人類の深奥に秘められた記憶

人類の深奥に秘められた記憶

【ゴンクール賞受賞作】
なぜ人間は、作家は、“書く”のか。根源ともいえる欲望の迷宮を恐ろしいほどの気迫で綴る、衝撃の傑作小説!

セネガル出身、パリに暮らす駆け出しの作家ジェガーヌには、気になる同郷の作家がいた。
1938年、デビュー作『人でなしの迷宮』でセンセーションを巻き起こし、「黒いランボー」とまで呼ばれた作家T・C・エリマン。しかしその直後、作品は回収騒ぎとなり、版元の出版社も廃業、ほぼ忘れ去られた存在となっていた。
そんなある日『人でなしの迷宮』を奇跡的に手に入れ、内容に感銘を受けたジェガーヌは、エリマン自身について調べはじめる。
様々な人の口から導き出されるエリマンの姿とは。時代の潮流に翻弄される黒人作家の懊悩、そして作家にとって “書く”という宿命は一体何なのか。
フランスで60万部を突破、40か国で版権が取得された、2021年ゴンクール賞受賞の傑作。

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人類の深奥に秘められた記憶 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年04月09日

    ポストコロニアル文学というのでしょうか。アフリカ・セネガル出身の作家たちが、かつての宗主国であるフランスで評価されて称賛され、あるいは嫉妬を受け、顰蹙を買い、自分の居場所、自らのアイデンティティを求めて世界をさすらう物語。・・・と、ひと言では言い表せないほど濃密な構成の作品。
    芸術としての剽窃(パク...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月31日

    若い作家が、昔夢中になった本がある。その本は賛否両論にさらされて、盗作疑惑の中で作家は消息不明、本は回収の上絶版となって読むことができない。
    が、ある晩、自分の母くらいの年齢の才能ある女性作家に遭遇し、その女性作家から問題の本を受け取る。
    本とその作者には何があったのか。
    アフリカをルーツとする作家...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月02日

    これはすごい本。5つ星でも足りない。
    人類の奥底にある物語を紡ぐ心を抉り出す小説。
    文学として小説を、物語を書くことをベースにしたヨーロッパ風の教養主義的な小説という基盤を持ちながらもエンターテイメントのような側面も保ち読み出したら止まらない。
    現代から第一次世界大戦までの広い時間軸を跨いで、地理的...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月30日

    こてんぱるぱあに、なにくそ?へ?っていいぬれる、かげかるちよ?ぱるてもんもし?!、ははらちくそと、ぱぱらちぶさどろんと、ひじゆうへんじんやけいや?かながわのさけくさいひとのなやみじすいがへたくそなありと、いはらぴるしよおこんや、こんぱすや、こんだてにはとけなくしなんとほっすればかわざんよう、すとれっ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月26日

    鴻巣由紀子さんが絶賛していたのとタイトルに惹かれ、さらに(覚えたばかりの)ゴンクール賞受賞作だというので読んでみることに。本書の面白さは語り手が変わる度に視点を覆される驚きとともに充分伝わってくるのだが、私にフランスとセネガルの関係や南米文学の基礎知識がもう少し有ればもっといろいろな仕掛けが楽しめた...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月16日

    セネガルの作家、モアメド・ムブガル・サールの小説。
    あらすじを言えば、駆け出しセネガル人の作家が、幻の本の作者の足跡を辿るというありがちな展開だが、3つの柱がある。作家と文学についてと、アフリカについてと、アフリカ人の作家と文学についてである。
     人はなんのために書くのかという問い、セネガル人として...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月28日

    1冊の小説というのが人生を変える、というのは極めてドラマティックなストーリーであるが、作品に魅せられるが如くその作品から逃れられないのだとしたら、それはドラマティックであるにしても一種の呪縛となる。本書は1冊の小説に魅入られた人間のストーリーである。

    セネガル生まれの作家が書いた1冊の小説がパリで...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月20日

    セネガル出身の若い作家で、ゴンクール賞受賞ということで読んでみた。
    とにかく饒舌。はじめはアフリカの作家がいかに白人世界で型に嵌め込まれて扱われているかという文学論もあり、物語は進むのかと不安になったが、シガ・Dの父の語りから面白くなった。
    セネガルの伝統・文化・宗教、現在の政治運動、ヨーロッパに住...続きを読む

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人類の深奥に秘められた記憶 の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    集英社
  • ページ数
    480ページ
  • 電子版発売日
    2023年10月26日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

閲覧環境

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