小説作品一覧

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  • 南蛮更紗
    -
    1巻3,520円 (税込)
    ※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 煙草,時計,カルタ,チャルメラなどの言葉の源をさぐり,キリシタン文学から当時の生きた日本語表現を拾いあげる。『広辞苑』の編者として著名な言語学者・新村出がつづる36編の多彩な随筆集。

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  • 西洋紀聞
    -
    1巻3,520円 (税込)
    ※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 宝永5年(1708),キリスト教禁令下の日本に潜入をはかった宣教師シドチと,彼を尋問した白石。その息づまる対決は,一編の奇しきドラマであり,東西文化交流史上の事件だった。自筆本からの初の覆刻。

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  • 清代学術概論
    -
    1巻3,520円 (税込)
    ※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 中国の学術がいっせいに花開いた清代に活躍した人びととその思想を,みずからその学統につらなる梁啓超が,比較史的方法で生き生きと描きだした名著。巻末に詳細な人名注・書名注・索引を付す。

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  • 近世畸人伝・続近世畸人伝
    -
    ※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 有名無名を問わず,正・続合わせて200余の人物評伝を収める。とりあげられた畸人すなわち扶桑隠逸の高士たちは,著者の筆によって躍動し,いわゆる畸人伝の類書を圧して古典としての光彩をはなつ。

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  • 新燕石十種〈第1巻〉
    -
    1~8巻3,524~4,400円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 飛鳥川/続飛鳥川/親子草他
  • いっそあの方が死んで下すったなら
    3.0
    1巻3,564円 (税込)
    少女小説の黎明期に、『少女画報』を舞台に数々の傑作を残した作家――伊澤みゆき。 その名と作品は長らく埋もれていたが、伊澤の作品が少女小説に与えた影響は大きく、吉屋信子は、「みんなが伊澤みゆきの作品がいいと思うように、自分の作品もそう思われたい」と語り、後に代表作となる『花物語』の第一編を『少女画報』に投稿したという。今あらためて、その文学的価値と独自の世界観が見直されている。 伊澤の作品には、甘く優しいだけではない、どこか影を帯びた「闇のオーラ」を放つ友愛小説が多く見られる。嫉妬や執着、ルッキズム――少女たちの内面に潜む痛みや陰りが、丁寧に、そして烈しく描かれ、百年前の少女たちの叫びは、今もなお私たちの心に鮮烈な衝撃をもたらす。 本書は、伊澤みゆき初の作品集であり、『少女画報』に掲載された全60篇を収録。テーマごとに5章に分け、彼女の多彩な作風を存分に味わえる構成とした。また、女性研究者たちによる詳細な解説も収録し、文学史的な視点からも伊澤の作品を掘り下げる一冊となっている。 装幀:アルビレオ 装画:Ashley YK Yeo

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  • 朝鮮漂流
    NEW
    -
    1巻3,575円 (税込)
    私たちはとんでもないところまできてしまったのではないか……。文政二年、薩摩藩士らを乗せた船は暴風雨に襲われ、漂着したのは朝鮮国だった。使者とのやりとりは漢文での筆談のみ。官僚との交渉は遅々として進まない。それでも「言葉は通じない。だが真心は通じる」のも真実だった。望郷の念がかなうのはいつの日なのか?
  • 楽毅(一~四)合本版(新潮文庫)
    5.0
    古代中国の戦国期、「戦国七雄」にも数えられぬ小国、中山国宰相の嫡子として生まれた楽毅は栄華を誇る大国・斉の都で己に問う。人が見事に生きるとは、どういうことかと。諸子百家の気風に魅せられ、斉の都に学んだ青年を祖国で待ち受けていたのは、国家存立を脅かす愚昧な君主による危うい舵取りと、隣国・趙の執拗な侵略だった。才知と矜持をかけ、若き楽毅は祖国の救済を模索する。 ※当電子版は新潮文庫版『楽毅』一~四巻をまとめた合本版です。
  • いくつもの鋭い破片 上
    -
    B・E・エリス、畢生の代表作誕生 『レス・ザン・ゼロ』の頽廃と青春。 『アメリカン・サイコ』の不穏と冷血。 アメリカ文学の鬼才、畢生の大作。 1981年秋に起きたこと。それを僕はついに書くことにした。 あの恐ろしい出来事を。 ハイスクールの最終学年。裕福な子女ばかりが通うバックリー校で、僕は人気者の子たちと調子を合わせながら、男子たちとセックスに耽り、家では『レス・ザン・ゼロ』という小説を書き進めていた。僕らが享楽の日々を過ごす一方、周囲には奇怪な出来事が頻々として起きていた―― 不法侵入事件の多発。カルト集団の出没。校内のグリフィン像は何者かによって鯉の死骸で冒涜され、〈曳き網使い〉なるシリアル・キラーが静かに徘徊していた。それがどんな恐ろしいことを引き起こすのか、あのときの僕はまだ知らなかった……。 享楽。虚無。無感覚。何か取り返しのつかないことが起こる予感。 80年代の頽廃をエリスの不穏な声がじわりじわりと綴ってゆく。 13年の沈黙を破って放たれた、米文学の鬼才の集大成的傑作。
  • 【電子復刻】妻と友へ
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 苦悶時代の恋人であり、のちに妻となったジェーン・ウェルシュとの書簡、ゲーテ、ディケンズ、エマソンなど、彼が胸襟を開いた親友たちへの書簡を収め、自身のたましいの躍動を感じさせる。 [電子書籍版]には、[デジタル・オンデマンド版]に含まれる「月報」は含まれていません。
  • 人狼ゲーム PENTALOGY【5部作合本版】
    5.0
    疑うのか? 信じるのか? 勝つのは“狼"か、“村人”か、はたまた――。  集められた10人の高校生たちの生死を賭けた“デスゲーム”が始まる! 汝は人狼なりや? 話題の「人狼ゲーム」をテーマにした、デスゲーム・サバイバル・ミステリー! シリーズ5部作合本版! ◎【人狼ゲーム】とは? ヨーロッパ発祥の伝統的パーティゲームとその亜種の総称。 日本では「汝は人狼なりや?」という名前でも普及している。 〈ゲームの基本概要〉 1)村の中には村人に扮した人狼が混ざっている。 2)人狼は夜になると一人ずつ村人を殺す。 3)昼は全員で相談し、人狼だと思う相手を多数決で一人選び、処刑する。 4)すべての人狼を処刑すれば村人の勝利。すべての村人を食べつくせば人狼の勝利。  ★ただし、ゲームによって、新たな〈役職〉が加わり、勝利条件も変化する。
  • 絢爛の法
    NEW
    -
    1巻3,630円 (税込)
    維新がなければ、世に出られなかった熊本の陪々臣の三男、井上毅は肺を病むほどに学び、大久保利通と伊藤博文らに見出され、立憲政体の詔勅、大日本帝国憲法と教育勅語の起草など近代国家の礎を言葉にしていく。大隈重信、岩倉具視、星亨、牧野伸顕などの英傑もクセが強く、黎明期の明治は熱く面白いと見直す記念碑的傑作。
  • 十二支像を奪還せよ
    4.3
    報酬は1人10億円。略奪された美術品を5人の若者が奪い返すクライム・サスペンス 中国系アメリカ人のウィルは、美術史を専攻する大学生。ある日、中国人の資産家から驚愕の依頼を受けた。かつて英仏軍に盗まれた5つの美術品を奪還するというものだ。ウィルは、ハッカー、泥棒、詐欺師、ドライバー役の仲間とともに、世界中の美術館に向かう
  • 真実に捧げる祈り
    -
    2022年エドガー賞YA部門受賞、映像化決定! 鮮烈なデビュー作 オジブワ族の父をもつ18歳のドナスは、自らのルーツと進路に悩んでいた。ある日、薬物絡みの殺人事件を目撃する。その薬物は、伝統医療を悪用して作られたものだった。潜入捜査官に協力を求められたドナスは、事件の闇と、揺れる自分自身に向き合っていく。
  • 彼女を見守る
    4.4
    第一次大戦後、イタリア北西部にある村。貧しい家に生まれた、石工の弟子、ミモ。村の城館に住む侯爵家の娘でありながら自立を望むヴィオラ。出会うはずのなかった二人は惹かれ合い、時に反発し、両大戦間の激動の時代を生き抜いていく。 ゴンクール賞&日本の学生が選ぶゴンクール賞受賞作!
