国内小説作品一覧

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  • 雪代教授の怪異学 魔を視る青年と六角屋敷の謎
    4.0
    【教授の裏の仕事は、異形のモノを祓うこと―】 雪代宗司は星那多大学の客員教授であり幻想作家である。宗司はケガレを祓う力を持っており、そのケガレを利用して物語を綴っていた。大学一年生の宇佐見椎奈は、過去のある出来事から異形のモノを視ることができ、宗司のもとで助手のアルバイトをしている。 ある日、いわくつきの事故物件「六角屋敷」の噂を聞いた二人は、怪異の真相を確かめに向かうが――?
  • 少年泉鏡花の明治奇談録
    4.0
    【文豪・泉鏡花の少年時代を綴る、明治怪奇ミステリー!】 時は明治21年――。 古都・金沢で働く人力車夫の義信は、英語を学ぶために訪れた私塾で、寄宿生ながら英語を教える風変わりな美少年・泉鏡太郎(のちの泉鏡花)と出会う。 高い受講料に断念しようとする義信に、鏡太郎はあるものを提供することで受講料を免除にすると持ち掛ける。 それは”怪異の噂”を持ってくること。 義信は鏡太郎とともに明治の金沢で起こる不可解な噂の真相を調べに、様々な場所へと出かけることに。 お化けのでる武家屋敷、雨乞い後に必ず死ぬ巫女、金沢城跡に現れる幽霊など……はたして本物の怪異は存在するのか――? おばけ好きな偏屈美少年と人力車夫の青年による、明治怪奇ミステリー開幕!
  • あやかし旅籠 ちょっぴり不思議なお宿の広報担当になりました
    4.0
    動画配信で生計を立てている小夏。ある日彼女は、イケメンあやかし主人・糸が営む、あやかし専門の旅籠に迷い込む。糸によると、旅籠の経営状況は厳しく、廃業寸前とのことだった。山菜を使った薬膳料理、薪風呂、癒しオーラ全開のイケメン主人……たくさん魅力があるのだから、絶対に人気になる。そう確信した小夏は、あやかし達に向けた動画を作り、旅籠を盛り上げることを決意。工夫を凝らした動画で宿はどんどん繁盛していき、やがて二人の関係にも変化が――
  • 後宮の不憫妃 転生したら皇帝に“猫”可愛がりされてます
    4.0
    初恋の皇帝に嫁いだところ、彼に疎まれ毒殺されてしまった翠花。気が付くと、彼女は猫になっていた! しかも、いたのは死んでから数年後の後宮。焦る翠花だったが、あっさり皇帝に見つかり彼に飼われることになる。幼い頃のあだ名である「スイ」という名前を付けられ、これでもかというほど甘やかされる日々。冷たかった彼の豹変に戸惑う翠花だったが、仕方なく近くにいるうちに彼が寂しげなことに気づく。どうやら皇帝のひどい態度には事情があり、彼は翠花を失ったことに傷ついているようで――
  • 1フランの月
    4.0
    1巻2,277円 (税込)
    【ご注意】※この電子書籍は紙の本のイメージで作成されており、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 安西水丸、幻の未発表小説を初めて書籍化。 ニューヨークからパリ、リスボン、マドリード、ローマへ。イラストレーターである主人公のモノローグと日本にいる恋人への手紙、そして現地でのさまざまな出会い……。これまで日の目をみることのなかった幻の小説「1フランの月」(未完)を没後10年となる2024年春に初めて書籍化。「旅」をテーマにした未刊行エッセイ、イラスト、スケッチなどを加え、懐かしくも新しい、イラストレーター/作家・安西水丸の世界をこの一冊に凝縮。 ※この作品はカラーが含まれます。 (底本 2024年2月発売作品)
  • 巡査たちに敬礼を(新潮文庫)
    4.0
    バツイチ・子持ちの交通課係長、事故係に異動したばかりの若手巡査、昇任試験を控えた女性警官、警察学校在学中の青年、定年退職目前の署長――郊外の所轄署に勤める、世代もキャリアもバラバラな彼らの前に立ちはだかる仕事と人生の壁。さらに、50年にわたり組織的に隠蔽され続けた事件も明らかになってきて……。6編からなる、リアルな人間味に溢れた連作警察小説。(解説・あさのあつこ)
  • 果ての海(新潮文庫)
    4.0
    階段の下で息絶えた男。愛人の鶴野圭子は、全てを捨てて逃げることを決めた。出会い系で知り合った元ホストの鈴木の伝手で整形し、美貌と偽名を携え福井の芦原(あわら)温泉へ。だが仲居やコンパニオンとして働く中で厄介な人間関係に巻き込まれ、頼りの鈴木も音信不通となった。東尋坊での自死が頭をよぎるが、圭子には生きて逃げ続けなくてはならない理由があり――。女の生き様を描く傑作サスペンス。(解説・原武史)
  • TIMELESS(新潮文庫)
    4.0
    うみは、ひとを好きになれない。アミは、好きなひとと子供をつくるのがこわい。お互い恋愛感情をもたず、交配の約束だけして結婚した。やがてうみが妊娠するとアミは去り、父親不在のまま息子のアオは17歳になった――。高校の教室、修学旅行の広島、江姫を弔う六本木、鰯売りの声が響く銀座カルティエ。人びとが結びつき織り成した時間の地層が、今生を生きる心の縁(よすが)となる、圧巻の長編。(解説・江國香織)
  • 見習い天使 完全版
    4.0
    小説の面白さを追求し続けた作家・佐野洋。人間の尽きることのない欲望を無駄のない描写とテンポのよい運びで読ませる物語は、古びることのない魅力を持つ。さらに、その全てには予想を裏切る結末も――。人間世界を見つめる“見習い天使”が全23篇の案内役を務める構成も洒落た連作ミステリが完全版で甦る。巻末には編者日下三蔵の詳細な解説に加え、星新一による解説も特別収録する。
  • 幽霊絵師火狂 筆のみが知る
    4.0
    老舗料理屋のひとり娘である14歳の真阿は、胸を病んでいると言われて以来、部屋にこもりがちだ。店に、有名な幽霊絵師・火狂が居候することになる。大柄で悠然とした火狂は、人には見えないものが見えるようだ。彼のもとには、絵に関する奇妙な悩みを持つ客が訪れる。犬の悪夢に怯える男、「帰りたい」という声に悩む旅人、手放しても戻ってくる絵――火狂と真阿は、その謎を解き明かしていく。静かな感動を誘う絵画ミステリ。
  • 魔女たちのアフタヌーンティー
    4.0
    1巻814円 (税込)
    “魔女“が住むと噂される白金台の大きな屋敷。黒い服に身を包む女主人のお茶会は、型にとらわれず自由で楽しい。丁寧に淹れた香り高い紅茶と宝石のようなティーフーズも素敵だが、冷えたアイスティーと芋けんぴの相性も抜群だ。仕事も恋も上手くいかず、鬱々していた真希は、お茶の奥深さを知り、様々な年代のゲストの悩みを聞くうちに自分自身に向き合っていく――ちょっと不器用な人々のつながりを描く心満たされる物語。
  • ばあさんは15歳
    4.0
    おちゃめな孫娘と頑固なばあさん 2019年と1963年をまたぐ 二人の冒険の行く先は?   高校入学を目前に、ふとした異変で 昭和にタイムスリップしてしまった菜緒。 時はオリンピック前年。 口が悪く愛想なしの祖母を相棒に 東京タワーから始まる物語は 思わぬ出会いと発見にあふれて―― やがて明らかになる、ばあさんの封印された過去。 取り返しのつかない出来事を、菜緒は覆すことができるのか!? 「ひょお、こりゃ面白くなってきた」「まったく、バカまごといると疲れるよ」 愉快爽快、ラストに涙。阿川佐和子の長編小説。 挿絵 石川えりこ
  • 波濤の檻 オッドアイ
    4.0
    1巻2,090円 (税込)
    事実無根のゴシップ記事によって活動停止を余儀なくされた特別強行捜査局。マスコミの追及を逃れるため、海上自衛隊の海賊対策派遣に参加を命じられた朝倉だが、派遣先のジブチで謎の部隊に拉致されてしまう。朝倉救助のために動き出す特捜局の面々、NCIS(海軍犯罪捜査局)、そして日本最強の傭兵代理店。特捜局は朝倉を奪還し、解体の危機を乗り越えられるのか――。
  • 鳥人王
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    俺の人生、もっと高く跳べるはず。お笑いでは芽が出ず、身体能力ばかりが評価され、番組の企画で棒高跳に挑戦することになった崖っぷちの芸人。その番組を通じて共演するのは、パリ五輪が目標のいけすかない大学生アスリート。出合うはずのなかった二人、それぞれの跳躍の先に広がる景色は――。明日を迎えるのがきっと楽になる、夢と現実のその先にある物語。
  • 宇宙に花火を。
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    宇宙に花火をあげて、世界中の人を笑顔にしたい。 それが少年時代の空の夢だった。 「そんなの無理だ」と周囲が笑う中 たったひとり真剣に受け止めてくれたのが 花火職の祖父だった。 やがて青年となった空が友人と二人で飛び込んだ エンターテインメントの世界。 周囲からの蔑みと空回りする自分に葛藤しながら 空は何をつかんでいくのか――。
  • 三号線の奇跡 好きとさよならが待つ電車
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    「俺もずっと、会いたくて会いたくて仕方なかった――。」 引っ越しで離れ離れになった大好きな翔と、再会の約束をしていたかのん。 けれど彼からの手紙はいつしか途切れ、 級友からも「翔はもう忘れてる」と聞かされる。 会いたい人に出会える、奇跡の電車―― 噂の三号線を思い出し、ホームへと駆け出すかのん。 そこで翔とは二度と会ってはいけない“秘密”を知ってしまう――。 「好き」と「さよなら」を届ける、号泣必至の連作短編。
  • 戦渦の神宝
    4.0
    昭和二〇年夏、敗色濃厚な太平洋戦争末期、考古学を研究していた大学生・外園武志は、帝国考古協会へ呼ばれ、三種の神器と並ぶ神宝・十種瑞宝の探索を命じられる。陸軍はその霊力を使い、戦局の挽回を図ろうとしていた。信長に奪われたともいう宝を探す最中、武志は『神事本紀』という古書に巡り合う。それには知られざる宗教の歴史と瑞宝の軌跡が記されていた。彼は巫女見習いの弓月眞理依や謎の男・煙藤四郎と古代の謎を追い求めるのだが……。傑作歴史冒険ミステリーの登場!
