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たとえ祈りが届かなくても君に伝えたいことがあるんだ
高校2年生のなずなのクラスメイト・鈴白くんが、突然命を絶った。 彼は明るくて容姿も成績も良い、学校の人気者。 だから、彼に限って自殺なんてありえない……皆そう思っていた。 「彼の悩みに気付いていたら」。後悔が膨れ上がり、 その晩なずなは鈴白くんと一緒に作った思い出の砂時計に「時間を巻き戻したい」と願って眠る。 翌朝目覚めたなずなは、なんと1ヶ月前にタイムリープしていた。 笑顔で登校してきた鈴白くんの姿に安堵するなずなだったが、 ひと月後、彼はまた死を選んでしまう。 鈴白くんの死を止めるため、何度もタイムリープを繰り返すなずな。 そんな彼女の行動に、ひとりだけ気づいている男子生徒がいて――。 なずなは残酷な運命を変えられるのか。 何気ない毎日が愛おしくなる、祈りと叫びの青春物語。 -
営繕かるかや怪異譚
「家に興味がない、ということは、自分を守ってくれる場所に興味がない、必要ない、ということと同義です」建物にまつわる超自然的な現象を解決するため、営繕屋・尾端は死者に想いを巡らせ、彼らを鎮めるための方法を導き出す。恐怖と郷愁を精緻に描く、建築怪談シリーズ第4弾!単身者用の集合住宅に住む拓史は、工事現場でスマホを見つける。呼び出しに応じると、雑音に交じり男の声が。以来、耳障りな雑音が聞こえ、人影を見るように。(「忍びよる」)文美は上司から覚えのない嫌がらせを受ける。家では「内神様」が祀られ、亡き祖母と文美だけが暗がりに蹲る黒い「猿」を視ていた。やがて猿は職場にも現れる。(「迦陵頻伽」)仲川はギャラリー用に幽霊屋敷と呼ばれる廃屋を買う。リフォームを依頼された稲葉が、柱に打ち付けられた藁人形を大量に発見すると、仲川は人形を残そうとする。(「鉄輪」)他、全6篇を収録。 -
営繕かるかや怪異譚
叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている。(「奥庭より」)古色蒼然とした武家屋敷。同居する母親は言った。「屋根裏に誰かいるのよ」(「屋根裏に」)ある雨の日、鈴の音とともに袋小路に佇んでいたのは、黒い和服の女。 あれも、いない人?(「雨の鈴」)田舎町の古い家に引っ越した真菜香は、見知らぬ老人が家の中のそこここにいるのを見掛けるようになった。(「異形のひと」)ほか、「潮満ちの井戸」「檻の外」。人気絶頂の著者が、最も思い入れあるテーマに存分に腕をふるった、極上のエンターテインメント小説。宮部みゆき氏、道尾秀介氏、中村義洋氏絶賛の、涙と恐怖と感動の、極上のエンタ-テインメント。解説・宮部みゆき -
鬼談百景
学校の七不思議にまつわる怪談やマンションの部屋で聞こえる不自然な音、真夜中に出るという噂の廃病院で見た白い人影、何度しまってもいつの間にか美術室に置かれている曰くつきの白い画布……。小野不由美が初めて手掛けた百物語。文芸評論家・千街晶之氏は「この世のあちこちに人知れず潜んでいる怪異が、不意にその姿を顕す。日常があり得ざる世界へと暗転する一瞬を確かに捉えてみせた傑作怪談」と単行本発売時、推薦文を寄せた。文庫解説を担当した稲川淳二氏は、「怪談とはどういうものかを知りたければ、この本を読めば分かります」と絶賛。「作品全体の質感を一言で表現するなら、”うっすらとした闇”です。」(解説文より)。山本周五郎賞受賞傑作ホラー『残穢』(新潮文庫)と内容がリンクしており、2作とも映像化されている。解説・稲川淳二 -
「日本の警察」平成編
警察小説の旗手による大河シリーズ「日本の警察」。 捜査一課の高峰、公安一課の海老沢――父と同じ道を歩み「鷹」となる二人の刑事の物語。 昭和編から魂を継承された、「平成編」がいよいよ連続文庫化! 昭和最後の日、不動産営業マンが鉄パイプで撲殺された。過激派の影が滲むが、なぜか公安は動かない。 父と同じ道を歩む捜査一課の高峰と公安一課の海老沢は、相容れない組織の壁を越え、ともに事件を追う。 昭和から平成へ。激動の時代をまたいで辿り着く真相とは……。 「日本の警察」を描く大河シリーズ、さらに加速する平成編第一弾! -
ラウリ・クースクを探して
第11回高校生直木賞&第4回加賀乙彦顕彰特別文学賞 受賞。 第170回直木賞&第40回織田作之助賞ノミネート。 1977年、エストニアに生まれたラウリ・クースク。コンピューター・プログラミングの稀有な才能があった彼は、ソ連の研究者として活躍する道を目指す。だがソ連は崩壊し……。時代に翻弄された人物を描き出す、かけがえのない物語。《解説・マライ・メントライン》 絶賛の声続々のロングセラーがついに文庫化 書評掲載一覧 ■「ダ・ヴィンチ」今月の絶対はずさない!プラチナ本(2023年10月6日発売、11月号) ■「女性自身」書評(2023年10月3日発売号) ■毎日新聞「エンタメ小説 今月の推し!」評者・内藤麻里子さん (2023年10月1日掲載) ■「朝日新聞」書評 評者・澤田瞳子さん ■「読書人」書評 評者・八木寧子さん(2023年9月29日発行号) ■「朝日中高生新聞」書評 書店員・江藤宏樹さん(2023年9月24日発行号) ■ 「小説現代」10月号(2023年9月22日発売) 評者・三宅香帆さん ■「好書好日」書評 「日出る処のニューヒット」(第6回) 評者・杉江松恋さん(2023年9月21日掲載) ■「週刊文春」書評 評者・米光一成さん(2023年9月21日発売号) ■「産経新聞」書評 評者・ホラン千秋さん(2023年9月9日掲載) ■「日経新聞」書評(2023年9月9日掲載) ■「週刊新潮」書評 評者・石井千湖さん(2023年9月9日発売号) ■Youtube『松井・杉江の「エンタメ丼」2023年9月号・その3』 杉江松恋さん紹介 ■「週刊ポスト」書評(2023年9月4日発売号) ■「毎日新聞」文芸月評 評者・渡辺祐真さん(2023年8月30日掲載) ■「共同通信」文芸月評 評者・渡邊英理さん(2023年8月28日配信) ■「読売新聞」書評 評者・小川哲さん(2023年8月27日配信) ■「週刊現代」書評 評者・木澤佐登志さん(2023年8月21日発売号) ■「毎日新聞」文芸月評 評者・大澤聡さん(2023年7月26日掲載) ■「読売新聞」文芸月評 記者・武田裕芸さん(2023年6月27日掲載) インタビュー掲載一覧 ■「an・an」 聞き手・瀧井朝世さん(2023年9月13日発売号) ■「AERA」 ライター・古谷ゆう子(9月14日発売号) -
