国内小説作品一覧
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4.0地味で平凡なところを買われ、大手化粧品メーカー・最川堂に入社した朝井詩央が配属されたのは総務部。単調な業務の合間に社員の愚痴を聞いているうち、いつしか『愚痴聞き地蔵』のあだ名で呼ばれるようになる。ある日、社長直々に呼び出された詩央は、その存在感のなさと聞き上手を武器に「次期社長候補三名の調査をせよ」と密命を下される。提示された特別報酬に目がくらみ、アイドル的人気を誇る営業部の若手エース・七星悠馬、どんなクレーマーも美声で黙らせる敏腕コールセンター所長・兵藤光淳、革新的なアイデアでブランド刷新を推し進める商品開発部のエリート・唐飛龍の隠密調査に乗り出すが!?
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4.0草原の民アルタナの娘、シリンとナフィーサ。異母姉妹ながら共に育ち、容姿も双子のように瓜二つの二人。ある日、族長である父は姉妹を本当の双子に仕立て上げ、南方の大国・濫に輿入れさせることを告げる。濫国は双子信仰が盛んであり、折しも現在の皇帝も双子だった。長い旅の末、濫国の王城にたどり着いた偽りの双子姫。シリンは弟帝の暁慶の後宮に迎え入れられ、「杏妃」なる名を与えられたが、初夜の床で「未来永劫、お前を抱くつもりはない」と言い放たれる。花嫁衣装も、名前も、全てを奪われ、体を繋がぬまま濫の妃となったシリンの運命は、やがて濫国とアルタナを巡る、大いなる時代の奔流に呑み込まれていく――。歴史に翻弄される人々を、壮大なスケールで描くデビュー作!
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4.0【電子版巻末にはチェリ子先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 人々の感情が色で見える特異な体質のせいで人生に嫌気が差していた明日菜(あすな)は、ある日理不尽なリストラに遭ってしまう。 途方に暮れ、行きついた先で目にしたのは、「従業員急募」という張り紙。 そこは、店主の柘植(つげ)と言葉を話す猫・詩(うた)が営む、魂が宿った人形の最期を見届ける「無幻堂」というお店。 ひょんなことから「無幻堂」で働くことになった明日菜は、人形たちの感情を読み取り、怒りや悲しみを汲み取っていく。 行き場を失った人形たちの最期に寄り添う、儚くもあたたかいハートフル・ドール・ストーリー。
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4.0ミュージシャンの夢を捨てきれず、親からの仕送りで怠惰に暮らす、29歳無職の宮路。ある日、余興の時間にギターの弾き語りをするために訪れた老人ホーム・そよかぜ荘で、神がかったサックスの音色を耳にする。演奏していたのは年下の介護士・渡部だった。「いた、天才が。あの音はきっと、俺を今いる場所から引っ張り出してくれる」――神様に出会った興奮に突き動かされ、ホームに通うようになった宮路は「ぼんくら」と呼ばれながらも、入居者たちと親しくなっていく。人生の行き止まりで立ちすくんでいる青年と、人生の最終コーナーに差し掛かった大人たちが奏でる感動長編!
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4.0亡くなった年に発表された遺作短篇集。 「もしも日本に帰れずに、かの地で死ぬようなことがあったら、私は必ず前歯にジェズスの教えのみしるしを刻みこんで置きます。」 本家の敷地内から発見された壺の中から、365年前にマカオに流された先祖の“遺言”が発見された。遺骨の行方を捜しにマカオを訪れた千葉裕平は、亡くなった娘・由紀子に生き写しの女性、葉銘蓮と出会う。果たして、“みしるし”を刻んだ遺骨は見つかるのか、そして葉銘蓮の正体は――。 マカオへの幻のような旅を綴った表題作に、八甲田山雪中行軍の外伝「生き残りの勇士」、イギリス公使オールコックが外国人として初めて富士山頂に立った顛末を描く「富士、異邦人登頂」など8篇を収録した短篇集。亡くなった年に出版された遺作のひとつ。