  • かあちゃん
    4.0
    私も周五郎作品を読み返す度、失ったものを取り戻すような気持ちになる。それはかつての日本の風景であり、人の情であり、親から伝えられた仕来りであり、恥を感じる心でもある(宇江佐真理・巻末エッセイより)。女手でひとつで五人の子供を育てているお勝と、その家に入った泥棒との心の通い合いを描いた表題作をはじめ、山本周五郎が、人間の“善なる心”をテーマに遺した作品から、全五編を厳選。文庫オリジナル。(編/解説・竹添敦子)
  • ちびねこ亭の思い出ごはん~かぎしっぽ猫とあじさい揚げ~
    4.0
    千葉県木更津市の書店で店長を務める五十嵐さくらは、本部から閉店の計画を聞かされ仕事を辞める覚悟をしていた。そんなとき、亡くなった人とひととき会うことができるという内房にある食堂の話を聞く。さくらは、彼女が中学生の時に本好きになるきっかけを与えてくれた女性教師との再会を願い足を運ぶのだが……。世界16か国で翻訳出版が進行中! あたたかい感動が胸を打つ大好評シリーズ第8弾。
  • 或るギリシア棺の謎
    4.0
    カメラマン南美希風と法医学者エリザベス・キッドリッジは、篤志家、安堂朱海の弔問に訪れていた。だが、彼女の死は自殺か他殺の疑いを招き、さらに未解決なままの朱海の孫娘殺害事件の謎をも呼び寄せる。不意に現れる脅迫状。光るタイプライターの文字。ギリシア意匠の棺の周りで起こる不可解な出来事の数々は、いかなる真相を語るのか。柄刀版《国名シリーズ》第二弾!
  • ライト・スタッフ
    4.0
    1巻980円 (税込)
    「食堂のおばちゃん」「婚活食堂」が大人気の著者が 渾身の力で描く熱き人間ドラマ!! 昭和30年、映画監督を目指す主人公の五堂顕(ごどう・あきら)は 太平洋映画の助監督試験に落ちてしまう。 だが、諦めきれずアルバイトを探しに来た撮影所で小火(ぼや)を消し止めたことから、 照明部にスカウトされる。照明部のいちばん下の見習いからスタートした顕は、 失敗を繰り返しながら現場で経験を積むうちに照明の魅力に引き込まれていく。 まじめだが臨機応変で勉強熱心な顕は、徐々に監督や他のスタッフたちに好かれ、 照明技師としての腕を上げていった。 活気があり、エネルギーに満ち溢れていた映画の世界は、まさに娯楽の王様だった。 しかし、映画の栄光は長くは続かなかった。「電気紙芝居」とバカにされていた テレビがカラー放送を開始し、東京オリンピックで爆発的に売れたのだ。 映画会社の衰退は著しく、スタッフたちは事実上解雇されてしまう。 顕は、照明技師たちは、映画界はこの先どうなってしまうのか──。 もう一人の主役ともいえる女優の衣笠糸路(きぬがさ・いとじ)や 初の女性脚本家、監督や俳優など、誰がモデルになっているのかを 想像しながら読むのも楽しい。 ただならぬオーラを放つ俳優、そして名監督たちが綺羅星のごろく存在した時代。 そして、刻々を移りゆく時代のなかで、それでも変わらない心揺さぶるもの、 人が懸命に生きる姿を、松本清張賞受賞作家の著者が描く。 ──本作は誰にでも楽しめる極上の娯楽小説だと思います。 読めば元気が湧いてくる物語に仕上がっています。 本作が映画化・ドラマ化された暁には、衣笠糸路の役は、ぜひ私に演らせてください! 糸路に魂を吹き込んでみせますので。(高島礼子/女優)  ──「娯楽の王様」を支えた光当たらぬ技師たちの日々の研鑽と苦楽を照らし出し、 映画スターが光り輝いていた時代の、明るく開放的な物語。 (東えりか/書評家/「週刊現代」より)
  • 花咲小路二丁目の寫眞館
    4.0
    たくさんのユニークな人々が暮らし、日々大小さまざまな事件が起きる花咲小路商店街。 新米カメラマンの樹里が働くのは、商店街に昔からある<久坂寫眞館>。 店主の重はカメラの腕がいいはずなのに、写真を撮ろうとしない。それもそのはず、重が撮影をすると、<奇妙なもの>が写真に写り込んでしまうというのだ。 写り込んでいるものが過去のものだとわかったことをきっかけに、昔の花咲小路商店街へタイムスリップしてしまうふたり。 しかも偶然その場に居合わせたセイさんも巻き込んでしまっていた! 3人は、その時代に起きた事件……謎に包まれたままの火事の真相を探ろうとするが、そこには大きな秘密が隠されていて――。
  • 死人の口入れ屋
    4.0
    ある事情から仕事を辞めた久瀬宗子は、お世話になった人の紹介で『古物商 阿弥陀堂』に面接を受けに来た。 しかし、阿弥陀堂はただの骨董品屋ではなく、幽霊がとりついた曰くの品である【忌物】を貸し出しているという――。 人には言えないような怨みや憎しみを持つ客たちが、幽霊の力を借りに来る。その先にとんでもない結末が待ち受けているとは何も知らずに……! 『ナキメサマ』『贋物霊媒師』で話題の著者がおくる、どんでん返し×ホラーミステリ―連作短編集!
  • 破壊屋 プロレス仕舞伝
    4.0
    造花が依頼の合図。リングで規律を乱す問題児を制裁する「掃除屋」という裏稼業を担うベテランプロレスラー藤戸。自身との試合で重傷を負った友の治療費のためという美談が周知のものとなり、今ではタレント扱い。満身創痍の彼がいつ誰と引退試合をするのかの憶測が飛び交う中、彼を騙る者が一般人を襲撃する事件が。そして意外な人物から裏の依頼も……。迫真の描写と圧巻の仕掛け。業界でも話題となった三部作待望の最終章。衝撃のラストに、あなたは震えを抑えられるか! 圧巻のプロレス小説を体感せよ!!
  • YUKARI
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    『ギフテッド』『トラディション』著者が描く、『源氏物語』を題材とした歌舞伎町文学の新境地。 三浦瑠麗氏推薦「与えたい女、奪う男――「多情」の心の裡がみごとに綴られている。」 婚約者との結婚を控え、何の不自由もなく暮らしていた紫。あるダンサーとの過ちを機に、高校時代に惹かれた柿本先生に手紙を出すことに。そこで綴られるのは、幾度となく先生が話してくれた『源氏物語』のことだったーー。 私はどれか一人の女ではない、また私と同じ店で働いてきた四十も五十もいる女たちがそれぞれいずれかの女性像に似ているのではないのです。お客が次々に女を変えて、多様な女たちが彼の夜の生活を彩るわけではない、私たちは一人であるのです。 【目次】 ■一の手紙 浅茅が露にかかるささがに ■二の手紙 山の端の心も知らで行く月は ■三の手紙 波路へだつる夜の衣を ■四の手紙 嘆きわび空に乱るるわが魂を ■五の手紙 今はかひなき恨みだにせじ ■六の手紙 風に乱るゝ萩の上露 ■七の手紙 草の原をば問はじとや思ふ
  • 猫と狸と、ときどき故郷
    4.0
    1巻1,567円 (税込)
    ちょっと不思議、だけど愛おしい。 もしも動物たちや花の精霊と話ができたら――。 個性あふれる仲間たちとの出会いを描く、ほっこり短編小説集。 運転手に化けた狸とのアイロニックな世間話――「タクシードライバー」 ネズミに鯵の塩焼きを盗まれた哀れな愛猫とのドタバタなリベンジ劇――「猫とネズミ」 庭に咲くピンクの花に宿る可愛い精霊のささやかな“お仕事”――「捩花の精霊」 ほか、15編の物語。

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  • 冬に子供が生まれる
    4.0
    1巻1,782円 (税込)
    著者七年ぶりの新作長編!直木賞受賞第一作! その年の七月、丸田君はスマホに奇妙なメッセージを受け取った。 現実に起こりうるはずのない言い掛かりのような予言で、彼にはまったく身におぼえがなかった。送信者名は不明、090から始まる電話番号だけが表示されている。 彼が目にしたのはこんな一文だった。 今年の冬、彼女はおまえの子供を産む これは未来の予言。 起こりうるはずのない未来の予言。 だがこれは、まったく身におぼえのない予言とは言い切れないかもしれない。 これまで三十八年の人生の、どの時代かの場面に、「彼女」と呼ぶにふさわしい人物がいるのかもしれない。 そもそも、だれが何の目的でこの予言めいたメッセージを送ってきたのか。 丸田君は、過去の記憶の断片がむこうから迫ってくるのを感じていた──。 三十年前にかわした密かな約束、 二十年前に山道で起きた事故、 不可解な最期を遂げた旧友…… 平凡な人生なんていったいどこにあるんだろう。 『月の満ち欠け』から七年、かつてない感情に心が打ち震える新たな代表作が誕生。読む者の人生までもさらけ出される、究極の直木賞受賞第一作!
