作品一覧 2024/01/11更新 人生はゲームなのだろうか? ――〈答えのなさそうな問題〉に答える哲学 試し読み フォロー 日本語からの哲学 試し読み フォロー 人間関係ってどういう関係? 試し読み フォロー 1~3件目 / 3件<<<1・・・・・・・・・>>> 平尾昌宏の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 人生はゲームなのだろうか? ――〈答えのなさそうな問題〉に答える哲学 平尾昌宏 明晰かつ判明に人生はゲームなのかについて哲学している本。 独特な語り口のおかげなのか内容が頭に入ってきやすい。 以下、印象に残った部分をまとめる。 ・対話は討論とは違う。意見をぶつけ合わせ勝敗を決めるのが討論、対話は意見を言い合い、案をより良いものにしていくこと。 ・人生の中で自分が得意なゲームを...続きを読む見つける。無理に自分のしたくないゲーム、苦手なゲームに参加する必要はない。 Posted by ブクログ 人生はゲームなのだろうか? ――〈答えのなさそうな問題〉に答える哲学 平尾昌宏 本書はまさにタイトルのとおり、「人生はゲームなのだろうか」という問いに答えていく作品である。 問いに対して前提を立てて整理したり、問いの要素を別の要素に変えた時に新たにわかることをきっかけに見解が深まっていく様子が読んでいて非常に楽しいし、議論の過程でなんとなく感じるモヤモヤが言語化されていくのは...続きを読む快感だった。 また、案外意見の影に隠れた前提が潜んでいるということも改めて学ぶことができた。 タイムリーなことに私は直前にちきりんさんの「自分の意見で生きていこう」を読んでいた。 それと絡めると本書では根拠や理由のない意見には意味がないともっともな指摘がされており、より強固な意見にするための思考方法を本書では追体験できる。 自分が大学の教養で哲学を学んだ時は、XXXはこういう考えを提唱したといった知識を伝達する形式だったこともあり、本書のような考える機会を授業で受けられるのは学生が素直に羨ましいと思った。 参考文献も充実しているので、それらにも手をつけていきたい。 Posted by ブクログ 人生はゲームなのだろうか? ――〈答えのなさそうな問題〉に答える哲学 平尾昌宏 立命館大学などで教える思想史・倫理学研究者の平尾昌弘による口語体の新書。著者の専門はスピノザやシェリングや贈与論とのことだが、『なぜ論文を〈です・ます〉で書いてはならないのか : 日本語からの哲学』といった論文や、本書『人生はゲームなのだろうか?』のような身の回りの疑問に答えるような著作も多く持って...続きを読むいるようだ。本書の内容は、「人生はゲームか」という問いに対し、哲学的に答えを出していく道筋を読者にデモンストレーションするものである。つまり、①ゲームとは何かの定義付け、②人生はゲームの定義に当てはまるかの検討、③様々な反論に答えながら定義を修正、④前段のステップを踏むことで本論とは関係ないところで見えてくる含蓄の確認、というような構成となっている。この本を読むことで、今後自分で「哲学する」という感覚を少しでも掴めるようになると思う。また(特にコンピューターゲームや最近のインターネットミームなどに馴染み深い人は)、直観的に哲学の面白さを感じることができると思う。また、哲学は当たり前と思われている何かが何かである理由や条件をはっきりさせることで、より明確に議論をしたりこれまで気づかなかったことに気づくようにしたりできる、ということの意義を理解できると思う。 本書の秀逸な点は、哲学の論証を簡単に説明し、やってみせ、やらせてみて、想定される間違いを指摘し、そして一連の流れを通して哲学論証の意義を体感させている点である。 なお本書では、事実の問題と実践の問題(descriptive vs normative?) の区別などの議論を明確に整理する上で必要な考え方を紹介していたり、ルールの区別(自然の制約、手続きで定めるルール、理由ある道徳、デファクトスタンダードとしての常識)など、ほかの研究をする際に広がりを持つ議論の一端を示していたりするので、簡単に読める本であるが、同時に読者の今後にむけて広がりが大きい本でもある。 Posted by ブクログ 人生はゲームなのだろうか? ――〈答えのなさそうな問題〉に答える哲学 平尾昌宏 哲学とはそもそも何か。 思想家の考え方を学び、分類するのが哲学ではない。哲学とは、自分で考え「続ける」ことなのだ。 その題材として、取り上げられているのが、「人生とはゲームか?」というものであり、本書では、そのテーマに対して、一冊まるごと取り組む、という意味で面白い。 では、「人生はゲームなのか...続きを読む」と問われたときに、まずは単語を分解しなければならない。 私たちは、普段、言葉を無意識のうちに使っているけれども、こうした命題に対しては、そもそもの定義が曖昧だと、それに対する答えというものは大きく変わってしまう。ゲームがいわゆる「テレビゲーム」なのか、それともスポーツで言うところの「ゲーム」なのか。 そうした、言葉の意味を捉え直してみるというプロセスから、それが正しいのかどうかを展開、判断していく。 今ここで書いたのは、哲学することの序盤であり、この本では深く深く丁寧に進められていく。 考えることは、非常に難しい。「ちゃんと考えました」というのは、実は何も考えてないのかもしれない。丁寧に捉えたつもりでも、掬い上げた両手からこぼれるものは多い。 『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)』 の考え方に近いが、知っている「つもり」になっているものは自分が思っている以上に多いのかもしれない。 良いか悪いかは別として、意味を考えることもなく素通りできる、もしくはできてしまう毎日に、考える習慣を身につける。 そんなきっかけを持つための一冊。 Posted by ブクログ 人生はゲームなのだろうか? ――〈答えのなさそうな問題〉に答える哲学 平尾昌宏 これまでの著者の作風と同様、「哲学を学ぶ」のではなく、自分たちで「哲学する」ために、「人生はゲームといえるか?」という命題について著者とともに考えていくという作品です。 一つずつ丁寧に思考を重ねていき、後半になるほど、人生について深い考察を展開していくことになります。 宗教、マネーゲーム、教育、...続きを読む恋愛なども考察対象に取り上げながら、それらと関連させて多角的に人生の本質に迫っていく流れは巧みです。 高校生や大学生には是非一度読んでほしいですし、生きていることに息苦しさや窮屈さを感じている社会人にも読んでみてほしいですね。 Posted by ブクログ 平尾昌宏のレビューをもっと見る