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後宮の薬師 平安なぞとき診療日記
百花繚乱の後宮で怪事件が――。大陸から海を渡ってきた父に医術を学んだ娘・安瑞蓮【あん・すいれん】は、腕を見込まれて博多から上京。陰謀渦巻く都の後宮で、御簾【みす】の向こうの姫や女房達の身体や心の治療にあたるうち、奇っ怪な事件に巻き込まれていく。呪詛をしたのはいったい誰なのか。次の東宮になる思いがけない人物とは。瑞蓮と共に働くのは、若き医官の和気樹雨【わけの・きう】、ベテラン医官の石上崇高【いそかみの・むねたか】、それに加え、陰陽寮の学生・安倍晴明も現われて……。様々な噂が飛び交うなか、若き女医(薬師)が医学の知識を駆使して事件の解明に果敢に挑む、平安ミステリー。「平安あや解き草紙」シリーズが人気の著者による、女医を主人公にした「お仕事小説」。 -
グルメ警部の美食捜査
事件と食事、どっちが大事なんですか!? 美食ブログに隠された謎、大食いYouTuberの意外な秘密……「ビストロ三軒亭」シリーズの著者が贈る、飯テロ描写満載の、グルメ警察小説。大食いチャレンジに失敗したものの、お金を持っていなかったカエデは、居合わせた久留米斗真に救われる。彼は警視庁所属の警部で、カエデは運転技術を見込まれ、そのお抱え運転手となった。捜査と言いながら、高級レストランや美食家が集まるパーティーに行ったりするばかりの久留米にカエデは驚くが、不思議とそれが事件解決の手掛かりとなり……。おいしいものと謎が絡み合う連作ミステリー。 -
ペンギンのバタフライ
多くの書店員が絶賛。感動の連作短編集。昔好きだったミュージシャンの車が事故を起こし、妻を亡くした佳祐は、時間を遡ることができるという坂道を自転車で逆走するのだが……(「さかさまさか」)。名前をもらってくれませんか――台風の夜、妻の出産のために訪れた病院で話しかけてきたのは、幼い時に死別した父親だった(「バオバブの夜」)。「ぼくね、きみの生まれ変わり」と白髭の太った老人から言われて……(「ふりだしにすすむ」)。誰もがやり直したい過去を持つ。そんな人に贈る、“時間”をテーマに紡がれた、ちょっと不思議で、あたたかな気持ちになれる五つの物語。一つひとつの物語が意外なつながりを見せ、必ずもう一度読み返したくなる一冊。 -
社長少女 PRESIDENT GIRL
天宮翼17歳。「わたし、社長になります!」 銀髪の美少女、そしてAI開発の世界的大企業「天宮システム」の創業者の一人娘であり、天才ゲーマーでもある天宮翼。父親の病死に続く会社の倒産で生活が一変、ほぼ全てを失いネカフェ難民生活が始まる。しかし、失意のどん底の状況から、ただ一人彼女に付き添う、父親の元側近で元プロボクサー、そして過去の飛行機事故で感情を失った男、間伸と共に、ゲーム会社「天宮システム2」を立ち上げ、彼女が愛するゲームで業界に乗り込み、一発逆転を狙う。 やがて理想の面白いゲームを追い求めてゲーム大手企業を飛び出したカリスマゲーム開発者・東島秀樹、翼のストーカーで眼鏡巨乳の美少女・神田エリカらの仲間を得て、幾多の困難を乗り越え、遂にリリースされる天宮システム2の新作ゲーム。しかし、彼女達は思いがけない巨大な陰謀と危機の真っ只中に引き込まれ、そしてその危機が人類全体に及ぼうとする時、彼女は自分の奇跡的な宿命を知る−。小さなゲーム会社起業から始まった、社長少女・天宮翼の物語は、果たしてどこに辿り着くのか? ゲームディレクター、CGクリエイター、キャラクター企画(東北ずん子等)、小説家として活躍する榊正宗が送り出す、彼のゲーム愛と、次世代人工知能システム、インターネット、ゲーム業界、国家機密、アンドロイド、火星探査計画、そして時空を越える恋と、疾走するように拡がるケオティックな世界観とが融合する傑作SF小説作品。 イラスト・キャラクターデザインは江戸村ににこ(東北ずん子キャラクターデザイン等)。 ※この作品は令和2年7月に株式会社スペースシャワーネットワークより刊行された作品の一部を改訂し電子書籍化したものです。 -
黛家の兄弟