  • 夜明けの花園
    4.0
    1巻1,716円 (税込)
    「ゆりかご」か「養成所」か、はたまた「墓場」か。 累計100万部突破! 「理瀬」シリーズ初短編集 ゴシック・ミステリの金字塔。 湿原に浮かぶ檻、と密やかに呼ばれていた全寮制の学園。 ここでは特殊な事情を抱える生徒が、しばしば行方を晦ます。                ヨハンの隠れた素顔、校長の悲しき回想、幼き日の理瀬、黎二と麗子の秘密、 月夜に馳せる聖、そして水野理瀬の現在。                             理瀬と理瀬を取り巻く人物たちによる、幻想的な世界へ誘う六編。 ・水晶の夜、 翡翠の朝 ・麦の海に浮かぶ檻 ・睡蓮 ・丘をゆく船 ・月触 ・絵のない絵本
  • オーバーヒート(新潮文庫)
    4.0
    東京から大阪へ移り住み、京都の大学で教える哲学者の「僕」。男性同士の関係である年下の恋人は、料理の好みが似ていて、僕の文章を楽しそうに読む。その穏やかな距離がもたらす思慕――。行きつけのバー、熱帯魚、故郷の家族と友人たち、折々のツイート。かけがえのない日々を鮮やかに描いて芥川賞候補作となった「オーバーヒート」。川端康成賞を受賞した傑作短編「マジックミラー」を併録。(解説・羽田圭介)
  • すべての恋が終わるとしても―140字のさよならの話―
    4.0
    1巻1,485円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 さよなら。でも、この人を好きになってよかった。――140字で綴られる、出会いと別れ、そして再会。(以下、本文『別れの挨拶』引用)「またね」それが彼とお決まりの挨拶だった。また次の機会にね、そんな意味を込めて。互いに進路が変わっても、恋人ができても、いつだって次があると思ってた。でも。「ずっと好きでした」「ごめん、俺結婚するんだ」一歩踏み出そうとした日、彼との距離を誤って。その日最後の挨拶は「さようなら」
  • 愚痴聞き地蔵、カンパニーのお家騒動に巻き込まれる。
    4.0
    地味で平凡なところを買われ、大手化粧品メーカー・最川堂に入社した朝井詩央が配属されたのは総務部。単調な業務の合間に社員の愚痴を聞いているうち、いつしか『愚痴聞き地蔵』のあだ名で呼ばれるようになる。ある日、社長直々に呼び出された詩央は、その存在感のなさと聞き上手を武器に「次期社長候補三名の調査をせよ」と密命を下される。提示された特別報酬に目がくらみ、アイドル的人気を誇る営業部の若手エース・七星悠馬、どんなクレーマーも美声で黙らせる敏腕コールセンター所長・兵藤光淳、革新的なアイデアでブランド刷新を推し進める商品開発部のエリート・唐飛龍の隠密調査に乗り出すが!?
  • 双蛇に嫁す 濫国後宮華燭抄
    4.0
    草原の民アルタナの娘、シリンとナフィーサ。異母姉妹ながら共に育ち、容姿も双子のように瓜二つの二人。ある日、族長である父は姉妹を本当の双子に仕立て上げ、南方の大国・濫に輿入れさせることを告げる。濫国は双子信仰が盛んであり、折しも現在の皇帝も双子だった。長い旅の末、濫国の王城にたどり着いた偽りの双子姫。シリンは弟帝の暁慶の後宮に迎え入れられ、「杏妃」なる名を与えられたが、初夜の床で「未来永劫、お前を抱くつもりはない」と言い放たれる。花嫁衣装も、名前も、全てを奪われ、体を繋がぬまま濫の妃となったシリンの運命は、やがて濫国とアルタナを巡る、大いなる時代の奔流に呑み込まれていく――。歴史に翻弄される人々を、壮大なスケールで描くデビュー作!
  • 神招きの庭
    4.0
    兜坂国の斎庭(後宮)は、神を招き、もてなす場。実体を持つ神々は豊穣と繁栄を招く半面、ひとたび荒ぶれば恐ろしい災厄を国にもたらす。地方の郡領の娘・綾芽は、親友の死の真相を探るため上京した。そこで偶然、荒ぶる女神を鎮めてみせた綾芽は、王弟の二藍に斎庭の女官として取り立てられる。だが、それは国の存亡を揺るがす事件の幕開けに過ぎなかった……。
  • 1947
    4.0
    1巻2,750円 (税込)
    1947年。英国軍人のイアンは、戦場で不当に斬首された兄の仇を討つため来日する。駐日英国連絡公館の協力を得つつ少ない手掛かりを追うが、英経済界の重鎮である父親ゆずりの人種差別主義者でプライドの高いイアンは、各所と軋轢を生む。GHQ、日本人ヤクザ、戦犯将校……さまざまな思惑が入り乱れ、多くの障害が立ちふさがる中、次第に協力者も現れるが日本人もアメリカ人も信用できない。イアンの復讐は果たされるのか?
  • 星影のステラ
    4.0
    「私のことステラって呼んでね」初めて会った日、彼女はそう言った。つくり話のような自慢をする都会的なステラに、田舎から東京に出てきたフミコは憧れと嫉妬を抱きつつ、彼女と一緒に暮らし始めるが……。
  • 弁当屋さんのおもてなし ほかほかごはんと北海鮭かま
    4.0
    1~12巻572~704円 (税込)
    「あなたの食べたいもの、なんでもお作りします」恋人に二股をかけられ、傷心状態のまま北海道・札幌市へ転勤したOLの千春。仕事帰りに彼女はふと、路地裏にひっそり佇む『くま弁』へ立ち寄る。そこで内なる願いを叶える「魔法のお弁当」の作り手・ユウと出会った千春は、凍った心が解けていくのを感じて――? おせっかい焼きの店員さんが、本当に食べたいものを教えてくれる。おなかも心もいっぱいな、北のお弁当ものがたり!
