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誰もが平等に迎え、一つずつ年を取るお誕生日。喜びに溢れ、生まれたことに感謝する楽しいお誕生会。大事な人たちに祝ってもらう特別な一日。でも、そんな理想の誕生日は、現実にあるの――? 昭和、平成、令和。現代を惑いながら生きる様々な世代の人々が、大切な誰かの、自らの、誕生日を迎えて新しい一歩を踏み出していく感動の連作短編集。
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Posted by ブクログ
短編集で読みやすく、それぞれの章で登場する人物が賞を跨いで繋がっている感じがホッコリします!! 登場人物それぞれが様々な葛藤を抱えながらも前向きに生きる姿に感銘を受けた。 また、「お誕生日」という1つの概念を経て、昭和・平成・令和の様々な価値観や考え方に触れることができた。 「お誕生日会=楽しいも...続きを読むの」「お誕生日会=不平等だし準備も大変だからやらない方がいいもの」と一言で示すことは難しい。 お誕生日会に限らず、イベントごとの良し悪しは時代や人それぞれの考え方や背景があるのだと感じた。
文庫化をずっと待ってた作品! お誕生会に関するお話。 だけれど、生命の物語でもあるなと感じた。 どの話も繋がっていないようで繋がっていて、 とても読みやすく一気読み! その中でも6章「あの日、この日から」のお話は 涙が出てきてしまった。 3.11に産まれた双子の男の子。年に一度の大切な日を心から...続きを読むお祝いしたい母。しかしその日は日本の震災の悲しみが根付いている。 私も同じ立場の母なら、その日だけは沢山楽しい事をさせてあげたいし、思い出に残るお誕生会をしてあげたいと思った。 古内一絵さんの作品は登場人物たちの心情が 柔らかく細かく書かれているので、 感情移入してついつい涙したり、 笑ったりしてしまう大好きな作家さんです。
語り手が交代しながら続いていく連作短編集。 それぞれの「誕生日」を通して、様々な世代の親と子が関係性や職場の人間関係、生き方をみつめなおしていく。 いわゆる「ジャケ買い」でしたが、思いがけず素敵な作品に出会えました。
「お誕生日」を軸にして繰り広げられる連作短編。 自分が主役になれるお誕生会は、ただ嬉しいだけじゃなく、時にほろ苦くせつない思い出もあるようです。 誕生日を迎えるということは、今まで気づかなかった新しい何かに出会うこと。 学校で、お誕生会が禁止になった小学生。 姪のお誕生会を企画する叔父。 夫のプレ...続きを読むゼントに納得できない妻など、7編とも心に沁みるものばかりでした。 物語の背景には、東日本大震災や新型コロナウィルスの流行も見られます。 学校や職場、家族など、身近にいる人たちと祝える大切な記念日は、どんなに時代がかわっても良いものでありたいです。
お誕生日会にまつわる、 ちょっと切なくてほろにがい短編集。 お誕生日のお祝いは、本当なら楽しいはずなのに、 いろんなしがらみが邪魔をして、 苦しく感じる時もある。 そんな時どっちを向いているべきなのか、 生き方にほんの少し、指針をくれるような話。
お誕生会なんて懐かしい!今の子たちもやるのね??こどもの頃は美味しいご馳走がたくさんあったりで、やるのも(母には感謝!)行くのもすごく楽しみなイベントのひとつで、今となっては“楽しかったな”というぼんやりした記憶しかない。自分が親になると、めちゃくちゃ気を遣ってしまうだろうし絶対やりたくないと思って...続きを読むしまう。全面的に中止とした学校を支持するだろうな。 7編とも主人公は異なるけど絶妙な角度から繋がっており、どれも面白かった。ラストのお話がひときわグッとくるのだが、図工教師が主人公の「万華鏡」と小学生の娘をもつ父の話「ベビードール」も好きだった。
なんだか、共感できない…と感じた前半。ひとりひとりそれぞれ、ちょっとダークな部分があって、けれど、それは他の人から見た私自身のことでもあるのでは?と、複雑な気持ちになりながら読み進める。 文乃先生が教えてくれた、昔は「数え」で、年が明けたらみんな一斉に歳をとる、だから端午の節句や七五三やひな祭りが...続きを読むあって、誕生日を祝う日本の童謡はないということ。 この話が最後にちゃんと繋がっていて、結局最後は涙。 誕生日への向き合い方、ちょっと変わります。
自分も子供の頃に友達を招いてやってたお誕生会を懐かしく思い出しながら読んだ。 やっぱり誕生日は特別な一日。先を恐れることなくただこのひとときを祝福しよう。短編だけどつながりもあって読みやすかった。
お誕生日会は自分が主役になれる時だと感じるのはひと昔前の事なのかもしれない。 親が張り切って子供の為にした事が、実は自分の叶えられなかった夢を押し付けであったりする。子供と親は全く別物なのに。 短編最後の自分の事を忘れてしまったかのように思えた母を介護する娘の話に涙した。
私が一番嬉しかったお誕生日会っていつだっただろう?と考えながらの読書だった。 読み進めながら、そんなに仲良くはない近所の子のお誕生日会に呼ばれて、どうふるまえばよいのか迷った小学生の自分を思い出した。自分のこどものお誕生日会は、お友達を招待するのもされるのもとても気を遣ったことも思い出した。お誕生...続きを読む日会って、自分が大好きな人に祝ってもらえたら、それだけで満足できるのに、なかなかそうはいかなかったように思う。兄弟の誕生日が近いから、まとめて祝うとか、会社で仕方なく誕生日ケーキを食べるとか、あるあるなことの当事者の気持ちを考えたのは、この本を読んで初めてかもと思った。 『サプライズパーティー』の湊。無責任に大きなことをぶちあげて、その反応を見るのが好きだったことが、相手を喜ばすためではなく自分のためだったと気づいた。サプライズがただの不意打ちだったことに、自分がされてはじめて気づけたこと、謝れたことは、潔かった。「人は自分が受けたダメージには敏感な割に、誰かに与えたダメージには案外無頓着だったりする。」ことは、心にとめておきたいと思った。 『ビジネスライク』 自分の推しごとのために、お仕事をする人たちが羨ましく感じた。地味なおでんの缶詰めのおいしさに気づいたり、地味だけど確実に役に立つものがあることに気づいたりできるような人を目指したい。好きなものがあることは、生きていくのが楽しくなる秘訣だなとも思った。「地味な誠実さには、失ってからでないと気づけない」ことも、心しておきたい。 他にも母と娘の関係のアレコレには、共感できるところ、理解できるところがたくさんあった。読後、私は親に自分を見てもらえているという実感があったお誕生日会が、一番嬉しかったのかもしれないなと思った。
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