国内小説の検索結果
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未だ王化に染はず
覆面作家として発表した幻の小説を初電子化。 <ぼくは今、学説を覆すに足る新事実を発見しようとしています。村人は語りませんが、蝦夷からアイヌ民族の出現に至るまでの空白期間を埋める幻の狩猟民族の末裔が、暗火岳に生きているのです。その所在を確かめるために明日暗火岳に向かうつもりです> 友人の私にこのような葉書を送って北海道・知床半島で消息を絶った鴫沢澄夫。大学で考古学を専攻する私は、彼が主宰する北方の狩猟文化をテーマとした研究会にも顔を出していた。姿を消した鴫沢を追って、私は彼に心を寄せていた女性、奈美とともに、北海道に渡る前に出かけていたという新潟の山村へと旅立つ。その地は研究会にも参加していた考古学の権威、環教授がかつて調査に赴いた場所であり、そこで私は鴫沢と環教授の不思議な連関に気づくのだった。 -
今、出来る、精一杯。
演劇界の異才による傑作群像劇! 東京都三鷹市のスーパーマーケット「ママズキッチン」で働く人々は皆どこかヘン。しかしもっとおかしいのは毎日この店を訪れ「お弁当をタダでくれ」を叫ぶ車椅子に座る女だった。言葉を聞き入れてもらえない少女、自分の意見を捨てた女、完璧に見えるバイトリーダーに、他人の人生を壊してしまった男…。 「黙ってれば、自分の意見を持たなければ、嫌な思いもしませんから」 ――バックヤードで繰り広げられる言葉の応酬と傷つけ合い。めんどうな12人の人間が曝け出した感情の先に希望は灯るのか。 演劇界の異才による傑作群像劇。 文庫版では著者自らによる「あとがき」を収録! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『今、出来る、精一杯。』 の文庫版となります。 -
いまの音 むかしの音
卓抜な論理と感覚が、20世紀芸術の本質を明らかにする。幸福な音楽とは何か? 幸福な音とは何か? ――ピカソは、芸術とは何かをさがしまわることではなくて、何かに出会うことだといった。そうして出会った音が何か自分にとって特別なもの、特別な意味を持っているものと感じた時、その人は音楽家になるのである。決してその逆ではない。音楽についての情報を頭につめこんだ音楽家には、その出会いが困難なものになる。……昔の音をなつかしく思うのは事実である。私が音楽を選んだのはその音によってである。それがいま失われようとしているのは何故か。……私はただ昔をなつかしんでいるわけにはゆかないのである。 -
いまはむかし
武官となるのを拒んで家を出た弥吹が出会ったのは、ある目的のためにふたりだけで旅をしている「月守」の少年たち。彼らは「かぐや姫」の伝説に深く関係していた。興味をひかれた矢吹は、彼らと行動をともにするうちに、次第にかぐや姫にまつわる壮絶な運命の渦へと巻き込まれていく。ふたりはいったい何者なのか? 五つの宝とは? 「竹取物語」を大胆かつ自由に解釈した、瑞々しく清々しい和製ファンタジー! -
今ひとたびの
あらざらん此の世の外の思ひ出に今ひとたびの逢ふこともがな――。 運命的に出逢い、魅かれ、かりそめでない慕情を胸に秘めつつ、左翼運動に破れ投獄、そのひとの結婚、徴兵……うち続く転変の波にさいなまれながらも、ただひたすらそのひとの面影を抱き続け、ついに再会の街頭に立った『私』の瞳に映じるそのひとの姿は……。 美しくもはかない至高の恋愛小説の決定版。 (※本書は2005/1/1に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました) -
意味が分かると怖い謎解き 祝いの歌
シリーズ累計40万部を突破した『意味が分かると怖い話』の著者による新たな「意味怖」が誕生! 謎解きをしながら小説を読み進める”遊べる”新感覚ホラー。 ひとりの国民的女性歌手が自殺した。日本中が悲しみに暮れる中、母親やプロデューサー、ライバル歌手、完コピ配信をするVTuberら関係者10名が曲を持ち寄り、追悼アルバム『祝いの歌』を発売する。しかし、そのアルバムにはこんな怖い噂が……。 ――このアルバムを聴くと呪われ、同じ死に方をする 呪いの検証をするためオカルト配信者0が緊急生配信を行ない、関係者たちの真意を暴いていくのだが……。 小説×音楽――。大手音楽配信サイト『レコチョク』とのコラボレーションプロジェクト! -