レーモンドさんの小さな家
婚約者の両親と初めての顔合わせで緊張する美里は、自分が苦手なもののせいで、両親を嫌な気持ちにさせていないかと不安になってしまう。どうすれば自分らしくいられるのかと悩む美里は、東京タワーを写真に撮ろうとしているのか、四苦八苦している青年に出会って言葉を交わす。彼が敬愛するレーモンドさんという建築家が手掛けた「ここにいていいよ」と言ってくれるような場所と聞いて、聖オルバン教会に足を踏み入れた美里は、張り詰めていた気持ちがふっとやわらぐのを感じる(「風が見える教会」)。ピアニストの道を諦めた良治は、娘が楽しくピアノを弾くのをいつも見守っていた。娘のコンクールの下見のため、娘とその友人を連れて音楽センターを訪れた良治は、娘の思いがけない言葉を耳にしてしまう。そんな中、建物そのものに感激している不思議な青年に出会って――(「ホールに満ちる生命の息吹」)。自然との調和を大切にした建築家アントニン・レーモンドの造った場所は、時間を超えて人々の「居場所」となっている。本当に大切なものに気づかせてくれる温かな短編集。 -
陽と月
“才能がない者のためにバンドがあって欲しい。 上手く言葉が出ない者のために歌があって欲しい。 そのどちらもロックが昇華して欲しい。” 吃音の作詞家が、最愛の親友へ贈る、最初で最後のラブレター バンドで成功することを目指し、夢と現実の狭間を生きる、吃音症のバンドマン・月。太陽のような性格で天然だが、音楽の才能に溢れている親友のバンドマン・陽。 対照的な2人のバンドは、当初はどちらも華々しくデビューした。 しかし両者はその後、まったく違う道を歩んでいき…… 夢は叶わなかったら不幸なのか。売れたら本当に幸せなのか。そんな想いの中で揺れ動きながらバンドマンとして進んだ先に2人が見たものとは。 吃音症でもある「LEGO BIG MORL」のギタリスト・タナカヒロキが描く、圧倒的青春小説。 -
生まれ変わるなら犬か猫
【電子版巻末には秋鷲先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 【子犬編】大雨の日、目覚めたら子犬になっていた私を助けてくれたのは、不健康そうなお兄さんだった。決めました。激務の彼を、散歩に連れ出し運動もさせて、健康的な人生へと導くのです! 【子猫編】異世界で冷静な執事さんと明るい領主様に拾われた子猫の私は、その可愛さでお邸の人たちを虜にしている。そんなある日、大ピンチに見舞われた旦那様達を「愛されている猫ならでは」の方法で助けることに……! ――現実でハイスペック男子に溺愛される子犬と、異世界で陽キャのご主人様と冷静執事に溺愛される子猫。 もふもふに転生した女子が贈る、しあわせいっぱいの「愛され」物語。 -
ハンドレッドノート
YouTube総登録者数100万人&再生回数9億回突破!! 【ハンドレッドノート公式小説】 眠り姫・恵美まどかが「記憶」を駆使して数々の謎を解く! 「答え合わせをしよう」 「だって仕事したくないんだもん」 恵美まどかは、見たもの全てを記憶する天才。 しかしこの世の何よりも寝ることが好きで、眠り姫とも呼ばれている。 恵美が事務所を抜け出し、喫茶店《ライム》で仮眠をとりながらサボっていると、少女がドアを開けて入ってきた。 亡くなった彼の事故の真相を調べていると言う。 恵美は《ライム》のマスター・康介に言われ、仕方なく少女の話を聞くがーー -
LAフード・ダイアリー
LA(ロサンゼルス)に渡った映画研究者が、「食」を通して考えたアメリカ。 料理本批評エッセイ『食べたくなる本』で話題を呼んだ著者による、 ユニークな食生活エッセイ&体験的都市論。 文庫版の推薦コメントに三宅香帆!! 文庫版限定でタコスのレシピも特別収録。 「スロー対ファスト」とか「オーセンティック対リミックス」というような、 私自身これまで少なからず囚われてきた対立構図がある。 LAの食には、それを軽々と超える自由闊達な生命力があるようにも思えた。 「多様性」とは何か、それをいま、どう擁護しうるか。 こんにち最も切迫したこの問いに対する貴重なヒントを、 私はここでいくつも得ることになる。(本書「まえがき」より) 【目次】 なぜアメリカへ? LAフリーウェイとIN-N-OUTバーガー 季節のない寿司 ゲリラ・タコス カナダの自然食 ヴェニスのエキゾティシズム ジョナサン・ゴールド USC 「映画と牛の関係について」 LAの友人 記憶の襞 多様性と画一性 -
見習い同心と冥府の使者
押し込み強盗の捜査をしていた見習い同心の高村周(たかむらあまね)は、情報提供者に裏切られ左目を負傷する。生死の境をさまようなか獄卒だという青年――冥(めい)が現れ、自身の左目を周に与えることで命を救った。そして冥は命を救った礼として周に仕事を手伝うように要求する。周は同心の仕事の傍ら冥とともに未練を残してさまよう霊を冥府へと導くために奔走することに!? -
うちの若殿は化け猫なので
梓木奏一郎は、国許から突然江戸に呼び出され、若殿つきの小姓を命じられた。若殿の母たる殿様の御正室が化け猫で、いつぞや助けた化け仔猫が若殿だったというのだ。驚く奏一郎は若殿が屋敷から出ないように見張ることを仰せつかる。屋敷の周りに出没するあやかしたちを夜な夜な若殿が退治しており、大切な世嗣に万一のことがあってはならぬゆえに、ということらしい。そして、藩主は具合が悪く伏せっているというのだが――。 -
本屋さんのある街で
