人類の深奥に秘められた記憶

人類の深奥に秘められた記憶

小説・文芸
3,630円 (税込)

18pt

※この作品には販売期限があります。2028年12月10日を過ぎると販売を終了致します。

【ゴンクール賞受賞作】
なぜ人間は、作家は、“書く”のか。根源ともいえる欲望の迷宮を恐ろしいほどの気迫で綴る、衝撃の傑作小説!

セネガル出身、パリに暮らす駆け出しの作家ジェガーヌには、気になる同郷の作家がいた。
1938年、デビュー作『人でなしの迷宮』でセンセーションを巻き起こし、「黒いランボー」とまで呼ばれた作家T・C・エリマン。しかしその直後、作品は回収騒ぎとなり、版元の出版社も廃業、ほぼ忘れ去られた存在となっていた。
そんなある日『人でなしの迷宮』を奇跡的に手に入れ、内容に感銘を受けたジェガーヌは、エリマン自身について調べはじめる。
様々な人の口から導き出されるエリマンの姿とは。時代の潮流に翻弄される黒人作家の懊悩、そして作家にとって “書く”という宿命は一体何なのか。
フランスで60万部を突破、40か国で版権が取得された、2021年ゴンクール賞受賞の傑作。

詳しい情報を見る

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • タイトル
    :
    人類の深奥に秘められた記憶
  • タイトルID
    :
    1441719
  • ページ数
    :
    480ページ
  • 電子版発売日
    :
    2023年10月26日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

人類の深奥に秘められた記憶 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    久しぶりに読む骨太の海外文学に一抹の不安を覚えながらページを捲り始めたが、すぐに作品世界に引き摺り込まれ、読破するまでは読んでいない時も心が作品世界の中に居続ける、そんな強いグリップ力の作品だった。
    色んなテーマが含まれた盛りだくさんな作品だが、メインの舞台を両大戦をまたぐ時代にしたことがかなり深みを与えている。登場人物はそれぞれ固有のテーマや問いを抱え生きているが、それらも結局は大きな時代状況に巻き込まれれば、時に儚くあっけなく、その人物の生とともに消えていく。
    しかしその事実は決して個人の実存の価値を損なうものではないと思う。あるいは、この作品のような文学によって表象されることでその価値が保たれているのかもしれない。
    日本人は、植民地主義の加害者でありながら、西洋文化の「侵略」を免れているわけでもないという、複雑な立場にいると思う。そんな立場から、自分たちを支配し、破壊する者たちの文化や伝統に対する愛に囚われてしまった者のジレンマは他人事ではなかった。

    0
    2026年06月14日

    Posted by ブクログ

    2021年ゴングール受賞作で野崎歓さんの訳なので間違いないと思って読みましたが、期待以上の名作でした。
    黒人による小説ですが、作品中でもアフリカ出身の黒人作家が受ける運命について書かれていて、その入れ子構造を通して、文学を、書くこと、文学を読むこと、そして社会を生きることなどについて著者と一緒に旅するような作品です。
     内容は幻の黒人作家エリマンの幻の作品「ろくでなしの迷宮」に若い黒人作家が出会い、その作品に惹かれ、またその作品がなぜまぼろしとならざるえなかったのかを探究しながら、自身も文学について深く探究していくというもの。
    色々と舞台や人物が用意され、読者も主人公と共にシークアンドファイドの旅に出るような仕掛けとなっています。
    また、アフリカ的な呪術的な要素もあり、著者のサービス精神も発揮されていましした。

    0
    2024年06月20日

    Posted by ブクログ

    若い作家が、昔夢中になった本がある。その本は賛否両論にさらされて、盗作疑惑の中で作家は消息不明、本は回収の上絶版となって読むことができない。
    が、ある晩、自分の母くらいの年齢の才能ある女性作家に遭遇し、その女性作家から問題の本を受け取る。
    本とその作者には何があったのか。
    アフリカをルーツとする作家がヨーロッパでさらされる偏見。エキゾチックな何かばかり期待される。それが苦痛だと書きながらも、本にまつわるエピソードはマジックリアリズムのようになる。矛盾していると思いつつ、主人公と共に作者の所在を追いかけ続けるが、行き着いたは答えは、当たり前の終わりだった。
    主人公と共に幻惑されて目が覚めるまでの感じが、すごく面白い。ウンベルトエーコの、昨日島を思い出した。

