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日本人の海外「流出」が注目を集めている。ワーキングホリデーの若者、子育て世代、富裕層、技術者や研究者、リタイア世代。日本をなぜ離れるのか。海外移住にはどんなリスクがあるのか。移住研究の第一人者が、当事者へのインタビューやデータをもとに実態に迫る。自由な環境で実力を発揮する人々から、悪徳業者に騙される若者、帰国したくてもできない離婚者まで、海外で暮らす人々の明暗と日本への影響。
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Posted by ブクログ
円安をきっかけに海外移住する人が増えているとの報道が相次いでいる。日本人の海外移住を長年研究してきた著者は「ことはそう単純ではない」と指摘する。子どもの教育や自身のキャリア、富裕層の租税逃れなど様々な理由で海外移住を検討するからだ。 人口減に直面する日本は移住を食い止めるべきなのか。著者は海外移住の...続きを読む経験者は貴重な人材だと唱える。海外では二重国籍を認める国も増えているが、日本は認めていない。帰国したい日本人、日本好きな外国人を受け入れ社会の活力を高めるべきだとと説く。 海外移住の歴史、各国の政策、ワーキングホリデーの実態など網羅的に紹介されていて勉強になった。
海外移住に憧れがあるから、実態知ろうと手に取った。2024年3月発売の最新データだけど、メディアに報じられるようなキラキラして高時給で寿司握る‥みたいなのはごく一部で、現実は結構厳しそう。 各国が富裕層の上位層の選別と移住歓迎、一般層の受け入れは絞り込みを進めているそうで、、 どんどん狭き門になって...続きを読むいる模様。 現地の給与水準より日本人の給与水準が低いって、、ガーン。。リタイア移住もなかなか厳しそう。日本も悪くないかもね。 もう長期生活じゃなくて世界長期旅行でいいかなぁ??
日本人の海外移住への関心の高まりに着目、その実態や要因を分析、リスクにも目を向け、この事象が内包する日本社会の課題に対処する視座を提供する狙いで書かれた本。 昨今の日本人を含む先進国からの移民は、より良いライフスタイルを目指すものが多いという。 その形態は、留学やワーキングホリデー、退職移住、大震災...続きを読むを受けて災害リスクからの逃避、資産保持を目指すシン富裕層、ジェンダー要因からの女性の移住、デジタルノマド(遊牧民)、キャリアアップを目指すITエンジニア、環境の良さを求める研究者、自己実現を目指す経営者や起業家、英語圏や異文化に触れるグローバルコンピテンシーを求める教育移住等様々。 海外移住を論じる上での基本となるのが、「プッシュ要因」と「プル要因」。 日本の市場が少子高齢化で縮小していること、災害や原発事故のリスクはプッシュ要因、将来的な市場の成長と自分の事業拡大が見込まれることや多文化環境、税制面のメリットなどは日本人を呼び込むプル要因だ。 これらの要因がある限り、今後も日本人の海外移住は続くだろうが、一方で移住に伴い直面する壁やリスクが多いのも事実。低賃金労働で働かされるワーキングホリデー、永住権取得前後に生じるトラブル、医療水準や治安面の問題、アジア系住民差別、年金制度上のデメリットなど日本に比して他国で暮らす不安定要素が多々ある。 要は日本社会に存在する様々なプッシュ要因を少しずつ取り除く努力をして「より住み続けたい日本」を作ることである。 最後に示されているディアスポラ(海外にいる自国民とその家族や子孫)の流動性を高め帰国しやすくして、彼らの知識やスキルを母国の社会・経済に生かす戦略やグローバルな交流人口、関係人口である「アフィニティ・ディアスポラ」との連携強化で社会変革を目指す視点は興味深かった。
なぜ日本人が流出するのか、いま人気のワーキングホリデーをはじめ、海外移住などのメリットとともに、いい面ばかりではないこともしっかりと書かれていてわかりやすかった。