本屋さんを愛する5人の作家が、 本屋さんを描く5つの物語 幼いころに読んでもらった絵本、 はじめて自分で買った小説、 発売が待ちきれなかった雑誌、 人生を変えた一冊……。 本との出会いを心の栄養にして、 ひとは成長していきます。 そんな本を届ける最前線にいるのは、 ままならないことの多い人生に向き合いながら店を開き、 日々、お客さんを迎える街の本屋さん。 人気作家5人が書店とそこで働く人たちへの愛をこめて贈る、 珠玉のアンソロジー。 【収録作】 『続きは書店で』 瀬尾まいこ 書店でバイトしたいと占い師のもとにやってきた若者。 店はあと1ケ月ほどで閉店することが決まっていた。 『歌うように生きて』一穂ミチ 飲み会で出会った中国出身の劉陸海。 「桜を見に行きませんか」と誘う彼が指定したのは、 意外な場所だった。 『手に取って見てみろよ』坂木 司 本屋の前でふられた。 結婚も考えていた職場恋愛の彼女に。 その勢いで退職し、友人の誘いで雇われ店長に……。 『小鳥たち』凪良ゆう 結婚生活を終わらせ、父の書店を継ぐことを決めた。 改装中のある日、かつて淡い想いを抱いていた同級生がやってくる。 『見晴らし書店の一日』三浦しをん 東京の西の郊外で曾祖父がはじめた小さな書店。 いまは、祖母と父親、失恋した私で営んでいる。 -
めしのせ食堂
ご飯が進む「めしのせ」が主役の小説です。 東京の東、葛西の住宅街にある「めしのせ食堂エコ」はカウンター5席の小さな店。デパートを定年退職し、自宅を改造して始めた女将の自慢のメニューは羽釜で炊いたご飯と味噌汁やスープなどの汁物、そして各地から取り寄せた「ご飯のおとも」の数々。そんな店にしたのは「めしのせの伝道師」こと長船クニヒコとの出会いがあったから。長船はバイヤーとして日本中を飛び回り、各地の名産や逸品、新商品を買い付けては店へ持ってきてくれる。醤油や味噌のコク、ニンニクやキムチ、カレーの風味などは食欲をそそり、オリーブオイルやラー油に漬けたものはパスタにも合う。営業時間は夜6時から深夜12時まで。出勤前のスナックのママや仕事を終えた会社員、工事現場の作業員、アルバイトの若者たちで、連日、賑わいを見せる。今宵も女将は「めしのせ」を薦めると、なんとはなしに語り出す客の身の上話に耳を傾けるのだったーー。『山口恵以子のめしのせ食堂』(小学館)から小説を大幅に加筆して待望の文庫化。小説家・山口恵以子の大人気文庫作品『食堂のおばちゃん』『婚活食堂』『ゆうれい居酒屋』に続く「食と酒」の新シリーズが誕生。 ※この作品はカラーが含まれます。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『山口恵以子のめしのせ食堂』 を加筆した文庫版となります。 -
1+1
何を食べて、何を飲む? 人生に寄り添う 愛おしい味がある 俳句結社「水軍」の同人である瑤子は、行くべきかためらっていた。 同じ結社で人たらしの拓郎から誘われた、自宅での食事会。 直前に取った1本の電話が、その意味を変えてしまったから…… (「鱚のフライと白ビール」) それぞれの人生、それぞれの背景を持った、多様な登場人物たち。 当人たちが抱える“心のもや”が、 「ペアリング」を通して、少しだけポジティブへと変わっていく。 料理と飲み物、そして味わう2人。 2つの「ペアリング」をモチーフにした24編。 極上の掌編小説集を、ご賞味ください。 -
新版 御堂関白記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
摂関政治の頂点を極めた藤原道長の日記『御堂関白記』。著名な「この世をば」の歌が詠まれた夜の狂騒、政敵たちとの優美な暗闘、自身の病――、華やかな王朝文学の背後で、政務に邁進し、苦悩する道長の人間臭い実像を活写する。ユネスコの「世界の記憶」にも登録された自筆本等の現存する膨大な記事から、研究の第一人者が真実を伝える鮮烈な条を抽出して現代語訳。絶頂期を築いた男の視点から、平安貴族たちの正体に迫る。 平安時代というのは、ともすれば『源氏物語』に代表される文学作品を基にして考える傾向が強かった。平安貴族が実際に恋愛と遊宴にばかり熱中しているように誤解している人が多かったのである。しかし、女房文学も一面での真実を伝えているとはいえ、平安貴族の真実の姿、特に男性貴族によってとり行なわれる政務や儀式は、古記録を読み解くことによってしか解明できない。 『御堂関白記』の現存三八二四条の記事のなかから、比較的短めで初心者の方にも面白いものを選んで、現代語訳、訓読文、原文で掲げた。原文は誤字・脱字や漢文の誤りも、原文のとおりにした。長い記事については、なるべく一部のみを抜粋して掲げた。興味を持たれた方は、現代語訳でも訓読文でもいいから、『御堂関白記』の他の条もご覧になっていただきたい。『御堂関白記』と道長、ひいては平安貴族のすごさを、きっと実感していただけるものと思う。【はじめにより】 -
恋とはどんなものかしら
冷たくなった婚約者の王太子に悩むヴィクトリアはある日、“舞踏会で婚約破棄される当て馬令嬢”に転生していたことに気づく。ここは前世で攻略した乙女ゲームの世界。そして自分を待つのは、公衆の面前で婚約を破棄された上、幽閉という最悪の結末!? 未来を変えるべく逃亡計画を企てる中、ヴィクトリアは同級生の男爵子息シグルドに出会う。凄腕冒険者として活躍する彼の手を借り逃亡準備を整えていると、特待生(ゲームのヒロイン)に夢中になっていた王太子が何故か距離を詰めてきて──!? 「カクヨムコンテスト10」ファンタジー恋愛部門《大賞》を受賞した、身分差から始まる一途な溺愛ロマンス。 -
夏迷宮