第165回直木賞、第34回山本周五郎賞候補『高瀬庄左衛門御留書』の砂原浩太朗が描く、 陥穽あり、乱刃あり、青春ありの躍動感溢れる時代小説。 道は違えど、思いはひとつ。 政争の嵐の中、三兄弟の絆が試される。 『高瀬庄左衛門御留書』の泰然たる感動から一転、今度は17歳の武士が主人公。 神山藩で代々筆頭家老の黛家。三男の新三郎は、兄たちとは付かず離れず、 道場仲間の圭蔵と穏やかな青春の日々を過ごしている。しかし人生の転機を迎え、 大目付を務める黒沢家に婿入りし、政務を学び始めていた。そのさなか、 黛家の未来を揺るがす大事件が起こる。その理不尽な顛末に、三兄弟は翻弄されていく。 令和の時代小説の新潮流「神山藩シリーズ」第二弾! ~「神山藩シリーズ」とは~ 架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。 それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された 世界観で物語が紡がれる。 -
ばにらさま
二度読み必至! 伝説の直木賞受賞作『プラナリア』に匹敵する、 光と闇が反転する傑作短編集。 1,「ばにらさま」 僕の初めての恋人は、バニラアイスみたいに白くて冷たい……。 2,「わたしは大丈夫」 夫と娘とともに爪に火をともすような倹約生活を送る私。 3,「菓子苑」 気分の浮き沈みの激しい女友だちに翻弄されるも、放って置けない。 4,「バヨリン心中」 余命短い祖母が語る、ポーランド人の青年をめぐる若き日の恋。 5,「20×20」 主婦から作家となった私は、仕事場のマンションの隣人たちと……。 6,「子供おばさん」 中学の同級生の葬儀で、遺族から形見として託されたのは。 以上6編を収録。 日常の風景の中で、光と闇を鮮やかに感じさせる凄み。 読み進むうちにぞっと背筋が冷えるような仕掛け。 「えっ」と思わず声が出るほど巧みな構成。 引きずり込まれる魅力満載の山本文緒文学! 2021年10月に惜しくも逝去した著者最後の小説集。 解説=三宅香帆 ※この電子書籍は2021年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
ムーンナイト・ダイバー
慟哭の夜から救済の光さす海へ。 3・11後のフクシマを舞台に、鎮魂と生への祈りをこめた著者の新たな代表作。 ダイビングのインストラクターをつとめる舟作は、秘密の依頼者グループの命をうけて、亡父の親友である文平とともに立入禁止の海域で引き揚げを行っていた。 光源は月光だけ――ふたりが《光のエリア》と呼ぶ、建屋周辺地域を抜けた先の海底には「あの日」がまだそのまま残されていた。 依頼者グループの会が決めたルールにそむき、直接舟作とコンタクトをとった眞部透子は、行方不明者である夫のしていた指輪を探さないでほしいと告げるのだが……。 巻末に著者によるエッセイ、「失われた命への誠実な祈り(文庫版あとがきに代えて)」を収録。 -
ララぼうとルルぼうと青光クリスタル
自分はダメだという想いを抱え、縮こまって生きていたララぼう。自分の内側にいるもう一人の自分ルルぼうと出会い、ララぼうの心の風景は少しずつ変わっていきました。 今回のお話は、宝の山にある青光クリスタルを取りに行くことになったララぼう。 キーワードとふたつの歌を頼りに、道を自分で見つけなければいけません。 頭ではなく、感覚を使うのがコツ。 はたして、ララぼうは、青光クリスタルを見つけることができるのでしょうか? 今回のテーマは「直感を働かせる」です。 ララぼうとルルぼうシリーズ第4作目。 -
春の庭
第151回芥川賞受賞作。「春の庭」 書下ろし&単行本未収録短篇を加え 待望の文庫化! 東京・世田谷の取り壊し間近のアパートに住む太郎は、住人の女と知り合う。 彼女は隣に建つ「水色の家」に、異様な関心を示していた。 街に積み重なる時間の中で、彼らが見つけたものとは―― 第151回芥川賞に輝く表題作に、「糸」「見えない」「出かける準備」の三篇を加え、 作家の揺るぎない才能を示した小説集。 二階のベランダから女が頭を突き出し、なにかを見ている。(「春の庭」) 通りの向こうに住む女を、男が殺しに来た。(「糸」) アパート二階、右端の部屋の住人は、眠ることがなによりの楽しみだった。(「見えない」) 電車が鉄橋を渡るときの音が、背中から響いてきた。(「出かける準備」) 何かが始まる気配。見えなかったものが見えてくる。 解説・堀江敏幸 -
