作品一覧

  • クリスマスに捧げるドイツ綺譚集

    クリスマスに捧げるドイツ綺譚集

    小説・文芸

    4.0
    1巻1,300円 (税込)
    ホフマンは友人のコンテッサとフケーを誘い、それぞれ1編ずつ短編を創作し、『子どものメルヘン』として1816年のクリスマスに刊行、翌17年にはその第2巻を刊行した。なかでもホフマンの「クルミ割り人形とネズミの王さま」が代表作で、今は翻案のバレエがクリスマスの定番となるほど親しまれているが、刊行当時は子どもには複雑すぎて理解できないとされた。本書には1巻と2巻を集約、他に森の精霊に翻弄される話(コンテッサ「別れの宴」)、怪しい風体の男の甘言に乗せられて怖い目に遭う子どもの話(フケー「覗き箱」)など全6編を収録。/【目次】K・W・ザリーツェ=コンテッサ「別れの宴(うたげ)」/フリードリヒ・ド・ラ・モット・フケー「小さい人たち」/E・T・A・ホフマン「クルミ割り人形とネズミの王さま」/E・T・A・ホフマン「見知らぬ子」/K・W・ザリーツェ=コンテッサ「剣と蛇 八章からなるメルヘン」/フリードリヒ・ド・ラ・モット・フケー「覗き箱」/訳者あとがき
  • 牡猫ムルの人生観

    牡猫ムルの人生観

    小説・文芸

    5.0
    1巻3,799円 (税込)
    猫のムルは生まれたての子猫の時、稀代の知識人にして奇術師アブラハム氏によって、橋の下から拾いあげられ、大切に育てられた。アブラハム氏の家にいるあいだにムルは、氏が書き物をするそば近くに陣取って、読み書きを習得したのだった。そして、自らの人生を回想する原稿を書き始めたが、羽根ペンで書いては、近くにあった一冊の本、『楽長ヨハネス・クライスラーの伝記』のページをちぎり、吸取紙や下敷きとして原稿にはさんだのだった。いざ、原稿を出版する運びとなった折、印刷所が、はさまれた『クライスラー伝』をうっかりそのまま組み込んで印刷してしまったというのが、本書である。つまり、牡猫ムルが自らの人生を語っている文章のそこここに、音楽家クライスラーの伝記が、はさみ込まれているという二重構造の物語(二重小説)なのである。猫が主人公の動物小説であり、怪奇小説であり、犯罪小説であり恋愛小説でもあるという贅沢なこの物語は、当初は全三巻を予定していたのだが、著者ホフマンの死によって、第二巻で未完のまま終わっている。
  • ドイツロマン派怪奇幻想傑作集

    ドイツロマン派怪奇幻想傑作集

    小説・文芸

    4.0
    1巻1,300円 (税込)
    理性偏重の啓蒙主義への反発から、18世紀末、ヨーロッパで感情を重視するロマン主義運動が興隆した。その先陣を切ったドイツロマン派は、不合理なものを尊び、豊かな想像力を駆使して、怪奇幻想の物語を数多く紡ぎだした。本書はそんなドイツロマン派の作品群の中から、ティーク「金髪のエックベルト」、コンテッサ「死の天使」、フケー「絞首台の小男」、アルニム「世襲領主たち」、ホフマン「砂男」など選りすぐった9篇を収録。不条理な運命に翻弄され、底知れぬ妄想と狂気と正気の狭間でもがき苦しむ主人公たちの姿を描く、珠玉の作品集。/【目次】ルートヴィヒ・ティーク「金髪のエックベルト」/ルートヴィヒ・ティーク「ルーネンベルク」/K・W・ザリーツェ=コンテッサ「死の天使」/K・W・ザリーツェ=コンテッサ「宝探し」/フリードリヒ・ド・ラ・モット・フケー「絞首台の小男」/ヴィルヘルム・ハウフ「幽霊船の話」/アヒム・フォン・アルニム「世襲領主たち」/E・T・A・ホフマン「からくり人形」/E・T・A・ホフマン「砂男」/訳者あとがき

ユーザーレビュー

  • クリスマスに捧げるドイツ綺譚集

    Posted by ブクログ

    ホフマンが同じドイツロマン派のコンテッサ、フケーを誘い、「子どものメルヘン」として創作した短篇を作家ごとに二編ずつ収録したアンソロジー。子どもの頃クリスマスに、人形劇版をテレビで見て以来大好きな「クルミ割り人形」。去年はそのシーズンに再読しようと思っていたところにこのアンソロジーに出会い、翻訳違いでまた新しいクルミ割りに出会えて嬉しかった。

    もうひとつ収録された、ホフマン作「見知らぬ子」もああ、ホフマンの世界だと感じられるクラシカルさと、少し怖くてドキドキしながらも先が気になるミステリーめいた展開の面白さがあり、大好きなお話がまたひとつ増えた。面白いポイントのひとつは長い章タイトル。

    <子どもたちが森で出会った子どもについてブラーケル夫妻が言ったことと、その後その子に何が起きたか>長い。クマのプーさん以来に長い!目次に細かな章タイトルが掲載されていないので良かったけれど、章タイトルが目次にあったとしたらなかなかのネタバレを読んでしまうところもなんだか鷹揚な気もして嫌いじゃないというか、無邪気な呑気さに好ましさすら感じてしまう。でもクマのプーさんのネタバレ章タイトルはもっとくっきりとしたネタバレで爽快さすらあるので、気になる方は是非。