柴田元幸、斎藤真理子、石沢麻依、推薦! きのう第三次世界大戦が始まった。銃後の日本に開園した大型テーマパークで起きる異変と、ユーラシア大陸を人魚とともに旅する1600歳の少女と戦災孤児たち――。時空を超えた物語が交差するとき、世界の歴史が書き換えられる。 オルタナティブな世界への祈りを込めた、新しい世界文学の誕生。 「さあ、世界を妄(みだ)りに変えましょう」と登場人物は呼びかける。「妄りに」の一言にこれほど豊かな意味が込められたことがかつてあっただろうか。その一語から伝わってくる作者の覚悟、気迫、恍惚。 ――柴田元幸 古川日出男は一作一作、日本に太い杭を打ち込むようにして歩いてきた。今、世界を踏み抜き、人類の記憶の爆心地に至る。渾身のその先へ。小説にはまだこんなにもできることがある。 ――斎藤真理子 不老の戦災孤児を生み、「平安」を推すテーマパークに酔う戦争と飢餓の時代。時間の箍が外れ、国境を越えて続く人魚と尼僧の旅と水脈が、迷宮を覆す舞踏のステップと共鳴したその時、歴史の不死性が結晶化する。戦争の影に覆われ平和を消費する世界の行方を、緊密な層をなして描き上げた素晴らしい小説。 ――石沢麻依 飢餓状態でヨーロッパとアジアの境界をさまよう日本人兵士は、禁断の人魚の肉を食べて不老の身となった尼と子供たちに出会う。原発事故後に招致された大型遊園地「郡山ピースランド」では、人気アトラクション「夏迷宮」に呼び起こされ、地中の湖に棲む幻獣が目覚めはじめる――。現代と古代、日本とユーラシア、神話と現実が呼応して生み出す圧倒的スケール。新たな戦争の時代に、古川日出男が放つ予言的長篇小説! -
虹いろ図書館のかいじゅうたち
心凍らせた少女かおりといじめを受けた少年ケン。体の中にかいじゅうを飼い、出口を探す二人にイヌガミさんと図書館の人々は――? 大好評シリーズ第3弾。世界は決してあなたを見捨てない。 『虹いろ図書館のへびおとこ』『虹いろ図書館のひなとゆん』に続く 大人気シリーズ第3弾! 柿ノ実町にある古い図書館。司書のイヌガミさんは今日も大忙し。 ある日図書館にやって来たのは、小学六年生のケンと、かおり。 図書館と学校の図書室が居場所のケンは、クラスのはせがわくんにいじめられていた。 お姫様の物語が大好きだったかおりは、ある出来事で心を凍らせている。 イヌガミさんとうつみさん、スタビンズくんたち図書館の人々と 本のあたたかさが、二人の心をじんわりと溶かしていく―― 【目次】 I 図書館に来た少年 II 『蛙の王さま、または鉄のハインリヒ』 III 『白鳥』 IV 『おかえりなさいスポッティ』 V 『やっぱりおおかみ』 VI 『チョコレート戦争』 VII 『アナンシと五』 VIII 『かいじゅうたちのいるところ』 IX 『時計つくりのジョニー』 X 『チューリップの絵本』 XI 『スイミー』 XII 図書館のおにいさん -
Disney Winnie the Pooh くまのプーさん ストーリーアート絵本
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 映画『くまのプーさん/完全保存版』の短編3話を収録! 『くまのプーさん』の世界観を、美しいデザインでじっくり味わえる、大人のためのアート絵本。 代表作3話を、映画のアートを用いて大胆にデザイン! 眺めるだけでも楽しい、オリジナルデザインのストーリー絵本です。 2026年10月14日、『くまのプーさん』は原作100周年をむかえます。 長年、多くの人たちに愛されてきたプーのお話や、たくさんの魅力的なキャラクターを、 美しいアートデザインとともに、じっくり味わってみませんか? 大切な人へのプレゼントにもおすすめです。 オールカラー96ページ ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 -
Disney Winnie the Pooh くまのプーさん プー語録
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『くまのプーさん』原作100周年! ありのままに、そのままに。いつでも”ぶれない”プーたちの心に響く言葉集。 長編アニメーションの中に出てくる、キャラクターたちの名言・迷言が一冊に! いつも自然体で、ありのままの自分を受け入れて過ごすプーと、その仲間たち。 勇気の出る言葉、心温まる愛の言葉、癒やしの言葉…彼らの言葉はきっとあなたの心を癒やしてくれるでしょう。 自分の心のお守りに、大切な人へ贈るギフト本としてもおすすめです。 オールカラー96ページ -
巴
バブル崩壊後の東京。ジゴロになって虚しく日々を送る男、大槻俊一は金蔓の一人としていた女を見送った後、偶然かつての仕事仲間と再会した。その仲間に強引に紹介された書家の篝山柾道という老人、その孫娘の朋絵という少女との出会いが、その後の大槻を翻弄することになる。 篝山は日本では公開不可能と思しきエロティックな映画制作を目論んでいるというのだ。朋絵はその映画に出演していた。大槻は映画制作に関わることを篝山に求められた。 大槻は気乗りのしないまま、映画制作に引きずりこまれていく――。 官能と暴力、謎と幻想……その後の著者の小説世界を予見させる、知的でありながら娯楽性をも湛えた著者初の長篇小説、初の文庫化。 -
メニューのないビストロ・コンプリス 悩める夜のマリアージュ
恵比寿にあるこぢんまりとしたビストロ・コンプリスは、料理担当の藤堂朱莉と、お酒担当の椎名透がふたりで営む、マリアージュが評判のお店。客の好みに合わせて提供される唯一無二の料理とお酒は、そのおいしさで心をほぐし、時に人間関係まで「調和(マリアージュ)」させてしまうようで……? 彼女とうまくいかない男性、正反対な友人同士、ぎこちない父娘などの悩みを、おいしく解決するコージーミステリ! -
日本買収 団塊世代の天命
セブン&アイ買収未遂が意味するものとは何か? 太平洋戦争での敗北、バブル経済の崩壊と失われた30年。そして今、新たな悲劇が日本を襲おうとしている……。 企業法務のオーソリティである現役弁護士にして作家の著者が描く「日本復活への道」、逆襲の人間ドラマ!!︎ 誰もが「会社」という協同組合の聖なる祭壇への生贄だった。 70代半ばを過ぎた男女の恋と人生を通して浮き彫りになる、今の日本を創り上げた団塊の世代の記憶と悔恨、戦後日本の企業史の真実、日本的上場株式会社の終焉。彼らが最後に見出した「日本新生のシナリオ」とはいったい……? Japan for Sale! -
それは誠