貧乏こんちくしょう 林芙美子作品集
貧乏のひもじさもわびしさも蹴散らす林芙美子の生の文学! 物故作家の名作を現代に通じるテーマでくくり、再編成するシリーズの第一弾。 自らの貧乏生活を題材にした小説『放浪記』でベストセラー作家となった林芙美子の名作選。「貧乏」をテーマに、初期作品「風琴と魚の町」「清貧の書」「耳輪のついた馬」、山田五十鈴、三船敏郎主演の映画『下町』の原作、などを収録。「貧乏とは何か」を問う。 行商人の子として九州各地を転々としてきた著者が、母と養父とともに広島県の尾道に辿りつき、そこで暮らし始めたときの体験を綴った処女短編「風琴と魚の町」をはじめとする初期短編五編、戦後の代表作「晩菊」、戦争にうちのめされた市井の人々の姿を描いた短編四編、ベストセラー『放浪記』の原型ともいわれる詩十編を収録。 -
ワケあっておチビと暮らしてます
不愛想男子×自由すぎる4才児 ちぐはぐな二人の毎日は、ハプニングの連続だけど・・・!? 「あ。いいこと考えたっ。うた、ここでゆらと住む!」。高1の結良(ゆら)のもとに、おてんば4才児のうたがやってきた。ワケあって二人暮らしをすることに。毎日がハプニングの連続だが、不愛想な結良は、つむちゃんパパやクラスメイト、同じアパートの咲羽子さんなど、まわりの人を頼れるようになる。そして母の日。お出かけ中にうたの我儘から事件が起こる! 結良は初めてうたを怒るが、実はうたには言えなかった想いがあって――。少しずつ家族になる二人の、笑えて泣ける60日間。 -
私のスポットライト
顔も成績も地味な13歳の平田彩希は、クラスで目立たないように過ごす日々。しかし、クラスの派閥争いのあおりを受け、学園祭のクラス劇で主役を演じることに。これを機に演劇の面白さに目覚めた彩希は、児童劇団に入団するのだが、クラスメイトに「カンチガイしてる」と言われて――。「フツウ」コンプックスや周囲の視線から脱し、自分の「好き」に向き合う苦悩と喜びを、林真理子が温かなまなざしで描いた青春小説。 -
莉国後宮女医伝
女子太医学校を卒業した19歳の新人医官・李翠珠(り・すいしゅ)は、市井の医療院で研修をスタートした。 いずれは地元・南洲に帰り、実家の医院を継ぐつもりだ。 いまだ、世の風潮は女性が職業を持つことへの根強い反発がある。そのため、患者に見下されるなど嫌な思いをすることも少なくなかった。 だが、師匠であるベテラン医官・拓中士は評判の人格者で、翠珠はやりがいに満ち溢れながら仕事をしていた。 ある日翠珠は、懇意にしている薬店に、御史台(監察官)の捜査が入った現場に遭遇する。 調査にやって来た若き官吏・鄭夕宵(てい・ゆうしょう)曰く、数か月前に流産した皇帝の寵妃・河嬪(かひん)の殿舎から堕胎薬が見つかり、薬を盛られて流産した可能性が持ち上がったらしい。 そんな折、第一妃・呂貴妃(ろきひ)が後宮の外部の薬店と取引をしていたことが判明し、彼女に嫌疑がかかっているのだという。 重要参考人としてあわや捕縛されかけた店主を、翠珠は医学的知識を根拠に救う。 その数日後、とつぜん翠珠に後宮への配属替えが命ぜられる! 指導官の先輩女医・晏紫霞(あん・しか)は、花も零れる絶世の美女だった。医術の腕も相当なものらしい。 突如配置換えさせられた理由も不明だし、市井の医院で働きたかった翠珠はがっかりするが、 夕宵や紫霞と関わるうちに、彼らの内面を知り、よき関係を築いていく。 しかし今度は、呂貴妃が体調を崩し、その原因を探ることになった翠珠は、後宮のいざこざに巻き込まれていき――。 後宮にはびこる病を、怜悧でキュートな新米医官が解き癒す。 ページをめくる手がとまらない! 面白さ100%の中華警察医療ミステリ、開幕! -
てのひらの父
弁護士を目指す司法浪人生の涼子、アパレルのデザイナーとして働く撫子、そして不条理なリストラにより職を失った柊子。彼女たちが住む下宿に、春の訪れとともに現れた臨時管理人・トモミさんの存在が、三人が抱える問題をはからずも浮き彫りにしていく。“家族の森”で迷子になっているすべての娘たちに贈る「父と娘」の物語。 -
名探偵じゃなくても