  • 京都「無幻堂」でお別れを 大切な人形の魂を送る処
    4.0
    【電子版巻末にはチェリ子先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 人々の感情が色で見える特異な体質のせいで人生に嫌気が差していた明日菜(あすな)は、ある日理不尽なリストラに遭ってしまう。 途方に暮れ、行きついた先で目にしたのは、「従業員急募」という張り紙。 そこは、店主の柘植(つげ)と言葉を話す猫・詩(うた)が営む、魂が宿った人形の最期を見届ける「無幻堂」というお店。 ひょんなことから「無幻堂」で働くことになった明日菜は、人形たちの感情を読み取り、怒りや悲しみを汲み取っていく。 行き場を失った人形たちの最期に寄り添う、儚くもあたたかいハートフル・ドール・ストーリー。
  • Mother
    4.0
    1巻2,475円 (税込)
    真冬の室蘭で母に虐待され捨てられた少女と彼女を守るため誘拐した担任教師の逃避行の行方は。カンヌ映画祭脚本賞の著者による伝説のドラマシナリオ完全収録。あとがき&著者と製作陣による座談会も収録。
  • 伊達女
    4.0
    心に鬼を棲まわせた“独眼竜”にして奥州の覇者、伊達政宗。数多の武将から恐れられ、後世にもその名を残した男の周囲には、たくましく、そしてたおやかな女性たちがいた――。我が子に毒を盛ったとされる母・義姫、影ながら政宗を支え続けた妻・愛姫、片倉小十郎の姉で政宗を育てた喜多、松平忠輝に嫁いだ娘・五郎八姫、真田信繁(幸村)の娘・阿梅……戦国の世を凜と生き抜く伊達の女たちを主人公にした連作短編集。
  • おたふく物語
    4.0
    町人たちの暮らしの姿、現実を生きてゆく切なさに焦点を絞り、すぐれた「下町もの」を数多く遺した山本周五郎。本書は、自分たちを“おたふく”と決めこんでいる明るく元気のいい姉妹をいきいきと描いた「おたふく物語」三部作(「妹の縁談」「湯治」「おたふく」)をはじめ、身分の垣根を越えた人間の交流を情愛たっぷりに綴った「凍てのあと」、女性の妖しさと哀しさを濃密に綴った「おさん」の全五編を収載。江戸に暮らす女性たちの姿を見事に切り取った名作短編集。文庫オリジナル。 (編/解説・竹添敦子)
  • 近松よろず始末処
    4.0
    時は元禄、大坂は道頓堀の竹本座。人気浄瑠璃作者・近松門左衛門に命を救われた虎彦は、彼の裏稼業「近松万始末処」に引っ張り込まれる。「悩める町の者の人助け」とうそぶく近松にこき使われるまま、失せ人捜しにお犬さま騒動、井原西鶴の幽霊退治など、さまざまな事件の解決に奔走する虎彦だが、近松にはある思惑が――。正体不明の美貌の剣士に賢い忠犬、からくり細工師見習い少女ら始末処の面々が繰り広げる人情時代小説。
  • あずかりやさん
    4.0
    「一日百円で、どんなものでもあずかります」 東京の下町にある商店街「明日町こんぺいとう商店街」のはじっこで、物静かな店主がひっそりと営業するお店「あずかりや・さとう」。店を訪れる客たちは、さまざまな事情を抱えて「あるもの」をあずけようとするのだが……。大人気「猫弁」シリーズの著者が紡ぐ、ちょっと不思議で、せつなく心あたたまる物語。
  • ヘーゼルの密書
    4.0
    1939年、上海。語学教師の倉地スミは、極秘裏の日中和平工作に通訳として参加していた。いったんは頓挫する和平の道だが、今井武夫陸軍大佐のもと、新たな交渉〈桐工作〉に乗り出してゆく。日中双方の謀略が渦巻く中、スミと仲間たちは想像を絶する困難なミッションに挑むのだが――。歴史の巨大なうねりに命をかけ立ち向かう人々の姿に、心震える傑作長編。
  • P+D BOOKS マカオ幻想
    4.0
    1巻770円 (税込)
    亡くなった年に発表された遺作短篇集。 「もしも日本に帰れずに、かの地で死ぬようなことがあったら、私は必ず前歯にジェズスの教えのみしるしを刻みこんで置きます。」  本家の敷地内から発見された壺の中から、365年前にマカオに流された先祖の“遺言”が発見された。遺骨の行方を捜しにマカオを訪れた千葉裕平は、亡くなった娘・由紀子に生き写しの女性、葉銘蓮と出会う。果たして、“みしるし”を刻んだ遺骨は見つかるのか、そして葉銘蓮の正体は――。  マカオへの幻のような旅を綴った表題作に、八甲田山雪中行軍の外伝「生き残りの勇士」、イギリス公使オールコックが外国人として初めて富士山頂に立った顛末を描く「富士、異邦人登頂」など8篇を収録した短篇集。亡くなった年に出版された遺作のひとつ。
  • ひょうたん 新装版
    4.0
    本所五間堀の鳳来堂は、音松とお鈴が縁あって所帯を持ち、立て直した古道具屋。店番の合間に、店の前に出した七厘でお鈴が作る料理は、道行く人の腹の虫を鳴かせ、音松の友人たちを招き寄せる。そして、数奇ないきさつで集まって来る“訳あり”の品物たちは江戸町人の喜怒哀楽を浮かび上がらせ――。『甘露梅』に続く、人情ものの名手・宇江佐真理の時代連作集、新装版第二弾! 巻末エッセイには朝倉かすみ氏が寄稿。
  • 皿の上のジャンボリー : 上
    4.0
    1~2巻792~847円 (税込)
    1944年、東條首相暗殺の極秘任務に失敗した陸軍中尉のグンゾー。朝鮮半島にひん死の状態で流されたが、焼餃子を食べて生き長らえた。未体験の幸福感と美味……この究極の食べ物を世界に広めるのが新たな使命だと気づいたグンゾーは、旅に出る。朝鮮のマンドゥ、満州の蒸し餃子、モンゴルのボーズなど様々な餃子に出会い、いつしか仲間も増えて「究極の餃子」とはなんなのかが見えてくる。食欲そそる熱々のグルメ冒険小説!(文庫化にともない『焼餃子』を改題)
  • レストア家族
    4.0
    壊れた家族と潰れかけている工場の再生物語。 ある日、ヤハギ自動車商会の社長・矢作雄造のもとに女性と男の子が現れた。交通事故で亡くなったひとり息子・秀一の元嫁・裕子と孫の悟だ。悟を連れて実家に戻ってから八年もの間、ずっと顔を合わせていなかったのに、今さらなぜ? 話を聞けば、雄造と一緒に働きたいという。元夫がなぜあれほど車好きだったのか、どうしても知りたくて、専門学校に通ってまで、自動車整備士の資格を取ったらしい。裕子と悟を受け入れた雄造だったが、実は工場の経営は危機的状況にあって……。 雄造の弟でライバル会社を経営する敬司の妨害、友達のできない悟の小学校生活など、次々と困難が降りかかる雄造と裕子。 力を合わせるふたりを見て、工員の鈑金名人・荒井鉄也とミュージシャン・弘中恵、そして、元工業高校教師の芝田紀文が奮闘する。 家族と工場再生の感動物語。文庫書き下ろし。
  • 鳴かずのカッコウ
    4.0
    日本社会に対する「警告の書」。 公安調査庁は警察や防衛省の情報機関と比べて、ヒトもカネも乏しく、武器すら持たない。そんな最小・最弱の組織に入庁してしまったマンガオタク青年の梶壮太が、ある日のジョギング中、偶然目にした看板から国際諜報戦線に足を踏み入れることに。“ミス・ロレンス”こと西海帆稀とともに、神戸に暗躍する謎のウクライナ人を追跡する―― 〈インテリジェンスにあまりに無頓着だった日本社会に対する「警告の書」として本書を読むべきだろう〉――ジャーナリスト・後藤謙次氏(解説) 【「ウルトラ・ダラー」シリーズ・スピンオフ】 ※この作品は単行本版『鳴かずのカッコウ』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • おしゃべりオコジョと秘密のアフタヌーンティー 霧摘み紅茶と日向夏のタルト ~冬毛のオーナーを添えて~
    4.0
    「いらっしゃいませ。『オコジョのティールーム』へようこそ!」  幼い頃からの夢を絶たれた23歳・無職の青年コウが偶然たどり着いたのは、愛らしすぎる「しゃべるオコジョ」がオーナーを務める英国喫茶店。香り高い紅茶と、ダジャレ好きなイケオジパティシエによる絶品スイーツ、そして不思議なほど人の心の機微を読み取るオコジョさんのうんちく。訪れる人々をほっこり魅了するこの店でアルバイトをすることになったコウは、店のさらなる秘密に触れて……?
  • 婚活1000本ノック(新潮文庫)
    4.0
    1巻693円 (税込)
    これは実話であり、登場するすべての人物・団体は実在する――。南綾子31歳、独身、売れない小説家。冬の夜、かつて「クソ男・オブ・ザ・イヤー」を授与した山田が現れ、わたしに婚活を命じる。遊び相手に殺されて幽霊となった山田は、わたしの婚活成功を頼みに成仏を狙うらしい。お料理合コン、お見合いパーティ、漁師の嫁募集。奮起しては絶望する綾子だったが。熾烈で切実な婚活小説!(解説・豊島ミホ)
  • 破天荒(新潮文庫)
    4.0
    1巻737円 (税込)
    スクープ連発の若き業界紙記者がいた! 高校中退ながら、石油化学新聞社に入社した杉田亮平は、生意気といわれようが、言いたいことを言うのが信条。その圧倒的な取材力に、大手経済紙も高級官僚も驚愕した。企業トップと堂々と渡り合い、誰よりも早く情報を掴み、ダイナミックな経済の現場に立って、亮平は日本経済の真ん中を駆け抜ける。人間ドラマを見つめてきた著者の自伝的経済小説。(解説・加藤正文)
  • 華のかけはし―東福門院徳川和子―(新潮文庫)
    4.0
    1巻1,045円 (税込)
    家康の孫娘、和子(まさこ)は「徳川の血を引く天皇の誕生」という悲願のため、後水尾天皇のもとに入内した。二度と、江戸の土は踏めぬ――。一触即発の朝幕関係、待望した皇子の夭折(ようせつ)、夫帝の突然の譲位。次次と襲いかかる荒波を持ち前の天真爛漫(てんしんらんまん)さと芯の強さで乗り越え、彼女は両家の対立を超えた存在となってゆく。歴史上唯一、皇后となった徳川の姫の、稀有(けう)な生涯を描いた大河長編。『華の譜』改題。(解説・近藤サト)
  • 2023文藝春秋電子書籍ベスト100【文春e-Books】
    無料あり
    4.0
    2023年、もっともよく読まれた作品は? 文藝春秋の電子書籍のダウンロード数を元に集計したベスト100、今年もお贈りします 2023年の1位は、衝撃の芥川賞受賞作。2位は、外資系コンサルティング会社を12年間生き延びた著者が明かす「最速仕事術」。3位は、8年連続ベスト3入りとなったベストセラー小説です。 またコミックのほうは、あの「ラスボス倒して転生した」作品がベスト5を独占! 昨年はベスト3独占でしたから、その勢いは増すばかりです。 読書計画にも役立ていただける内容です!