きらめきに満ちた、高校生の一日限りの冒険 第40回織田作之助賞、第74回芸術選奨文部科学大臣賞をW受賞!! 青春小説の新たな名作にして、第169回芥川賞候補作。 修学旅行で東京を訪れることになった高校二年生の「僕」、佐田誠。 誠は、スクールカースト上位の大日向やクラスの人気者の小川楓から、いつも余りものになってしまう男子たちまで、奇妙な七人がそろった「三班」の一員となった。 東京修学旅行では、このメンバーと二日目の自由行動をともにすることになる。 皆が東京で行きたい観光地の名を提案し合うなか、誠にはどうしても行きたい場所があった。 それは生き別れになった、大好きなおじさんの住むところ。 彼らは自由行動の一日を使って、先生たちにも秘密の小さな冒険に出ることに。 道中のきらめく景色とささやかな会話が、やがて誠たちのかけがえのない一日に満ちてゆく。 高校生たちの生の輝きを捉え多くの人々の胸を揺さぶった、青春小説の傑作。 【絶賛の声、続々】 あやうく落涙するところでしたよ。 ――川上弘美さん(作家・芥川賞選評より) 胸がじんじんして、家の中を歩き回ってしまった。 ――堂園昌彦さん(歌人) 数多ある青春小説の名作と並べてもまったく見劣りしない。 ――吉田修一さん(作家・芥川賞選評より) 小説を読む喜びが、ことばにも、ことばのすきまにも、詰まっている。 ――いしいしんじさん(作家) 傑作。衝き動かされ、日野市へ行ってしまった。この小説と自分の肉体を、つなげたいと思った。 ――古川日出男さん(作家) 魅了されている。誠たちの生きる世界のめくるめく目映さに。 ――大塚真祐子さん(文筆家・元書店員) 単行本 2023年6月 文藝春秋刊 文庫版 2026年4月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
良いこと悪いこと シナリオブック
TVer再生回数が日本テレビレギュラードラマ歴代1位を更新した『良いこと悪いこと』(主演:間宮祥太朗×新木優子)のシナリオブックが発売! 全10話+Huluオリジナルストーリーのシナリオを完全収録。さらに、本書でしか読めない〈脚本家・ガクカワサキ×プロデューサー・鈴木将大 対談〉も掲載! ドラマの誕生秘話や放送中に話題となった伏線、なぜ主題歌に「アゲハ蝶」を起用したのか、実はこんなエンディングもあった、などの裏話が収録されており、SNSで白熱した“考察”の答え合わせもできる本として、ドラマファンには欠かせない一冊に仕上がっています。 ※紙版書籍に収録されている冒頭口絵については電子書籍版では掲載がございません。予めご了承ください。 -
秀長暗殺
天正十九年一月、大和大納言たる豊臣秀長が自らの城で毒殺された。彼個人に対する恨みか、それとも豊臣政権に対する不満か。いずれにせよ、このまま放置すれば、大和大納言家、ひいては豊臣の世が揺らぎかねない。そこで、一刻も早く事件の首謀者を見つけるべく、秀長の股肱の臣、藤堂高虎が秘かに動くことになった。疑わしき者は四人。千利休、徳川家康、豊臣秀吉、そして石田三成。いずれも当代きっての権力者だ。高虎は愚直にも、正面からこの曲者たちに話を聞いていく。そうして彼らと対話をするうちに、高虎が知らなかった、豊臣政権の抱える闇が徐々に明らかになっていくのだが―― -
恋して、書いて、咲きほこる 宇野千代の人生劇場
恋をすれば、人生が動いた。 書けば、時代がついてきた。 NHK連続テレビ小説『ブラッサム』葉野珠(はの・たま)のモデル、宇野千代を知るならこの一冊 「どんな境遇にあっても、人は何度でも生まれ変われる」 そのことを、宇野千代の人生そのものが教えてくれる。 初めて宇野千代に触れる読者にも、すでに作品を愛読してきた読者にも贈る、決定的評伝。 恋に生き、言葉に生きた。 明治・大正・昭和・平成を駆け抜けた、日本一“自由”な女流作家の生涯。 奇人と呼ばれた父、早すぎる母との別れ。十四歳での結婚と破綻、幾度もの恋愛と別離。作家として、編集者として、実業家として宇野千代は、つねに「自分の人生」を選び続けた。 本書は、恋と仕事と表現に一切の妥協をしなかった一人の女性の「生き方」そのものを描く評伝である。 装画は2024年にNHK連続テレビ小説『虎に翼』のオープニング映像を手がけ話題を呼んだシシヤマザキが担当。 【目次】 はじめに 第1章 千代、愛と波乱の幕開け 宇野千代誕生 奇人の父と病弱の母―波乱の家に生まれて たった10日間の結婚生活―十四歳の花嫁の決断 他 第2章 北の大地から芽吹いた文豪への道 上京と出会い―燕楽軒で出会った名編集長 新天地・札幌へ―「貧乏生活」との決別 懸賞小説『脂粉の顔』で一等入選! 若き作家の誕生 『墓を発く』、「中央公論」掲載―文壇デビュー 文壇と恋が交錯した日―尾崎士郎との邂逅 他 第3章 書くために求めた行動が、知らぬうちに運命を動かしていた 湯ヶ島へ―新婚生活の陰で始まる小さな軋轢 梶井基次郎との静かな交友―文学と心が触れ合う時 尾崎士郎との関係のほころび―湯ヶ島がもたらした距離 東郷青児との出会い―“白夜”で始まった物語 他 第4章 恋と時代に翻弄されながら、それでも自由に生きる 作家・北原武夫との出会いがもたらした転機 創作と情熱が絡み合った、北原武夫との恋 他 宇野千代 略年譜 おわりに 参考文献 -
人恋しくて女性用風俗に行ったあとで考えたお金とケアと欲望のこと
離婚後、晴れて独身にもどった“わたし”(著者)。新たなパートナー作りに踏み出すも上手く行かず、手を伸ばしたのは“女性用風俗”。「すごくよかった」という興奮と「これは性的搾取ではないか」という後ろめたさが同時にやってくる。 性的なことは親密な間柄でのみ行われると思っていたけれど、お金を払えばその「親密さ」を飛ばすことができた。じゃあ、さっきのわたしは何にお金を払ったんだろう。 女性の性欲は本当に男性のそれと違うのか。女性の欲望が蔑ろにされている一方で男性の欲望は蔑まれていないか。他者を「書きたい」という欲望は危ういものなのか。正しさと欲望の間に横たわるものを見つめ、対話し、考える。 セラピスト、オーナー、辞めた人……。著者が女性用風俗にかかわる人に取材しながら、自身の体験を綴る、渾身のルポエッセイ。 -
書棚の本と猫日和