「うるっと切なくも 大きな愛に満ちた物語。 楓を守る祖父の存在、頼もしい仲間たちの支え、 事件と人物の展開に引き込まれ、優しさが謎を解くーー いま、深く心に沁み込む新感覚ミステリー」 大島璃乃(女優・モデル) 「認知症探偵」の名推理 スピンオフ掌編も特別収録!(解説・神永学) (あらすじ) クリスマス直前、居酒屋で“サンタクロース消失事件”について議論していた楓たちは、紳士然とした男性・我妻に声をかけられた。彼は、かつて小学校の校長を務めていた楓の祖父の教え子なのだという。楓や我妻が持ち込む不可解な謎を、レビー小体型認知症の祖父は名探偵のごとく解決する。しかし、その症状は一進一退を繰り返しており……。スピンオフ掌編も特別収録! 解説・神永学。 【著者について】 小西マサテル 1965年生まれ。香川県高松市出身、東京都在住。明治大学在学中より放送作家として活躍。現在、ラジオ番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』『徳光和夫 とくモリ!歌謡サタデー』『笑福亭鶴光のオールナイトニッポンTV』『明石家さんま オールニッポン お願い!リクエスト』などのメイン構成を担当。『南原清隆、いまナンしょん。』(RNC)のアシスタントパーソナリティとして出演中。第21回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2023年に『名探偵のままでいて』でデビュー。他の著書に『名探偵にさよならを』(以上、宝島社)など。 -
悪女と聖女が手を組めば
バブル世代のアラ還OLが事故に遭い、目を覚ますと乙女ゲームの悪役令嬢・エレノアに転生していた!? 皇太子に婚約破棄されても、十代の少年を恋愛対象として見れないのでノーダメージ。しかもライバル聖女・ルミエラも転生者(元オタク女子大生)と発覚し、世代を超えて意気投合! 恋愛経験ゼロのルミエラを、長年の社会人スキルとバブル時代にブイブイ言わせた経験でサポートするうち、悪女のはずがイケメンキャラ達になぜか次々と好かれていくエレノア。世界滅亡バッドエンドを回避するためには魔王を含めた全キャラ攻略が必須だと判明し・・・・・・!? 昭和ネタ満載の新感覚異世界(代)シスターフッドコメディ!! -
老坂クリニック
高齢者の疾患全般を診る老坂クリニック。院長の小町先生には短歌の趣味があり、治療に応用も。現役医師作家が描く書下ろし医療小説! 東京・自由が丘にある老坂クリニックは「老年内科」を看板に掲げる、高齢者の疾患全般を診る診療所。ちょっとした坂を上り切ったところにあり、お年寄りにはきつい。医師は2人。普通の高齢者の治療がしたいと言って、都心の大学病院から移ってきた31歳の山里羊司医師と、赤茶色に髪を染めた68歳のベテラン・老坂小町院長だ。小町先生には短歌の趣味があり、患者への診察メッセージを短歌に込めるという特技を持つ。それが治療に役立っているのかは不明だが。そして集まってくる患者は狙いどおりお年寄りばかり。今回の診療項目には、エンディングノート、白内障、免許返納の三つが並ぶ。 -
君と、この世界はビター&スイート
「女の子だから…」。その言葉に違和感を覚えてきた高校生の園田葵。学校では友人の意見に流され、家では「女の子だから」という理由で家事を手伝わされる日々を送っていた。「自分らしさ」の欠片もない自分自身について悩みを抱えていた葵はある日、学校で悩みを打ち明ける「SOSレター」に想いを綴る。しかし肝心のレターを校内で紛失してしまい……。拾い主探しをするうちに彼と出会い、大切な「自分らしさ」を取り戻していく。いつしか彼は特別な存在になって――。個性に悩み、「誰かの決めつけ」に抗う姿を描いたビターでスイートな青春ストーリー。 -
人生写真館の奇跡
天国までの道の途中に佇む写真館。ここには、訪れる死者の人生が写真に収められ保管されている。 ここで死者は、人生を振り返りながら、自分が生きた年数だけの写真を選び、自らの手で走馬燈を作るのだ――。 そんな人生最後の振り返りの儀式を手伝うのは、写真館に来るまでの記憶をなくした青年、平坂。 九十二歳の老婆が選んだバスの写真、四十七歳のヤクザが選んだクリスマス・イブの写真、 そして七歳の子どもと笑顔を浮かべる青年の写真。 「たった一日ではありますが、過去に戻って、一枚だけ写真を撮り直すことができます」 と平坂は言い、訪れた死者をそれぞれの過去へと誘う。 記念すべき日のあの時に戻り、思い出の写真を撮り直しながら、彼らは人生の最期に何を想うのか。 そして平坂に訪れる、悲しくも優しい結末とは……。3つの物語が紡ぎ出す、感動のミステリー。 -