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4.0壊れた家族と潰れかけている工場の再生物語。 ある日、ヤハギ自動車商会の社長・矢作雄造のもとに女性と男の子が現れた。交通事故で亡くなったひとり息子・秀一の元嫁・裕子と孫の悟だ。悟を連れて実家に戻ってから八年もの間、ずっと顔を合わせていなかったのに、今さらなぜ? 話を聞けば、雄造と一緒に働きたいという。元夫がなぜあれほど車好きだったのか、どうしても知りたくて、専門学校に通ってまで、自動車整備士の資格を取ったらしい。裕子と悟を受け入れた雄造だったが、実は工場の経営は危機的状況にあって……。 雄造の弟でライバル会社を経営する敬司の妨害、友達のできない悟の小学校生活など、次々と困難が降りかかる雄造と裕子。 力を合わせるふたりを見て、工員の鈑金名人・荒井鉄也とミュージシャン・弘中恵、そして、元工業高校教師の芝田紀文が奮闘する。 家族と工場再生の感動物語。文庫書き下ろし。
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4.0日本社会に対する「警告の書」。 公安調査庁は警察や防衛省の情報機関と比べて、ヒトもカネも乏しく、武器すら持たない。そんな最小・最弱の組織に入庁してしまったマンガオタク青年の梶壮太が、ある日のジョギング中、偶然目にした看板から国際諜報戦線に足を踏み入れることに。“ミス・ロレンス”こと西海帆稀とともに、神戸に暗躍する謎のウクライナ人を追跡する―― 〈インテリジェンスにあまりに無頓着だった日本社会に対する「警告の書」として本書を読むべきだろう〉――ジャーナリスト・後藤謙次氏(解説) 【「ウルトラ・ダラー」シリーズ・スピンオフ】 ※この作品は単行本版『鳴かずのカッコウ』として配信されていた作品の文庫本版です。
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4.0「いらっしゃいませ。『オコジョのティールーム』へようこそ!」 幼い頃からの夢を絶たれた23歳・無職の青年コウが偶然たどり着いたのは、愛らしすぎる「しゃべるオコジョ」がオーナーを務める英国喫茶店。香り高い紅茶と、ダジャレ好きなイケオジパティシエによる絶品スイーツ、そして不思議なほど人の心の機微を読み取るオコジョさんのうんちく。訪れる人々をほっこり魅了するこの店でアルバイトをすることになったコウは、店のさらなる秘密に触れて……?
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4.0どんぐりの落下と発芽から「ここに在る」ことを自問するリスの青年。衰弱した弟との「間柄」のためにニワトリを襲うキツネのお姉さん。暗闇から光の世界へ飛び出し、「存在の本質」を探すコウモリの男の子。日本・南米の生き物たちが見た「世界」とは? 映画化された世界的ベストセラー『あん』著者による構想50年の渾身作は、動物の生態に哲学のひとさじを加えた21のストーリー。スピノザから老子まで哲学の入門書よりやさしく学べて、明日を「生きる」意味が見えてくる。
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4.0――記憶よ、きみはよく道の半ばで姿をくらますが、 ときに思いも寄らぬものを連れてくる。 現実と虚構のはざまに産み落とされた、詩情あふれる傑作掌編小説集 記憶の奥底を覗き込む、やわらかくて危うい――至高の41篇 日の出/黒い羽根のある沈黙/壁と壁/雪の上に/つぼみ/襞/隙間/雲か煙か/雲の狩人/光の環/風の運ぶもの/泥に泥に泥に泥に/防災行政無線/夜空に吸い込まれる/月明かりの下で/寂しげな瞳/発芽/緑に染まる/闇の奥から/風と光と海と/苔の記憶/箱に収められたもの/窓を覗く/沼のほとりで/境界線の上で/郷愁?/粉雪の舞う夜に詩人と/空き家の前で/夜の底の花/おぼろげなもの/花を咲かせる/茶色い毛並み/波紋の描くもの/暗い部屋のなかで/誰のもの?/お手紙をいただいて/黄金の光に包まれて/クリスマスのひみつ/森の人々/逃げなさい/さようなら
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4.0今をときめく人気芸人の皆さんへ。 「Q.面白い小説を書いてみてください。」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 吉住さんへ。 「Q.ゾッとするようなサスペンス小説を書いてください」 ぴろ(キュウ)さんへ。 「Q.心があったまるような日常系小説を書いてください」 ニシダ(ラランド)さんへ。 「Q.内面がえぐられるような小説を書いてください」 石橋遼大(四千頭身)さんへ。 「Q.甘酸っぱい青春小説を書いてください」 上田航平さんへ。 「Q.シュールなSF小説を書いてください」 布川ひろき(トム・ブラウン)さんへ。 「Q.とにかくぶっ飛んだ小説を書いてください!!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー →答えは本書にて!