【電子版巻末にはわみず先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 流行に追われて自分を見失った美容師、訳あって本をお金に換えたい就活生、人を知るために本を読み込むバーテンダー、作品を読まれることを恐れるアマチュア作家、同居する孫と娘の不仲に心を悩ませる老婦人……。 新宿の片隅にある看板猫のいるシェア型書店『フレール』を舞台に巻き起こる“棚主”たちの物語。 本との出会い、そしてそこから始まる人の縁が、抱えていた悩みや苦労を知らず知らずのうちに浄化していく――。 読めば本への想いで満たされるシェア型書店エンターテインメント! -
九軒探偵事務所の謎解き蒐集録
厄介なパワーストーンと持ち主のマッチング。石と人の思いに触れるやさしい連作ミステリー。 彫刻家、天音弦一郎の作品には持ち主の思いを叶える石が使われていた。 人を害することもあり、適切な持ち主を見つける必要がある。 それを知らない孫の梨子は祖父の1周忌に遺書を見つける。 すべての作品を九軒遥真に譲渡するというもの。 けれど―― 「全部他人に譲っただと?」 「申し訳ございません」 「弦一郎さんの高価な作品は僕のものだ!」 不幸続きのOLとがめつい陰陽師探偵のどたばた回収劇、開幕! ●目次 第一話「枝狼」 第二話「琥蝶」 第三話「瑠未」 第四話「隕龍」 ●著者 横浜出身。著者に『百鬼の花嫁』(マイナビ出版)『魔女の結婚』シリーズ(小学館)『薄墨の花嫁 灰髪の少女は、黒曜剣士と初めての恋をする』(ポプラ社)がある。 -
ペン先とトゥシューズ
日本最高峰の技術を誇るバレエ団でプリンシパルとして活躍するが、突然の病魔に襲われたバレエダンサーの黒峰令治。抜きん出た技術を持ちアニメ化もされるほどの人気マンガを連載しているが、自分の作品には個性が欠けていることに悩む少年漫画家の瀬田美空。まったく異なるジャンルでアーティストとして活動する男女が、あるAI専門企業からの依頼をきっかけに予期せぬ出会いを果たす――ただし、最悪な形で。お互いに反発しあっていた二人だが、自分の技術をAIに学習させることへの葛藤、病や人気の衰えで才能を失うことへの恐怖、アーティストとしての矜持・・・・・・様々な感情をぶつかり合わせるうち共鳴し合い、いつしか惹かれ合っていく。読書情報誌『青春と読書』での連載時原稿に大幅加筆修正を加え、待望の文庫化。 -
夫婦のトリセツ、どこにある?
妻が稼いで、夫が家事。それだけで、なぜこんなに生きづらいの? 社労士事務所を経営している岩瀬麻衣子は、結婚するときに仕事を辞めると申し出た夫の耀太に家事と子育てを任せ、大黒柱として日々の仕事に邁進していた。しかし世間の不理解や冷たい目、お互いの役割分担への不満、さらに忙しさですれ違う生活のなか、ある決定的な出来事が起こり、とうとう二人は離婚することに。だが、麻衣子には育児、耀太には再就職という高い壁が立ちはだかり……。うつのみや大賞2025〈文庫部門〉大賞受賞の著者、文庫最新刊! ※本書は、2023年3月に刊行された『セクシャル・ルールズ』を改題し、加筆・修正したものです。 -
ぼくらは勝手に回遊する
「高校生になったら、彼氏を作ります」と宣言したものの、なかなか恋が成就しない波瑠。放課後、ファミレスで漫画原稿を拾ったことをきっかけに、泣き虫な天才絵師・啓介と、万能原作者・倫のふたりに出会う。なぜか勝手に告白したと勘違いされたり、勝手に漫画制作を手伝わされるハメになったり!? 彼らが描く「恋心を力に変えて戦うヒーロー」は、叶わぬ恋に足掻く自分そのもので──。 痛みをごまかすため繰り返した恋が、いつしか本気の青春へ。 こじらせ女子×漫画家男子たちが織りなす、疾走する成長ラブコメディ。 -
無間繚乱
帝が呼びかけた「君」は 散る花か、満ちる月か。 愛に生きた定子、国のために生きた彰子。 権勢争いに翻弄されたふたりの后の運命は。 *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-* 歴史小説家・秋山香乃の確かな実力を、 この物語を読むことで実感してもらいたい。 ――細谷正充氏(文芸評論家) *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-* 時の権力者、左大臣藤原道長の娘・彰子は数え十二で一条帝の中宮として入内した。 だが帝の気持ちは先の中宮である皇后定子に向けられたまま。 関白内大臣、藤原道隆の娘である定子は、失脚した兄の伊周を庇い 落飾したにもかかわらず帝の子を身籠る。 失意の中で彰子が選んだ道とは……。 明るく聡明で美しい定子。 内気ながらも慈愛に満ちた彰子。 運命に翻弄されたふたりの女性の姿を描く華麗なる平安絵巻。 -
マイ シーズンズ
一九九五年二月、蔵王山麓で小説家の〈僕〉と暮らす早紀のもとにビヨルグ・アブラハムセンの夫、ヘルゲ・アブラハムセンから手紙が届く。 それは草木染めの布を素材に衣服や小物、額絵やタペストリーなどを作る早紀が魅せられたビヨルグの作品の実物を見たいとビヨルグ宛に問い合わせた手紙への返信だった。 そこには早紀の手紙は開封しておらず、ビヨルグがすでに亡くなったこと、ビヨルグの仕事についての問いに答える用意があることが記されていた。 鬱の症状に苦しんでいた〈僕〉は、自らもまたビヨルグの作品によって喜びの感情を抱いていた。 そして、むしろ自分こそノルウェーに行きたいと思うようになり、早紀に渡航を提案する。 一九九五年春から翌年にかけ春夏秋冬の四回、〈僕〉はノルウェーへの旅を繰り返すことになる(早紀は秋の旅を除く三回)。 〈僕〉と早紀はこの旅でビヨルグの作品を実際に目にし、ビヨルグと関わった人々や偶然出会った住民、現地の風土や文化や歴史に触れる。 やがて、人間がものを創りながら日々暮らすなかで抱く感情の奥深いところまで、穏やかにだが確かに思いを馳せるようになっていくのだった。 -
潜入心理師・月野ゆん