  • ソーンダーズ先生の小説教室
    5.0
    岸本佐知子さん推薦! 「ソーンダーズ先生の導きで、わたしたちは小説が徹底的に解剖されるさまを目撃する。もう元の読み方にはもどれない。」 ブッカー賞受賞、『短くて恐ろしいフィルの時代』の著者による、大注目・全米ベストセラーの「小説入門」!! 現代アメリカ文学を代表する作家ジョージ・ソーンダーズが、ロシア文学の巨人たちと寄り添い、悩み、格闘する。 チェーホフ、ツルゲーネフ、トルストイ、ゴーゴリ── 珠玉の短編小説7本を通じて、物語の読み方と書き方、そして人生の意味に迫る、刺激に満ちた楽しい創作講座。 シラキュース大学の創作講座を20 年にわたって担当し、小説家志望の若き学生たちに小説の書き方と読み方を教えてきた小説家ジョージ・ソーンダーズ。ソーンダーズの名物授業を再現した本書では、ロシア文学の巨匠による7本の短編を読み解き、読者に頁を繰らせるためにいかなる技法やテクニックが駆使されているのかを解説する。 現代アメリカの短編小説の名手が、ユーモアたっぷりでいざなう、ロシア文学のそぞろ歩き。私たちはなぜ読み、書き、生きるのか──その答えを探る、時空を超えた軽やかな小説の旅へ。 ◎現役ブッカー賞作家による人気の創作講座を再現! ◎題材となるロシアの巨匠4人による7本の短編小説を、原文から新訳で全文収録!! <本書で読める、珠玉のロシア短編小説たち> アントン・チェーホフ(1860-1904)「荷馬車で」「かわいいひと」「すぐり」 レフ・トルストイ(1828-1910)「主人と下男」「壺のアリョーシャ」 イヴァン・ツルゲーネフ(1818-1883)「のど自慢」 ニコライ・ゴーゴリ(1809-1852)「鼻」
  • 虚言の国  アメリカ・ファンタスティカ
    3.4
    虚言症が蔓延するアメリカで、稀代の嘘つき男が 仕掛ける奇想天外なロードトリップ―― ピュリッツァー賞候補作家が放つ長編小説、待望の全訳!   オブライエン(著)×村上春樹(訳) ある理由で一流ジャーナリストからフェイクニュースの王に転落した中年男ボイド。 カリフォルニアの田舎町でデパートの店長をしている彼は地元銀行の窓口係アンジーに 銃をつきつけ、奪った8万1千ドルと彼女を連れ逃避行に出る。 仕切り屋で喋り通しのアンジーに閉口しつつアメリカを縦断するボイドと、 彼をとりまく大富豪、悪徳警官、美人妻、殺人者――追う者追われる者が入り乱れ、 嘘と疫病に乗って全米を疾走するが……。 ティム・オブライエン、20年ぶりの長編小説。
  • 人類の深奥に秘められた記憶
    4.6
    【ゴンクール賞受賞作】 なぜ人間は、作家は、“書く”のか。根源ともいえる欲望の迷宮を恐ろしいほどの気迫で綴る、衝撃の傑作小説! セネガル出身、パリに暮らす駆け出しの作家ジェガーヌには、気になる同郷の作家がいた。 1938年、デビュー作『人でなしの迷宮』でセンセーションを巻き起こし、「黒いランボー」とまで呼ばれた作家T・C・エリマン。しかしその直後、作品は回収騒ぎとなり、版元の出版社も廃業、ほぼ忘れ去られた存在となっていた。 そんなある日『人でなしの迷宮』を奇跡的に手に入れ、内容に感銘を受けたジェガーヌは、エリマン自身について調べはじめる。 様々な人の口から導き出されるエリマンの姿とは。時代の潮流に翻弄される黒人作家の懊悩、そして作家にとって “書く”という宿命は一体何なのか。 フランスで60万部を突破、40か国で版権が取得された、2021年ゴンクール賞受賞の傑作。
  • 四書
    -
    1巻3,630円 (税込)
    黄河のほとり,第九十九更生区.知識人たちはここで「こども」に監督され,再教育を受ける.解放を夢みて狂騒的な鉄鋼農業生産に突き進む彼らを,やがて無謀な政策の果ての大飢饉が襲い…….不条理な政治に翻弄される人間の痛ましくも聖なる苦闘を,「四つの書」の形式で語る.大躍進時代を彷彿とする歴史の暗部に挑んだ意欲作.

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  • その輝きを僕は知らない
    4.3
    名門大学で生物化学の博士課程を目指す院生のウォレスは、南部出身の黒人でゲイ。ある夏、表向きはストレートの白人の同級生との出会いが、彼の中に眠っていた感情、痛み、渇きを呼び起こす。米国のミレニアル世代のリアルな葛藤を描く、ブッカー賞最終候補作
  • 翼っていうのは嘘だけど
    -
    フランス南東部に住む15歳のガランスは学校の人気者。町のモデルコンテストでも順調に予選を通過していたのに、ある日突然失踪した。警察が捜査に乗り出したところ、ガランスは動画流出が原因でネットリンチに遭い、全てのSNSアカウントを閉鎖していた――。
  • 中国講談選
    完結
    -
    全1巻3,630円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 中国の大衆に愛され,親しまれ生きつづけてきた講釈を,口演そのままに記録したもの。『三国志』『水滸伝』『西遊記』『説岳』『包公案』から,人びとに喜ばれた名場面を集めて編集。
  • 絵本江戸風俗往来
    完結
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 江戸生き残りの古老,4代目広重が丹念につづる,幼時に見聞した年中行事や市井の雑事の記録。本業の絵筆で文章を補いながら,忘れられていく古きよき日の思い出を愛惜をこめて描いた好著。
  • 四書五経
    完結
    -
    全1巻3,630円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 儒教の主要文献である『論語』『孟子』『易経』『春秋』など,いわゆる四書五経に対する正当な評価と,それらの古典を生みだした古代中国人の心と生活態度を解明した好著。書き下ろし。
  • 蕃談
    完結
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 幕末,越中の長者丸は,三陸,唐仁の港から出港して江戸へ向かう途中に遭難,ハワイに漂着する。そののち,オホーツク海をへてロシア艦によって帰還するまでの異国の体験と,漂流の苦難の記録。
  • 名ごりの夢
    完結
    4.8
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 御典医の家に生まれた著者は,父の許に出入りした洋学者,福沢諭吉,神田孝平,箕作秋坪らの若き日の姿を思いだしながら,その言動を語る。維新前夜の生活と時代の変遷をみごとに伝える回想録。
  • 曼陀羅華X
    4.3
    1巻3,630円 (税込)
    1995年、地下鉄にサリンが撒かれ、教祖が逮捕される。だが、教団は公判直後に教祖を奪還、後の歴史は軋みながら軌道を変えた。「予言書」としてその筋書きを書いたのは、教団に拉致され姿を消した作家X。だがそこには、復讐というもう一つのシナリオが埋め込まれていた。魂が共鳴する、当代随一の琵琶法師的現代文学。
  • 兄弟
    -
    1巻3,630円 (税込)
    中国では2005年に上巻、2006年に下巻が刊行され、たちまちのうちに話題沸騰、世界的ベストセラーとなった。日本では2008年に単行本、2010年に文庫本が、それぞれ「文革篇」「開放経済篇」として文藝春秋より刊行され、その後長く入手困難となっていた。「現代中国を知るための必読書」としてファンのあいだで伝説になっていた本書が、このたび、上下巻を一冊にまとめて復刊! 父親を亡くした李光頭(リー・グアントウ)と母親を亡くした宋鋼(ソン・ガン)が、片親同士の再婚によって義理の兄弟となったあと、それぞれの人生をどう歩んだかを描く物語。文革篇は兄弟の少年時代。地主出身という理由で父親は身柄を拘束され、母親は病気で入院し、わずか8~9歳だった兄弟は、飢えに苦しみながらも助け合って生き延びる。開放経済篇は、ふたりの兄弟の青年期。李光頭は、党の福祉工場をスタートに、したたかにたくましく廃品回収業で大儲けして起業家となる。一方、一途で実直な宋鋼は、兄弟ふたりの憧れの女性だった林紅(リン・ホン)の心を射止め、幸福な結婚をしたかに見えたが、時流に乗ることができず、悲惨な末路をたどる。 階級闘争の嵐が吹き荒れた文革時代と、拝金主義が横行する現代を、ともに狂乱の時代として描ききった怪作。プリミティブな欲望、恋愛模様、親子の情愛、血の繋がらない兄弟の強い絆、悲惨な民衆による暴力、ふんだんなユーモア、下品で猥雑な笑い、すべてがてんこ盛り。ジェットコースターのような疾走感で物語の愉しみを存分に味わえる1000ページに迫る大著。
  • 完全版 チェルノブイリの祈り 未来の物語
    4.0
    一九八六年四月二六日,その事故は起こった.人間の想像力をこえる巨大な惨事に遭遇した人びとが語る個人的な体験,その切なる声と願いを,作家は被災地での丹念な取材により書きとめる.消防士の夫を看取る妻,事故処理にあたる兵士,汚染地に留まりつづける老婆――.旧版より約一・八倍の増補改訂が施された完全版.解説=梨木香歩

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  • 第一期黒猫シリーズ【合本版】
    -
    1巻3,630円 (税込)
    日常に潜む、幻想と現実が交差する瞬間。美学・芸術学を専門とする若き大学教授、通称「黒猫」と、彼の「付き人」をつとめる大学院生は、美学とエドガー・アラン・ポウの講義を通してその謎を解き明かしてゆく。記念すべき第1回アガサ・クリスティー賞受賞作『黒猫の遊歩あるいは美学講義』からはじまる第一期《黒猫》シリーズ全6巻を収録した合本版が登場!