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4.0わたしのことも、 慰めていただけませんか? 悩みを抱える人妻、 純真無垢な仲居、 憧れの若女将 ポツンと温泉旅館で、 心も体もほっかほっか!! 濡れたバスタオルが 肌にぴったり貼りつき…… 雪景色を眺めながら、 吾郎は列車に揺られていた。 突然、札幌に転勤になった彼は、 大学の卒業旅行以来、 思い出の温泉旅館を訪れることになったのだ。 10年前、温泉で慰めてくれた 年上の若女将はいるのだろうか--。 旅館では、悩みを抱える37歳の人妻、 元気いっぱいのかわいい仲居とも出会い……。 読めば元気が湧いてくる、 ハートウォーミング温泉官能! 目次 第一章 湯けむりの若女将 第二章 一夜だけの情交 第三章 仲居さんのお願い 第四章 女将の矜持 第五章 十年目の交わり
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4.0金曜夜、二十二時。場所は喫茶「雨宿り」。 食べると元彼の顔が浮かぶけど、お蔵入りさせたくないあのレシピ。 また、作れるようにいたします。 「女を振る場所によりによってラブホをえらばなくたって いいでしょうが、ばかー!」 29歳、4年付き合った彼氏にフラれた、 クソ重くてめんどくさい女、桃子。 国宝級のイケメンだけど、 実は忘れられない彼女がいる店長、雨宮伊織。 親との関係に複雑な思いを抱えながら 近所の寺、星山寺で修行する僧侶、黒田穂積。 金曜夜、二十二時。場所は喫茶「雨宿り」。 元彼の好きだったあのレシピ、 成仏させて、 また作れるようにいたします!! 泣いて、泣いて、みんなと話して、 泣き止んだら、 あのご飯を作って、一緒に食べよう。
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4.0■あらすじ 私だけだ、何も持っていないのは――。中学最後の大会で最悪なミスをして、大好きなバレーボールを辞めた鈴乃。高校は楽しいけれど、好きなものに夢中な友人達から取り残された気持ちになってしまう。そんな時、隆二先輩は「鈴乃ちゃんはもっと跳べる」と言葉だけでなく証明してくれた。ひたむきに努力する彼の言葉だから、信じることができた。だけど、先輩は人知れず絶望と闘っていて……。夢を追う2人の恋が爽やかな奇跡を呼ぶ物語。 ■著者からのメッセージ こんにちは、加賀美真也です。 この度は角川文庫さんから「言いわけばかりの私にさよならを」刊行させていただくことになりました。この物語は、挫折によって自らの才能や可能性を信じられなくなってしまった女の子が、ひたむきに努力する男の子と出会い、惹かれ、自分自身と向き合う物語です。彼女たちの行く末をあたたかく見守っていただけると幸いです。
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4.0太平洋戦争さなか、幼くして母を亡くしたイコは父の再婚相手になじめぬまま、生まれたばかりの弟と三人で小さな村に疎開することに。家のそばにある暗く大きな森がトンネルのようで怖くてたまらなかった。同級生たちはあの森に脱走兵が逃げ込み自殺したのだ、と噂をしていた。ある夜、森の奥からハーモニカの細い音色が流れてくる。数日後、沼で失くしたイコの下駄が森の出口に置かれていた。「あり・が・とう」イコはちいさく呟いた。戦争は激化し、東京大空襲で半死半生の父が見つかる。不安に押しつぶされそうになったイコは森に入る。「兵隊さーん」そこでイコが目にしたものは……。「「魔女の宅急便」の著者が描く少女の戦争。(解説:小川 洋子)
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4.0「関西の皆様、飛び火してすんまへん。」 11月23日公開の「翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~」ノベライズ! 前作に続いて脚本を手掛けた、徳永友一氏による完全書き下ろしです! 興行収入37.6億円の大ヒット、そして第43回日本アカデミー賞最多12部門を受賞した映画「翔んで埼玉」の続編がいよいよ公開! しかも今度の舞台は…埼玉だけでなく、関西圏!? 埼玉に海をつくることを計画した麗が向かったのは、和歌山県の白浜。そこで出会ったのは、滋賀解放戦線のリーダーだった。 壮大な茶番劇は、東西対決へと発展――!? 脚本を手掛け、本作で第43回アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した徳永友一による完全書き下ろしです。 巻末には、原作者・魔夜峰央による描き下ろしマンガ付き!
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4.0恋も友情もあった。人生があった。ここだけが、私たちの居場所だった。 2023年夏、突如として「X」と名前を変えられ、姿を消した世界最大のSNSプラットフォーム、Twitter。たったひとりの人間の思惑によって、居場所を奪われた人たちがいた。無邪気に飛び回る青い鳥を、140字でしか気持ちを伝えられない世界を、愛し続けた作家たちが紡ぐ「Twitterなき世界」の物語集。 収録作 青井タイル 「オタクどもの精霊降臨日(ペンテコステ)」 Twitterが終わろうとしている今、オタクたちはどう生きるか。 足立いまる 「それじゃあまた、Twitterという天国で会おう」 昔、相互フォローになった女性から、突然DMが送られてきた。 乙宮月子 「近くて遠い二人の距離」 学生時代からの友人は、今はインスタグラマーをやっている。 根谷はやね 「もう一人のあなたを作る方法」 誰からも愛される同級生が死んだ。私は彼女のアカウントを発見した。 九科あか 「結論から言うと、ツイッターが一番性に合いました」 私がやってしまったことを告白する相手は、あなたがいいと思ったんです。 斜線堂有紀 「Twitterが終了したので、ここでしか繋がっていなかった助手との関係が切れた。」 探偵と助手として多くの事件を解決したのに、俺はあいつのことを何も知らない。
