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地球が温暖化しているのは事実だが、果たしてそれは「人間の活動」が原因なのか。そもそも温暖化は「悪いこと」なのか。悪いことだとして、それを止めるための手段は本当に脱炭素化が最適解なのか。科学的データは、そうした問いにいずれも「イエス」の答えを返さない。いま必要なのは、温暖化問題をイデオロギーから解放し、「適応策」を積み重ねていくことである。硬直的な脱炭素化推進に一石を投じる論争の書。
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Posted by ブクログ
はじめに 序章 地球は「気候危機」なのか 第1章 人間は地球に住めなくなるのか 第2章「グリーン成長」は幻想である 第3章 環境社会主義の脅威 第4章 電気自動車は「革命」か 第5章 再生可能エネルギーは主役になれない 第6章 電力自由化の失敗 第7章 原子力は最強の脱炭素エネルギー 第8章 脱...続きを読む炭素化の費用対効果 終章 環境社会主義の終わり 典拠一覧
雰囲気だけの脱炭素化の警鐘 脱炭素がいかにいい加減に進んでいるかよくわかる。脱炭素のためのコストと得られる便益を考えると割に合わない。言葉だけ一人歩きしている面があり、雰囲気で流されている人が多いのでは。
地球温暖化について冒頭では真っ向から否定している(都市化のヒートアイランド現象によるものだとしている)のにもかかわらず、後半からいきなり地球温暖化が進んでいるという前提のもと解決策等を提示していた。これはつまり地球温暖化を少なからず否定はしていないということになるので、主張の一貫性が不安定な気がした...続きを読む。結局筆者はどちらの立場なのかがよくわからなかった。 筆者は終始さんざん地球温暖化の影響はほぼないと言い続けているが、結果今年2025年は野菜や果物等が暑さによって収穫不足になり、現にスーパーでも高いなと思うことがこの頃よくある。 個々のテーマにおける論は妥当で私も参考にはなった。ただ、p28にあるようにニューヨーク大学教授スティーブンクーニン氏がいうように、気候変動原因も影響もまだ正確にはわからないという主張に私はよっているかなと思う。
脱炭素は心に響くものがあるけれど、実際には極めて政治的な要因で動いているのだなぁと思った。本書で挙げられている各事例を見ると少なくとも経済性からの選択ではなく、自国や自分への利益誘導であったり、社会主義の復権など理念の実現であったり、背後の思惑が複雑。 やはり、社会的な問題を考察する上で科学や経済性...続きを読むといった単純な視点だけではやっていけないなとしみじみ思う。そして、こういった論点を政治問題化させて自らの利益に誘導するEUの手腕は、一度深く勉強してみたいと思った。
温暖化を疑うのではなく、温暖化対策の費用対効果を考えるべき。問題のほとんどは途上国に発生する。その対策煮資金を出した方がいいのではないか。 都市の暑さの原因は温暖化ではなく、ヒートアイランド現象。温暖化の被害は都市に集中している。 地球の気温は、遙か以前から20度以上も変動している。 大気中のCO...続きを読む2濃度は0.04%、水蒸気は2%、温室効果は水蒸気が48%、CO2は24%。 メタンガスの温室効果はCO2の28倍。 北海道の米は美味しくなった。3度上昇までは日本の農産物の収量は増える。 温暖化で先進国の超過死亡率は減る可能性が高い。 熱帯では気候難民が増える。その結果都市に移住する=都市のインフラを整備すればいい。 カーボンZEROでは儲からない=投資収益は上がらない。技術を売る企業は儲かるだけ。 水素のコストが化石燃料を下回る見込みはない。太陽光の電気で電気分解するから、電気より安くならない。 ESG投資はモラルハザード=ファンドマネージャーは他人の金で名誉を買う。企業イメージがあがるだけ。 個別には儲かる企業と衰退する企業は出る。脱炭素化と経済成長はトレードオフ。 現実的な適応は、洪水は干ばつの多い地域の気候難民が都市に移動したときに、それを受け入れる手段を講じること。 炭素会計の粉飾決算=産油国からアンモニアを買って発電する。排出枠を買うのと同じ。アンモニアの発電効率はLNGの半分くらい。 脱成長では解決しない=共同体NAMの失敗=資本主義の生産力には対抗できなかった。 ドイツの緑の党は、ソ連のトロイの木馬だった。 省エネの流行=コスト削減になるので、省エネ技術は海外に売れた。 脱炭素化は公害問題と同じ。公共しか買わない。 洪水は堤防で大部分が防げるとIPCCも認めている。 気候変動による災害は熱帯に集中している。 温帯では海面上昇は毎年1センチ程度、防災対策。 温暖化より、水問題、医療問題、食糧問題が先=豊かさが必要。 グレタは、先進国の金持ちの自己満足。 ガソリンエンジンの熱効率は40%、モーターは90%。発電を大規模な工場で行い、発電と駆動を分離するEVのほうが合理的。しかしすぐには普及しない。電池の材料が希少金属なので、高い。製造段階でエネルギーを消費する。 ライフサイクル全体では、10万キロまではHVがCO2排出量は少ない。 EUの2035年内燃機関禁止はヨーロッパの製造業を守ろうとする動きだった。 合成燃料ならいいことになった=CO2と水素を合成する液体燃料。炭素中立だがコストは高い。今のところ実用にはならない。 本質的な問題は、所有から利用への変化。ライドシェアが普及すれば、自動車産業から雇用が喪失する。 EVのネットワーク外部性が働くティッピングポイントは遙かに遠い。 土地が少ない日本で再エネは主役にはなれない。風力は送電網にお金がかかる。 技術の初期はラーニングカーブで運用費用がさがるが、一定規模以上になると本質的ではないコストがかかるようになる=ネガティブラーニング。 公害防止費用、水力の立地コスト、原子力の安全性など。 太陽光や風力は規模が小さいときは、送電網にただ乗りしてFITで安定的に買い上げて貰ったが、規模が大きくなるとそうはいかない。 どんな技術でも100%にはできないもの。 電力を100%再エネ化しても、鉄鋼やセメントはそうはいかない。高炉はグリーン水素で代替、電炉は再エネ電力で。その場合コストは倍以上になるが、出来上がるものは同じ。 バイオマスは再植林が行われなければ再エネとはいえない。輸入のペレットは化石燃料と同じ。 イギリスの電力自由化では電気料金は下がらなかった。通信の自由化とは違う。電気には、同時同量の制約がある。安定供給するコストが上がる。 送電業者は供給責任を負わないので単なる転売屋だった。 通信は成功だったが、電力は失敗。通信が成功したのは半導体の進化による。 電力の自由化で電気料金が上がった。 石炭火力を減らすには原子力しか無い。ウランの最大産出国はカザフスタン、埋蔵量はオーストラリア。 再処理をやめると、核燃料はゴミとなる=資産価値を減損処理する必要が出る。 原子力産業に未来はない=技術者がいなくなる。大学の原子力工学科がなくなる。 排出権取引は仕組みが複雑。 炭素税は企業の反対が多い。国際競争で不利になる。 最適な気温上昇は2.6度。限界削減費用=炭素価格になるような削減量が最適。ゼロではない。 北半球では凍死が減り収量が増える。 途上国のインフラ整備を先進国が負担する方がいい。 気候変動問題はEUの意識が高い金持ちのお遊び。ウクライナ戦争でそんなことは言っていられなくなった。
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脱炭素化は地球を救うか(新潮新書)
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池田信夫
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