  • 賢者たちの街
    4.0
    1937年の大晦日。25歳の本好きな秘書ケイティは、下宿先のルームメイトのイヴとともに繰りだしたグレニッチ・ヴィレッジのバーで、完璧な服装と振る舞いの若き銀行員ティンカーと出会い、友達になる。この一夜が、3人を上流階級へと導く1年間の幕開けとなる──ウィットと教養に溢れた会話、ディケンズ、ソロー、クリスティーといった往年の作家の名作、20代の万能感と残酷な喪失……夢に向かって登ってゆく者たちの青春のきらめきをすべて詰め込んだ1冊。
  • 特殊防諜班 シリーズ全7冊合本版
    3.0
    1巻3,630円 (税込)
    宗教団体教祖の奇妙な誘拐事件が相次いで発生した。教祖たちは無事解放され、一様に何も覚えていない。だが、雷光教団・東田夢妙斎の事件は違った。真相を追う「首相の代理人」真田は、陰にある巨大な陰謀と遥か古代から受け継がれた血の伝承を探しあてる。『新人類戦線“失われた十支族”禁断の系譜』改題『連続誘拐』ほか。『組織報復』『標的反撃』『凶星降臨』『諜報潜入』『聖域炎上』『最終特命』。「特殊防諜班」シリーズ・7巻
  • 探偵・朱雀十五シリーズ 5冊合本版
    -
    昭和9年、浅草。神隠しの因縁まつわる「触れずの銀杏」の下で発見された男の死体。だがその直後、死体が消えてしまった。神隠しか、それとも……!? 一方、取材で吉原を訪れた新聞記者の柏木は、自衛組織の頭を務める盲目の青年・朱雀十五と出会う。女と見紛う美貌のエリートだが慇懃無礼な毒舌家の朱雀に振り回される柏木。朱雀はやがて、事件に隠された奇怪な真相を鮮やかに解き明かしていく――。「バチカン奇跡調査官」シリーズの著者がおくる、朱雀十五シリーズが5冊合本になって登場! 本書は『陀吉尼の紡ぐ糸 探偵・朱雀十五の事件簿1』『ハーメルンに哭く笛 探偵・朱雀十五の事件簿2』『黄泉津比良坂、血祭りの館 探偵・朱雀十五の事件簿3』『黄泉津比良坂、暗夜行路 探偵・朱雀十五の事件簿4』『大年神が彷徨う島 探偵・朱雀十五の事件簿5』の5冊をあわせた合本版です。
  • 能楽研究講義録 六十年の足跡を顧みつつ
    4.0
    1巻3,630円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 平成二十二年、「能楽史の研究」により恩賜賞・日本学士院賞を受賞した著者による、大阪大学大学院で行った集中講義の記録。何をどのように研究してきたのか、能楽研究の第一人者が、舞台裏を明らかにする。
  • 新 源氏物語は読めているのか 帚木三帖・六条院・玉鬘
    -
    1~3巻3,630~4,180円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 女人往生"女人成仏"こそ源氏物語のテーマである。先入観を極力排除し、あくまで本文を深く読み込むことによって、今までの源氏物語研究とは違う、「立太子問題の犠牲者の鎮魂」他、物語の実体に接近する新たな解釈を提示する野心作。
  • 薔薇園
    -
    ※本シリーズに使用している原版データは時間が経過している作品が多いため、一部不鮮明な箇所がある可能性がございます。ご了承下さい。 13世紀のイラン最大の詩人であるサアディーが,詩と散文でつづったイラン文学中もっとも美しい古典。興味ぶかい実践道徳の書としていまもイスラム教徒に親しまれ,金言はバラの香気をはなつ。

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  • 異族
    4.0
    空手道場に集まった胸に同じ形の青あざがある頑強な三人の男たち、路地に生まれたタツヤ、在日韓国人二世のシム、アイヌモシリのウタリ。そのアザの形に旧満州の地図を重ね見た右翼の大物フィクサー槙野原は三勇士による満州国の再建を説く。日本の共同体のなかにひそむうめき声を路地の神話に書きつづけた中上健次が新しい跳躍を目指しながらも、「群像」連載中急逝し、未完に終わった傑作大長篇小説。死してなお生き、未完ゆえに無限増殖する壮大なる中上サーガ。
  • ミステリースクール
    3.6
    MRC(メフィストリーダーズクラブ)の好評連載、ミステリースクールを1冊の本に! 古今東西、ミステリの名作を、「本格」「新本格」「翻訳」「古典」「現代/ライトノベル」「社会派」「特殊設定」「冒険」「警察小説」「恋愛」「SF」「短編」「一般文芸」、合計13のテーマごとに、200作ほど大紹介!
  • 大江健三郎全小説全解説
    5.0
    1巻3,652円 (税込)
    新聞記者として長年大江健三郎を取材してきた著者による、わかりやすい大江健三郎入門書。『大江健三郎全小説』(全15巻)を通して書かれた解説を一冊にまとめる。大江健三郎全小説のあらすじから説き起こしつつ、個々の作品発表当時の文芸批評家による主要評論に言及、その作品がどのように受容されてきたかを論じる。またときに作家へのインタビューを引用しながら作品の意義を明らかにする。大江文学がどのように生まれ、どのように読まれ、さらにこれからどのような研究課題がありえるのかを総合的・俯瞰的に論じた大江評論の決定版。 目次 はじめに よろしい、僕は地獄に行こう! 惨憺たる青年たち 封印は解かれ、ここから新たに始まる 復元された父の肖像 神話としての「個人的な体験」 知と懐かしさの容れ物として ノーベル賞はいかにしてもたらされたか 果てしなく多義的な偽史をめざす アメリカの影が差す女性たち 予戒としての近未来SF 青年の夢想と酷たらしさ 世紀末に集中した「魂のこと」 再びの「カラマーゾフ万歳!」 永遠のモラリスト、伊丹十三 「晩年のスタイル」こそ苛烈に 大江健三郎年譜 『大江健三郎全小説』収録作リスト 文献一覧 索引
  • 人間とは何か 偏愛的フランス文学作家論
    -
    1巻3,652円 (税込)
    文学がすべてを教えてくれた。 サド、ボードレール、フローベール、ランボー、プルースト、カミュ……。 自身の文学遍歴=「文学による感情教育」を語りつつ、フランス文学史を彩る31名を通して、人間精神の多彩な運動の軌跡を描き出すエッセイ的評論。 〈目次〉 1 サド――悪について 2 ラクロ――心のメカニズムについて 3 カザノヴァ――自由について 4 コンスタン――愛の不可能性について 5 スタンダール――誠実さについて 6 バルザック――誘惑について 7 メリメ――情熱について 8 ボードレール――自意識について 9 フローベール――夢想について  10 ロートレアモン――反抗について 11 ヴェルレーヌ――感傷について 12 ランボー――自己の超越について 13 ヴェルヌ――冒険について 14 バルベー・ドールヴィイ――文学的欲望について 15 ゾラ――食について 16 モーパッサン――恐怖について 17 ユイスマンス――デカダンスについて 18 リラダン――観念について 19 プルースト――人生と芸術について 20 コクトー――虚偽について 21 ジッド――小説について 22 ラディゲ――倫理について 23 セリーヌ――絶望について 24 アルトー――狂気について 25 ブルトン――ユーモアについて 26 バタイユ――エロティシズムについて 27 カミュ――不条理について 28 ジュネ――言葉の魔術について 29 マンディアルグ――幻想について 30 ヴィアン――反人間主義について 31 マンシェット――ニヒリズムについて
  • プラハの墓地
    3.9
    イタリア統一、パリ・コミューン、ドレフュス事件、『シオン賢者の議定書』……すべてに関わるひとりの男がいたとしたら? 知の巨人が描く憎しみのメカニズム。ユダヤ人嫌いの祖父に育てられ、法学を学んだ青年、稀代の美食家シモーネ・シモニーニは、祖父の死後、ある公証人のもとで遺言書等の文書偽造の仕事を任されるようになる。陰謀渦巻く、混沌とした19世紀ヨーロッパを舞台に、偽造の腕を買われた彼は各国の秘密情報部との接点を持つようになり、その守備範囲は遺言書や証明書等の個人的な書類から政治的な文書へと広がっていく。そして、行き着いたのは史上最悪の偽書と言われる『シオン賢者の議定書』だった。捏造であることが判明した後も、ナチのホロコーストの根拠とされ、アラブ世界ではいまだに読まれつづけているというこの文書の陰に、シモーネ・シモニーニの存在が……。本書の登場人物中、彼以外はほぼ全員、実在の人物である。
  • 合本 幽霊シリーズ(1)~(9)【文春e-Books】
    4.0
    1~2巻3,666~4,888円 (税込)
    第15回オール讀物推理小説新人賞を受賞した赤川次郎のデビュー作「幽霊列車」に始まる、大人気シリーズが合本化! 文春文庫の「幽霊シリーズ」のうち、第一巻『幽霊列車』から第九巻『幽霊劇場』までの9冊を収録。 女子大生・永井夕子と、捜査一課の宇野警部のコンビが活躍する大人気シリーズ。
  • 【電子復刻】衣服の哲学
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ドイツの大学教授トイフェルスドレックの書いた「衣服の哲学」の草稿を贈られたイギリスの編者(カーライル自身)が苦心して編纂整理するという内容。われわれの肉体は精神を包む衣服である喝破する。 [電子書籍版]には、[デジタル・オンデマンド版]に含まれる「月報」は含まれていません。
  • 【電子復刻】生活心理の錯誤
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ふと物忘れする。日常だれでも経験する、この度忘れ現象の背後には深い心理的なカラクリがかくされている。フロイドの鋭い分析によって、読者は自分の心をのぞき見ることができる。 [電子書籍版]には、[デジタル・オンデマンド版]に含まれる「月報」は含まれていません。