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4.0松前家中の少年、春山伸輔は、尊皇攘夷に与しなかったことで落ちぶれてしまった家名を復権させるべく、箱館の遊軍隊と合流。 榎本軍への撹乱活動を行っていた。 一方、新選組副長だった土方歳三は、蝦夷地にできた箱館政府において陸軍奉行並となっていた。 市中の混乱を収めつつ、近藤勇らと夢見た国盗りを、再びこの地で実現させようとしていた。 薬売りに変じて市中見廻りに出ていた土方歳三は、撹乱活動中だった伸輔と偶然にも知り合うことになる。 互いの正体を知らないままに、知遇を得た二人。 だが激化する戦いが、やがて二人の運命を切り裂いていく。待望の文庫化。
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4.0累計60万部突破『果てしなき渇き』著者 デビュー20周年記念、待望の新装版! 極悪&痛快なバイオレンス・アクション! ――敬意を払うに値しない相手には相応の死を。 それがあたしの流儀。 殺人強盗放火が日常茶飯事、都会も田舎も等しく極貧にあえぐ20XX年。 東北のアウトロー少女が荒廃した世界を爆走する! (あらすじ) 20XX年、震災によって荒廃した東北をひとりの少女が爆走する。 稀代の不良・桐崎マヤ――ナイフを常に持ち歩き、目的のためなら手荒い行為もいとわない、通称“切り裂き”マヤ。 時に大麻を収穫すべく舎弟を連れて隣県まで乗り込み、時に強盗放火殺人の容疑をかけられながら真犯人を追いかけ……。 無慈悲な世界を舞台にした連作短編集が、深町秋生デビュー20周年を記念して装いを新たに再臨! 【著者について】 深町秋生 1975年、山形県生まれ。第3回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2005年に『果てしなき渇き』(宝島社)でデビュー。同作は「渇き。」として2014年に映画化。他の著書に「組織犯罪対策課 八神英子」シリーズ(幻冬舎)、「ヘルドッグス」シリーズ(KADOKAWA)など多数。
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4.0〈あらすじ〉 22歳の美也子は津軽塗職人の父と、デイトレーダーをしているオネエの弟との三人暮らし。母は、貧乏暮らしと父の身勝手さに愛想を尽かして出て行った。美也子はスーパーのレジ係の傍ら、家業である津軽塗を手伝っていたが、元来の内向的な性格と極度の人見知りに加え、クレーマーに苛まれてとうとうスーパーを辞める。しばらくの間、充実した無職ライフを謳歌していたが、やがて、津軽塗の世界に本格的に入ることを決めた。五十回ほども塗りと研ぎを繰り返す津軽塗。一人でこつこつと行う手仕事は美也子の性に合っていて、その毎日に張りを与え始める。父のもとで下積みをしながら、美也子は少しずつ腕を上げていき、弟の勧めで、オランダで開催される工芸品展に打って出ることに。 青森の津軽塗を通して紡ぐ、父娘の絆と家族の物語。
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4.0人間の欲を浮き彫りにする社会派ミステリー。 「工場はおそろしい水銀の水を流している。魚は獲ってはいけない。獲った魚を喰えば死の病いにとりつかれる。 そうだ、この海……この暗い海の底から、目に見えない何ものかが牙をむいて迫っている」 不知火海沿岸で発生した奇病“猫踊り”。魚や貝を食べると、猫はもちろん、人間までも前後不覚になり死んでしまう恐ろしい病気だ。その実態を調べるために東京の保健所から来た男が行方不明になる。警察医・木田民平は勢良警部補とともに、工場や投宿した旅館などを探るが、男はやがて鴉についばまれた死体で発見される。 男はなぜ殺されなければならなかったのか。そこには、さまざまな“欲”が、複雑に絡み合っていた――。 日本中を震撼させた水俣病を題材にし、直木賞候補にもなった衝撃作。
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4.0大正十年。女学生の琥珀はハチワレ猫の案内で、ある屋敷にたどり着いた。実は琥珀は父から猫又の生まれ変わりだと言われており、半信半疑ながらもどこか懐かしさを覚える、猫の沢山いるその四季島家に入ってしまう。縁あって猫のお世話係として働くことになり、なぜか大の猫嫌いの当主の陰陽師・御影と、持ち込まれる怪異に挑む。やがてある過去が明らかになり――。ほろりと泣けてキュンとする? 大正あやかし&猫まみれ小説。
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4.0女優とADが織りなすいつかのあなたの物語。 スキャンダルで仕事を失った女優の園田梨枝が10年ぶりに地元の田舎町に帰ってきた。理由は、謹慎明けの復帰仕事として渋々受けた「密着ドキュメンタリー撮影」のため。しかし、現場にやってきたのは生意気なバラエティ班AD・瀬野咲ただ一人。全くソリが合わない二人の前途多難な撮影がスタートする。 なるべくこっそり撮影をしたい梨枝の気持ちとは裏腹に小さな町で広まる噂。やがて、撮影のことを内緒にしていた梨枝の家族たちの耳にもその噂は入る。 父・康夫と大喧嘩の末、町を飛び出した梨枝。その父は今、末期ガンで生死の境を彷徨っていた。父の病状を知りながら、父を避けていた梨枝の帰郷に怒り心頭の家族。 果たして、ドキュメンタリー撮影の行方は? 梨枝と康夫の確執の顛末は?崖っぷちの女優と若手ディレクターが最後に見つけた自分達の居場所とは--? 新進気鋭の映像作家・有働佳史の初長編映画『女優は泣かない』がいよいよ2023年12月より全国劇場公開されます。公開に先駆けて小説版が登場。熊本を舞台にした「いつかの自分の物語」を小説版でもお楽しみください。