  • 僕らの口福ごはん
    4.0
     小説家の陽平と会社員の和樹は一緒に暮らす恋人同士。ある日、陽平が大量の空豆を買ってくる。あきれる和樹を前に陽平は空豆を使い十の料理を作り始める。料理上手な陽平が指示して和樹が手伝い完成した料理は、まさに“口福”の味。陽平は他の食材でも十品作って小説に書くと言い出して――。  空豆と豚のトマト煮、鯛皮の湯引きポン酢、山葵のマッシュポテト、とうもろこしのかき揚げ。一つの食材から生まれた十の絶品レシピが、二人の日常を彩る。江戸時代の料理集『百珍物』から着想を得た、幸せでおいしい短編集。
  • あわいに開かれて
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    ――記憶よ、きみはよく道の半ばで姿をくらますが、 ときに思いも寄らぬものを連れてくる。 現実と虚構のはざまに産み落とされた、詩情あふれる傑作掌編小説集 記憶の奥底を覗き込む、やわらかくて危うい――至高の41篇 日の出/黒い羽根のある沈黙/壁と壁/雪の上に/つぼみ/襞/隙間/雲か煙か/雲の狩人/光の環/風の運ぶもの/泥に泥に泥に泥に/防災行政無線/夜空に吸い込まれる/月明かりの下で/寂しげな瞳/発芽/緑に染まる/闇の奥から/風と光と海と/苔の記憶/箱に収められたもの/窓を覗く/沼のほとりで/境界線の上で/郷愁?/粉雪の舞う夜に詩人と/空き家の前で/夜の底の花/おぼろげなもの/花を咲かせる/茶色い毛並み/波紋の描くもの/暗い部屋のなかで/誰のもの?/お手紙をいただいて/黄金の光に包まれて/クリスマスのひみつ/森の人々/逃げなさい/さようなら
  • 仕事のためには生きてない
    4.0
    『ミカゲ食品は「スマイルコンプライアンス」の精神で、信頼回復に努めてまいります』 異物混入騒動への社長の発言が炎上した翌日、35歳の多治見勇吉は、〈スマイルコンプライアンス準備室〉に異動となる。実体不明の社長の言葉を形にしろというのだ。 社長に忖度する役員の無茶ブリ、会議のための会議、終わらぬ資料作り。趣味のバンド活動が最優先だった勇吉も、仕事漬けの毎日に。そんな中、バンド仲間が余命宣告を受ける。 「自分はどうして、こんなに働いているのだろう」 よりよく働ける職場を目指し、勇吉の奮闘が始まる。
  • 書きしごと。
    4.0
    今をときめく人気芸人の皆さんへ。 「Q.面白い小説を書いてみてください。」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 吉住さんへ。 「Q.ゾッとするようなサスペンス小説を書いてください」 ぴろ(キュウ)さんへ。 「Q.心があったまるような日常系小説を書いてください」 ニシダ(ラランド)さんへ。 「Q.内面がえぐられるような小説を書いてください」 石橋遼大(四千頭身)さんへ。 「Q.甘酸っぱい青春小説を書いてください」 上田航平さんへ。 「Q.シュールなSF小説を書いてください」 布川ひろき(トム・ブラウン)さんへ。 「Q.とにかくぶっ飛んだ小説を書いてください!!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー →答えは本書にて!
  • 百鬼夜行~日暮左近事件帖~
    4.0
    江戸の町に人斬りをする乱心者が出現。公事宿「巴屋」の主彦兵衛から話を聞いた出入物吟味人の日暮左近は、その乱心者が次々に人を斬るのを間近で目撃した。左近は、乱心者の背後に丹波忍びの影を嗅ぎ取る。そして、その丹波忍びは、人を操る術を使うことがわかってきた。次々に人を「鬼」とする「傀儡の術」を操る丹波忍びとの対決が迫る……。日暮左近は、その忍びに打ち勝つことができるのか。人気シリーズ、驚愕の第十七弾!
  • 癒しの湯 純情女将のお慰め
    4.0
    わたしのことも、 慰めていただけませんか? 悩みを抱える人妻、 純真無垢な仲居、 憧れの若女将 ポツンと温泉旅館で、 心も体もほっかほっか!! 濡れたバスタオルが 肌にぴったり貼りつき…… 雪景色を眺めながら、 吾郎は列車に揺られていた。 突然、札幌に転勤になった彼は、 大学の卒業旅行以来、 思い出の温泉旅館を訪れることになったのだ。 10年前、温泉で慰めてくれた 年上の若女将はいるのだろうか--。 旅館では、悩みを抱える37歳の人妻、 元気いっぱいのかわいい仲居とも出会い……。 読めば元気が湧いてくる、 ハートウォーミング温泉官能! 目次 第一章 湯けむりの若女将 第二章 一夜だけの情交 第三章 仲居さんのお願い 第四章 女将の矜持 第五章 十年目の交わり
  • 元カレごはん埋葬委員会
    4.0
    1巻1,760円 (税込)
    金曜夜、二十二時。場所は喫茶「雨宿り」。 食べると元彼の顔が浮かぶけど、お蔵入りさせたくないあのレシピ。 また、作れるようにいたします。 「女を振る場所によりによってラブホをえらばなくたって いいでしょうが、ばかー!」 29歳、4年付き合った彼氏にフラれた、 クソ重くてめんどくさい女、桃子。 国宝級のイケメンだけど、 実は忘れられない彼女がいる店長、雨宮伊織。 親との関係に複雑な思いを抱えながら 近所の寺、星山寺で修行する僧侶、黒田穂積。 金曜夜、二十二時。場所は喫茶「雨宿り」。 元彼の好きだったあのレシピ、 成仏させて、 また作れるようにいたします!! 泣いて、泣いて、みんなと話して、 泣き止んだら、 あのご飯を作って、一緒に食べよう。
  • うらんぼんの夜
    4.0
    片田舎での暮らしをきらう高校生の奈緒は、東京から越してきた亜矢子と親しくなる。しかし、それを境に村の空気は一変し、亜矢子の口数も少なくなってしまう。疑念を抱く奈緒は、密かに彼女の自宅に忍び込もうとするが……。解説・西上心太。
  • 龍の髭 小烏神社奇譚
    4.0
    江戸の人々を悩ませる不眠と悪夢の元凶だった鵺を退治した竜晴達。だが「これで終わりと思うな」という鵺の言葉通り、再び蜃気楼が現れ、それと共に小烏丸が姿を消す。小烏丸を捜す旅に出た竜晴と泰山は、旅先で平家一門を診ている泰山そっくりの医者に遭遇する。泰山は治療を手伝い、竜晴は中宮御所で一人の女性に出会うが……。シリーズ第八弾!