  • 【電子復刻】ヒステリー研究
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 社会生活が複雑をきわめればきわめるほど、人間心理はそのメカニズムに毒されてきた。特に女性のヒステリー現象に関する原因を鋭くえぐり出した理論は、興味ある名著として有名である。 [電子書籍版]には、[デジタル・オンデマンド版]に含まれる「月報」は含まれていません。
  • 伊藤整日記 1
    完結
    -
    全8巻3,696~3,872円 (税込)
    超流行作家、評論家、翻訳家として戦後文学の多面性を体現した伊藤整の18年にわたる日記。極めて貴重な全8巻の文学的資料。
  • 黄色い笑い/悪意
    -
    翻訳文学を求める熱心な編集者に告げておく。ピエール・マッコルランは、現代に復活させてしかるべき作家である。マッコルランを出す勇気と機略のある編集者がいたら、私はそのひとに敬意を表するだろう。——澁澤龍彦 アントナン・アルトー、レイモン・クノー、ボリス・ヴィアンらも熱愛してやまなかったフランスの小説家ピエール・マッコルラン。 奇妙で、ファンタスティックで、ユーモアに溢れるその傑作を集大成した、本邦初の3冊本選集がついに刊行。 第1回配本は、奇妙な笑い病のパンデミックがこの世を滅亡させる、世界終末論的疫病小説『黄色い笑い』。マルセル・シュネデールがマッコルランの最高傑作と絶賛したマンドラゴラ幻想小説『悪意』。長編2編を収録。ともに本邦初訳。

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  • 四万十川 合本版
    -
    1巻3,710円 (税込)
    四万十川の大自然の中、貧しくも温かな家族に見守られ育つ少年あつよしの成長を描いた感動作。映画化された好評シリーズ全6部の合本版。 ※本電子書籍は、「四万十川 第一部~第六部」の合本版です。
  • 食卓にきた犬
    3.8
    犬との日々が老作家を変える、フェミナ賞受賞作 老いを意識し、創作への不安を抱える作家ソフィのもとに、モップのような毛並みの若い犬が現れる。信頼と愛情を向けてくる犬と森を歩き、自然と向き合う時間が、彼女に作家として、女性としての自分を見つめ直すきっかけをもたらした。フェミナ賞受賞の感動作
  • リミナルスペース
    4.4
    1巻3,740円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 新しいインターネット美学、〈リミナルスペース〉のすべて。 その誕生の過程と影響を、膨大なビジュアルとともに体系的に掘り下げる初の書籍、待望の翻訳! 人の気配のない出入り口や階段、長い廊下、古びたホテルのロビー、寂れたショッピングモール、無機質な地下鉄の駅……。 こうした日常で目にする光景の中に、不穏さと不気味さ、そして抗いがたい魅力を見出す「リミナルスペース」は、インターネットを中心に爆発的に広がった、2020年代を代表する美学的ミームです。 例えば、社会現象となったウォーキングシミュレーターゲーム『8番出口』は、リミナルスペース的な世界観の代表的な作品と言えるでしょう。 本書で取り上げるのは、映画『シャイニング』のかの有名な長い廊下、インターネット怪談の「バックルーム」、ヴェイパーウェイヴ音楽、ブルータリズム様式の巨大建築、さらにはマグリットの絵画など。時代や分野を縦横無尽に横断しながら、リミナルスペースの美学はそこかしこに息づいています。 リミナルスペースが引き起こすのは、ただの不安な感情ではありません。 人々の記憶と想像力に深く共鳴し、心の奥底にまで響く感覚を呼び覚ますのです。 リミナルスペースの何が怖いのか? なぜ私たちはリミナルスペースに魅了されるのか? 新しい「不安と恐怖の美学」の誕生の過程とその影響を徹底的に掘り下げる、リミナルスペース“解体新書”。 この一冊を手に取ることで、あなたの周りに潜む「異質な空間」の恐怖と魅力を、新たな視点で再発見することができるでしょう。日常の中に潜む非日常を感じたい方、アートや映画、ゲームに興味がある方にとって、必読の一冊です。
  • インテルメッツォ
    -
    現代の複雑な恋愛観を巧みに描き切る、サリー・ルーニーの新境地 饒舌な弁護士だが私生活では空回りが多い兄と、社交が苦手な頭脳派チェスプレイヤーの弟。二人は父の死をきっかけに、互いの不器用さと向き合うことに。喪失の中で愛情を求め、複雑な恋愛関係や社会との距離に揺れ動く兄弟を描き切る、サリー・ルーニー最新作
  • 焦げついた影
    5.0
    アニスフィールド・ウルフ図書賞受賞の文芸大作 長崎への原爆投下でドイツ人の許婚を失った寛子は、戦後、彼の異母姉を頼って単身インドのデリーに渡る。インド・パキスタン分離独立、ソ連のアフガニスタン侵攻、2001年同時多発テロ――激動の現代史に翻弄された日本人女性の生の軌跡を描く圧巻の文芸大作。
  • 失墜の王国
    4.5
    主人公ロイの住む山間の村。彼の弟カールは、新妻シャノンとともに村をリゾート地へする計画を携えて帰ってきた。リゾート化計画は、村を豊かにするためだとカールは言う。だがロイは、弟の本心は村を支配することにあると察していた。そこに殺人事件が起こり……。
  • アメリカ文学との邂逅 アーシュラ・K・ルグィン 新たなる帰還
    -
    想像力の持つ可能性と希望を信じ、異文化の共存の可能性を模索し、限界に挑戦し続けたルグィンの螺旋をのぼる旅をたどる  アーシュラ・K・ルグィンは、時の流れによる変化を恐れない作家であった。変化を受け容れ、常に新しい地平を目指すことを選んだ。旅することは終始一貫して彼女の作品のテーマであり続けたが、その旅には終わりというものはなかった。帰還は新たな旅の始まりでしかない。そして、その旅は、作品の中のはるかな未来の世界や、遠い宇宙の惑星、そして竜が空に翼をはばたかせる異世界を移動するものであると同時に、現実の世界における歴史の流れを映し出すものでもあった。  本書の目的は、SFとファンタジーの新たな道を切り開き、その可能性を模索し続けた、ルグィンという作家の旅をたどることにある。SFやファンタジーというジャンルの問題、同時代のアメリカ社会と文学の潮流、そして文学とジェンダーとの関わりが、各章をつなぐ大きな主題となるだろう。数々の賞を受賞し、SFとファンタジーを名実共に代表する作家としていまなお大きな影響力を持つルグィンの道のりはどのようなものであったのだろうか。自らの限界に挑戦し続け、芸術とは「つねに限界のそのさきを探し求めることであり、境界線を見定めてはじめて、完全で、確固とした美しいものを生み出すことができる」のだと公言する作家が、長い旅路の果てに見せてくれるのはどのようなものなのだろうか。 (序章より)
  • 生存者
    3.7
    20年前にある悲劇が起こった湖のコテージに三兄弟が戻ってきた。今、彼らは母親の遺灰を湖に撒き、目を背けてきたあの夏の真実と対峙する。光り輝いていた少年時代を変えた日のことを──スウェーデンを代表する作家が過去と現在を巧みに交差させ描く家族の物語
  • 三島由紀夫論
    4.7
    1巻3,740円 (税込)
    三島はなぜ、あのような死を選んだのか――答えは小説の中に秘められていた。『仮面の告白』『金閣寺』『英霊の声』『豊饒の海』の4作品の精読で、文学者としての作品と天皇主義者としての行動を一元的に論じる画期的試み。実作者ならではのテキストの深い読みで、その思想をスリリングに解き明かす令和の決定版三島論。
  • 〈怪異〉とミステリ 近代日本文学は何を「謎」としてきたか
    3.8
    近年、ミステリジャンルでの「怪異」の増殖が目立つ。探偵小説や推理小説など、人智による「謎」の「合理的解明」を主眼としたフィクション・ジャンルであるミステリは、人智が及ばない「非合理」な存在である怪異・怪談・怪奇幻想・ホラーとどのように切り結んできたのか。 岡本綺堂、江戸川乱歩、横溝正史、夢野久作、海野十三、久生十蘭、戸川昌子、小野不由美、綾辻行人、京極夏彦などのミステリの代表的な作家の作品はもちろん、四代目鶴屋南北や芥川龍之介、「故人サイト」やゲーム「逆転裁判」シリーズなどのテクストに潜む怪異を丁寧に分析する。 ミステリというジャンルで展開される「怪異」の 拡散と凝集、合理と非合理の衝突から、日本のミステリ小説の潮流を捉え返し、近現代日本の文化表象の変容をも明らかにする。
  • もう行かなくては
    5.0
    リリアは3人の夫に先立たれ、5人の子を育て17人の孫を持つ。昔の恋人の日記を手に入れ、それに自分の解釈を書き込んでいく過程で驚くべき秘密が明らかになっていく。喪失と再生の物語。
  • みかぐらうた・おふでさき
    完結
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 天理教の聖典を,原典の平仮名はそのまま残しながら漢字を宛てて読みやすくし,注・解説を付したもの。農民たちの苦悩のなかから理想世界の実現をめざす,民衆宗教の基本的性格をあますところなく伝えている。
  • 詰むや詰まざるや
    完結
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 兄伊藤宗看の「将棋無双」は難解豪壮な作風をもち,弟看寿の「将棋図巧」は奇抜な趣向と華麗な駒さばきで知られる。どちらも詰将棋の絶頂を示す古典として並び称せられた18世紀なかばの献上百番集。