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4.0人に呪いを振りまく悪い魔法使いが描いた肖像画の真実とは――? 買取専門ショップで働いていた神楽は、祖父の遺言で彼が経営していた質屋『がらく屋』を譲り受けることになる。 しかし、質流れしてしまった『曰くつきの絵画』を取り戻すまでの期間限定で、千景と祖父の家で一緒に住むことに!? 個人経営の古びた質屋に持ち込まれる質物をめぐるハートフルドラマ 第一章 魔法使いに呪われた質草 第二章 幽霊が喜ぶのは、呪われたラーメン屋台 第三章 呪われた小箱と遺産をめぐる狂想曲 第四章 恩師の呪われたネクタイピン 第五章 魔法使いがかけた呪いを、ポジティブでぶっ飛ばす 第六章 絵の中にいる真実 2012年頃よりWEBに小説を投稿しはじめる。2015年に連載を開始した「コンカツ!」でアルファポリス「第8回恋愛小説大賞」大賞を受賞。2016年、同作にて出版デビューに至る。『第二回お仕事小説コン』優秀賞受賞作家。マイナビ出版より『おいしい逃走』『河童の懸場帖(かけばちょう) 東京「物ノ怪(もののけ)」訪問録』1~3巻、『あやかしトリオのごはんとお酒と珍道中』1~2巻を発行。また著書に『ぽんこつ陰陽師あやかし縁起』(アルファポリス)、『京都北嵯峨シニガミ貸本屋』(双葉社)などがある。
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4.0序章 死をそばに感じて生きる 團十郎の辞世 死生観表出の時代 自然災害のインパクト どこから来てどこへ行くのか 二つの立場 テクノロジーの進化の果てに 1章 「知」の人の苦しみ 伝統的な宗教の後に 岸本英夫の実践 合理性の納得 頼藤和寛の世界観 はじまりのニヒリズム 「にもかかわらず」の哲学 自由意志の優位と揺らぎ 多田富雄の受苦 人格を破壊から守る サイコオンコロジー 医療の現場で ホスピスとデス・エデュケーション 遺族外来、がん哲学外来 禅の否定するもの 「わたし」を「なくす」 河合隼雄の遍歴 ユング心理学と仏教 切断せず包含 2章 スピリチュアリティの潮流 崩れつつある二元論 オルタナティブな知 理解できないものへの態度 時代という背景 第三の項へ ポストモダンの現象 ベクトルの交わるところ 島薗進の視点 「精神世界」の隆盛 個人の聖化と脱産業化 鈴木大拙の霊性 宗教的でなくスピリチュアル 玄侑宗久との往復書簡 「而今」の体験 「いのち」との関係 潮の満つるとき 海のメタファー 親鸞の絶対他力 生死の中で生死を超える 日本的発現 ゆりかごとしての風土 3章 時間を考える 代々にわたり耕す 柳田国男の「先祖」 個体から集合体へ つなぐラフカディオ・ハーン 田の神と山の神 時代からの問い 四つの類型 折口信夫の「海の他界」 野という中間地帯 身近な行き来 かのたそがれの国 うつし世、かくり世 帰ってゆく場所 先祖の時間 線をなす時間 層をなす時間 輪をなす時間 自然との親和性 季語のはたらき、リズム 津波を詠んだ句 山川草木悉有仏性 「衆生」の範囲 貞観地震と津波 暴れる国土 山川草木悉有神性 瞬間瞬間にふれる 不動の中心 技法としての行 色即是空 井筒俊彦による視覚化 縁起という実相 根源のエネルギー 式年遷宮 「木の文明」 生の造形 宣長の「悲し」と「安心」
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4.0新興家電メーカーBEATECHの西郷武彦は、創業者・島津彬光から薫陶を受け、営業本部長として類稀なリーダーシップを発揮していた。その後新社長である島津敏光に疎まれ子会社に出向したのだが、やがて本社に復帰し、人事部長として様々な難問に取り組むこととなった――。物語を通して疑似的に「経験学習」を行うことで、人望についての深い理解が生まれる一冊。ベストセラー『もしも徳川家康が総理大臣になったら』の著者が「迫真のドラマ&理論」で解説! ●1on1よりも、明確な指示を ●人望がある人とは、組織の価値観を体現している人 ●組織の矛盾は中間管理職へ…… ●言葉だけではモチベーションは上がらない ●「具体と抽象」で価値を発見する ●アンコンシャスバイアスの罠 ●器とは視座である ●島津久光はなぜ西郷隆盛に屈服したのか ●歴史は繰り返す ●「人望」は、時に暴走する ●人望がある人とは、希望を与えられる人
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4.0【電子版巻末にはセカイメグル先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 「運命の赤い糸」を幼い頃から信じて生きてきた立花颯太(たちばな・そうた)。 20歳になった彼がついに出会った運命の相手・宝生(ほうしょう)まゆらは、 少し変わった「予知能力」を持つ少女だった。 「私は絶対にあなたと恋なんかしない」そう言い切るまゆらは、颯太にある提案をするのだが――。 能力を持ったためにずっと苦しんできたまゆらは、運命が「絶対」ではないことを証明しようとし、 運命を信じてきた颯太は、好きな相手の思いも尊重したくて思い悩む。 いつ破綻してもおかしくないこの関係の行く末は――?