日本人がどんどん出ていってしまうのはきっともう止められなくて、海外で成長した、色々経験した素晴らしい人材をどうやって日本に戻ってきてもらうかを考えることが長期的に見て大事だなと。本書で取り上げられた日本の弱点、割と変えやすいところもありそうだし。 ここまでグローバル社会になってしまったのだから国籍問...続きを読むわず色んな人に出入りしてもらうことが必要になってくると思うけど、その反面祖国への愛着も薄めさせては行けないとぼんやり感じた。 取り敢えず性的マイノリティを追い出す国であっては行けないでしょ、。。
海外生活のプラスとマイナス面についてよく理解する事ができた。 海外で生活する人が増えていることは日本にとって良くないことだと思っていたが、読み終えた後実際には海外で生活経験がある方にこそ今後の日本の発展の希望になるのだなと思えた。
日本が香港化しているんだな。安全のために逃げ出せる人は逃げ出す。気がつかないやつとそれでも動けないやつが残る。女には住みにくい国だもの。
前読んだ体験談メインのルポ新書より、もう少しデータや歴史寄り。日本からの移住の歴史を概観する導入のところで、そうだよな、昔は政府が促進してたんだよな…と。今、日本が相対的に貧しく(魅力が少なく)なってきたという理由での移住者がじわりと増えていることに、一抹の寂しさを感じるけど、長い目で見ればそんな時...続きを読む代はいくらでもあったわけで。 で、これはタイトルの通り影の部分も扱っており、わりと公平であろうというスタンスが見受けられた。 オーストラリアがメイン。 日本はどこまで沈むのか、自分はもう仕方ないけど子どもは日本以外でも生きていけるようにしておかないといけないのかどうなのか(日本が住めなくなるって未来は悲しいけれど)、親として悩みは尽きない。
海外に流出している日本人、 実際どれだけの人数化は把握できていないのが実情らしい。定量・定性データを組み合わせ、議論が深められています。 そして、日本を生きやすい国にするには、という重大な投げかけがあり、この課題を考えるうえでもとても興味深い分析、視点だなーと思いました。 ・・・ 分かっている...続きを読む数値だけ見ると、かなり波がある。 例えば、2022年ー16000人、2021年ー 7000人、2008年ー110000人… 金融危機の時期がかなり数値が上がっている? 2015年の富裕層税制改正がひとつ挙げられていました。 富裕層にとって日本にいることが損になるので、この2015年前に海外に移住する、という対策を取られた方が多かったとか。 ワーホリの7割が女性、海外永住の6割が女性、というように、 男女比で不均一なのですね。 地方からの女性の流出の背景と重なりそうですね。 日本での生きづらさ、働きづらさについてもあとに触れられていましたが、東京への一極集中をなくすには、地方に戻るのではなく、海外に散る、という手があるのかもしれませんね。 ・・・ 日本を出る個々人の動機についても共有されていました。 自己実現、生きやすさの模索、リスク回避、経済性。 海外在留邦人数調査統計によると、2023年10月1日現在で永住者は約574,727人と過去最高だそうですが、 実際、みんなが報告しているわけでもなく、l永住権を手放した人については分からないし、 なかなか状況を把握するのは難しい事象だなと思いました。 2024年からは日本もデジタルノマドビザが開始されたなど、 海外に在住する目的によって、滞在形態も異なってくるようにも感じるので、 日本の生きづらさ、と流出の関係を調べる、 租税回避、崩改正との関係を調べる、 などと、一つ一つ見ていくと面白いのかもしれません。 (既に分析されているのかもしれません。) 経済市場はグローバル化しているように思うので、 勤務地もグローバル化するのは自然な流れもありそうですが、実際は…? そして海外と比較して、日本は国民にとって住み続けたい国であるのか、という国際比較はできるのかな。 日本を生きやすい国にするには、という重大な投げかけが根本にあり、議論の深みを感じます。
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流出する日本人―海外移住の光と影
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