(慶応3)年、パリ万国博覧会が開催された。日本が初めて参加した国際博覧会であり、幕府は徳川慶喜の弟である昭武を公使として派遣した。使節団には幕臣となっていた渋沢栄一が随行。帰国後、渋沢は、外国奉行支配調役として同行した杉村譲(愛蔵)とともに、全6巻の詳細な渡欧記録をまとめ、1871年(明治4)に刊行した。 この記録には、フランスの繁栄を誇ったパリ万国博での見聞のほか、ナポレオン3世やイタリアのヴィットリオ・エマヌエレ2世、オランダ国王ウィレム3世ら欧州要人たちと徳川昭武の謁見、産業革命のただなかにあったイギリスの工業化や、政治・経済のシステムへの驚きなどが、生々しく描写されている。 従来、この日記は、渋沢の単著として扱われてきたが、近年の研究により、旅の前半を幕臣として同行し、後に明治政府の官僚となった杉村譲の日記と渋沢の日記から編纂・執筆されたものであることがわかってきた。こうした旧幕臣の体験と知識が、その後の近代化に大きく生かされたのである。 文庫化にあたっては、『世界ノンフィクション全集14』(筑摩書房、1962年)所収の大江志乃夫現代語訳を原本とし、「付録」として、一行の帰国の事情と帰国後の動向を記した、渋沢栄一談/小貫修一郎編著『渋沢栄一自叙伝』(渋沢翁頌徳会、1937年刊)の13章1節から4節までを収録した。 -
新宿特別区警察署 Lの捜査官
歌舞伎町、新宿二丁目、三丁目を管轄する「新宿特別区警察署」。その担当区域の地図上の形から、「新宿L署」と呼ばれている。その「L署」に本日着任の新井琴音警部は、小3の息子のインフルエンザで初出勤すら危ぶまれていた。夫の敦は警視庁本部捜査一課の刑事だが、琴音のほうが階級は上で、夫婦仲はぎくしゃくしている。大幅に遅刻しつつも琴音がなんとかL署に到着した途端、個性的な服装の女性部下・堂原六花巡査部長から管内で殺人事件が発生と聞く。歌舞伎町のホテルで全裸の中年女性の遺体が発見され、その女性の息子がノコギリを持ち逃走中というのだ。琴音は、レズビアンであることをカミングアウトしている六花から、L署が管轄するこの独特な界隈の歴史や情報を聞き、捜査に入る。その夜、二丁目のショーパブで六花に会った敦だが、上階のイベントスペースで無差別殺傷事件が発生。犯人はその場で自殺したが……。母であり妻であり警察署幹部である琴音と、レズビアンの異色捜査官として男性中心組織の中で闊歩する六花。 L署の他の面々と共に、事件解決に向けて奮闘する! -
貸し物屋お庸謎解き帖 髪結いの亭主
江戸の貸し物屋を舞台に娘店主が痛快謎捌き! 大人気! 読み心地満点の書き下ろし時代小説! 物のみならず知恵も貸すと評判の江戸のレンタルショップの娘店主のもとには、 今日も秘密と事情を抱えたお客たちが訪れて──。 「面白れぇ謎に行き当ったら、首を突っ込んでみたくなるんだよ」 ──江戸っ子の暮らしを支える貸し物屋・湊屋両国出店の主は、真っ直ぐな気性と人情と口の悪さで知られる江戸娘。 「無い物はない」うえに知恵も力も貸してくれると評判の店の暖簾を、今日も訳ありのお客がくぐる──。 借りた釣り竿を持たずに毎日釣りに出かける男の目的は? 大火鉢と夜具十組が運込まれた仕舞屋に集う者たちの正体は? お客が求める貸し物の陰に隠れた秘密を見抜いて収めるお庸の謎捌きが痛快な、大人気書き下ろし時代小説、待望の第四弾! <目次> 髪結いの亭主 割れた鼈甲櫛 六尺の釣り竿 火の用心さっしゃりやしょう 凶刃と大火鉢 -
「超」怖い話 辰
三体の文楽人形を妻とする男 旧家に伝わる一子相伝の儀式 竜神から預かった約束の皿 新築の家に隠された呪い面 闇を覗く愉悦! 令和の聞き書き怪談集 2024年の始まりに大増ページで贈る「超」怖い話、最新刊。 ・無人の山小屋で録音した自然音に混じっていた恐怖の声…「ヒーリング・ミュージック」 ・禁じられた川で遊んでいる最中、川面に映る少年の顔が突如老人に変化して…「川遊び」 ・7歳になる前に亡くなった初孫が死ぬ前に遺した不気味な言葉…「待望」 ・旧宅の屋根裏にあった陶磁の皿。竜神様からの預かり物だというが…「老人と川」 ・紋様が老人の顔に見える楕円の石。表情が変わると凶事が…「蒐集家」 ・動物が家の周りで死に、畳が腐る新築の家。床板を剝がすと土で作られたお面が…「瘴気」 ・竜の字が入った男と関わってはならぬ。警告のお告げを破ると…「関係」 ・商家の亡くなった三人娘を象った文楽人形。一家繁栄の守り神というが…「サタメ」 他、怒涛の恐怖全36話! -
婚約破棄で追放されて、幸せな日々を過ごす。 ……え? 私が世界に一人しか居ない水の聖女? あ、今更泣きつかれても、知りませんけど?