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4.0祝・放送開始50年。スタッフとキャストの奮闘を描く、新事実満載のドキュメンタリー第7弾! 1973年、円谷プロは創立10周年を迎えた。代表・円谷一の急逝という悲劇を乗り越え、熊谷健、田口成光をはじめとするスタッフは新たなヒーローの創造に邁進した。4月6日にスタートした『ウルトラマンタロウ』は、小学館の学年誌と連携したファミリー路線をさらに推し進め、低年齢層を対象とする娯楽路線を徹底した。そしてフレッシュな青春スター・篠田三郎を主役に迎えることで、シリーズの集大成とも言える番組に成長していく。底抜けに明るい名作はいかにして生まれたのか。揺るぎない評価を得た著者による決定的ドキュメンタリー!
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4.0女性と人間について洞察する著者の真骨頂。 人物評伝では高く評価されている瀬戸内晴美が、自らとゆかりの深い人物について掘り下げた短篇集。 欧州社交界にこの人ありといわれた薩摩治郎八が余生を過ごす徳島に、地元生まれの著者が訪ねていく表題作のほか、太宰治の終焉の地近くに住むことになった著者が、“斜陽の子”太田治子との対話などを綴った「三鷹下連雀」、恋多き男・竹下夢二が最も愛した女性・彦乃との悲しい物語「霧の花」、著者が師事する丹羽文雄と老画家との奇妙な交流と別れを描いた「春への旅」、幸徳秋水の元妻の独白の形で綴られる「鴛鴦」の5篇が、著者ならではの、女性と人間についての深い洞察で描出される。
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4.0気鋭の現代美術家が描く、美大青春物語! カオス化した美大の学園祭で、田舎出の藝大志望の青年は浪人生活を振り返る。心を打つ表現とは。揺れ動く青年期を鮮明に描いた傑作。 佐渡出身で藝大志望の僕は多摩美の学園祭を訪れ、カオス化した打ち上げに参加する。酒を飲み、芸術論を戦わせる中、僕は浪人生活を見つめ直す。表面的なテクニック重視の受験絵画は、個性や自由といった芸術の理想とはかけ離れていた。真に人の心を揺さぶる表現とは。気鋭の現代美術家が、揺れ動く青年期を鮮明に描いた傑作小説。 ※この電子書籍は2020年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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4.0累計16万部突破『きみが明日、この世界から~』シリーズ著者が描く新たなかたちの悲恋と感動。 「この教室でのわたしの存在感なんて、たぶん、壁に貼られたポスターぐらいなものだろう。ある日、それが別のものに代わっていたって、きっと誰も気づかない」 家庭にも学校にも居場所がなく、生きることにしんどさを感じる高校生のあかり。 ある時、クラスメイトの言葉で「どうしてもやりたいこと」が見つかり、存在を認められたと思ったものの――。 あかりの“もうひとりのわたし”を中心に繰り広げられる、それぞれが何かしら苦悩を抱えた高校生たちの「好きだから、泣いてしまう」恋のストーリー。 小説×音楽――。 大手音楽配信サイト『レコチョク』とのコラボレーションプロジェクト!
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4.0光さす未来が見えない――絶望の先に、待っているものとは!? 終末の空の下、恋をして、 僕は君と「生きる」と決めた。 「世界の終わり」に、僕は君と一生分の恋をする! 人生が嫌になり、この世から消えようとしていた「僕」――三枝翔の前に、 ある日、真っ白な少女が現れた。 彼女の名は、那由。 自分は世界を創った神だと名乗る彼女は、僕に提案する。 「どうせ死んじゃうなら、私の最後の七日間に付き合ってよ」 …どうやら僕が自死を選ぶまでもなく、世界はあと七日で終わるらしい。 でも本当に? ――これは孤独な僕らの前に時を超えてやってきた、 究極に切ない「ボーイ・ミーツ・ガール」。 世界を変える感動のラブストーリー!