  • 阿茶
    4.0
    「政など、きれいごとでは進まない。呑まれているときではない」。豊臣家大坂城の堀を埋め徳川の権威を決定づけたのは、武士をも凌ぐ智慧を持った阿茶だった。夫亡き後、徳川家康の側室に収まり、戦場に同行するも子を喪う。禁教を信じ、女性を愛し、戦国の世を自分らしく生き抜いた阿茶の格闘と矜持が胸に沁みる感涙の歴史小説。
  • 天下人の茶
    4.0
    安土桃山時代に茶の湯という総合芸術を創出した千利休。秀吉に「内々の儀」を一任されるほどの厚い信頼を得たが、その秀吉によって最期は自死に追い込まれる。その裏には何があったのか? 牧村兵部、瀬田掃部、古田織部、細川忠興という利休七哲に数えられる高弟たちによって語られる利休と秀吉の相克。「茶聖利休」の実像に迫る連作短編集。
  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)
    4.0
    地下鉄を東京に走らせる。〈非常識〉な大事業を決意した早川徳次。経験も資金もゼロだったが、大隈重信、渋沢栄一を口説き、ついに上野―浅草間を開業する。日本初の自動改札機やATSを導入、日本橋三越本店直結の駅も作った。だが、ライバルが現れた。のちの「東急」の五島慶太である。地下鉄の路線をめぐる非情な戦いが始まった……。夢を追いかけた非凡な実業家の波乱の生涯を描く傑作。(解説・酒井順子)
  • 言いわけばかりの私にさよならを
    4.0
    ■あらすじ 私だけだ、何も持っていないのは――。中学最後の大会で最悪なミスをして、大好きなバレーボールを辞めた鈴乃。高校は楽しいけれど、好きなものに夢中な友人達から取り残された気持ちになってしまう。そんな時、隆二先輩は「鈴乃ちゃんはもっと跳べる」と言葉だけでなく証明してくれた。ひたむきに努力する彼の言葉だから、信じることができた。だけど、先輩は人知れず絶望と闘っていて……。夢を追う2人の恋が爽やかな奇跡を呼ぶ物語。 ■著者からのメッセージ こんにちは、加賀美真也です。 この度は角川文庫さんから「言いわけばかりの私にさよならを」刊行させていただくことになりました。この物語は、挫折によって自らの才能や可能性を信じられなくなってしまった女の子が、ひたむきに努力する男の子と出会い、惹かれ、自分自身と向き合う物語です。彼女たちの行く末をあたたかく見守っていただけると幸いです。
  • トンネルの森 1945
    4.0
    太平洋戦争さなか、幼くして母を亡くしたイコは父の再婚相手になじめぬまま、生まれたばかりの弟と三人で小さな村に疎開することに。家のそばにある暗く大きな森がトンネルのようで怖くてたまらなかった。同級生たちはあの森に脱走兵が逃げ込み自殺したのだ、と噂をしていた。ある夜、森の奥からハーモニカの細い音色が流れてくる。数日後、沼で失くしたイコの下駄が森の出口に置かれていた。「あり・が・とう」イコはちいさく呟いた。戦争は激化し、東京大空襲で半死半生の父が見つかる。不安に押しつぶされそうになったイコは森に入る。「兵隊さーん」そこでイコが目にしたものは……。「「魔女の宅急便」の著者が描く少女の戦争。(解説:小川 洋子)
  • ジャーロ dash No. 91【無料版】
    無料あり
    4.0
    「ジャーロ dash」はミステリー誌「ジャーロ」の無料試し読み版です。ミステリーを掘り下げるエッセイ、評論、マンガなどの企画ページを無料で読むことができます。また、長編連載、連作短編、読み切り短編の小説も、冒頭部分を試し読みOK! 91号は大人気連作短編、佐川恭一〈七浪京大卒無職〉シリーズや斜線堂有紀〈キネマ探偵カレイドミステリー〉、三津田信三〈妖 怪 談〉が登場。今回から読んでも楽しめる魅力的な短編です。
  • 首斬りの妻
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    時は天明、戦なき泰平の世。篠山藩右筆の娘・リクは退屈な藩邸暮らしを嫌い、自分らしさを探し求め、剣術の稽古に明け暮れていた。そんなリクに舞い込む縁談話、相手は山田家の養子となったばかりの三輪源五郎だった。当時、罪人の斬首を担当する山田浅右衛門は首斬りの一族として忌み畏れられていた。ゆえに父や藩は反対し、すぐに断ろうとするが、源五郎の剣技を目にしたリクは、その深い度量に惹かれていく。
  • 小説 翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~
    値引きあり
    4.0
    「関西の皆様、飛び火してすんまへん。」 11月23日公開の「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」ノベライズ! 前作に続いて脚本を手掛けた、徳永友一氏による完全書き下ろしです! 興行収入37.6億円の大ヒット、そして第43回日本アカデミー賞最多12部門を受賞した映画「翔んで埼玉」の続編がいよいよ公開! しかも今度の舞台は…埼玉だけでなく、関西圏!? 埼玉に海をつくることを計画した麗が向かったのは、和歌山県の白浜。そこで出会ったのは、滋賀解放戦線のリーダーだった。 壮大な茶番劇は、東西対決へと発展――!? 脚本を手掛け、本作で第43回アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した徳永友一による完全書き下ろしです。 巻末には、原作者・魔夜峰央による描き下ろしマンガ付き!
  • AIに、恋の仕方を聞いてみた
    4.0
    「自動告白機みたいなのがありさえすれば」 『自動失恋慰め機の開発も待たれるな』 陸上部のエースに学園祭で告白したい浩太は、AI端末と夜な夜な計画を練る。一方、さくらは幼なじみの家に自分のコピー人格AIを送り込み、恋愛シミュレーションを図るが……。計算では万全なはずだったのに、現実の壁はあくまでも高い。AIがほんのり照らす不器用な主人公たちの未来。 『それをAIと呼ぶのは無理がある』改題
  • ソルジャー&スパイ 公安機動捜査隊〈特別作業班〉
    4.0
    〈アンデッド(不死身)〉な自衛官×悪意を嗅ぎ分ける公安捜査官 正体不明のテロリストに立ち向かう二人の運命は!? 中東派遣から帰隊した防衛省中央情報隊の萩生一尉を待っていたのは、日本に入国するという正体不明のテロリスト「ベル」を追うために、公安外事第四課・真波との協働を命じる辞令だった。異例の指示を受け、お互い反発しあいながらも捜査を開始するが、「ベル」を狙うCIAの非公認工作部隊からの妨害が入る。忍び寄るテロの魔の手から日本を護れるのか。緊迫のスパイアクション、開幕! 文庫書き下ろし。
  • 熊の肉には飴があう
    4.0
    飛騨の古川に、全国から舌の肥えた客が詰めかける一軒の名料理茶屋がある。その名は「右官屋権之丞」。飛騨の匠の末裔が、匠の心はそのままに、鑿を包丁に持ち替えて開いた店だ。扱う食材は、鳥獣、川魚、山菜など周囲にある自然の恵みや、塩鯨など歴史的に用いられてきた素朴な食材のみ。しかし、その素材を活かし切る技法が想像を絶する一皿を生む。ちくま文庫オリジナル。
  • 花咲く神さまの花嫁
    4.0
     勤勉で、安定第一。結婚願望も持たない千景は、地方公務員試験前に訪れた神社で、銀髪蒼眼の男・秋水にいざなわれる。気づくと裏世界《月世》に連れ去られていた。  秋水によると、千景は世界を支える《命花》を育てる巫女だという。主神である自身と結婚し、花を咲かせるよう請われるが……。 「花が必要なら協力はします。ですが花嫁になる必要はないのでは?」  元の世界に帰る条件で、お仕事として巫女をすると宣言して!?  何かと噛み合わない千景と秋水。二人の思いは、やがて月世を、そしてお互いを変えていく――。
  • 北斗の邦へ翔べ
    4.0
    松前家中の少年、春山伸輔は、尊皇攘夷に与しなかったことで落ちぶれてしまった家名を復権させるべく、箱館の遊軍隊と合流。 榎本軍への撹乱活動を行っていた。 一方、新選組副長だった土方歳三は、蝦夷地にできた箱館政府において陸軍奉行並となっていた。 市中の混乱を収めつつ、近藤勇らと夢見た国盗りを、再びこの地で実現させようとしていた。 薬売りに変じて市中見廻りに出ていた土方歳三は、撹乱活動中だった伸輔と偶然にも知り合うことになる。 互いの正体を知らないままに、知遇を得た二人。 だが激化する戦いが、やがて二人の運命を切り裂いていく。待望の文庫化。
  • 銀の夜
    4.0
