奥のほそ道

奥のほそ道

ブッカー賞受賞!「傑作のなかの傑作」と絶賛
過酷な〈死の鉄道〉建設と、ある女性への思い
1943年、タスマニア出身のドリゴは、オーストラリア軍の軍医として太平洋戦争に従軍するが、日本軍の捕虜となり、タイとビルマを結ぶ「泰緬鉄道」(「死の鉄路」)建設の過酷な重労働につく。そこへ一通の手紙が届き、すべてが変わってしまう……。
本書は、ドリゴの戦前・戦中・戦後の生涯を中心に、俳句を吟じ斬首する日本人将校たち、泥の海を這う骨と皮ばかりのオーストラリア人捕虜たち、戦争で人生の歯車を狂わされた者たち……かれらの生き様を鮮烈に描き、2014年度ブッカー賞を受賞した長篇だ。
作家は、「泰緬鉄道」から生還した父親の捕虜経験を題材にして、12年の歳月をかけて書き上げたという。東西の詩人の言葉を刻みながら、人間性の複雑さ、戦争や世界の多層性を織り上げていく。時と場所を交差させ、登場人物の心情を丹念にたどり、読者の胸に強く迫ってくる。
「戦争小説の最高傑作。コーマック・マッカーシーの『ザ・ロード』以来、こんなに心揺さぶられた作品はない」(『ワシントン・ポスト』)と、世界の主要メディアも「傑作のなかの傑作」と激賞している。

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  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    白水社
  • ページ数
    454ページ
  • 電子版発売日
    2025年09月10日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    2MB

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奥のほそ道 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    凄まじい本だった。圧倒的。まず描写力がすごい。体験した本人しか書けないんじゃないかと思うような、各人の具体的な感触、思考の流れ、感情。臨場感ありすぎ。
    物語の構成も凄い。語られていく断片が徐々にパズルのピースのように埋められていき全貌を露わにし新たな意味を表す。
    父親の経験を基に12年をかけて書かれ

    0
    2022年09月30日

    Posted by ブクログ

    凄い深みのある作品。
    感想もさらっと出てこない。
    前半、場面や時間があちこちに移るので読むのに苦労するが、後半それが繋がりだすと俄然物語に引き込まれていく。読み終わると再度前半を読み返して理解を深めていくことになる。
    戦争の虚しさ、残酷さは他の無数の作品で語り尽くされてはいるが、著者は声高らかに戦争

    0
    2020年08月20日

    Posted by ブクログ

    『彼らはそういったことを考えていたのではない。そういうものだと知っていたのだ』

    歴史上の出来事を一つの記号に集約させる。例えば、大化の改新とか、応仁の乱とか、関ヶ原の戦いとか。するとあたかもその様な結果になったのは全て必然であったという錯覚に陥る。それどころか、複雑な要素は至極単純な因果関係に収斂

    0
    2018年10月11日

    Posted by ブクログ

    いやー、まいったまいった。また凄い物が読んでしまったな。
    読後しばらく放心。重くつらく、ほのかに煌めく。素晴らしい。

    0
    2018年08月21日

    Posted by ブクログ

    主人公はドリゴ・エヴァンス。七十七歳、職業医師、オーストラリア人。第二次世界大戦に軍医として出征し、捕虜となるも生還して英雄となり、テレビその他で顔が売れ、今は地元の名士である。既婚、子ども二人。医師仲間の妻と不倫中。他人はどうあれ、ある時期以降の自分をドリゴは全く評価しない。戦争の英雄という役割を

    0
    2018年07月05日

    Posted by ブクログ

    泰緬鉄道の建設に捕虜として動員されたオーストラリア兵たちの惨状。第二次大戦中の軍の蛮行というのは、国、場所を問わずだが、それでも日本人として恥じることは多いし、そもそも人の尊厳を顧みることができないような状況を作ってしまう戦争そのものの悪性を考えることも多い。この小説はその悪性、惨状を伝えることのみ

    0
    2025年09月23日

    Posted by ブクログ

    オーストラリア小説を読みたいと思って選んだので、泰緬鉄道の話だとは知らずに読み始めた。恥ずかしながら泰緬鉄道と捕虜の強制労働のことはこの作品で初めて知った。

    過酷な戦中の体験はもちろん、戦後の日本のこと、そして戦争が忘れられ、記憶が上書きされ、人々の心の中に残した痕跡までが、鮮やかに描かれる。

    0
    2025年07月29日

    Posted by ブクログ

    第二次大戦中日本軍のオーストラリア人捕虜として過酷な生活を送った著者の父親の実体験をベースに書かれた小説。
    軍医として従軍し、日本軍の捕虜となって泰緬鉄道の建設部隊に配置された主人公の回想形式。
    タイトルはもちろん松尾芭蕉の著作から引かれたもので、本作にもところどころで俳句が登場する。

    重い。

    0
    2019年02月17日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    第二次大戦中、ミャンマーとタイを結ぶ鉄道いわゆる泰緬鉄道の建設に捕虜として従事することになったオーストラリア人医師の人生の物語。その医師の視点だけでなく、他の登場人物の視点からも、また作者の俯瞰的な視点からも物語は描かれる。作者の成就しない恋愛を第1軸、鉄道建設を第2軸、時間軸を第3軸として物語は重

    0
    2019年02月19日

奥のほそ道 の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    白水社
  • ページ数
    454ページ
  • 電子版発売日
    2025年09月10日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    2MB

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