    0
    2024年03月31日

    Posted by ブクログ

    これはすごい本。5つ星でも足りない。
    人類の奥底にある物語を紡ぐ心を抉り出す小説。
    文学として小説を、物語を書くことをベースにしたヨーロッパ風の教養主義的な小説という基盤を持ちながらもエンターテイメントのような側面も保ち読み出したら止まらない。
    現代から第一次世界大戦までの広い時間軸を跨いで、地理的にもセネガルだけにとどまらないアフリカ、アムステルダム、パリをはじめとするヨーロッパの各地、さらにはブエノス・アイレスを中心としたラテンアメリカ世界に物語の場面は広がる。手紙や日記、記事の引用、過去の思い出の語り、曖昧になる語り手と聞き手の境界線。小説的テクニックをこれでもかと使いながら無駄に流れない。特に女性たちの語りは緊張感をはらんでまるでその場で自分がそのモノローグを聴いているような没入感を生み出す。そしてアフリカをルーツとしていながらアフリカの地域性に限定されることは全くない世界文学性。2021年ゴンクール賞は伊達じゃない。野崎歓さんの翻訳も解説も良い。

    ミステリアスな著者を追うところ(とヨーロッパ風の教養重視的なところ)はサフォンの風の影にも通じるところを感じ、メタファーではない井戸に籠るところは「なぜ小説を書き始めたのか」という会話の中で現れる村上春樹との繋がりもあるのかもしれない。

    0
    2024年03月02日

    Posted by ブクログ

    鴻巣由紀子さんが絶賛していたのとタイトルに惹かれ、さらに(覚えたばかりの)ゴンクール賞受賞作だというので読んでみることに。本書の面白さは語り手が変わる度に視点を覆される驚きとともに充分伝わってくるのだが、私にフランスとセネガルの関係や南米文学の基礎知識がもう少し有ればもっといろいろな仕掛けが楽しめたはず‥。不勉強だった自分が情けない!解説を読んで、著者の他作品にも興味が湧いた。

    0
    2023年11月26日

    Posted by ブクログ

    セネガルの作家、モアメド・ムブガル・サールの小説。
    あらすじを言えば、駆け出しセネガル人の作家が、幻の本の作者の足跡を辿るというありがちな展開だが、3つの柱がある。作家と文学についてと、アフリカについてと、アフリカ人の作家と文学についてである。
     人はなんのために書くのかという問い、セネガル人としての根源的ルーツ、そしてフランス領であったセネガル出身者が西欧的文化圏において創作するとき何が起こるか、ということである。
     特に三番目についてはアフリカ、というだけで我々は直ぐに色眼鏡でみてしまう。現に私自身、著者名で中東かアフリカ系であることに興味を持たなければこの書を手に取ったか。
     それでも創作活動において、そしてそれを鑑賞する立場において、文化的バックボーンはどうしても消せないし、それがあってこその創作であることを強く感じる。

    0
    2023年11月16日

    Posted by ブクログ

    フランスの四大文学賞の一つ、ゴンクール賞を受賞した作品。史上二番目の若さで、セネガル出身者では初の快挙とのこと。
    1930年代に突如現れた謎の黒人作家、T.C.エリマンの痕跡を辿る物語。舞台も時間軸も様々入れ替わり、主要な人物もすこぶる多い。手に取った時から覚悟はしていたが、かなりの超大作だった。フランス文壇からアフリカの呪術師、二度の世界大戦から現代アフリカの政治情勢まで幅広く網羅して話は進んでいく。特に、第一、二次世界大戦中のパリの様子や、植民地支配と黒人社会について詳しく描かれていて、大変興味深かった。
    歴史物でもあり、ミステリーでもあり、ちょっとホラーでもある、盛りだくさんな作品。全ての登場人物が波瀾万丈な人生を送っており、熱量というか生命力が半端なく高い。哲学的要素もふんだんに込められており、色々と感じる部分も多かった。とても面白い作品だが、読むのにはかなりのエネルギーが必要。正直、お腹いっぱい。