意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 54字の物語
9マス×6行の原稿用紙につづられた「#インスタ小説」がついに書籍化! こどもから大人まで楽しめる、世界一短い(かもしれない)短編小説90話をあなたに。あなたはこの物語の意味、わかりますか――? ◆先日研究室に送ってくれた大きなエビ、おいしかったよ。話は変わるが、例の新種生命体のサンプルはいつ届くのかね? ◆「ただいま」と言えば「お帰りなさい」と返ってくる新生活が始まった。家賃も安いし、こんな一人暮らしも悪くない。 ◆本当にこんな惑星に生命体が存在するのだろうか? 一年間に及ぶ実地調査の最終日、幸いなことに私はうんこを踏んだ。 ◆「くそ! 逃げられたか!」「いえ、あの方は何も次まなかったわ」「いや、奴はとんでもないものを次んでいきました」 ◆「やあ、私は未来から来た。今は戦前か?」「いや、戦後から七十年は経っているが」「ということは二十二世紀だな」 物語の解説&他の物語は、ぜひ本書でお楽しみください! -
意味がわかるとゾクゾクする超短編小説 ゾク編 54字の物語 怪
SNSで話題の『54字の物語』、ゾクゾクが加速する「ゾク編」発売! 9マス×6行の原稿用紙につづられた、世界一短い(かもしれない)短編小説90話を、あなたに。あなたはこの物語の意味、わかりますか――? ◆異様に安い物件を見つけた。都心で家賃が月一万円。事故物件ではないらしい。残念だ。仲間が見つかると思ったのに。 ◆私は訪問販売の営業マン。今日は防犯カメラがよく売れる。昨晩寝る間も惜しんで一軒一軒訪問した成果が出たようだ。 ◆ねえねえ、この殺人事件の被害者、俺と同姓同名だよ。珍しい名前なのにこんなこともあるんだなあ。ねえ、聞いてる? ◆囲碁や将棋では全く勝てなくなったが、このゲームでならまだ互角に渡り合える。さすがは人工知能が考えたゲームだ。 ◆昔からあるボロボロの遊園地。なぜか連日大勢の人で賑わっていたが突然閉園。理由は、利用者がいないためだそうだ。……など、子どもも大人も虜にする、極上の90話を収録。物語の解説&他の物語は、ぜひ本書でお楽しみください! -
いみず野ガーデンデザイナーズ
父が倒れたのをきっかけに富山県にある実家の「はなまる造園」を継いだ咲和(さわ)。東京育ちの咲和は雪国の勝手がわからず、年下の涼太(りょうた)に怒られる日々を過ごしていた。そんな中、小学校の花壇づくりの仕事を通して教員・朝倉(あさくら)と親しくなる。朝倉は近所の寺を一人で切り盛りする住職でもあり、その優しい人柄が、咲和の固くなった心を解かしていって――。 -
イミテーションと極彩色のグレー
中学生の山浦大志は、“完璧”でなければいけなかった。 家にも学校にも居場所を作らず、世界に絶望していた彼は、ある日、夕陽の落ちる公園で少女と出会う。 古びたカメラを提げ、青い瞳をしたその少女は、写真を撮りながら旅をしていると語った。 誰よりも自由に羽ばたく彼女に、大志は自然と心惹かれていく。 だが、出会いから1ヶ月がたった頃、名前も知らぬその少女に大志がついに想いを伝えようとすると、 彼女は思いがけない言葉を残し、それっきり姿を消してしまった――。 彼女はなぜ、どこへ、消えてしまったのか? それから7年、“完璧”な大学生になった大志は、写真共有アプリで偶然見つけた1枚の画像から、またしても奇妙な出会いを果たすことになる。 時を越え、場所を越え、人々の前に姿を現す不思議な少女と、その軌跡を追いかけ続けた一人の不器用な少年。 時と、場所と、人。 全ての点が繋がるとき、少女が胸に秘めていた“ある後悔”が、二人の運命の歯車を大きく動かしていく。 イラストレーターとしてデビューし、装画担当作品の累計発行部数は400万部以上を記録。 さらに、近年ではアニメーション、マンガ、音楽などの分野でも活躍するなど、いま、その才能に注目が集まるloundraw。 “イラストレーションの表現の壁を越える” ために言葉で創られる物語は、 ダイナミックな世界観と、鮮やかな描写力で紡がれたラブストーリー。 雑誌『ダ・ヴィンチ』での連載を大幅に改稿し、カバーイラスト&挿絵を全て自ら描き下ろした、渾身の初小説。 -
