百年の子

百年の子

1,782円 (税込)

8pt

昭和~令和へ壮大なスケールで描く人間賛歌。

人類の歴史は百万年。だが、子どもと女性の人権の歴史は、まだ百年に満たない。

舞台は、令和と昭和の、とある出版社。コロナ蔓延の社会で、世の中も閉塞感と暗いムードの中、意に沿わない異動でやる気をなくしている明日花(28歳)。そんな折、自分の会社文林館が出版する児童向けの学年誌100年の歴史を調べるうちに、今は認知症になっている祖母が、戦中、学年誌の編集に関わっていたことを知る。
世界に例を見ない学年別学年誌百年の歴史は、子ども文化史を映す鏡でもあった。
なぜ祖母は、これまでこのことを自分に話してくれなかったのか。その秘密を紐解くうちに、明日花は、子どもの人権、文化、心と真剣に対峙し格闘する、先人たちの姿を発見してゆくことになる。
子どもの人権を真剣に考える大人たちの軌跡を縦糸に、母親と子どもの絆を横糸に、物語は様々な思いを織り込んで、この先の未来への切なる願いを映し出す。
戦争、抗争、虐待……。繰り返される悪しき循環に風穴をあけるため、今、私たちになにができるのか。

いまの時代にこそ読むべき、壮大な人間賛歌です。

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  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    小学館
  • ページ数
    368ページ
  • 電子版発売日
    2023年08月04日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

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百年の子 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    巻末の参考資料に作者の本気を感じた。
    コロナ禍と戦時下の空気感が似ていると感じた人は数多い。
    学年誌や文芸の時代よりSNSを使えば、あっと言う間に思想をコントロール出来る。
    そして、書籍よりも痕跡を残さず消し去る事が容易。

    まず若い男性(親の力が弱い階層)の仕事を奪い、生活のために兵役しかない状態

    0
    2025年12月03日

    Posted by ブクログ

    連休初日。
    出掛ける予定が無くなり、運動不足になるぞ~と歩く。歩く時にはAudible。
    聴きながらはまる。令和コロナ禍、その閉塞した環境の中、主人公は仕事の異動。その感覚ですら没入。そして、この本積ん読だよな~と散歩から帰り探しだし、今度は紙の本に。
    読み始めたのは、昭和終戦前、辛い時期。
    お祖母

    0
    2025年10月12日

    Posted by ブクログ

    戦時中から令和の出版界が舞台。会社の百年史を作る過程で、全ての子どもが自分で学べるようにという理念のもと、立ち上げられた学年雑誌が、戦時中を生き延びるため、国策に迎合していく姿を知ることになる女性社員。
    文中で、子どもの人権や女性の人権が認められてまだ歴史が浅いことが指摘されている。
    未だに認めよう

    0
    2025年09月23日

    Posted by ブクログ

    舞台は“文林館”という出版社。令和三年春 新型コロナウイルスが猛威を振るっていた。
    入社五年の明日花に予期せぬ辞令が出た。「文林館創業百周年記念 学年誌創刊百年企画チーム」この“チーム”での広報活動が明日花の新しい任務だった。貧乏くじの“やらされ仕事”のように感じていた明日花だが ある時 終戦一年

    0
    2025年09月21日

    Posted by ブクログ

    タイトルが秀逸
    なぜこのタイトルなのか、最後にわかる。
    夫婦の関係、母子の関係、会社の同僚の関係、いろいろな問題が戦争を軸に展開されている。
    母親の代わりに自分を大切に育ててくれた祖母。その祖母と同じ出版社に入社した明日香。不本意な異動で仕事への意義を見出せなかったが、資料の中に祖母の名前を発見し、

    0
    2025年08月11日

    Posted by ブクログ

    これはすごい!
    最初は要領の良いデキ婚した同僚に都合よく利用されている主人公にイライラしましたが、読んでいくうちに時代の流れで仕方なかった出版社の事情だったり、貧しくて教育を受けられなかった人のその後の人生、今では考えられない働き方など、3世代の人間の目を通した壮大な群像劇に、あれ?これってもしかし

    0
    2025年07月12日

    Posted by ブクログ

    素晴らしい本だった

    今の自分が生かされているのは、両親、祖父母、そのずっと前からの血が繋がった人だけでなく、全ての人たちの歩みのおかげ

    時代は違っても、大人も子どもも、女性も1人の人である。
    一人ひとりに人生があり、意思があり、生きる意味がある。

    もっと祖父母の話をたくさん聞けばよかった。

    0
    2025年06月21日

    Posted by ブクログ

    令和3年春から始まる。
    そして昭和19年へと、場面が交互に入れ変わりながら進んで行く。
    令和3年は、新型コロナの感染拡大真っ最中だった
    主人公明日花は大手出版社、文林館入社5年目。

    学年誌で有名な文林館の今と、昭和19年頃、戦争まっただ中の学年誌出版の様子。

    同時に、明日花と母待子、祖母スエ。

    0
    2025年05月18日

    Posted by ブクログ

    古内一絵さん著「百年の子」
    著者の作品は今作品が初読み。

    読み応え抜群の作品、とても素晴らしい作品だった。

    まず、もうすぐ50歳となる自分には「小学○年生」という学年別学年誌には思い出がある。書店で母親に買ってもらった記憶も思い出され、付録で母親と一緒に遊んだ記憶、母親との忘れていた懐かしい記憶

    0
    2025年05月07日

    Posted by ブクログ

    自分の母、祖母が生きていた時代はこんなにも今と違っていたのかと、当たり前のことを久々に考えた。諦念が時代を作ってしまうということに少し慄いてる。

    0
    2025年05月05日

百年の子 の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    小学館
  • ページ数
    368ページ
  • 電子版発売日
    2023年08月04日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

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