  • 法顕伝・宋雲行紀
    完結
    4.0
    全1巻3,740円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 老齢の身ながら,遠くインド・セイロンにわけ入り,27か国もの仏跡を14年にわたって巡歴した中国の高僧法顕。その旅の記録は,最古の西域旅行記としてつとに名高い。宋雲の北インド旅行記を併載する。
  • 改訂 京都民俗志
    完結
    -
    全1巻3,740円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 今は失われた京のたたずまいと人の心。井戸や石や動植物……。それらにふれて,古代信仰の残存,祭の原形,居篭(いごもり)神事の秘儀などを興味ぶかく語る,日本民俗学草創期の代表的な採訪記録。
  • 東京年中行事 1
    完結
    -
    全2巻3,740~3,960円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 元旦の若水汲みから大晦日の除夜祭まで,明治の東京を彩った年中行事のかずかず。『万朝報』の記者紫蘭が筆をとった巧みな探訪記事を集成した本書は,現代の騒音をしばし忘れさせる。第1巻は,一月暦から五月暦まで。巻末に解説を付す。
  • 東方旅行記
    完結
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 14世紀の著名な東洋周遊旅行案内記。西欧から元朝の中国まで,怪奇と困難にみちたこの英国貴族の不思議な旅行記は,偽書との見方もあるが,地理風俗について多くの真実を伝える。
  • 疫神記 合本版
    -
    「ワシントン・ポスト」紙の年間ベストに選出されたパンデミック超大作 日本の天文愛好家の発見した新彗星が地球近傍を通過した翌朝、十五歳の少女ネッシーが消えた。そして姉のシャナが発見したときには、無意識状態で歩き続ける不可解な存在と化していた。話しかけても無反応。一方で、行く手を阻めば全身から高熱を発し、激しく痙攣する。鎮静剤を打とうとすれば、注射針が折れるほど皮膚は硬化していた。 ネッシーが単なる夢遊病でないことはすぐに証明される。同じ夢遊状態で現れた男が、強引に押し込まれたパトカーの車内で爆発したからだ。この映像は瞬く間に拡散する。未知の感染症、中東のバイオテロ、合衆国政府の陰謀、ミュータント……数多の憶測が飛び交い、その間にも同じ症状者が次々現れ、ネッシーのうしろで列をなしていく。 表舞台に距離を置いていた感染症専門医のベンジーは、事態を洞見していた予測型AI「ブラックスワン」の導きで調査団に参加。ネッシーたちに帯同するが、手がかりすら掴めない。混乱が深まるなか、恐るべき真菌ウイルスが顕現する--。
  • 1日1本、365日毎日ホラー映画
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 6年間、毎日1本、ホラー映画を見続けた男が選ぶ究極のホラー映画ガイド。 本書には『エクソシスト』や『シャイニング』といった誰もが知ってる作品は収録しておりませんのでご注意ください。 これがあれば、僕の観たしょうもないクズ映画の数々にわざわざ全部当たってみる必要がない。 僕は2,500本のホラー映画を観た。きみたちはそこまでしなくていい。きみたちの観るべき映画のうちの365本がここにある。 この本にある全作品を制覇した人はいないとほぼ断言できるのは、リストから大ヒット作や有名作品をほとんど除外しておいたからだ。 僕は親愛なる読者のみんなが表面的なホラー映画ファン以上のレベルであることを前提にしている。だから、『ZOMBIO/死霊のしたたり』みたいな映画を今さら勧めるような侮辱はしたくない。 だが、僕は残忍なモンスターじゃないから、たぶん聞き覚えがあるであろう準人気作もスパイスとしてまぶしておいた。 アメリカで異例の評判を取った外国映画、数々のホラー・サイトでトップ10入りを果たしたインディーズの逸品……大規模公開されてそれなりの収益も上げたのに僕の見るところでは世間の記憶から消えてしまった映画も入れてある。 要するに、もしもきみがこのジャンルでまったくの素人だったら、これはきみのための本ではないかもしれないが、ぱらぱらめくってみれば、ホッとできるようなおなじみのタイトルがいくつか見つかると思う。(本文より抜粋)――ブライアン・W・コリンズ ■脚本家や映画サイトも推薦! 彼のくれた最大の贈りものは、カルト化して誰も文句をつけない作品であっても欠点を指摘しようとする意欲だ。私がすでに認識ずみの欠点もときにはあったが、多くの場合はブライアンの既成概念にとらわれない発想のおかげで、それまで見えていなかったものが見えるようになった。 ――トッド・ファーマー[脚本家] 「ホラー映画批評の集大成、真打ちあらわる」 ──インディーワイヤー 「ホラー映画界よ、彼の声を聞け。 ブライアン・コリンズほどこのジャンルを全力で推している人間はそうそういない」 ──ドレッド・セントラル ■目次より スペシャル・サンクス/序文──トッド・ファーマー/ボンクラによるまえがき/ジャンル用語集 僕がこの本を書いたワケ(もっと言うと、きみがこの本を買ったワケ) 1月 アジアン・ホラー 2月 スラッシャー映画 3月 殺人キッズ 4月“静か~な”ホラー 5月 バットシット・クレイジー・ホラー 6月 モンスターと“モンスター”たち 7月 インディーズ・ホラー 8月 “ジャンクフード”ホラー 9月 ヴァンパイア映画 10月 “オルタナ”ホラー 11月 ゾンビと人喰い 12月 世界めぐり 終わりに/解説――人間食べ食べカエル/注釈/INDEX
  • ウンベルト・エーコのテレビ論集成
    -
    『薔薇の名前』の著者によるテレビをめぐるエッセイ集。「知の巨人」が、メディア、大衆、物語、文化批評、パロディ、映画といった多様な切り口で、テレビの本質を読み解く充実の一冊。
  • きのこのなぐさめ
    4.0
    悲しみの淵にいた私を、そこから連れ出してくれたのは、きのこだった――。マレーシア人の著者は、文化人類学を学ぶ交換留学生としてやって来たノルウェーでエイオルフと出会い、恋に落ちた。夫婦となった二人は深く愛し合い、日々のささやかなことも人生の一大事についても、何でも話し合う仲だった。ある朝、いつものように自転車で職場に向かったエイオルフが突然倒れ、そのまま帰らぬ人となる。最愛のパートナーを失った著者は、喪失の痛みのさなか、ふと参加したきのこ講座で、足下に広がるもうひとつの世界、きのこ王国に出会う。きのこたちの生態は、不可思議な魅力に満ち満ちていた。苔むす森でのきのこ狩りの効用と発見の喜び。きのこ愛好家間の奇妙な友情と不文律。専門家・鑑定士への「通過儀礼」。絶品きのこトガリアミガサタケ。悪名高いシャグマアミガサタケ。色・形・匂いの個性とその奥深さ。とっておきの、きのこレシピ。悲しみの心象風景をさまよう内面世界への旅と、驚きと神秘に満ちたきのこワンダーランドをめぐる旅をつづけ、魂の回復のときを迎える、再生の物語。約120種類のきのこが登場。
  • 出版創作イベント「NovelJam 2018秋」全作品
    -
    この書籍は、2018年11月23日から25日にかけて開催された出版創作イベント「NovelJam(ノベルジャム)」に参加した32人が、初日に提示されたお題「家」に基づきゼロから生みだした16作品を合本したものです。 NovelJamとは「著者」と「編集者」、そして「デザイナー」が集まってチームを作り、小説の完成・販売までを目指す『短期集中型の出版創作イベント』です。今回も合宿形式で実施し、創作漬けの濃厚な3日間となりました。そこから生まれた熱い創作の成果をお楽しみください。 チーム いちばん堂 『あなたが帰る場所は』一之瀬楓 『みんな釘のせいだ』最堂四期 ふくだりょうこ/杉浦昭太郎 チーム Bukkowasu 『リトルホーム、ラストサマー』藤宮ニア 『いえ喰ういえ』維嶋津 宮坂琢磨/CAROL チーム 東蛇(イースト・スネイク) 『しのばずエレジイ』坂東太郎 『異世界?いかねぇよ』白色黒蛇 武原康滋/田島佳穂 チーム みかんグミ 『ハコニワ』吉川キイロ 『フェイク・ポップ』西山保長 腐ってもみかん/古海あいこ チーム モリサワ 『あなたは砂場でマルボロを』森田玲花 『マイ・スマート・ホーム』沢しおん 天王丸景虎/恩田未知子 チーム アンジェロと雪の女王 『おかえり、ただいま、また明日』藤谷燈子 『みそしる戦争』太田有紀 アンジェロ/新月ゆき チーム GOMERA 『川の先へ雲は流れ』藤城孝輔 『【大好き】センパイを双子コーデでコロしてみた!』西河理貴 波野發作/ほさかなお チーム RISE 『帰りゃんせ』日野光里 『BOX』澤俊之 つきぬけ/米田淳一
  • 建設現場
    -
    1巻3,740円 (税込)
    冒頭の「もう崩壊しそうになっていて、崩壊が進んでいる」という一文から読者はたちまち「現場」に放り込まれる。リズミカルな文体に乗って、何時とも何処ともつかない無明の場所を「わたし」とともに彷徨うしかない。記憶は混乱し、出口は見つからない。『独立国家のつくりかた』の異才マルチアーティストが、夢と現実の交錯する世界をリアルに体感させてくれる118の断章群。プロットを捨てて新次元をひらく書き下ろし長編。
  • 出版創作イベント「NovelJam 2018」全作品
    -
