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Posted by ブクログ
東京23区(と、武蔵野市)がそれぞれ一人称で町の歴史を語る。もともと2013年から2年にわたりどこかの雑誌で連載されていたものだそうで、当時の流行やニュースも存分に盛り込まれている。2015年の単行本化から2017年の文庫化までの2年間でも、東京事情は目まぐるしく変化しており、作者によるあとがきでのフォローも2019年の今となってはまたもアップデートを要する状態に。
しかしこれが東京。
本編の各区のお話も、本当にどれもひとつひとつとっくり語り合いたいくらい面白かったが、『いまむかし東京町歩き』の著者(とかいって私は未読ですが面白そう)川本三郎さんによる解説も良かった。
『京都や奈良のように何百年も前の風景が残っている町では「歴史」が語りやすいが、東京のように変化の激しい町では「思い出」を語りたくなる。』
これよこれ。(思い出ってキーワードに私は弱い気がする。)
エピローグ的な「東京都」の巻では、家康以前、遠浅の海に向かって流れるいくつもの川が氾濫の度にその間の地形を変えてきた湿地帯時代の頃から、この地は諸行無常を体現するかのように、変化を繰り返してきた場所であることを描き出す。そしてそこには、江戸の火事、関東大震災、戦争…ですべてを失うたびに、いつも淡々と町を再建してきた人々の営みがあった。(ま、巨視的にみればね。)
東京で歴史散歩なんていったって、近畿圏(もっといえばヨーロッパとか)に比べたらそうそう大したものは残っていなくて、それが残念だなあというふうにも感じるけれど。形あるものはいつかはなくなるし、記憶だって薄れたり変わったりしていくもの。残すことばかりにあんまりこだわっても、しかたないのかもしれない。
それでも、昔こんなことがあったとか、あった"らしい"とかいう話にふれ、へ~なんて思って心動かされることは、自覚はなくても自分にそして周りに何らかの変化をもたらすだろう。
じーちゃんやばーちゃんや親父さんやお袋さんや近所のおじさんやガッコの先生の、「耳にタコ」な思い出話も、そう考えると捨てたもんじゃない。なんて言う自分も、くどい思い出話をする大人にすでになっていると思う。
■備忘メモ
・首都高はほとんど、元「川」(っていうか堀)
・六本木は元々軍隊の町。その後米兵がきてアメリカ文化を持ち込む
・新宿がビル街になったのは1970年代からか~
・1995年青島都知事、世界都市博東京開催中止
・羽田空港、穴守稲荷大鳥居の祟り
・渋谷の恋文横丁とは、ここに朝鮮戦争進駐軍の米兵と恋に落ちた女の子たちのために恋文(英文)を代筆する将校さんがいた、という場所
・明治末期に、荒川放水路建設を指揮した青山士という人がかっこいい
・足立区のお化け煙突の話って、むかし映画かなにかで聞いたことがあるような…
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