鋳物屋なんでもつくれます
女性鋳物師の奮闘を描く痛快モノづくり小説。 祖父・勇三が起こした下町の町工場「清澄鋳造」で働くルカ(清澄流花)は、営業担当ながら時には自ら流し入れなどの現場作業も行う“鋳物オタク”だ。丁寧なモノづくりを信条に長年培ってきた会社の強味が時代遅れとされ、単価の引き下げや納期の短縮を求められた末に、相次いで発注を打ち切られてしまい、大ピンチに! 瀕死の会社を立て直すため、ルカは大胆な改革を考える。 今までのやり方へのこだわりや、“経験とカン”を誇るベテラン職人たちの反発。困難に立ち向かう中で、亡き祖父だったら……と思い巡らすルカ。特攻隊の生き残りにして、会社を起こし、高度成長期の中で発展させていったその足跡を辿っていくと、これまで知らなかった勇三の人生が浮かび上がってくるのだった。さらに、時代を超えて輝きを放つ、二つの“東京オリンピック”。 変わっていかないと。そう、変わり続けないと。 ルカは、新しい工法や鋳物の概念を超えた新素材の商品や、物語のモノづくりなどに挑戦していく。東京の下町を舞台に、女性鋳物師の奮闘を描き、 鋳物の新しい可能性を見せてくれる痛快モノづくり小説。 -
癒やしのお隣さんには秘密がある
【2023年7月、日本テレビ系列 ドラマDEEP ドラマ放映決定! Hulu、TVerでも配信予定 主演:田辺桃子・小関裕太】優しい隣人の正体は!? 真面目ゆえ、頼まれた仕事をなんでも引き受けてしまう苦労性の女・蓬田藤子。その隣の部屋に引っ越してきた男・仁科蒼真はとんでもなくイケメンで、しかもエリート会社員。藤子は次第に、親切で紳士的な隣人との交流に癒やされていく。なぜこんなボロアパートに越してきたのか、なぜ藤子に親身にしてくれるのか。多くを語らない仁科は、どうやらワケありのようで――? 苦労性真面目女子×ワケありハイスペ男子の胸きゅんラブコメディ! エブリスタ大人気連載、待望の文庫化。 -
癒しの湯 純情女将のお慰め
わたしのことも、 慰めていただけませんか? 悩みを抱える人妻、 純真無垢な仲居、 憧れの若女将 ポツンと温泉旅館で、 心も体もほっかほっか!! 濡れたバスタオルが 肌にぴったり貼りつき…… 雪景色を眺めながら、 吾郎は列車に揺られていた。 突然、札幌に転勤になった彼は、 大学の卒業旅行以来、 思い出の温泉旅館を訪れることになったのだ。 10年前、温泉で慰めてくれた 年上の若女将はいるのだろうか--。 旅館では、悩みを抱える37歳の人妻、 元気いっぱいのかわいい仲居とも出会い……。 読めば元気が湧いてくる、 ハートウォーミング温泉官能! 目次 第一章 湯けむりの若女将 第二章 一夜だけの情交 第三章 仲居さんのお願い 第四章 女将の矜持 第五章 十年目の交わり -
嫌なことからは逃げる
逃げながら、しかし迂回していても、いつか問題には直面します。その逃げる過程がまた物語を生むのです。 「町で見つけた小さな謎」や「日本国内でのほんのちょっとした旅」といった連載を雑誌に書いている主人公。その「書く」という行為が日常になっている男の行動をそのまま物語にしたような作品です。何をするにも「考える→動く」というスタイルが習い性となっている「物書き」という職業についての物語と言ってもいいかも知れません。その生き方をまっとうするための、最も大切なことが「嫌なことからは逃げる」ことなのでしょう。逃げながら、しかし迂回していても、いつか問題には直面します。その逃げる過程がまた物語を生むのです。 【著者】 片岡義男 1939年東京生まれ。文筆家。大学在学中よりライターとして「マンハント」「ミステリマガジン」などの雑誌で活躍。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年には「スローなブギにしてくれ」で第2回野性時代新人文学賞受賞。小説、評論、エッセイ、翻訳などの執筆活動のほかに写真家としても活躍している。著書に『10セントの意識革命』『彼のオートバイ、彼女の島』『メイン・テーマ』『日本語の外へ』ほか多数。近著に『珈琲が呼ぶ』(光文社)、『くわえ煙草とカレーライス』(河出書房新社)などがある。 -