    話は戻って「見知らぬ子」。ある兄妹と見知らぬ子が仲良くなった後に訪れる、命すら危険と思われるピンチを迎える場面で見知らぬ子は、「かわいそうな子どもたち__もうここには来られない。さようなら!どうか元気でいてね!」と去って行ってしまう。ええ!メロスでもウダウダ葛藤しながらがんばったのに諦めが早すぎるよ!がんばれよ!と心の声が木霊する中、結びの章で「ああ、そんなに嘆かないで、大事な友だち!いっしょに楽しく遊んだことを忘れたとでも思うの?もう気にかけてないとでも?」としれっと兄妹に呼びかける見知らぬ子。もうこちらは棒読みで台詞を読んでしまいましたよと思い乍ら、童話に突っ込みは無粋。(さんざん言った?)

    でも安心してください、このあと1ページというところで幸せの超展開が待っています。そう、童話ですもの、幸せに暮らしました。ドントハレ!いや、お気に入りのお話です、本当に。突っ込みどころ満載なのも含めてお薦めです。伝わらないですか?…笑。

    気を取り直して、大好きな「ウンディーネ」の作者フケーの「覗き箱」。もう最高!「ハーメルンの笛吹き」を上手く取り入れた作品で、「笛」に変わって物語へと誘導していくのは、アリストテレスが原理を考察していたとされる、小さな穴などを通して外部の光を取り込み、暗い壁などに反転した映像を映す「覗き箱(カメラ・オブスクラ)」。そしてその箱を操るのは、赤い靴のおじさん。赤い靴のおじさんと坊やの会話は「狼と七匹の子山羊」を彷彿させ、読み手を警戒させながらぐいぐいと物語に惹き込んでいく、流石のフケー。

    ああもっとフケーの物語が読みたい!再読から初読まで、童話から感じる原点の面白さが詰まったアンソロジー、おすすめです!本当に。

    0
    2026年02月23日
  • 牡猫ムルの人生観

    Posted by ブクログ

    教養ある天才猫が自らの人生を綴った奇書
    いかなる人物がこのようなプロットを組めるものかと調べたところ、著者は裁判官にして作家、画家、作曲家であるドイツの鬼才
    漱石のデビュー作は本作に着想を得たとされるが、2つの物語が錯綜する本作の構成は卓越している
    未完だからこその良さもあると割り切るしかないが、続きが読みたかった

    0
    2025年11月30日
  • ドイツロマン派怪奇幻想傑作集

    Posted by ブクログ

    18世紀末ヨーロッパのロマン主義運動の中でも中心となったドイツロマン派。ホフマンをはじめとする怪奇幻想小説は好物なので読んでみた。

    9つの短編が収録されているが、やはりホフマンの「砂男」が傑出している。それ以外で面白かったもののひとつはルートヴィヒ・ティーク「金髪のエックベルト」。エックベルトと妻との幸福な生活が、友人に話してしまった秘密をきっかけに、不安が生まれ恐怖に変わり、幸福が崩れていく。恐るべき真実が明らかになる。お伽話のような体で気が狂わんばかりの戦慄のラスト。いや、ラストで彼は実際に発狂する。

    もうひとつ挙げるならフケー「絞首台の小男」。絞首台の小男とは絞首台の下に生えるマンドレイクの一種で所持する者に富をもたらすといわれるものだそうだ。ベネツィアを舞台に瓶に封印された不気味なものを売り買いするドイツの若者の物語。話が進むにつれて彼は取り憑かれたかのような恐怖に支配される。

    どの作品も正気か妄想か狂気かという感覚が心地よい。

    0
    2026年06月04日
  • クリスマスに捧げるドイツ綺譚集

    Posted by ブクログ

     ホフマンが友人のコンテッサとフケーを誘い、クリスマスに合わせて出版した二巻の物語集をまとめて文庫化した本。クリスマスに合わせて出版されたといっても、クリスマスが題材になっている物語はホフマンの「クルミ割り人形とネズミの王さま」(pp85-206)だけであり、私がこの文庫本を読んだ時期がたまたまクリスマスシーズンだったからなのか、ホフマンがすごいのか、サンリオが一九七九年に人形劇映画にしたものを観ていて馴染みがあったからなのかわからないけれど、やっぱり一番「クルミ割り人形とネズミの王さま」がすごい。残りの五篇は騎士道物語(あるいはその影響を受けているメルヘン)であり、出版当時でも、時代とずれていたんではなかろうか。

    0
    2026年04月04日
  • クリスマスに捧げるドイツ綺譚集

    Posted by ブクログ

    別れの宴:コンテッサ/小さい人たち:フケー/クルミ割り人形とネズミの王さま:ホフマン/見知らぬ子:ホフマン/剣と蛇 八章からなるメルヘン:コンテッサ/覗き箱:フケー

    知ってるお話に知らないお話
    いろいろ読めて面白かった
    子供向けのようなそうでないような
    不思議な感じ

    0
    2026年01月31日

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