    女子校時代に少女バンドを組んでメジャーデビューした3人の女性。30代半ばとなった現在、人生のピークは10代だったと懐かしむ毎日を送っている。夫に浮気されたり、自らの見果てぬ夢を娘に託したり……など、日常は冴えない。そんな毎日にひょんなことからあるミッションが舞い込み、3人はまた図らずも力を合わせることに……。人生と本当に向き合い始めた大人女性たちの「生きる手応えとは?」を描いた話題作。
  • 甘露梅 新装版~お針子おとせ吉原春秋~
    4.0
    岡っ引きの夫に先立たれたおとせ。時を同じくして息子が嫁を迎えたため、手狭な家を出て吉原で住み込みのお針子となった。元町家の女房の目に映る、華やかな遊廓の表裏で繰り広げられる遊女たちの痛切な営みと恋模様、人情劇。めぐる季節の中で、いつしか自身にも仄かな想いが兆し始め――。著者の没後10年を前に4カ月連続で新装版刊行! 第一弾となる本編には、公私にわたり交流のあった諸田玲子氏の書下ろしエッセイを収録。
  • 新装版 ジャックナイフ・ガール
    値引きあり
    4.0
    累計60万部突破『果てしなき渇き』著者 デビュー20周年記念、待望の新装版! 極悪&痛快なバイオレンス・アクション! ――敬意を払うに値しない相手には相応の死を。 それがあたしの流儀。 殺人強盗放火が日常茶飯事、都会も田舎も等しく極貧にあえぐ20XX年。 東北のアウトロー少女が荒廃した世界を爆走する! (あらすじ) 20XX年、震災によって荒廃した東北をひとりの少女が爆走する。 稀代の不良・桐崎マヤ――ナイフを常に持ち歩き、目的のためなら手荒い行為もいとわない、通称“切り裂き”マヤ。 時に大麻を収穫すべく舎弟を連れて隣県まで乗り込み、時に強盗放火殺人の容疑をかけられながら真犯人を追いかけ……。 無慈悲な世界を舞台にした連作短編集が、深町秋生デビュー20周年を記念して装いを新たに再臨! 【著者について】 深町秋生 1975年、山形県生まれ。第3回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2005年に『果てしなき渇き』(宝島社)でデビュー。同作は「渇き。」として2014年に映画化。他の著書に「組織犯罪対策課 八神英子」シリーズ(幻冬舎)、「ヘルドッグス」シリーズ(KADOKAWA)など多数。
  • [新版]ジャパン・ディグニティ
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    〈あらすじ〉 22歳の美也子は津軽塗職人の父と、デイトレーダーをしているオネエの弟との三人暮らし。母は、貧乏暮らしと父の身勝手さに愛想を尽かして出て行った。美也子はスーパーのレジ係の傍ら、家業である津軽塗を手伝っていたが、元来の内向的な性格と極度の人見知りに加え、クレーマーに苛まれてとうとうスーパーを辞める。しばらくの間、充実した無職ライフを謳歌していたが、やがて、津軽塗の世界に本格的に入ることを決めた。五十回ほども塗りと研ぎを繰り返す津軽塗。一人でこつこつと行う手仕事は美也子の性に合っていて、その毎日に張りを与え始める。父のもとで下積みをしながら、美也子は少しずつ腕を上げていき、弟の勧めで、オランダで開催される工芸品展に打って出ることに。 青森の津軽塗を通して紡ぐ、父娘の絆と家族の物語。
  • P+D BOOKS 海の牙
    4.0
    1巻770円 (税込)
    人間の欲を浮き彫りにする社会派ミステリー。 「工場はおそろしい水銀の水を流している。魚は獲ってはいけない。獲った魚を喰えば死の病いにとりつかれる。  そうだ、この海……この暗い海の底から、目に見えない何ものかが牙をむいて迫っている」  不知火海沿岸で発生した奇病“猫踊り”。魚や貝を食べると、猫はもちろん、人間までも前後不覚になり死んでしまう恐ろしい病気だ。その実態を調べるために東京の保健所から来た男が行方不明になる。警察医・木田民平は勢良警部補とともに、工場や投宿した旅館などを探るが、男はやがて鴉についばまれた死体で発見される。  男はなぜ殺されなければならなかったのか。そこには、さまざまな“欲”が、複雑に絡み合っていた――。  日本中を震撼させた水俣病を題材にし、直木賞候補にもなった衝撃作。
  • 元猫又ですが、陰陽師の家で猫のお世話係になったら婚約することになりました。
    4.0
    大正十年。女学生の琥珀はハチワレ猫の案内で、ある屋敷にたどり着いた。実は琥珀は父から猫又の生まれ変わりだと言われており、半信半疑ながらもどこか懐かしさを覚える、猫の沢山いるその四季島家に入ってしまう。縁あって猫のお世話係として働くことになり、なぜか大の猫嫌いの当主の陰陽師・御影と、持ち込まれる怪異に挑む。やがてある過去が明らかになり――。ほろりと泣けてキュンとする? 大正あやかし&猫まみれ小説。
  • 女優は泣かない
    4.0
    女優とADが織りなすいつかのあなたの物語。 スキャンダルで仕事を失った女優の園田梨枝が10年ぶりに地元の田舎町に帰ってきた。理由は、謹慎明けの復帰仕事として渋々受けた「密着ドキュメンタリー撮影」のため。しかし、現場にやってきたのは生意気なバラエティ班AD・瀬野咲ただ一人。全くソリが合わない二人の前途多難な撮影がスタートする。 なるべくこっそり撮影をしたい梨枝の気持ちとは裏腹に小さな町で広まる噂。やがて、撮影のことを内緒にしていた梨枝の家族たちの耳にもその噂は入る。 父・康夫と大喧嘩の末、町を飛び出した梨枝。その父は今、末期ガンで生死の境を彷徨っていた。父の病状を知りながら、父を避けていた梨枝の帰郷に怒り心頭の家族。 果たして、ドキュメンタリー撮影の行方は? 梨枝と康夫の確執の顛末は?崖っぷちの女優と若手ディレクターが最後に見つけた自分達の居場所とは--? 新進気鋭の映像作家・有働佳史の初長編映画『女優は泣かない』がいよいよ2023年12月より全国劇場公開されます。公開に先駆けて小説版が登場。熊本を舞台にした「いつかの自分の物語」を小説版でもお楽しみください。
  • がらく屋の呪われた質草
    4.0
    人に呪いを振りまく悪い魔法使いが描いた肖像画の真実とは――? 買取専門ショップで働いていた神楽は、祖父の遺言で彼が経営していた質屋『がらく屋』を譲り受けることになる。 しかし、質流れしてしまった『曰くつきの絵画』を取り戻すまでの期間限定で、千景と祖父の家で一緒に住むことに!? 個人経営の古びた質屋に持ち込まれる質物をめぐるハートフルドラマ 第一章 魔法使いに呪われた質草 第二章 幽霊が喜ぶのは、呪われたラーメン屋台 第三章 呪われた小箱と遺産をめぐる狂想曲 第四章 恩師の呪われたネクタイピン 第五章 魔法使いがかけた呪いを、ポジティブでぶっ飛ばす 第六章 絵の中にいる真実 2012年頃よりWEBに小説を投稿しはじめる。2015年に連載を開始した「コンカツ!」でアルファポリス「第8回恋愛小説大賞」大賞を受賞。2016年、同作にて出版デビューに至る。『第二回お仕事小説コン』優秀賞受賞作家。マイナビ出版より『おいしい逃走』『河童の懸場帖(かけばちょう) 東京「物ノ怪(もののけ)」訪問録』1~3巻、『あやかしトリオのごはんとお酒と珍道中』1~2巻を発行。また著書に『ぽんこつ陰陽師あやかし縁起』(アルファポリス)、『京都北嵯峨シニガミ貸本屋』(双葉社)などがある。
  • 金猫座の男たち
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    大学生の高瀬歩は、かつて母を捨てた“金猫座”の支配人・健司を訪ね、半ば強引に受付のアルバイトになるが、そこは往年の輝きを失い休館の危機を迎えたポルノ映画館で、訳ありの人々が集まる場所だった…(「昭和の男」)。「咽喉チンコ引っこ抜かれたいんかい、おばはん?」ふとした拍子に『仁義なき戦い』の大友勝利が憑依してしまう気弱な映写技師のてん末とは?(「仁義なき男」)、他2編を収録。映画館という思い出のスイッチを舞台にした、ユーモアと感動に満ちた人情劇場。映画好き・映画館好きに贈る一冊。
  • 波の鼓動と風の歌
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    自己肯定感が低く、日陰にいる者を自認し、生きづらさを抱えて暮らしている女子高生のナギは、校外学習で行った小さな山で湖に転落。人と獣のまじりものの姿で目覚める。岩牢に囚われた彼女を救ったのは、紺碧の瞳をした少年。元の生活に戻ることを願い、共に都を目指すが……。煌めく星の海。空を翔ける翠竜。美しい異境の地には、恐るべき“秘密”が眠っていた。交錯する人々の思惑は、やがて国の存亡を懸けた戦いに発展し――。その時、ナギが選び取る運命とは? 魂震える、冒険ファンタジー。令和の『ナルニア国物語』誕生!