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4.0大丈夫。孤独で寂しいのは、みんな同じだよ。 noteで大人気!渋谷のバール・ボッサ店主が描く、 思い通りにならない人生を救う極上のショートストーリー集。 片想いしか知らない。一度しか会えなかった。気持ちはいつも届かない――。 どんな人とも一度しか会えない「さよならの国」にある“完璧な人間関係” 「一生に一度しか恋ができない国」では“片思いしか知らない”人ばかり これからの「人生を20歳で全部決める国」で“50歳で最後の恋をする”と決めたら 「24時間だけなりたい者になれる国」の“哀しみと喜び” 誰もが自分だけの世界で一度きりの人生を生きている……ほか15篇。 まるでバーに入ったような小説。
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4.0廉太郎の頭のなかには、いつも鳴り響いている音があった―― 最愛の姉の死、厳格な父との対立、東京音楽学校での厳しい競争、孤高の天才少女との出会い、旋律を奏でることをためらう右手の秘密。 若き音楽家・瀧廉太郎は、恩師や友人に支えられながら、数々の試練を乗り越え、作曲家としての才能を開花させていく。そして、新しい時代の音楽を夢みてドイツ・ライプツィヒへと旅立つが……。「西洋音楽不毛の地」に種を植えるべく短い命を燃やした一人の天才の軌跡を描き出す。 時代小説家最注目の俊英が、ついに新境地・明治へ! 第66回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(高等学校の部)
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4.0「ねえ、わたしと一緒に人助けしない?」「正義」を信じられなくなった少年と、ヒーローになりたい少女。二人が出会った時、世界は少し変わり始める――。 ●STORY 高校生二年生の鈴森実(まこと)は、ある日、クラスメイトの城之崎聖良が、赤いジャージに身を包み、マントをつけた「ヒーロー」に扮して、困っている人を助けているところに遭遇する。「ヒーロー活動」を見られたと知った聖良は、「わたしと一緒に人助けしない?」と実を誘うが、実には彼女と関わりたくない「ある理由」があって……? 傷を抱えながら「世界」と向き合う、少年少女の思いが胸を打つ傑作青春小説。文庫書き下ろし。
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4.0再生回数1000万回超のAbemaTVの伝説の番組が待望の書籍化! わたしたちは「秒」で生まれ変われる。 エンリケ、愛沢えみり、一条響が送る珠玉のメッセージ。 【本書・はじめに】 ・自分のことが好きじゃない ・変わりたいと思うけれど、どこからどう変わればいいのかわからない ・無難な自分に飽き飽きしている ・いじめられていた過去がある、もしくは今いじめられている ・今、仕事をしていない ・他人と自分を比べて落ち込む ・過去に傷つけられた相手に仕返しをしたい ・続けることが苦手 ・真剣に叶えたい夢がある ・どうせ努力するならコスパよく努力したい ・自分の人生、こんなもんじゃないと思っている ・ナンバーワンになりたい 1つでも心当たりがあるなら、ぜひこの本を読み進めてほしい。 あなたの未来につながることが必ず見つかるはず。 新しい未来のテレビ「ABEMA(アベマ)」で記録的なヒット番組が誕生しました。2021年6月24日より、全10回にわたって放送されました。自信が持てない女性たちが目標に向かって生まれ変わっていく様を追いかけるドキュメンタリー番組。それが、『GX─伝説のキャバ嬢が女の子を大改革─』。「GX」とは「Girls Transformation」の略で、カリスマキャバ嬢の実績を持ち、現在は実業家としても活躍している3人の女性(ミューズ)が、悩める女子の内面と外見をそれぞれプロデュースするという、全10回のドキュメンタリー。番組放送開始直後から予想をはるかに超える女子の支持を集め、なんと再生回数1000万回超えという驚異の数字を叩き出したのです。なぜ女子たちが『GX』にこれほど夢中になったのでしょう?それはカリスマキャバ嬢たちの実体験に基づく、厳しくて熱いメッセージが、見ている女子たちの心に刺さりまくったから。 この本で取り上げた珠玉の言葉は、すべてABEMA の『GX』の中で3人のミューズが語ったもの。ぜひ何度も読んで、ミューズたちの言葉に気づいてください。落ち込んでください。励まされてください。そしてあなたの心に火を灯してください。今読んでピンとこなかった言葉も、時間がたてば「こういうことだったのか!」と腑に落ちる瞬間があるはずです。 私たちは一秒で生まれ変われる。ミューズたちの言葉を糧にして、あなたの人生は今、この瞬間から動き出すのです。 【目次】 【もくじ】 CHAPTER01 人は変わろうと思えば「秒」で変われる CHAPTER02 「見た目」は一番初めにチェンジできる CHAPTER03 自分を知ることで相手を知ることができる CHAPTER04 「お豆腐メンタル」の鍛え直し CHAPTER05 トップを目指すために CHAPTER06 エンリケ、えみり、響の「愛の鞭」
