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爽涙!スポーツ小説の大傑作、待望の文庫版を電子化!
芦原瑞穂(18歳)は地方競馬界にデビューした、数少ない女性騎手。敬愛する亡き父親への思慕から競馬界に身を投じた。だが、彼女の受け皿となったのは今にもつぶれそうな「藻屑の漂流先」と揶揄される寂れた弱小厩舎。そこにいる調教師、厩務員たちは皆それぞれが心に傷を抱え、人生をあきらめきったポンコツ集団だった。
弱小厩舎のため強い競走馬も持てず、さらなる嫌がらせを受け、困っていた矢先に出合った一頭の馬。虐待により心身共にボロボロだったこの馬も懸命な介護と歩み寄りにより、生まれ変わったかのような素晴らしい競走馬に変貌を遂げる。当初は廃業寸前だった厩舎も、瑞穂の真摯な努力と純粋な心、情熱から、徐々に皆の心は一つとなり、ついには夢のまた夢である狭き門、中央競馬の桜花賞を目指すまでになる。が、その行く手には様々な試練が待ち受ける。温かな絆でつながった彼らの運命は…?
偏見、セクハラ、虐待、裏切り、老い…。様々な理由から心に傷を抱え、人生をあきらめかけている人間達の起死回生ストーリー。人は何歳からでも成長できる、そして人生はやり直せる。すべての方々に読んでいただきたい、人生への応援歌となる1冊です。
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Posted by ブクログ
地方競馬場と女性ジョッキー、その所属厩舎の調教師、厩務員と競走馬たちの物語。
瑞穂が初めて手綱を持って一人で馬の背に乗ったときの、草原を駆ける表現が、とても美しかった。
馬と折り合いをつけるのがうまい瑞穂だけど、心に傷を負った魚目の馬、フィッシュアイズと初めて心がかよったシーンは、さすがにウルッときた。
馬同士の関係も興味深かった。ツバキオトメの毅然とした態度、安心して本来の姿を見せるフィッシュアイズ。
競馬は興行の側面が大きいとも感じるけれど、緑川厩舎のように、馬たちが大切にされているといいなと思う。
(なお、私の推しはツバキオトメ。と、口は悪いけれど、ゲンさんも。)
瑞穂への扱いは、同じ女性として腹立たしい部分もあったけれど、厳しい世界というのは、性別に関係なく事実なのだろう。
厩舎や調教の様子、馬主との関係、出走するレースが決まる様子など、競馬に興味はあったけれど、競馬界のことは知らなかったので、なるほど、興味深かった。
特にレース最中に騎手たちがしゃべっているのには驚いた。競馬中継観てると、馬が駆ける音はかなり大きいと思っていたけど、鞍上でそんなバトルが繰り広げられているとは。
競技としての競馬を観る、視点が増えておもしろかった。
藤田菜七子さんの特別寄稿も読み応えあり。
続編も、近々必ず読みたい。
Posted by ブクログ
これは良かった!
また素敵な作品に出会ってしまいました。
廃業寸前の厩舎と新人女性ジョッキー。
一癖も二癖もある厩舎の厩務員たち。主人公の瑞穂はどこに行ってもイロモノ扱いで「女」であることを揶揄される日々。
悔しい思いをしながらも腐らず努力を惜しまない瑞穂。そんな彼女が何かすごいことをしてくれるんじゃないかと期待をふくらませ、ずっと応援しながら読んでました。
人間以上に癖の強い魚目の馬を迎え、困難にぶち当たりながらも厩舎のみんなが一丸となって桜花賞を目指す!
追い込まれての奮闘や逆転劇、スポーツの熱い世界は大好き。そして個性の強い登場人物も好き。
レース後は爽やかな感動に包まれました!!
もっともっと読んでいたかったなぁ。
競馬のことを知らなくても楽しめる作品だと思います。
『自分の決定に百パーセントの自信を持てる人間なんて、この世にいない。それでも人は生きていく限り、色々なことを見極め、後戻りのできない道を選んでいかなくてはならない。
それはレースのときとまったく同じだ。
何度も何度も自分の位置を確かめて、次の自分をどうしていきたいのかを考えて。その先に見える景色を信じて、思いきって舵を取る。』
Posted by ブクログ
古内一絵さんの「風の向こうへ駆け抜けろ」は、地方競馬教養センターで2年間の訓練を終え、騎手免許試験に合格した18歳の女性騎手が地方競馬でデビューし、弱小厩舎で数々の試練に立ち向かいながら中央競馬を目指す物語です。女性騎手への偏見や厩舎経営の厳しさ、馬との信頼関係など、競馬の華やかな舞台の裏側も丁寧に描かれていました。
2026年5月24日、東京競馬場、芝2400mで行われた3歳牝馬の頂点を決めるクラシック競走「優駿牝馬(オークス)」では、今村聖菜騎手が騎乗するジュウリョクピエロが、並み居る強豪を後方から一気に差し切って優勝しました。今村聖菜騎手は日本人女性騎手として初めて中央競馬(JRA)のGⅠ制覇を果たしましたが、それほど女性騎手がGⅠを勝つことは難しいと考えられてきました。
私もこのレースではジュウリョクピエロを本命にも対抗にもしておらず、馬券は外れてしまいました。振り返れば、無意識のうちに「女性騎手ではGⅠは勝てない」という先入観を持っていたのかもしれません。しかし、今村騎手の堂々たる勝ちっぷりには心から感動しました。今後も重賞戦線でのさらなる活躍を期待しています。
「風の向こうへ駆け抜けろ」の初版は2014年。12年前に書かれた作品ですが、女性騎手が夢を追い続ける姿を描いたこの物語は、今村聖菜騎手の歴史的快挙によって、より現実味と説得力を持ったように感じました。古内一絵さんもこの快挙をきっと喜んでいるのではないでしょうか。
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小説・文芸
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