  • 屋根裏部屋でまどろみを
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    主従、親友、許婚……前時代的価値観に逆戻りした世界で起こった事件の陰に恋の予感? 自分で言うのもなんだが、私は美しいから 全寮制の名門、早雲女子学院。皐月祭も間近なある日、雲水寮寮長を務める宝珠院美音璃は、お家騒動が元で世話係の山下紬と木犀棟の屋根裏部屋に移ることに。紬や親友の芙久子の心配をよそに、紬のメイド服を着たりと状況を楽しんでいるような美音璃。だが皐月祭の直後、木犀棟で生徒の遺体が発見される。許婚を招き、外部の人間が出入りする唯一の日に起きた事件。謎の男・汐路との約束を守ろうとした美音璃は…。 藤ヶ咲・装画
  • 生と死をめぐる断想
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    序章 死をそばに感じて生きる 團十郎の辞世  死生観表出の時代  自然災害のインパクト  どこから来てどこへ行くのか  二つの立場  テクノロジーの進化の果てに  1章 「知」の人の苦しみ 伝統的な宗教の後に  岸本英夫の実践  合理性の納得  頼藤和寛の世界観  はじまりのニヒリズム  「にもかかわらず」の哲学  自由意志の優位と揺らぎ  多田富雄の受苦  人格を破壊から守る  サイコオンコロジー  医療の現場で  ホスピスとデス・エデュケーション  遺族外来、がん哲学外来  禅の否定するもの  「わたし」を「なくす」  河合隼雄の遍歴  ユング心理学と仏教  切断せず包含  2章 スピリチュアリティの潮流 崩れつつある二元論  オルタナティブな知  理解できないものへの態度  時代という背景  第三の項へ  ポストモダンの現象  ベクトルの交わるところ  島薗進の視点  「精神世界」の隆盛  個人の聖化と脱産業化  鈴木大拙の霊性  宗教的でなくスピリチュアル  玄侑宗久との往復書簡  「而今」の体験  「いのち」との関係  潮の満つるとき  海のメタファー  親鸞の絶対他力  生死の中で生死を超える  日本的発現  ゆりかごとしての風土  3章 時間を考える 代々にわたり耕す  柳田国男の「先祖」  個体から集合体へ  つなぐラフカディオ・ハーン  田の神と山の神  時代からの問い  四つの類型  折口信夫の「海の他界」  野という中間地帯  身近な行き来  かのたそがれの国  うつし世、かくり世  帰ってゆく場所  先祖の時間  線をなす時間  層をなす時間  輪をなす時間  自然との親和性  季語のはたらき、リズム  津波を詠んだ句  山川草木悉有仏性  「衆生」の範囲  貞観地震と津波  暴れる国土  山川草木悉有神性  瞬間瞬間にふれる  不動の中心  技法としての行  色即是空  井筒俊彦による視覚化  縁起という実相  根源のエネルギー  式年遷宮  「木の文明」  生の造形  宣長の「悲し」と「安心」
  • 外科室・天守物語(新潮文庫)
    4.0
    1巻649円 (税込)
    私はね、心に一つ秘密がある――。伯爵夫人手術時に起きた“事件”を描く『外科室』。眷族を伴として姫路城天守閣に棲む妖姫が、若き武士と出逢う『天守物語』。二つの代表作に加えて、故郷金沢を情感ゆたかに描く怪異譚『霰ふる』。三島由紀夫が絶賛した絶筆『縷紅新草』。そして『化鳥』『高桟敷』『二三羽――十二三羽』『絵本の春』を収める。アンソロジスト東雅夫が選び抜いた、鏡花文学の精髄八篇。(解説・東雅夫)
  • 小島(新潮文庫)
    4.0
    「絶対に無理はしないでください」豪雨に見舞われた地区にボランティアとして赴いた〈私〉は、畑に流れこんだ泥を取り除く作業につく。その向こうでは、日よけ帽子をかぶった女性が花の世話をしていた。そこはまるで緑の小島のようで――。被災地支援で目にした光景を描いた表題作のほか、広島カープを題材にした3作など14編を収録。欧米各国で翻訳され、世界が注目する作家の最新作品集!(解説・藤野可織)
  • 掲載禁止 撮影現場(新潮文庫)
    4.0
    不気味な廃墟で言い合いをする二人の男の衝撃的結末「例の支店」、自分が犯人だと自首してきた男を問い詰めていくなかで進行する奇妙な議論「哲学的ゾンビの殺人」、カリスマ映画監督の作品に出演した役者が見た、とんでもない光景「撮影現場」、仕掛けが冴える著者の真骨頂特別書下ろし「カガヤワタルの恋人」……。怖いのに、読むのが止められない傑作八編。心臓の弱い方は、ご注意ください。(解説・真梨幸子)
  • モモ100%
    4.0
    1巻1,595円 (税込)
    モモの退屈な日常に彗星のごとく現れた、運命のトリックスター・星野。嘘つきな彼との命綱みたいな恋、別れ、そして出会い――。愛すべき文体で綴られた、少女漫画小説!文藝賞受賞第一作。
  • 小説 人望とは何か?
    4.0
    1巻950円 (税込)
    新興家電メーカーBEATECHの西郷武彦は、創業者・島津彬光から薫陶を受け、営業本部長として類稀なリーダーシップを発揮していた。その後新社長である島津敏光に疎まれ子会社に出向したのだが、やがて本社に復帰し、人事部長として様々な難問に取り組むこととなった――。物語を通して疑似的に「経験学習」を行うことで、人望についての深い理解が生まれる一冊。ベストセラー『もしも徳川家康が総理大臣になったら』の著者が「迫真のドラマ&理論」で解説! ●1on1よりも、明確な指示を ●人望がある人とは、組織の価値観を体現している人 ●組織の矛盾は中間管理職へ…… ●言葉だけではモチベーションは上がらない ●「具体と抽象」で価値を発見する ●アンコンシャスバイアスの罠 ●器とは視座である ●島津久光はなぜ西郷隆盛に屈服したのか ●歴史は繰り返す ●「人望」は、時に暴走する ●人望がある人とは、希望を与えられる人
  • 今日、君と運命の恋に落ちないために
    4.0
    【電子版巻末にはセカイメグル先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 「運命の赤い糸」を幼い頃から信じて生きてきた立花颯太(たちばな・そうた)。 20歳になった彼がついに出会った運命の相手・宝生(ほうしょう)まゆらは、 少し変わった「予知能力」を持つ少女だった。 「私は絶対にあなたと恋なんかしない」そう言い切るまゆらは、颯太にある提案をするのだが――。 能力を持ったためにずっと苦しんできたまゆらは、運命が「絶対」ではないことを証明しようとし、 運命を信じてきた颯太は、好きな相手の思いも尊重したくて思い悩む。 いつ破綻してもおかしくないこの関係の行く末は――?
  • ワイルドドッグ 路地裏の探偵
    4.0
    浅草の古ぼけた遊園地『花やしき』裏で、調査会社を営んでいる元警察官の松戸。覚えのない不祥事に巻き込まれ、出所不明の口止め料4千万を渡された挙げ句、身辺を張り込まれるという境遇に陥った彼は、人生の負け犬を装って探偵を続けていた。そこに警視庁の同僚だった紅林から警察官に成れなかった少女・依美を共同経営者にしないかという申し出が来る。不穏な匂いを感じつつも、それを受け入れた松戸は、紅林経由で依頼のあった教育機関役員の素行調査を進めるのだが……。新たなる探偵バディ小説の登場!
  • 【電子版限定特典カット付】彼女のリアル ドラマチックじゃないなんて知ってた 希島あいりの恋とセックス
    4.0
    【電子版限定特典として、紙書籍版では未掲載の撮り下ろしカット6点を収録!】 セクシー女優で人気インフルエンサーの〝希島あいり〟が初恋、初体験、AVデビューなど、リアルな「性」を語るドキュメントノベル。グラビアとオーディオブックも同時収録。 ※電子版の特典カットは巻末に収録しています。 ※オーディオブックはコンテンツ内のQRコードより音声コンテンツにアクセスいただけます。
  • 「ウルトラマンタロウ」の青春
    4.0
    1巻2,420円 (税込)
    祝・放送開始50年。スタッフとキャストの奮闘を描く、新事実満載のドキュメンタリー第7弾! 1973年、円谷プロは創立10周年を迎えた。代表・円谷一の急逝という悲劇を乗り越え、熊谷健、田口成光をはじめとするスタッフは新たなヒーローの創造に邁進した。4月6日にスタートした『ウルトラマンタロウ』は、小学館の学年誌と連携したファミリー路線をさらに推し進め、低年齢層を対象とする娯楽路線を徹底した。そしてフレッシュな青春スター・篠田三郎を主役に迎えることで、シリーズの集大成とも言える番組に成長していく。底抜けに明るい名作はいかにして生まれたのか。揺るぎない評価を得た著者による決定的ドキュメンタリー!
  • 宝の山
    4.0
    1巻880円 (税込)
    かつて温泉客で賑わった岐阜県宝幢村。16年前の地震で温泉が涸れ、村は衰退するばかりだ。ある日、村おこしのために雇われたブロガー・茗が突如消えてしまった。この村で生まれ育った希子は、隣人の男子高校生に失踪の謎を探ろうとけしかけられる。一方、村長の妻で来宝ファームの社長・麗美にも茗の代役を強引に依頼され――。当たり前の日常が一変する、驚愕のミステリー!
  • あとを継ぐひと
    4.0
    1巻770円 (税込)
    父親から下町の駄菓子工場を継いだ素人の娘。老舗旅館の女将を継ぎたい、トランスジェンダーの息子。障碍者を雇用する会社で、仕事に、人間関係に悩む新入社員。祖父の農場を継ぐという息子を心配する父親。なにかを「継ぐ」にはトラブルがつきもの。それでも前の世代から何かを引き継ぎ、次へ伝えようともがく人々を描く、連作短編集。
  • 竃(へっつい)稲荷の猫
    4.0
    1巻814円 (税込)
    日本橋からほど近い竈河岸の裏店で、小夏は三味線職人の父とふたり暮らしだ。父の弟弟子の善次郎は、母のいない小夏を気遣いながら、一張の三味線を造り上げることを夢見て修業に励んでいた。ふたりは力を合わせ、世にひとつしかない三味線を造り上げようとするが、さまざまな困難が襲う。才能に溢れる若き男女が、己を信じて夢に向かい進む先に待つものとは。
  • P+D BOOKS ゆきてかえらぬ
    4.0
    女性と人間について洞察する著者の真骨頂。  人物評伝では高く評価されている瀬戸内晴美が、自らとゆかりの深い人物について掘り下げた短篇集。  欧州社交界にこの人ありといわれた薩摩治郎八が余生を過ごす徳島に、地元生まれの著者が訪ねていく表題作のほか、太宰治の終焉の地近くに住むことになった著者が、“斜陽の子”太田治子との対話などを綴った「三鷹下連雀」、恋多き男・竹下夢二が最も愛した女性・彦乃との悲しい物語「霧の花」、著者が師事する丹羽文雄と老画家との奇妙な交流と別れを描いた「春への旅」、幸徳秋水の元妻の独白の形で綴られる「鴛鴦」の5篇が、著者ならではの、女性と人間についての深い洞察で描出される。

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