    0
    2025年12月29日

    Posted by ブクログ

    1冊の小説というのが人生を変える、というのは極めてドラマティックなストーリーであるが、作品に魅せられるが如くその作品から逃れられないのだとしたら、それはドラマティックであるにしても一種の呪縛となる。本書は1冊の小説に魅入られた人間のストーリーである。

    セネガル生まれの作家が書いた1冊の小説がパリで話題になるも、剽窃の疑いを受けて作品は絶版となり、当の作家自体も行方をくらます。数十年後にその作品と出会って魅せられてしまった同じセネガル生まれの若手作家は、当の作家の行方を追って世界各地を移動し、最後にはセネガルの村へと辿り着いていく。

    その過程で小説を書くこと・小説を読むことについての思弁がそしてフランスとその旧植民地であるセネガルという2国の関係性を織り交ぜつつ描かれていくことで、次にどう展開するか予想がつかないストーリーと作家の思弁性のバランスが取れた作品として非常に面白く読み進めた。

    0
    2024年01月28日

    Posted by ブクログ

    セネガル出身の若い作家で、ゴンクール賞受賞ということで読んでみた。
    とにかく饒舌。はじめはアフリカの作家がいかに白人世界で型に嵌め込まれて扱われているかという文学論もあり、物語は進むのかと不安になったが、シガ・Dの父の語りから面白くなった。
    セネガルの伝統・文化・宗教、現在の政治運動、ヨーロッパに住むアフリカ人文学者は何を書くべきかといった思想的な要素だけでなく、場所もパリ、セネガル、アムステルダム、南米と移動するし、時代は第一次世界大戦前から現在までで、複雑で広範である。語りも、語り手(現代のセネガル人若手作家ジェガーヌ)、ジェガーヌが尊敬する女性作家シガ・D、シガ・Dの口を通した父ウセイヌ、フランス人の文学研究者、ハイチの詩人の語り、と二重三重の構造もある。それをよくまとめあげたなと、その力量に関心する。
    物語としても面白かった。(映画になったら文章自体の饒舌さが押さえられて、構造が視覚化されてすっきりした話になりそう。)
    饒舌な語り口は好き嫌いがあるかもしれないが、一読に値する作品だと思う。
    ただ、南米のマジックリアリズムに出会った時ほどの衝撃はなかった。あれは本当に度肝を抜かれたし、その語り口に夢中になったが、これは、ある意味ヨーロッパ的な理性をもって語られていた印象。アフリカとヨーロッパのハイブリッドという感じ。

    0
    2024年01月20日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    正体が謎のアフリカ作家の、その作家唯一の書である「人でなしの迷宮」に魅せられ、跡を追うというあらすじがミステリー風を思わせるようで購入しました。
    しかし、とにかくボリューミーな内容で良い意味で裏切られた作品でした。(文字通り分厚い本ですし)
    登場する人が皆、過去に過酷な経験や辛い経験をしていて、それがリアルな情勢(第二次世界大戦のフランスやナチスのユダヤ人迫害や市民の革命)の下で生々しく描かれていて心が震わされます。
    日本の現代に生きていては想像もしないようなアフリカの文化、環境に触れられて、新たな知見を得れた気がしました。
    作中に多くの作家の名前も登場し、次なる読書のキッカケにもなりました(なかには村上春樹さんの名前も…)。
    文学者とは何かを追求した、痺れるストーリーです。

    0
    2026年03月03日

人類の深奥に秘められた記憶 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • タイトル
    :
    人類の深奥に秘められた記憶
  • タイトルID
    :
    1441719
  • ページ数
    :
    480ページ
  • 電子版発売日
    :
    2023年10月26日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める 小説

小説 ランキング

作者のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す