痛みの道標

痛みの道標

小説・文芸
1,320円 (税込)

6pt

戦後70年、命の重さを問う渾身の人間賛歌。

ブラック企業に追い詰められ多額の借金を背負った達希(27歳)は発作的に飛び降り自殺を図り、15年前に死んだ祖父の霊に助けられる。祖父は生前心残りの「人探し」を一緒にすることを条件に隠し財産で借金の肩代わりを提案。そこから祖父の霊とのボルネオへの旅が始まる。
そこで出会ったのは、個性豊かな人々と悲惨な戦争の記憶。将校でも戦闘機乗りでもない大多数を占めた一般兵士の彼らの戦死とは、飢えや伝染病で命を落とす悲惨なものだった。
やがて一行は赤道の街に到着。そこには、この旅に祖父が託した本当の目的が隠されていた。今まで決して口にすることのなかった、「知られざる謀略事件」とは・・・・。そして、そこに隠された、祖父の過去にまつわる真実とは・・・・・。

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痛みの道標 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    戦後70年と言うこの年に出版する意義のある作品だと思います。私の大好きなよみがえりを題材にした作品とのことで、わくわくしながら読みました。多額の借金をした達希が自殺するそこへ死んだはずの祖父が助けるなんていい設定ではないですか、それも生前心残りの人探しをいっしょにするなんて!戦時中兵士のために農作物を作る任務があったことを初めて知りました。ああ会えて良かった。意識を取り戻して良かった。ラストは感動の嵐です。自殺した主人公達希が最後死んでしまうかとドキドキものでした。生きてて良かった。

    0
    2025年10月03日

    Posted by ブクログ

    古内さんの本ということで、あらすじも知らずに買った本でしたが、思っていた方向とだいぶ異なる出だしに戸惑いました。それでも読み進めるうちに話に引き込まれ、一気に読みました。重みを伴った、でも古内さんらしい小説らしい小説でした。

    0
    2023年01月03日

    Posted by ブクログ

    古内さんがこんな小説を書くなんて。
    第二次世界大戦中のボルネオ島の話なので、びっくり。
    いい年になった自分が何も知らなかったのが
    恥ずかしいです。

    0
    2019年03月14日

    Posted by ブクログ

    ブラック企業での仕事に疲れ、ビルから飛び降りた達希を救ったのは15年前に亡くなった祖父勉の幽霊だった。
    祖父に頼まれ人探しをすることになった達希が向かったのは第二次世界大戦の戦地ボルネオ島。そこで知る悲劇と祖父勉の過去。

    まだまだ知らない戦争の悲劇は沢山あるのだと思い知らされました。
    知らないことばかりで、途中何度も検索しながら進める読書となりましたが、出会って良かった。

    現代とその時代をつなぐための設定がうまいなと思います。
    違和感なく読み進めることが出来ました。

    二度と繰り返してはいけない悲劇。
    多くの人が知り、読み継がれる必要のある本だと思います。
    素晴らしい本でした。

    0
    2017年08月20日

    Posted by ブクログ

    マカン・マランからのこの作品は度肝を抜かれる。
    単に「不幸な」ということではない。事実である過去と、事実である現在。
    もちろん、戦争の前では、わたしたちが何を語ろうとどうにもなることはないのだけれど、ただ、いつの時代もやるせない逃げ場のないことは起きるのだ。
    この著者は、ただただすごい。そしてただすごいだけではない。

    0
    2016年02月14日

    Posted by ブクログ

    不思議なお話でした
    リアルな話がちょっと変わる
    リアルで辛いところもあって・・・
    どう消化しようかと思っている

    0
    2025年03月28日

    Posted by ブクログ

    ブラック企業での挫折から命を絶とうとしていた達希を救ったのは、亡くなった祖父だった
    祖父の戦争体験、いないはずの祖父が見える自分とボルネオで出会った雪音
    戦時中を生き抜いた人たちから命が繋がっていることを改めて感じるよい本だった

    マカンラマンとは全く違う作風なんだけど、真一郎は出てきそうな気がした

    0
    2025年02月05日

    Posted by ブクログ

     会社に追い詰められ、多額の借金を背負い、騙されて会社の不正経理の責任を押しつけられそうになり、自殺するところを祖父・勉の幽霊に救われた達希。その祖父が頼みを聞いてくれたら、祖父の隠し口座のありかを教えてやると言う。
     祖父の頼みとは、人探しをすること。ボルネオ島サマリンダにいるであろう石野紀代子という女性を探し出すこと。
     そして、達希と祖父の幽霊との旅が始まる。

     その旅と並行して、戦時中に祖父がボルネオ島で従軍した時の出来事が描写される。それは本当に悲惨なもの。
     上司の命令に納得がいかなくても、部下は従わざるを得ない事が多々ある。特に戦時中、軍隊ともなれば上司の命令は絶対だっただろう。
     自分の意に反して、自分が取った行動の結果に達希は、戦後もその責任を感じる。生きているときは何もできないままでいた。やり残したことがある。だから、どうしても石野紀代子に伝えたいこと、渡さねばならないものがある。

     そんな祖父の思い、達希の思いに、ラストは涙が止まらなかった。

    「自分の命は、己だけのものではない。
    ・・・・・・
    今ここに生きている自分は、脈々と受け継がれてきた人々の命の先端だ。眼の前の世界を切り開き、未だ見えぬゴールに胸の襷を運ぶことを、簡単に諦めていいはずがない。」

     達希が言うように、自分の命は自分のものだけではない。その命は受け継がれてきたものであり、次へとつないでいくもの。だから、自分で勝手にけりを付けるのはよくないし、ましてや誰かが力尽くで奪ってはいけない。

     そんな世の中にいつかなるのだろうか。誰の命もが、同じく大切にされる世の中が。たどり着けないように思えるかもしれないけれど、諦めていいはずがない。
     
    「けれど、土砂降りの雨や暴風の後に、こんなに美しい現象をもたらすのが自然の摂理なら、自分は今、それを学ぶことを試されているのかもしれない。」

     何を学んでいるのか、学ぶのか。私たちは問われているのだと改めて思った。
     
     いいお話だった。読んでよかった。

    0
    2024年11月03日

    Posted by ブクログ

    ブラックな会社で追い詰められて、自殺を図った達希は、祖父の幽霊に救われて、祖父が戦時中従軍したボルネオに人探しに行く。戦時下その地で何があったのか、時に沿って丁寧に描かれます。温かな交流をしていた現地の人々に対して、部隊の上層部の身勝手な方針に変更により暴力で向かうなど読むのが辛くなる展開。占領した地で何があったのか、あまり知らされていないけど実際にあったこと。
    2章からは良かったんだけど、1章が現実離れした展開で辟易してしまったのが残念。

    0
    2024年10月27日

    Posted by ブクログ

    初めての作家さん。「マカン・マラン」シリーズでお名前を知ったのだが、本作は、戦争に真正面から向き合った力作。読後に読んだ作品紹介によると、取材と執筆に多大な時間と労力が注がれたとのこと。作品からは、その作者の真摯な想いがよく伝わってきた。
    私も、あの戦争をくぐり抜けた祖母や父の話を聞いておけば良かった、聞いておくべきだったと、読み終わって最初にそう思った。永遠に失われてしまった記憶。次代へつなぐことができなかった記憶。とても惜しまれる。

    0
    2024年09月28日

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