    この書籍は、NPO法人日本独立作家同盟が2018年2月に開催したイベント「NovelJam(ノベルジャム)」で生み出された16作品を合本し、審査員による講評や写真などを追加したものです。 「NovelJam」とは「著者」と「編集者」、そして「デザイナー」が集まってチームを作り、小説の完成・販売までを目指す『短期集中型の出版創作イベント』です。2泊3日の合宿形式で生まれた熱い創作の成果をお楽しみください。 『DIYベイビー』山田しいた(著) 『グッバイ、スプリング』寧花(著) 小野寺ひかり(編)山家由希(デザイン) 『バカとバカンス』天王丸景虎(著) 『REcycleKiDs』ふくだりょうこ(著) 野崎勝弘(編)波野發作(デザイン) 『その話いつまでしてんだよ』森山智仁(著) 『ひつじときいろい消しゴム』根木珠(著) 米田淳一(編)杉浦昭太郎(デザイン) 『魔法少女リルリルリルリと俺の選択』アンジェロ(著) 『ユキとナギの冒険』牧野楠葉(著) ハギヨシ(編)古海あいこ(デザイン) 『平成最後の逃避行』藤崎いちか(著) 『怪獣アドレッセント』腐ってもみかん(著) 和良拓馬(編)藤沢チヒロ(デザイン) 『味噌汁とパン・オ・ショコラ』渡鳥右子(著) 『舞勇傅(ぶゆうでん)』冨士山絢々(著) 谷口恵子(編)w.okada(デザイン) 『ツイハイ』渋澤怜(著) 『僕は彼の肉になる』金巻ともこ(著) ふじいそう(編)澤俊之(デザイン) 『たそかれ時の女神たち』飴乃ちはれ(著) 『オートマティック クリミナル』高橋文樹(著) 澁野 義一(編)嶋田佳奈子(デザイン)
  • バリ島物語
    5.0
    バリ島にはかつてバドゥンと呼ばれる王国があった……百年前のバリを詩情豊かに描き、一九三七年の刊行以来、静かな感動を与え続けている古典的名作の完訳。
  • Xシリーズ全6冊合本版
    5.0
    行方の知れない兄と、凄絶なまでに美しい双子、そして後妻。周囲から時間が消えたような屋敷に血腥い風が吹く。『イナイ×イナイ』から始まるXシリーズ全6作品を合本に。収録作品は『イナイ×イナイ』『キラレ×キラレ』『タカイ×タカイ』『ムカシ×ムカシ』『サイタ×サイタ』『ダマシ×ダマシ』。
  • 中国伝道四五年
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 45年間にわたり中国で活動したキリスト教宣教師の自伝。19世紀末から20世紀初頭までの社会、事件、景色の臨場感あふれる記録。
  • 奥のほそ道
    4.6
    ブッカー賞受賞!「傑作のなかの傑作」と絶賛 過酷な〈死の鉄道〉建設と、ある女性への思い 1943年、タスマニア出身のドリゴは、オーストラリア軍の軍医として太平洋戦争に従軍するが、日本軍の捕虜となり、タイとビルマを結ぶ「泰緬鉄道」(「死の鉄路」)建設の過酷な重労働につく。そこへ一通の手紙が届き、すべてが変わってしまう……。 本書は、ドリゴの戦前・戦中・戦後の生涯を中心に、俳句を吟じ斬首する日本人将校たち、泥の海を這う骨と皮ばかりのオーストラリア人捕虜たち、戦争で人生の歯車を狂わされた者たち……かれらの生き様を鮮烈に描き、2014年度ブッカー賞を受賞した長篇だ。 作家は、「泰緬鉄道」から生還した父親の捕虜経験を題材にして、12年の歳月をかけて書き上げたという。東西の詩人の言葉を刻みながら、人間性の複雑さ、戦争や世界の多層性を織り上げていく。時と場所を交差させ、登場人物の心情を丹念にたどり、読者の胸に強く迫ってくる。 「戦争小説の最高傑作。コーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』以来、こんなに心揺さぶられた作品はない」(『ワシントン・ポスト』)と、世界の主要メディアも「傑作のなかの傑作」と激賞している。
  • 石の扉
    -
    シュルレアリスム×メキシコ魔術  エルンストと出会いシュルレアリストになり、メキシコに渡り独自のシュルレアリスムを発展させたキャリントン。「〈石の扉〉よ、私を通して、外に出して」とリフレインする少女――占星術・錬金術・魔術が渾然となり、死者の国からハンガリー王を探す魂の遍歴の壮大なメタフィクション「石の扉」ほか、不気味で、残酷で、夢、ブラック・ユーモアの奇妙な世界20篇。 短篇集『七頭目の馬』の戯曲を除く全篇に、「砂の駱駝」「グレゴリー氏の蝿」「ジェミマと狼」を付加し、抄録の「石の扉」を完全版とした日本版オリジナル編集。13篇は本邦初紹介。読み応えある詳細解説65頁、キャリントンの挿絵5葉添え。

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  • パリの最後の夜
    3.0
    『ナジャ』と並ぶ、 謎めいたファムファタル 1920年代の夜のパリ。謎の女ジョルジェットにいざなわれた語り手は、セーヌ河岸で犯罪を目撃する……。ジュルジェットはパリだ、パリの夜そのもの。幻想・神秘・偶然は、この娼婦のファムファタルの圏内でうごめく―― 『ニック・カーター』を愛読していたスーポーが綴る犯罪小説は、読者を闇の迷宮へと誘う。『ナジャ』と比べて味わいたい、パリとパリの女の驚異を描いたシュルレアリスム小説。初訳短篇『オラス・ピルエルの旅』『ニック・カーターの死』を併録。読み応えある詳細解説111頁添え。

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  • なぜ英国は児童文学王国なのか
    3.3
    1巻3,762円 (税込)
    なぜ英国は児童文学王国なのか? アリス、ナルニア国、パディントン、そしてハリー・ポッターまで、名作誕生の背景に迫る。
  • 出雲神話論
    3.0
    1巻3,762円 (税込)
    【担当編集ノート】三浦佑之さんといえば、大ベストセラー『口語訳 古事記』の著者にして現代古事記研究を牽引する人です。お嬢さんの三浦しをんさん曰く「コジオタ(古事記オタク)」。その三浦さんの主張の核心こそ「『記紀』の呪縛からの解放」です。簡単にいえば「多くの人は『古事記』と『日本書紀』を似たようなものと考えがちだが、それは大きなまちがい。ふたつの書物はまったく別の意図をもって編纂されたと考えるべきで、その証拠が出雲神話とよばれるものである」ということ。古事記は、上・中・下の3巻から成り、神々のことは上巻において大河小説のように語られます。そのなかで、出雲神話と呼ばれる部分はおおむね以下の部分です。1)アマテラスの弟スサノヲが高天の原を追放され、出雲の国の肥の河の上流にやってきて、コシノヤマタノヲロチを退治し、生贄になって喰われるはずのクシナダヒメ(櫛名田比売)を助けて結婚し、子孫が繁栄する話。2)スサノヲから数えると7代目にあたる子孫オホナムヂが傷ついたウサギを助けたり、命を狙う兄たちから逃れて根の堅州国に行くなどの試練と成長を語る冒険物語。3)オホナムヂがなぜかスサノヲの娘スセリビメと結ばれ、スサノヲからのさまざまな試練を克服し、最後には、スサノヲのもつ呪宝を奪いスセリビメを連れて地上にもどる話。4)逃げるオホナムヂに向かってスサノヲが「大国主」となって地上を支配しろと祝福し、オホナムヂは地上にもどって兄たちを追い払う。スサノヲのことば通りにオホクニヌシとなって地上の主として君臨する話。5)地上の王となったオホクニヌシと女たちをめぐる物語、および国作りを助ける神の話。オホクニヌシとその子孫たちの栄華。じつはこのほとんどが『古事記』のみにある記述であり、『日本書紀』の正伝(書紀の編者が、正統な伝えとして採用した本文)には存在しないのです。なぜ『古事記』にだけ出雲神話があるのか、またそれに続く、俗に「国譲り神話」と称される出雲の滅びの物語にはなにが隠されているのか? ここに徹底的に焦点を絞りながら『古事記』神話、ひいては古代における日本列島の姿を考えてみたいというのが、三浦さんのもくろみです。本書は三浦さんの古事記研究生活50年余の総決算ともいうべき一書です。広く江湖の諸子に問うしだいです。
  • 【電子復刻】過去と現在
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 カーライルの社会批評。十二世紀の修道院長サムソンの奇跡を書きしるした年代記を読んだことが契機となり、「過去」との対照において「現代」の社会的危機を痛切に指摘したもの。 [電子書籍版]には、[デジタル・オンデマンド版]に含まれる「月報」は含まれていません。
  • 【電子復刻】宗教的経験の諸相 下
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 宗教を求める魂を介して、人間の本性と、さらに神秘な実在の根底を探ろうとしたもので、およそ宗教の問題に関心を持つものの必読書といえる。“宗教的経験の諸相”は巷間に最も知られた彼の主著である。 [電子書籍版]には、[デジタル・オンデマンド版]に含まれる「月報」は含まれていません。
  • 【電子復刻】症例の研究
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 フロイドの精神分析理論は、臨床医学としていかなる効果をあげているのか。この疑問に対してフロイドは各種の症例を示しつつ、その研究的所見をもって答え、分析理論の卓越せることを述べている。 [電子書籍版]には、[デジタル・オンデマンド版]に含まれる「月報」は含まれていません。
  • 【電子復刻】精神分析療法
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 精神分析の方法と構成の仕方、分析の今後の可能性などについて精密な理論を展開し、精神分析医、一般医家に数々の示唆を与える技法論および精神分析学概説。フロイドの遺稿となった著書。 [電子書籍版]には、[デジタル・オンデマンド版]に含まれる「月報」は含まれていません。