鳥籠のかぐや姫
時は金鵄(きんし)国、第33代帝、天誠帝の御世。 都から遠く離れた隠岐野の郡の辺境の里にて、かぐやは祖父母である讃岐家の翁と媼に育てられていた。 かぐやは見た目は美しいが、幼い頃から人とは異なる力を持っており、本人も知らぬ間に夜な夜なふらりと邸を抜け出し、気付くとこの国にはびこる妖影(かげ)と呼ばれる魔物を斃していた。 その際にどこからともなく光る弓矢が現れ、髪も金色に輝くことから、気味悪がった翁と媼はかぐやを監禁し虐げながらも、彼女の美貌を見て求婚してくる貴族からの貢ぎ物で私腹を肥やしていた。 かぐやはたまに屋敷を訪ねてくる、兄と慕う錺(かざり)職人の零月に唯一心慰められていたが、ここからはどこにも行けないと諦め、心を殺して生きていた。 そんなある日、前帝の子であり、現帝からの信頼も厚い美丈夫、祇王隆勝が訪ねてくる。 隆勝は妖影を討伐する黒鳶隊の大将をしており、かぐやの異能の噂を聞いてやってきたが、翁と媼からの仕打ちを知り、仮初めの婚姻の形を取ることでかぐやを連れ出す。 かぐやは姫巫女として黒鳶隊に入れられ、中将の海祢や少将の凛といった仲間たちとも過ごす中で、次第に自分の意思を取り戻していくが、同時に厳しくも優しく自分を見守ってくれる隆勝に心惹かれていって……? 美しく、心震える異能×和風恋愛ファンタジー! -
宮廷医の娘
黒衣まとうその闇医者は、どんな病をも治すという――。 由緒正しい宮廷医の家系に生まれ、仁の心の医師を志す陽香蘭。ある日、庶民から法外な治療費を請求するという闇医者・白蓮の噂を耳にする。 正義感から彼を改心させるべく診療所へ出向く香蘭。だがその闇医者は、運び込まれた急患を見た事もない外科的手法でたちどころに救ってみせ……。強引に弟子入りした香蘭は、白蓮と衝突しながらも真の医療を追い求めていく。 どんな病も治す診療所の評判は、やがて後宮にまで届き――東宮勅命で、香蘭はある貴妃の診察にあたることに!? -
旅のない
コロナ禍中の日々を映す4つのストーリー。 芥川賞作家・上田岳弘、初めての短篇集。川端康成文学賞受賞作「旅のない」収録! 【収録作品】 「悪口」 恋人と過ごすホテルでのゴールデンウィーク。「じゃあ、悪口の練習しよっか?」。僕は初めて彼女と会った時のことを思い出す。 「つくつく法師」 朝の散歩は4歳の息子との日課だ。午後、僕は古いPCで、昔書いた小説を読み返す。 「ボーイズ」 10歳と6歳のボーイズは、亀甲柄と市松模様のマスクでやって来た。弟の息子たちを預かることになった夫婦の夏。 「旅のない」 「作家さんなんですよね?」。出張先での車中、会話が途切れると取引先の村上さんが聞いてきた……。 -
犬飼いちゃんと猫飼い先生
★===★ あらすじ ★===★ 僕、ダックスフントの”フンフン”。大好きな藍(あい)ちゃんには気になる人が居るの。相手はいかにも好青年ってかんじの人間のオス、鴨井(かもい)。動物病院の待合室で毎週会う、いつもいじわるな白猫キャロルの下僕(かいぬし)なんだよ。 気にくわないけど、藍ちゃんの気持ちも応援したい。ただ僕は、鴨井が藍ちゃんと仲良くできない重大な秘密も知っているんだ……! 飼い主たちの関係は、顔見知りから友達へのステップアップもまだみたいで!? 可愛い犬猫たちに見守られるなか、年の差ふたりの間にライバルまで登場してーー? ★電子特典として、同著者書き下ろしの『おいしいベランダ。』とのコラボ特別ショートストーリーを収録。 ★===★ 登場人物紹介 ★===★ ★藍(あい) …… 朗らかで素直な女子高校生。フンフンの飼い主。鴨井と動物病院で出会う。 ★鴨井(かもい) …… キャロルの飼い主。藍とオススメの本を交換しあい仲を深めていくが? ★フンフン …… 五歳のミニチュアダックスフント。ちょっとおばかだけど飼い主の藍が大好き。 ★キャロル …… 白くて長毛な、鴨井が長年かわいがっている猫。気位の高い姫君だがーー。
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