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戦後70年、命の重さを問う渾身の人間賛歌。
ブラック企業に追い詰められ多額の借金を背負った達希(27歳)は発作的に飛び降り自殺を図り、15年前に死んだ祖父の霊に助けられる。祖父は生前心残りの「人探し」を一緒にすることを条件に隠し財産で借金の肩代わりを提案。そこから祖父の霊とのボルネオへの旅が始まる。
そこで出会ったのは、個性豊かな人々と悲惨な戦争の記憶。将校でも戦闘機乗りでもない大多数を占めた一般兵士の彼らの戦死とは、飢えや伝染病で命を落とす悲惨なものだった。
やがて一行は赤道の街に到着。そこには、この旅に祖父が託した本当の目的が隠されていた。今まで決して口にすることのなかった、「知られざる謀略事件」とは・・・・。そして、そこに隠された、祖父の過去にまつわる真実とは・・・・・。
Posted by ブクログ 2017年08月20日
ブラック企業での仕事に疲れ、ビルから飛び降りた達希を救ったのは15年前に亡くなった祖父勉の幽霊だった。
祖父に頼まれ人探しをすることになった達希が向かったのは第二次世界大戦の戦地ボルネオ島。そこで知る悲劇と祖父勉の過去。
まだまだ知らない戦争の悲劇は沢山あるのだと思い知らされました。
知らないこと...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年02月14日
マカン・マランからのこの作品は度肝を抜かれる。
単に「不幸な」ということではない。事実である過去と、事実である現在。
もちろん、戦争の前では、わたしたちが何を語ろうとどうにもなることはないのだけれど、ただ、いつの時代もやるせない逃げ場のないことは起きるのだ。
この著者は、ただただすごい。そしてただす...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月17日
プロローグ、読み直してその意味がわかった。
読み始めて、何故と思う世界に連れて行かれた。
プロローグのことは忘れていたので。
この作家はすごい。
読者を思いもしない世界に連れていってくれる。
また、ここまでこの時代について書けるとは。
最後まで読んで、痛みのことがわかったが、道標については。
まだま...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年10月17日
祖父が経験した戦争を通して、とんでもない状況に耐えられず命を断とうとした孫が、もう一度立ち直るまでのお話。
霊が見えたり、ファンタジーっぽさは否めませんが、
不思議とスッと入ってきます。
戦争についての描写(特に心理描写)が詳しくて、痛いほど良くわかるからかもしれません。
自分の命は己だけの...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年10月14日
大好きな本のひとつになりました。
不思議な物語の始まりから
太平洋戦争での 東南アジアでの様子
現地での様子
ついつい 涙してしまいました。
といいつつ 感動はするけど 何も行動できない自分がだらしないと思いつつ 現状維持で進んでしまってます。
ただ 管理する側で無く 実務を淡々とこなす現場を大事に...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年02月28日
素晴らしい一冊でした。目に見えない者を持ってくるのに賛否はあるのかもしれませんが、私はとても深く感じるものがありました。戦争は誰をも幸せにはしない。その戦争は現代を生きる人達の心にもあるんだと。壮絶、凄惨…経験に差はあるだろうけど心に残る傷はその時その時残る重さとして変わらない。昔の人が偉いとか、今...続きを読む
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