  • 【電子復刻】夢判断 下
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 上巻で、夢判断の方法や夢の源泉、夢が願望の充足であることについて解説したフロイドは、下巻において、夢思考と夢内容、夢が何を意味するのかを、豊富な例証をとりあげて徹底的に解明する。 [電子書籍版]には、[デジタル・オンデマンド版]に含まれる「月報」は含まれていません。
  • 【電子復刻】文化論
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現代の文化社会に潜在する崩壊の先ぶれ、人間の自己破壊性と悲劇性。フロイドはこの現象の源流を未開社会人の慣習性風俗に求め、独自の分析法であざやかに論破してみせる。 [電子書籍版]には、[デジタル・オンデマンド版]に含まれる「月報」は含まれていません。
  • 今昔物語集 本朝世俗篇 合本版 全現代語訳
    -
    我が国最大の説話集であり、内容の多様さも文学的興趣も群を抜く「今昔物語集」。古来我が国で「世界」を意味した三国、天竺・震旦・本朝(インド・中国・日本)の一千を超える説話を収めた三十一巻(うち三巻を欠き、現存は二十八巻)のうち、本朝の世俗説話を収めた巻二十二~三十一。その平易で読みやすい全現代語訳をコンパクトに刊行。語注も充実。
  • 【国会図書館所蔵図書】【西洋旅案内、西洋事情】福沢諭吉著作集 2 6冊セット
    -
    1巻3,795円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 福沢諭吉の著作「西洋旅案内」は、通訳として渡米した福沢が帰国後に記した西洋旅行のための実践的な案内書である。 当時大変な人気を博し、そのため数多くの偽版が出回ったほどである。 福沢諭吉が自らの渡米・渡欧経験をもとに当時の欧米の政治や科学技術、インフラを紹介した「西洋事情」は維新期の日本人に多大な影響を与え、日本が近代化を進める上で重要な役割を果たした。1868年(明治元年)に出版され、当時のベストセラーとなった1冊。
  • 二つの祖国(一~四) 合本版
    -
    1巻3,795円 (税込)
    アメリカに生まれ、アメリカ人として育てられた日系二世たち。しかし日米開戦は彼らに、残酷極まりない問いを突きつけた。アメリカ人として生きるべきか、それとも日本人として生きるべきなのか――。ロサンゼルスの邦字新聞「加州新報」の記者天羽賢治とその家族の運命を通して、戦争の嵐によって身を二つに裂かれながらも、真の祖国を探し求めた日系米人の悲劇を描く大河巨編! ※当電子版は『二つの祖国』(一)~(四)の全四巻をまとめた合本版です。
  • 牡猫ムルの人生観
    5.0
    猫のムルは生まれたての子猫の時、稀代の知識人にして奇術師アブラハム氏によって、橋の下から拾いあげられ、大切に育てられた。アブラハム氏の家にいるあいだにムルは、氏が書き物をするそば近くに陣取って、読み書きを習得したのだった。そして、自らの人生を回想する原稿を書き始めたが、羽根ペンで書いては、近くにあった一冊の本、『楽長ヨハネス・クライスラーの伝記』のページをちぎり、吸取紙や下敷きとして原稿にはさんだのだった。いざ、原稿を出版する運びとなった折、印刷所が、はさまれた『クライスラー伝』をうっかりそのまま組み込んで印刷してしまったというのが、本書である。つまり、牡猫ムルが自らの人生を語っている文章のそこここに、音楽家クライスラーの伝記が、はさみ込まれているという二重構造の物語(二重小説)なのである。猫が主人公の動物小説であり、怪奇小説であり、犯罪小説であり恋愛小説でもあるという贅沢なこの物語は、当初は全三巻を予定していたのだが、著者ホフマンの死によって、第二巻で未完のまま終わっている。
  • 合本 俺たちの箱根駅伝
    5.0
    1巻3,799円 (税込)
    【この電子書籍は、『俺たちの箱根駅伝 上』『俺たちの箱根駅伝 下』をひとつのコンテンツにまとめた合本です】 池井戸潤の最新長編の舞台は、 「東京箱根間往復大学駅伝競走」――通称・箱根駅伝。 若人たちの熱き戦いが、いま始まる! 古豪・明誠学院大学陸上競技部。 箱根駅伝で連覇したこともある名門の名も、今は昔。 本選出場を2年連続で逃したチーム、そして卒業を控えた主将・青葉隼斗にとって、10月の予選会が箱根へのラストチャンスだ。故障を克服し、渾身の走りを見せる隼斗に襲い掛かるのは、「箱根の魔物」……。 隼斗は、明誠学院大学は、箱根路を走ることが出来るのか? 一方、「箱根駅伝」中継を担う大日テレビ・スポーツ局。 プロデューサーの徳重は、編成局長の黒石から降ってきた難題に頭を抱えていた。 「不可能」と言われた箱根中継を成功させた伝説の男から、現代にまで伝わるテレビマンたちの苦悩と奮闘を描く。
  • 原郷の森
    -
    1巻3,799円 (税込)
    ダ・ビンチ、ピカソ、デュシャン、葛飾北斎、三島由紀夫、黒澤明……横尾アトリエの隣には、芸術家たちが時空を超えて語り合う「原郷の森」がある。さらにはそこに宇宙人たちまで現れて――。横尾版『饗宴』とも呼べる壮大な芸術論が展開される。 <原郷GENKYOとは――この世に生まれた人間の魂の古里みたいな場所であり、時間。この世であってこの世ではないその場所では、なんでも起こりうる>
  • ライフ・アフター・ライフ
    4.3
    1910年の大雪の晩、アーシュラ・ベレスフォード・トッドは生まれた。が、臍の緒が巻きついて息がなかった。医師は大雪のため到着が遅れ、間に合わなかった。しかし、アーシュラは、同じ晩に再び生まれなおす。今度は医師が間に合い、無事生を受ける。同様に、アーシュラは以後も、スペイン風邪で、海で溺れて、フューラーと呼ばれる男の暗殺を企てて、ロンドン大空襲で……、何度も何度も生まれては死亡する、やりなおしの繰り返し。かすかなデジャヴュをどこかで感じながら、幾度もの人生を生きるひとりの女性の物語。ウィットと慈しみに満ち、圧倒的な独創性に驚かされる比類なき傑作。コスタ賞受賞作。
  • 雲

    4.4
    出張先のメキシコで、突然の雨を逃れて入った古書店。そこで見つけた一冊の書物には19世紀に、スコットランドのある町で起きた黒曜石雲という謎の雲にまつわる奇怪な出来事が書かれていた。驚いたことに、かつて、若かった私はその町を訪れたことがあり、そこで出会ったある女性との愛と、その後の彼女の裏切りが、重く苦しい記憶となっていたのだった。書物を読み、自らの魂の奥底に辿り着き、自らの亡霊にめぐり会う。ひとは他者にとって、自分自身にとって、いかに謎に満ちた存在であることか……。幻想小説、ミステリ、そしてゴシック小説の魅力を併せ持つ、マコーマック・ワールドの集大成とも言うべき一冊。
  • また会う日まで
    3.9
    1巻3,800円 (税込)
    海軍軍人、天文学者、クリスチャンとして、明治から戦後までを生きた秋吉利雄。この三つの資質はどのように混じり合い、競い合ったのか。著者の祖母の兄である大伯父を主人公にした伝記と日本の近代史を融合した超弩級の歴史小説。『静かな大地』『ワカタケル』につづく史伝小説で、円熟した作家の新たな代表作が誕生した。朝日新聞大好評連載小説の書籍化。
  • 溺れる少女
    NEW
    -
    絵画「溺れる少女」に瓜二つの女性に魅入られた主人公は、精神に異常をきたす。怪談、都市伝説、人魚、人狼、カルト宗教……。信頼できない語り手による傑作サイコロジカル・ホラー。 ★ブラム・ストーカー賞受賞作 ★ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞受賞作 ★世界幻想文学大賞最終候補作 ★英国幻想文学大賞最終候補作 ★ネビュラ賞最終候補作 ★ローカス賞最優秀ファンタジー小説賞最終候補作 ★シャーリイ・ジャクスン賞最終候補作 ニューヨーク・タイムズはじめ各紙誌絶賛! ローカス賞、世界幻想文学大賞受賞作家の最高傑作! 驚異的な文学作品  ──ピーター・ストラウブ 読者を瞬く間に深淵に引きずりこむ  ──ブライアン・エヴンソン 【あらすじ】 狂気を宿した母ローズマリーと祖母キャロラインの記憶をたずさえて生きる、画家兼小説家のインプ。ある日、町で出会ったゲームライターのアバリンと恋をするが、ドライブ中の路上で裸の女性エヴァと出会い、物語が反転していく。11歳のときにはじめて見た絵画『溺れる少女』、セーヌ河で溺れた名なしの少女、赤ずきんちゃん、ルイス・キャロル、ブラック・ダリア、ウラジーミル・ナボコフ、ジェヴォーダンの獣、セイレーン……。エヴァに出会ったのは、夏の夜のルート122か、秋の夜のウルフ・デン・ロードか。真実と事実が入りまじる、新たなゴースト・ストーリー。ローカス賞、世界幻想文学大賞受賞作家の最高傑作。 【著者略歴】 1964年アイルランド・ダブリン生まれ。アメリカに移住し、大学で地質学と古生物学を学ぶ。92年頃から小説の執筆を始め、人気コミック『サンドマン』スピンオフ作品のシナリオも手がけた。ホラー、ダークファンタジーの優れた書き手として高い評価を得ており、98年、長篇『Silk』で国際ホラーギルド賞第一作部門を受賞。2012年には本作でブラム・ストーカー賞、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞(現アザーワイズ賞)を受賞。また24年には「縫い針の道」でローカス賞短篇部門を受賞したほか、世界幻想文学大賞など受賞多数。また、古生物学者として研究を続けるほか、音楽活動も行なっていた。邦訳に、『ベオウルフ 呪われし勇者』など。