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4.0青春の地をたどる、著者の「神戸物語」。 ――神戸に一度でも住んだことのある外国人は、世界のどの都市にも住みたいとは思わなくなるという。……「早春」は小学生の頃から特別な親しみを抱いていた神戸を妻とともに何度も訪ねる話だ――(著者あとがきより) 大阪府出身ながら著者自ら“青春の地”と称する神戸を、著者の同級生や神戸在住の叔父夫婦、貿易商の郭夫妻らとの交流を通じ、さまざまな角度からとらえていく。 会話を丹念に再現することで、戦時中の悲しい思い出や戦後の復興期、ポートピアに沸く人々の華やいだ気持ちなどが手に取るようにわかる、今昔の神戸を描いた秀作。
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4.0警察官を志している久遠航太(くどおこうた)は採用試験に落ち続け、民間警備会社でガードマンとして働いた。ある日、火災現場で老人を助け出そうとして身動きが取れなくなったところを超絶美青年・獅子原烈に救助される。数日後、彼に突然格闘を挑まれるという不可思議な再会を果たした直後、航太は勤め先から転籍を命じられ、美形揃いの身辺警護会社「United4」で働くことに。そこで待っていたのはあの獅子原だった!? 航太は獅子原と師弟関係を結び、新たに就いた業務は要人などを命を懸けて護る「第四号警備」――その波乱に満ちた日々が始まった!
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4.0お前、まだ芸人続ける気か? 崖っぷちの中堅漫才師リンゴサーカスのボケ担当、加瀬凛太は、冬の寒空の下、絶望していた。年末の漫才日本一を決めるKOM(キングオブ漫才の略)敗者復活戦で敗れ、決勝進出の一縷の望みを絶たれてしまったのだ。おまけに相方は、今年ダメなら実家の生業を継ぐと公言していたため、コンビも解散となった。 なんとかして漫才を続けたかった凛太は、先輩KOM王者から驚くべきアドバイスを耳にする。それは、死神の異名を取る謎の構成作家ラリーにコーチに付いてもらえ、というものだった。同じ頃、もうひと組の漫才師にも同じミッションが下っていた。 ※この作品は単行本版『ワラグル』として配信されていた作品を改題した文庫本版です。
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4.0その日、東京は戦場になった……。『官邸襲撃』の著者が描く、衝撃のクライシス小説第二弾。夏目明日香は、一年前の官邸襲撃事件のトラウマを抱えつつも、総理付きSPとして復帰した。一方、総理の新崎は、欧米で立て続けに起きたテロ事件に対抗し、〈テロ撲滅世界会議〉を東京で開催すると宣言。しかしその結果、東京がテロの標的となることに。そんな中、六本木で最初の爆発事件が起きた……。さらに国際会議を守るべく奮闘する明日香たちの作戦はテログループに漏れ、対策は後手に回り続ける。裏切り者は誰なのか? そして会議の開催の行方は!? 本当に日本は安全なのか、安全保障対策は万全なのかをあらためて問いかける、首都・東京の危機を描いた傑作長編。
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4.0大学2年生の奥津湊斗(おきつ・みなと)は霊が視えるのに加え、「死人の夢」を見る力を持っている。 それは、霊に取り憑かれた人の近くで眠ると、夢でその霊の“死の瞬間”を生々しく追体験させられてしまうというもの。 幼い頃よりこの特異な霊感体質に苦しめられてきた湊斗は、なるべく他者と接触を持たないようにして生きていた。 だが、同じ学年に復学してきた高原玲奈(たかはら・れいな)と出会い、事態は一変する。 彼女は、10年間行方不明だったが突然「神隠し」から帰ってきたと噂されている女子で、とびきり美しい容姿ながら周囲から奇異と偏見の目で見られ、距離を置かれていた。 それというのも玲奈は講義中に、度々前触れもなくバケツの水を被ったかのようにずぶ濡れになり、本人は「怪異の仕業だ」と頑なに言い張るのだ。 実は玲奈は、「神隠し」という異境から帰ってきたせいで、特異な霊感が生じてしまっていた。 死体が発見されていない霊、つまり神隠しとも解釈できる霊に寄り憑かれやすくなっており、さらに霊障が具現化しやすくなってしまっているらしい。 湊斗は色々な意味で目立つ存在の玲奈を避けようとするが、あるきっかけから思わず手を差し伸べてしまう。 それ以来、「死人の夢」を使って彼女に憑いた霊の行方不明の死体の在りかを捜していくことになり……。 「死人の夢」を見る湊斗と「本物の神隠し」から帰ってきた玲奈。 誰にも理解されない孤独な大学生2人が、唯一無二の関係を築いていくまでの、苦くて甘い青春ホラーミステリ。
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