依頼は殺しのあとに
勤務中に血を吐いて倒れるまでブラック企業で働いていた青年・南は、退職後、「楽をして生きる」をモットーにして、裏社会の団体から小金をせびって暮らしていた。 ある日、霊感商法の団体から金をせしめてホクホクしていたところを、シマを荒らされ怒っている暴力団に囲まれる。震えながら謝る南だったが、「安心しろ。殺したりはしない。死なない程度に痛いだけだ」と言われ、絶望する。 だが、その窮地を一人の男に救われる。冴えない風貌の彼は、南を勧誘するのだった。 「兄ちゃん、掃除って興味ある? にこにゃんハウスクリーニングで働く気はないか?」 -
蕁麻の家
萩原朔太郎の長女が描く、壮絶な物語2篇。 「天上の花」は、詩人・三好達治を、幼いころから三好にかわいがられていた著者ならではの目線で描く。三好は前妻(佐藤春夫の姪)と別れ、朔太郎の妹・慶子と付き合うようになるが、きらびやかな生活を好む慶子と、貧しくても平和な暮らしを望む三好の愛の生活は、やがて破滅的な最後を迎える――。第55回芥川賞候補作。 「蕁麻の家」は、母親が他の男のもとに走ったことが原因で、幼少期から祖母、叔母など家族みんなに疎まれ、頼みの父親からも避けられてしまう主人公の、まさに棘に囲まれているような生活を描いた秀作。第15回女流文学賞を受賞。 -
【イラストギャラリー付き】戯言シリーズ 全9冊合本版
エンターテインメントを一新した傑作「戯言シリーズ」が、初の電子合本版になって登場! イラストレーター・竹による、文庫版カバーイラスト計10点を掲載したイラストギャラリーを特別収録! 【収録作品】 クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識 クビツリハイスクール 戯言遣いの弟子 サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し サイコロジカル(下) 曳かれ者の小唄 ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹 ネコソギラジカル(上) 十三階段 ネコソギラジカル(中) 赤き征裁vs.橙なる種 ネコソギラジカル(下) 青色サヴァンと戯言遣い -
イレブン殺人事件 新装版
十津川警部も登場! 西村京太郎、初期傑作ミステリ―集!! 赤坂のホテルで映画俳優の宿泊する部屋に侵入したホテル荒し。しかし、彼が見つけたのは金ではなく女の死体だった…(「ホテルの鍵は死への鍵」)。変装で人生観が変わった中年男(「仮面の欲望」)、受験当日に寝坊をした受験生(「受験地獄」)、新幹線で女性との出会いを求めた男(「危険な道づれ」)、愛人の遺産を狙う女を追い詰める十津川警部(「死体の値段」)など、思いがけない出来事に驚愕の罠が……トラベルミステリ―だけではない、西村京太郎の魅力満載の初期傑作ミステリ―&サスペンス集! 死を招く11(イレブン)の罠! あなたは抜け出せるか。 結末の鮮やかさで、ミステリー短編の醍醐味を堪能できるに違いない。 ――山前譲(推理小説研究家) 多彩な小説(ミステリ―)世界(ワールド)、再発見! ●収録作品 「ホテルの鍵は死への鍵」 「歌を忘れたカナリヤは」 「ピンクカード」 「仮面の欲望」 「優しい悪魔たち」 「受験地獄」 「危険なサイドビジネス」 「水の上の殺人」 「危険な道づれ」 「モーツァルトの罠」 「死体の値段」 -
色女
シティホテルの高層階の部屋の窓から夜景を眺める28歳の石野浩子。木村裕一には妻がいることを納得ずくで始まった関係も1年半になる。木村は罪悪感につきまとわれ関係を解消したいと考えていた。しかし今夜、浩子を後から抱きしめ「縛ってみたいんだ」と囁くと、彼女の全身が一瞬にして熱くなるのが伝わった。ふたりは単なる不倫の関係から別の関係になれるのか……(「色女」)。表題作をはじめ、最後の一線をめぐる最高の女友達との夜、マンションの管理組合で知り合った四十歳と三十七歳の既婚者同士など8組のスリリングな恋模様を描いた、切なく苦い、だけど最高に甘美な作品集。本書は、徳間書店より刊行された「横好き」を改題したものです。 -