  • キャンディハウス
    3.0
    『ならずものがやってくる』著者が放つ、文学×SFの連作短篇集 天才テック起業家ビックスは、アップロードされた他人の記憶に誰もがアクセス可能となる画期的な機器を発売する。記憶が個人のものでなくなりつつある世界で、人が求める「真のつながり」とはなにか――『ならずものがやってくる』著者による、最新連作短篇集
  • ジョージ・エリオットのリアリズムと道徳観
    -
    1巻3,850円 (税込)
    ジョージ・エリオットのリアリズムの進展と作者自身の道徳観の成熟の関係を探る。ジョージ・エリオットは道徳の基礎にシンパシー(共感)を置き、彼女のリアリズムの目的は、読者の登場人物への理解とシンパシーを高めて「人類の団結」を図ることであった。本書は「リアリズム」を、「登場人物の心理や外部事実の合理的で詳細な記述があること」と「物語中の出来事の蓋然性が高いこと」という基本的要件で捉える。そして物語中のシンパシーに乏しい人間の描き方のリアリズムの進展に焦点を当て、その背後にある作者自身のシンパシーの対象が拡大していることを読み取る。作品のリアリズムの進展は作品から見て取ることができ、また作者のシンパシーの対象の広がりはシンパシーに乏しい人間の描写に顕著に表れるからである。エリオット作品のリアリズムを通時的に論じる場合、初期作品はリアリズムに沿っているが中期作品以降は「道徳的寓話」であると見なすのが、エリオット存命の時代から20世紀半ばまでの定説であった。1948年に発表されたF・R・リーヴィス『偉大なる伝統』以降は、エリオットの後期作品が19世紀イギリスのリアリズム小説の傑作と見なされるようになった。しかし作品に登場するシンパシーに乏しい人物は、相変わらず個人もしくは社会にとって一律に有害であると考えられ、彼らの被害者的心理や、個人もしくは社会に対する影響の吟味はなされなかった。本書は従来の見方とは異なり、シンパシーに乏しい人物が、家族や社会にとって有害で追放されるか改悛させられねばならない存在から、後期作品においてシンパシーに乏しいままで家族をより大きな絶望から救うという肯定的価値をもつ存在へ、あるいはその被害者的心理も描かれる存在へと変化しているというリアリズムの進展をテキストの「描写」および「物語の時代背景」から検証する。このことは同時に、作者のシンパシーの対象の拡大を示している。 目次 第1章 エリオットの小説のリアリズム 第2章 エリオットの道徳観とシンパシーとリアリズム     ──「ジャネットの悔悟」の比喩表現を例として 第3章 語り手の心の鏡に映らないヘティ     ──『アダム・ビード』のリアリズム再考 第4章 洪水の結末とシンパセティックなトム     ──『フロス河畔の水車場』におけるリアリズムの進展 第5章 シンパシーとシンパシーの欠如の交差     ──『ミドルマーチ』における道徳観の成熟とリアリズムの進展 第6章 『ダニエル・デロンダ』におけるモダニズム的手法の採用     ──人間の根本的善性への信頼の揺らぎ
  • アメリカ文学における終末論的想像力 アメリカ例外主義の展開とその方向性
    -
    米文学史は植民地時代を含め、アメリカ例外主義と絡み合い、それに立ち向かってきた。アメリカ例外主義とは、米国は神に選ばれた自由と民主主義を標榜する大洋に挟まれた例外的な近代国家であり、世界の民主化を主導する義務がある、という考え方である。それはプロテスタントの教義によって強化され、国家の根幹をなし、黙示録的な終末を演じることで米国を帝国化してきた。マサチューセッツ植民地の形成から独立戦争、メキシコ戦争、そして南北戦争と世界の終末を思わせるレトリックで政治家や説教師、ジャーナリストらが差し迫った危機を語り、国民の団結を呼びかけてきた。20世紀以降も二つの大戦に、大恐慌、ベトナム戦争、そして9・11の攻撃、イラク戦争など大きな危機に遭遇する度に、民主主義の伝播、善悪の戦い、対テロの戦いなど、多くの言説が用いられ国民を方向づけていた。現代においてこの終末論的想像力は、第三次世界大戦という用語により世界に拡散され、プロバガンダとして大いに利用され、世界的パンデミックの不安と恐怖までもが後押しする形で、国民は将来の見通しを立てることができないような強迫的な寄る辺なさに苛まれることになってしまっている。トランプ政権において露わになることとなったアメリカ例外主義への反発からは、自国優先の政策に舵を切ることを望む人々も多く出てきている。そして、トランプの支持基盤であった極右集団QAnonは、トランプを世界の終末を阻止するためにやって来た救世主として扱っているのである。今を生きる我々が、この事態、現実を、乗り越える手立てを見出すことは容易ではない。本書は、米国が体験してきた不安や恐怖、それらを克服する過程を、作家たちがいかに描いてきたかを読み解き、そうした危機的状況やそれに乗じた終末論的プロパガンダ、それと絡み合うアメリカ例外主義の展開と分裂を視野に入れ、文学作品が、いかなる意義を生成してきたのかを読み取ろうと試みるものである。 目次 寄稿「アメリカ大統領と終末論的想像力」(巽孝之・慶應義塾NY 学院長) 「〈風景〉とマニフェスト・デスティニー」(成田雅彦・専修大学教授) 「わたしたちはどう生きるか―エマソンの『自己信頼』におけるヴァルネラビリティの倫理」(生田和也・長崎県立大学准教授) 「独身女性が書く家事手引書―キャサリン・ビーチャーのベストセラー改訂版」(秋好礼子・福岡大学准教授) 「反時代的考察者としてのヘンリー・アダムズ」(砂川典子・北海道教育大学准教授) 「絶滅という思想―十九世紀アメリカにおける環境終末論」(高橋勤・九州大学名誉教授) 「『大理石の牧神』における絵画と身体」(川下剛・京都産業大学講師) 「『ハックルベリー・フィンの冒険』とその批評的冒険にみる(非)ヘーゲル的精神の冒険」(吉津京平・北九州市立大学非常勤講師) 「『船乗りビリー・バッド』における黙示録的運命」(竹内勝徳・鹿児島大学教授) 「ポストアポカリプス的想像力とデモクラシーの「未来」」(渡邉克昭・名古屋外国語大学教授) 「彼らの夢は実現したのか——トウェインとフィッツジェラルドに見る夢の迷走」(江頭理江・福岡教育大学教授) 「『怒りの葡萄』の終末描写に見るスタインベックのアメリカ像」(前田譲治・北九州市立大学教授) 「「丘の上の町」は安住の地か」(綱智子・佐賀大学・久留米大学 非常勤講師) 「「終わり」のない旅―スティーヴン・キングのダーク・タワーの先に」(宮内妃奈・福岡女学院大学教授)
  • 風に向かって
    4.5
    全米230万部突破! 未曾有の天災を生き抜いた名もなき女性を描く感動の長篇小説 1930年代テキサス。愛を知らずに育ったエルサは、幸せな家庭を夢見た。やがて手に入れた夢は、砂嵐と干魃により崩れ去る。飢えと絶望の中、彼女は決断を迫られる。愛する養父母とここに残るか、希望を求めて子どもと西へ旅立つか。試練を乗り越える女性の物語
  • Illuminating Meiji Literature:The World of Frontispieces and Illustrations
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 Exploring the Relationship Between Fiction and Its Illustrations in the Meiji and Taisho Periods This book explores the creation and printing of illustrations and frontispieces in newspapers, magazines, and books, bringing to light their intricate relationship with the fiction they accompanied. Investigating everything from the artistry behind striking polychrome woodblock frontispieces to the tensions between image and text in the fast-paced production of periodicals, over 150 full-color illustrations from the historical periods investigated are showcased. By examining how literary giants like Tsubouchi Shōyō, Ozaki Kōyō, Higuchi Ichiyō, Shimazaki Tōson, and Izumi Kyōka collaborated with highly skilled artists such as Watanabe Seitei, Kaburaki Kiyokata, Kuroda Seiki, and Hirezaki Eihō, this pioneering study reveals little-known dimensions of modern Japanese literature, illuminating the vibrant and complex linkages between words and pictures.

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