国の第三王子が趣味で組んだ冒険パーティに所属するマッパー兼食事係のアニエス。好きでもない王子から勝手に婚約者呼ばわりされていた彼女は水魔法しか使えないことを理由に、突然婚約破棄とパーティ追放を言い渡されてしまう。アニエスは、これ幸いと一人で冒険を始め、野営中にひょんなことから出会った巨大な妖狐(神獣)になつかれて一緒に自由気ままに旅することに。一方、アニエスの水魔法が実は特殊効果のある神水だったことを知らない王子のパーティは、一気に転落していって――!? ※電子版は単行本をもとに編集しています。 -
人間関係ってどういう関係?
「本当の友だちだと思ってたのに」「ただの知り合いです」「恋人と友人って何が違うの?」「親子はこうでなければならない」……身近な関係に悩むのはなぜ? 家族、恋人、友人――いちばんすぐそばにあり、実はいちばんつかみどころのない「身近な関係」。切り捨てることも、手放しに肯定することも難しいその関係は私たちをいつだって悩ませる……。人と人のつながりをいちから捉えなおすことで、息苦しさとさみしさの狭間に立ち位置を見つける本。 【目次】まえがき/序章 まえがき その二/第1章 身近な関係とはどんなものか/第2章 身近な関係はどんなものでないか/第3章 タテとヨコ/第4章 共同と相補/第5章 パターンをかけあわせる/第6章 身近な関係のウチとソト/第7章 あらためて、身近な関係は必要か/結びに代えて――人は変わる、関係も変わる/あとがき -
ウイルス学者さん、うちの国ヤバいので来てください。
地元の医者は逃げ、インフラは停まり、遺体が道に転がる中、僕はアフリカに派遣された――引継ぎゼロ、報酬1ドルもなんのその!ウイルスでパニックになった世界を救う感染症専門家のドキドキ・アウトブレイク奮闘記。 はじめに――ロックマンになれなくて 第1章 アフリカでエボラと闘う 第2章 〝中2病〟の医学生・研修医 第3章 全米デビュー 第4章 エボラとコロナの間 第5章 新型コロナ対策の中のひと おわりに――丸い世界を転がるように 医療資源の乏しいフィリピン、防護服や注射針を使いまわすアフリカ、コロナ対策で不夜城と化した霞が関を渡り歩いた感染症専門家の日常とは? 笑顔の裏に何かを隠し、ときには夜のBARまで味方にしつつ、型にはまらぬ方法でウイルスと闘う医師による、ヤバくて笑える仁義なき闘いの記録。 -
直径3cmの召喚陣<リミットリング>で「雑魚すら呼べない」と蔑まれた底辺召喚士が頂点に立つまで
幼い頃、人間界に墜ちたケダモノ「堕天使」に両親を殺されたランマは、仇討ちのため「射堕天」になることを目指す。 しかし、ランマが展開できる召喚陣は、直径がたったの3cm! こんなに小さくては何も召喚できない!? だがランマは、ついに秘策を見つけた! 3cmの召喚陣から召喚した最強の悪魔を相棒に「堕天使」討伐の旅に出る。 あの時、悪の手から自分を救ってくれた、憧れの「射堕天」の女性の隣に立てる日は、果たしてくるのか…。 -
日本人なら知っておきたい日本の伝統文化
現代の私たちは日本の伝統文化をあまりにも知らない。それは明治時代に西洋の知識や技術を取り入れるためにつくられた学校教育や近代の学問が、日本の文学や歴史を私たちの心から切り離して論じてきたからだ。伝統的な日本人の心のあり方や死生観はどのようなものだったのか。いま私たちが伝統的と思っているものの多くが、いかにして明治に入ってからつくりだされてきたのか。民俗学や宗教学、倫理学等の観点から近代以降に日本人が見誤り、見失ってきたものを掘り起こす。 -
レビー小体型認知症とは何か ――患者と医師が語りつくしてわかったこと
著者の樋口は、50歳で「若年性レビー小体型認知症」と診断されたが、41歳の時にうつ病と誤診されて治療で悪化した経験がある。この本では、この病気に精通する内門医師と、この病気の早期発見のポイント、幻視や睡眠障害への対応、薬についての知識や治療で気をつけること、アルツハイマー病との違い等、ケアする側や高齢化社会では誰もが知っておくべきことを徹底的に語る。「認知症になったら人生終わり」ではなく、希望がある病気であることを伝えたい。 -