潜入心理師、人の心の「核」に触れる。 横浜みなと大学病院で働く月野ゆんは、精神疾患をかかえた人の心の「核」に潜入し、治療をおこなう潜入心理師だ。日本で初めて人の心に潜入した潜入師で、ゆんの憧れの先輩である本城京と、精神科の看護師経験を持つ、同じく潜入師の先輩・蓮まこととともに、ゆんは今日も患者の記憶のなかへと潜っていく。 ゆんには、患者の心の「核」がどこにあるかがわかる不思議な力があった。幼いころに母親から「あんたなんか、産むんじゃなかった」と言われた記憶、いじめに加担してしまった記憶、夫の不倫発覚など、ゆんたちが対峙する患者の心の「核」は様々だ。まだ新しい資格で成り手が少ないなか、ゆんがこの仕事を志したのには、実は理由があって──。 「ナースの卯月に視えるもの」シリーズで注目を集める元看護師の著者、待望の最新作! (底本 2025年3月発売作品) -
AIと生きる 対話から始まる成長の物語
本書は、AIの技術解説書ではありません。高校二年生のテトラが、友人や先輩、そしてAIとの対話を重ねながら、AIと人間の付き合い方を探り、自らの生き方を選択していく青春教養小説です。 専門的な予備知識は必要ありません。物語を読み進めるうちに、現代を生きるために不可欠な「AIリテラシー」と「考える姿勢」が、自然と身につきます。 ◆物語を通じて、こんな「問い」に答えるヒントが見つかります◆ Q. AIに聞いても「正論」ばかり。どうしたら納得できる回答がもらえる? → 中学生・ユーリの疑問から学ぶ、AIへの「質問力」と学びの本質 Q. AIが文章を書ける時代、人間が書くことに意味はあるの? → 才媛・ミルカさんが語る「創造性は選択に宿る」という視点 Q. 自分の考えを、うまく言葉にできない → AIを「壁打ち相手」に、思考を整理するプロセス Q. AIがミスをしてトラブル発生。責任を取るのは誰? → 天才プログラマー・リサが直面した事件と「責任」の所在 Q. AIの進化で、私のなりたい職業はなくなるの? → 予測不能な未来を、不安ではなく「動的に」捉えるヒント ◆あらすじ◆ 言葉が大好きな高校二年生のテトラは、放課後の図書室で、数学が得意な「先輩」や、憧れの「ミルカさん」と過ごす時間を大切にしています。 勉強でも悩みでもAIに相談する日々。でも、急速に進化するAIが変えていく未来への不安も隠せません。 中学生のユーリやノナ、リサといった仲間たちとの交流、そして先輩への淡い恋心。 便利な回答に頼るのではなく、自ら考え、悩み、選ぶこと。 揺れ動く感情の中でテトラが見つけたのは、AIには決して生成できない「私だけの言葉」でした。 ※カバー画像が異なる場合があります。 -
聖女王オクタヴィアの恋
オルティナ王国を六十年にわたり統治し、五百年の歴史で最大の繁栄をもたらした女王・オクタヴィア。晩年、彼女が長年の友人に語ったのは、偉大な為政者の陰にあるひとりの人間としての孤独と苦悩、そして生涯抱え続けたひとつの恋についてだった。深く愛してくれた兄との幼少期、予期せぬ形での即位、王の治世を支える「儀杖の陪臣」イーサンとオリバーとの関係……。美しき孤高の女王、その激動の半生を描く圧巻の大河小説。 -
花贄さまの初恋
シリーズ累計33万部突破!「龍に恋う」著者のやさしさ満載の最新作。 皇都から離れた、緑豊かな花森村。 草花を自由に咲かせる能力をもつ霜子は、その異能ゆえに身内に蔑まれ、ついには陸軍中尉・晴晃との婚約を強いられてしまう。しかし予想に反して、晴晃は快活な青年だった! 二人が徐々に距離を縮める中、不穏な“惑い花”の呪いが村を蝕み始め――。 瑞々しく美しい和風恋愛ファンタジーの開幕! ■ 登場人物紹介 鹿屋野霜子(かやの・そうこ) 16歳のときに、神から見出されて異能を開花した。現在は「花贄」として村で孤独に暮らす。 丹羽晴晃(にわ・はるあき) 陸軍中尉。見た目に反して快活で素直。霜子の婚約者としてやってきたが、その目的は……? -
夢食み探偵と眠れない小説家
不条理で凄惨な悪夢。地獄の先で小説家と探偵が出会うものとは!? 専業小説家・浅岸真宵。彼女は極度の不眠に悩まされていた。 彼女は『眠りの専門家』として夢食み探偵・壊夜うつつについて聞き、彼のもとを訪ねる。 不思議な探偵は、ある提案をする。 安らかに眠りたいなら、地獄を巡るしかない。そのために自分の助手となること。 真宵は彼の手を取り——地獄巡りが開始された。 文学作品をなぞるがごとき、悪夢の数々。 不条理で歪な地獄の底にて、真宵の見つける真実とは——。 ●目次 第零夜 私たちは、夢を織り成す糸のようなものだ 4ページ 第一夜 胡蝶の夢 20ページ 第二夜 胎児よ、胎児よ、何故踊る 78ページ 第三夜 銀河鉄道の夜 148ページ 第四夜 夜のゆめこそまこと 202ページ 第五夜 浅茅が宿 263ページ 終夜 夢十夜 309ページ 浅岸真宵著『夢食み探偵と眠れない小説家』第五巻 最終章より抜粋 322ページ ●著者 綾里 けいし(あやさと けいし) 2009 年、『B.A.D - 繭墨あざかと小田桐勤の怪奇事件簿-』で第11回エンターブレインえんため大賞小説部門優秀賞を受賞。同作を『B.A.D.1 繭墨は今日もチョコレートを食べる』へと改稿・改題し、翌年の2010 年にファミ通文庫よりデビュー。『異世界拷問姫』シリーズ『魔獣調教師ツカイ・J・マクラウドの事件録 獣の王はかく語りき』(KADOKAWA)、『魔女の愛し仔』(星海社)、『偏愛執事の悪魔ルポ』『人喰い鬼の花嫁』(講談社)、『夜獣使い──黒き鏡』(早川書房)、『悪役令嬢について』(小学館)など、著書多数。 -
カーティス・オルブライトの策略 復讐は珈琲の香り
◆あらすじ 幼少期の事件によって家族を亡くしたロベルト。 軍警察官として生き急いでいたある日、謎の男・カーティスと出会う。 彼はマフィア組織〈リストレット〉の幹部で、警察が逮捕できない異能犯罪者を始末しているという。 異能者の存在に驚くロベルトは、手を組まないかと提案される。 彼曰くロベルトの家族を殺した異能者が生きているというのだ。 仇を討つため、ロベルトは仲間になることを決める。 だが、カーティスには何か思惑があるようで……? ◆人物紹介 ロベルト 元軍警察官。幼い頃に家族を亡くす。 カーティス マフィア組織〈リストレット〉の幹部。珈琲愛好家。 イヴ カーティスの従者。白髪に赤い瞳。主人の言うことしか聞かない。 アンナ カーティスの妹。明るく派手好き。 -
華麗なる政略婚のススメ