色川武大・阿佐田哲也 電子全集
“純文学作家・色川武大”の代表作、『狂人日記』と『怪しい来客簿』を同時収録した豪華な組み合わせ。 色川武大、最後の長篇小説となった『狂人日記』は、文芸誌「海燕」編集長・寺田博氏の勧めにより見せられた、 ある神経の病気を患っていた飾り職人の画集からインスパイアされ、自身が精魂込めて記された長篇。 狂人と健常者の狭間に身を置き、他者を求めながらも得られずに自ら死を選ぶ男の狂気を内側から描き、 1988年、第40回読売文学賞を受賞した“純文学作家・色川武大”を代表する晩年の傑作。 『怪しい来客簿』は、雑誌「話の特集」に1975年から翌年にかけ連載された小篇17篇からなる連作小説。 社会の片隅へと押し込められる、この世からはみだした人たちとの触れ合いを描き、1977年、第5回泉鏡花文学賞に輝いた。 執筆当時、麻雀小説作家・阿佐田哲也で名声を得ていた氏が、“純文学作家・色川武大”として狼煙を上げた重要な作品である。 解説は、色川作品を敬愛してやまない作家・佐伯一麦氏。解題は、元担当編集者で当電子全集の監修を務める大槻慎二氏が担当。 付録として「狂人日記」第1回の生原稿のほか、吉行淳之介、津島佑子両氏からの追悼文等を収録する。 -
彩無き世界のノスタルジア
過去を捨て、裏社会で生きる「交渉屋」のキダ。キダに仕事を発注、交渉時に使用する銃器や爆発物を調達するなど、表向きの輸入代行業とは別に裏稼業を営む会社「川端洋行」に、ある日両親を殺されたという少女・彩葉(いろは)が訪れる。その子の世話を押し付けられたキダは彩葉を匿うことになり、奇妙な共同生活がスタートする。彩葉と暮らすうち、孤独に暮らしていたキダの世界に鮮やかな色が満ちていく。しかし、その裏で蠢く影が、次第にキダを飲み込もうとしていた。やがて明らかになる彩葉の真実とは――。『名も無き世界のエンドロール』の結末から五年後、切なく忘れがたい「企み」の物語。 -
イロニアの大和
保田與重郎をめぐる大和文学紀行。――国のまほろば・大和の地に刻まれた、無垢なる魂の悲惨と栄光。悠久と無常の風土に、保田文学の根源をたどる、碩学の傑作評論。 「保田を読み始めた頃は旅を嫌っていた若者が、老境に入って、旅の経験もかなり積み重ねて来たその蓄積の上で、保田の大和を眺めた時どのように見えるか、そのことをたしかめようとしたのがこの本である。いうまでもなく現実にはその土地は行政区画としての奈良県であって、そこにひそむ遠い過去の追想は、所詮幻にすぎぬかもしれない。しかし幻にこそ土地の神髄があると考えれば、現実の相はかえって虚にすぎなくなるともいえる。実にして虚、このイロニーの上に保田の大和は浮んでいると見た所に表題を置くいわれがあった。」(後書より) -
色の階段
猟色のベテラン・小見山が、デパートに勤める紀子にウツツを抜かし、しかも、目的が果たせないという、珍しいことが起こった。彼が、紀子のことで、あの手この手の策を弄していると、かならず、見知らぬ女の声で、電話がかかってきた。しかも、それは、彼に欺された過去の女の亡霊のように、彼をおびやかしつづけた。やむなく、小見山は、かつてガール・ハントの手ほどきをしてやった宇津に、助けを求めたのだが……。 2人の男のあくなき女体探求を通じて、性の世界の百態を展開する長編小説。前作「色名帖」の続編として書かれた異色作。 -
色を忘れた世界で、君と明日を描いて
高校2年生の森沢和奏は、ある出来事のせいで人に自分の意見を伝える事に臆病になっていた。彼女には佐野翔梧という幼馴染がいて、思った事をすぐ口にする彼を和奏はいつからか避けるように。ある日の帰り道、2人が乗った電車が大きな音と共に傾き、顔を上げるとそこはいつもの教室で…。いきなり始まった同じ1日を繰り返す日々。リセットのたびに描いていた絵のキャンバスから色が消え、視界の色彩まで変化していることに気づいて――。この現象から抜け出す方法は……!? 過去の後悔と本当の自分に向き合う感涙必至の「青春リライト物語」!!
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