暗獄怪談 或る男の死
恐怖の切れ味、劇薬級! 体験者の奇憶を生々しく掘り起こす怪想録 取材する怪談作家の身に降りかかるのは、奇妙な出来事ばかり。 巻き込まれているのか? 巻き込まれにいっているのか? 黒木あるじ大推薦の気鋭の書き手が書き綴る怪異の数々。 ・プールの監視員の仕事の先輩が急に辞めてしまった、水が怖いという彼女に起きた悲劇「浅瀬」 ・母親が亡くなった時に引き継いだ不思議な能力「母の教え」 ・学生時代の友人は祖母の遺品の中にあった封印された箱を見つけた──それを開封するときに立ち会うことになったのだが…。驚愕の顛末を描く「或る男の死」 など驚異の117話一挙収録! -
山海の怖い話
「山海」に纏わる厳選怪談集! 「人形の怖い話」に続くテーマ別アンソロジー 山にはいったい何が棲んでいるのか、海には何が潜んでいるのか。人が踏み入れてはいけない異界がそこにある──。 山と海に纏わる怪異を収録した、テーマ怪談集の決定版。 ・ベテラン登山者が山で出会ったのは…「道迷い」(鈴木 捧) ・釣りをしていて出会う怪異の数々「渓流怪談」(平谷美樹) ・沖縄でその日、海に入ってはいけない理由「ヨーカビーの海」(小原 猛) ・浜で遭遇した悲しい過去の記憶「ぼたもち」(春南 灯) ・後輩に見せられた奇妙な一枚の写真とは「呼び水」(若本衣織) ・漁師が漁場で見た驚愕の海の秘密「うみだま」(黒木あるじ) ――など書き下ろしと過去の最恐作品を選りすぐって全39話を収録。 -
日本ホラー小説大賞《短編賞》集成
1994年から2011年まで日本ホラー小説大賞に設けられていた《短編賞》部門。賞の30周年を記念し、集成として名作が復活! 玩具修理者は壊れた人形も、死んだ猫も直してくれる――。小林泰三の色褪せないデビュー作「玩具修理者」。「10年に1人の才能」と絶賛された沙藤一樹が描く、ゴミだらけの橋で見つかった1本のテープの物語「D-ブリッジ・テープ」など計5編を収録。《大賞》とは異なる魅力があふれた、究極のホラー短編集! <収録作品> 小林泰三「玩具修理者」 沙藤一樹「D‐ブリッジ・テープ」 朱川湊人「白い部屋で月の歌を」 森山東「お見世出し」 あせごのまん「余は如何にして服部ヒロシとなりしか」 ※本書は日本ホラー小説大賞の短編賞受賞作の中から5篇を収録したアンソロジーです。 -
三浦雄一郎の肉体と心 80歳でエベレストに登る7つの秘密
80歳でエベレストに登頂したプロスキーヤー三浦雄一郎氏――その肉体を同行医としてチェックした日本初の「国際山岳医」が明かす、体と心の7つの秘密! エベレストの6500メートル地点、キャンプ2まで同行したがゆえに見えた、人間の肉体の限界と、その可能性のすべて! ●80歳でも焼肉食べ放題 ●三浦雄一郎に学ぶ食べ方3ヵ条 ●ずっと頑張り続けないのが大事 ●最後に帳尻を合わせる生き方 ●メタボ体型でも筋肉がある秘密 ●「山は最高の病院である」 ●ED治療薬が生む効用とは ●運動と食事以外で大事なポイント ●三浦家の良好な家族関係のカギ ●老いるのは未知の自分に会うこと -
ハイランドの花嫁 偽りの令嬢は荒野で愛を抱く
15世紀末イングランド。伯爵令嬢でありながら庶子であり、姉が世間体の悪い死を遂げたために修道院に押し込められていたシャーロットは、ある日父に伯爵家の屋敷に呼び寄せられ、こう告げられる。「シャーロット。そなたに命じよう。エリザベスの代わりに嫁ぐのだ。スコットランドのハイランドへと」。スコットランドは当時、イングランドの敵国。そしてハイランドがどんなところか、シャーロットはまったく知らない。しかしシャーロットに背く術はなく、言われるままにエリザベスになりきるため、赤毛をブロンドに脱色し、着たこともないようなドレスに袖を通して結婚式に参列するのだが……。偽りから始まる、真実の愛。そしてシャーロットが見つけた幸せの形とは…?
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