悪徳高利貸しの父を持つシィリンは、美形だが数々の女性と浮名を流す伯爵子息・サヴェスと愛のない政略結婚をすることに。 サヴェスの家は爵位はあるが見栄っ張りな浪費一家。 持参金を全て奪われ、義両親に加え義妹からもいじめられ、ゴシップ紙によると夫はよその女に入れあげているとかで家に帰ってこない。 その上、初夜には「君と同衾するつもりはない」と冷たく告げられてしまったのだ。 味方は実家から連れてきた護衛謙侍女のリッテだけ。シィリンは悲嘆に暮れる……でもなく、ほくそ笑んだ。 ――これこそ夢にまで見た理想の政略結婚、と! ある過去の出来事への贖罪(と半分は純粋な趣味嗜好)のために、シィリンはゴシップ紙に書かれるような“悲惨な妻の生活”を送ることを望んでいたのだ。 だが、婚家の家計は予想以上に苦しく、シィリンは理想の婚家存続のために立て直しを計る。 だがそのせいでシィリンの理想の政略婚生活には誤算が生じはじめ、さらに冷酷で悪名高い旦那様なはずのサヴェスもなんだか様子が……? 人気シリーズ「拝啓見知らぬ旦那様、離婚していただきます」の著者による、新たなすれ違いロマンス! -
早都子と夢乃 大正鎌倉ノスタルヂア
時は大正。鎌倉にある寄宿制の女学校において、地味で目立たない文学少女の早都子は、美しい転入生の夢乃とルームメイトになった。母の情人『セイさん』の援助で入学したが、良家の子女ばかりの中で孤立していた早都子と違い、財閥令嬢の夢乃は苦労知らずの我儘娘。ひそかに書いていた小説を勝手に読まれ、いきなり大喧嘩をしてしまう。だが、小説の存在が教師に知られ、同級生たちの前で窮地に立たされた早都子を救ってくれたのは夢乃だった。実は夢乃の転入には事情があり、彼女もまた孤独や苦悩を抱えていた。次第にお互いを理解するようになった二人は、息苦しい家庭から離れた場所で夢を語り、友情を育んでいく。しかし、運命は少女たちに残酷な試練をもたらし――果たして、早都子と夢乃の友情の行方は・・・? -
梟の一族
梟の一族――。誰ともなくそう呼びならわされた限界集落で身を隠すように生活している住民たちには秘密があった。彼らは眠らないことに加えて、生まれつき常人離れした身体能力を保有しているのだ。それゆえに歴史の影で大きな役割を果たしてきた。榊史奈は一族の末裔中、唯一の十代として期待を一身に背負いながら平和に暮らしていた。集落が何者かにより襲撃され、一名が死亡し、その他全員が彼女を残して消えてしまうまでは……。敵の目的とは一体何なのか? 単身で逃亡生活に追いやられた史奈は一族の生存を信じて、また己のルーツに関する真実を知るため、戦い続ける。サイエンス×忍者エンターテインメント。 -
源さんの味噌汁
生まれつき耳が聴こえない捨て子のゲンさんは生きる意味すら知らない物乞い。御家人だったソウさんは、視力を失ったことで妻娘と離別、過去を捨てた按摩。あることをきっかけにともに暮らすことになった二人は、お互いの不自由を補い合いながら日々を過ごしていたが、生活の厳しさは増すばかりだった。そんなある日、思いがけずも女の赤ん坊を拾ったことで二人に生きる歓びが訪れる。赤ん坊を育てながら江戸両国で小さくも味が評判の味噌汁屋を営むこととなった二人だったが、それはさらなる試練の始まりでもあった……厳しい境遇に生きる人々の絶望と希望を、温かくも透徹した眼差しで描き切る傑作時代小説! -
グレイの森
\\第27回大藪春彦賞候補作 文庫化!// あなたの代わりは あなたしかいない。 一つの事件から 家族がゆがみはじめる、 渾身の社会派長編小説。 ■あらすじ■ 臨床心理士になって4年の水沢藍を 訪ねてきた聡美。 診察室に入った彼女は、 何かに憑かれたように話し始める。 同時期、藍はボランティアで 英語を教えるため小学六年生の綾香を 訪ねていた。 表情がないことに違和感を覚えたとき、 手首に刻まれた何本もの傷跡に気づく。 綾香が発する‘サイン’とは――。 両者の話を聴くうちに、 藍はある殺人事件の真相を 知ることになる。 事件の背後で苦しむ人々の声を掬う、 臨床心理士の物語。 ■著者からのコメント■ すべてに白黒つける二項対立の世界で 「生きづらい」と感じることが 多くなりました。 人が人として生きるために何が必要か。 自分の中の汚いものを見つめながら、 魂の底をえぐり出すようにして 書きました。 生きづらさを抱える すべての人に捧げます。 序章 第一章 選ばれざる道 第二章 我が母の教えたまいし歌 第三章 親密さの居場所 第四章 アノマロカリス 第五章 アリの哲学 第六章 グレーゾーン戦争 第七章 ロストワン 第八章 予感 第九章 運命の木 第十章 選ばれし者 第十一章 呪縛 第十二章 手紙 第十三章 烙印 第十四章 二人の母 終章 解説:吉田大助 -
左府の姫 宮中秘抄~不屈の后がねは濡れ衣を晴らす~
先の左大臣の娘、邑子は、従妹の入内に女房として付き従うことになった。藤壺に入るも、帝には思い人がおり、女御には見向きもしない。上臈として、主の立場を守るため内裏の女房に直談判しようとする邑子。帝と女御を取り巻く女房や従兄たちの思惑が入り乱れる宮中。隠された真実が明らかになったとき邑子は――。 -
後宮の花
契約結婚の“秘密”が暴かれれば、この国は再び戦禍に巻き込まれる――大陸西方の大国「相(そう)」。色んな部署を渡り歩いて勤続十年、『遠慮がない・色気がない・可愛げがない』で知られる三十路手前の女官吏・陶蓮珠(とうれんじゅ)。相国内で隣国「威(い)」の言葉がわかる数少ない官吏だった蓮珠は、ある日、武官姿の男に声を掛けられる。威語がわかる独身女性を探していた彼は、蓮珠を嫁にほしいと言い出す。冗談だと思った蓮珠は適当に返事をするが、男は「やっとみつけた理想的な相手だ。こちらの準備を整えたら迎えに行く」と真剣な表情。彼の名は郭翔央(かくしょうおう)。威国の公主を娶(めと)ることを条件に、帝位に就いた新皇帝の双子の弟だった。新皇帝と威国の公主が姿をくらましたために、蓮珠に公主の身代わりになれというのだが――。ページをめくる手がとまらない、圧倒的中華後宮ファンタジー!!
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