余華の作品一覧

「余華」の「雨に呼ぶ声」「兄弟」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 兄弟
    -
    1巻3,630円 (税込)
    中国では2005年に上巻、2006年に下巻が刊行され、たちまちのうちに話題沸騰、世界的ベストセラーとなった。日本では2008年に単行本、2010年に文庫本が、それぞれ「文革篇」「開放経済篇」として文藝春秋より刊行され、その後長く入手困難となっていた。「現代中国を知るための必読書」としてファンのあいだで伝説になっていた本書が、このたび、上下巻を一冊にまとめて復刊! 父親を亡くした李光頭(リー・グアントウ)と母親を亡くした宋鋼(ソン・ガン)が、片親同士の再婚によって義理の兄弟となったあと、それぞれの人生をどう歩んだかを描く物語。文革篇は兄弟の少年時代。地主出身という理由で父親は身柄を拘束され、母親は病気で入院し、わずか8~9歳だった兄弟は、飢えに苦しみながらも助け合って生き延びる。開放経済篇は、ふたりの兄弟の青年期。李光頭は、党の福祉工場をスタートに、したたかにたくましく廃品回収業で大儲けして起業家となる。一方、一途で実直な宋鋼は、兄弟ふたりの憧れの女性だった林紅(リン・ホン)の心を射止め、幸福な結婚をしたかに見えたが、時流に乗ることができず、悲惨な末路をたどる。 階級闘争の嵐が吹き荒れた文革時代と、拝金主義が横行する現代を、ともに狂乱の時代として描ききった怪作。プリミティブな欲望、恋愛模様、親子の情愛、血の繋がらない兄弟の強い絆、悲惨な民衆による暴力、ふんだんなユーモア、下品で猥雑な笑い、すべてがてんこ盛り。ジェットコースターのような疾走感で物語の愉しみを存分に味わえる1000ページに迫る大著。
  • 雨に呼ぶ声
    3.3
    1巻2,200円 (税込)
    1960~70年代の中国。主人公の幼児期から青年期までの記憶を辿る物語。主人公 孫光林 (スン・グアンリン)は南門(ナンメン)という貧しい村に三人兄弟の次男として生まれ、六歳で、町に住む子どものいない夫婦のもとへ養子に出される。幼少期を町で過ごし、十二歳のとき、養父の死によってふたたび村に戻ってくるが、この間の不在が、彼を実家の家族から孤立させてしまう。そのため、主人公は、思春期を孤独で内省的な少年として過ごし、成長していくことになる。
  • 中国では書けない中国の話
    3.8
    1巻1,540円 (税込)
    現代中国を代表する作家が、『ニューヨーク・タイムズ』など海外メディアに発表した社会批評を集成。中国社会やネット空間のリアルを知りたい人に最適の1冊。日本オリジナル編集。

ユーザーレビュー

  • 中国では書けない中国の話

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    近くにありますが、謎の多い中国の実情を書いた本です。
    作家である著者が、中国では書けない庶民の暮らし、本音を書いています。
    中国に興味ある方、私のように最近の中国が怖く感じられる方、中国に暮らす人々の苦労を知りたい方にお勧めの本です。
    共産党の一党独裁で政治を行っている中国での法律問題、言論の自由、タブー、社会主義と資本主義等について書いてあります。個人的な感想も多いですが、庶民目線で書かれており、中国に住む方々の日常がよくわかります。
    経済成長により急激に豊かになった中国の影の部分も多く書いてあり、ツィッター問題や、天安門事件、政府のうそについての話が特に印象に残りました。
    早く中国が、自由

    0
    2022年03月03日
  • 中国では書けない中国の話

    Posted by ブクログ

    著者が話しているように、アメリカ、韓国についてのコラムはあるが、日本についてのものがないのは、残念です。

    0
    2021年02月20日
  • 雨に呼ぶ声

    Posted by ブクログ

    貧しさゆえの理不尽,貧乏の連鎖や大人の身勝手さ,子供なりの知恵や思い,そして友情などが時系列を無視して思いの向かうところをあっちこっちと彷徨うように描き出されている.凍った父親の死体を質屋に入れようとして,そのあと死体を武器に暴れるというエピソードには度肝を抜かれた.中国の農村の貧しさが立ち上ってくるとともに子供の生き生きとした様子もあって頑張れと応援したくなる.訳もいいのだと思いますが面白かったです.

    0
    2020年12月07日
  • 中国では書けない中国の話

    Posted by ブクログ

     本書は著者がニューヨーク・タイムズ等に寄稿したコラムを集めたものである。
     この著者のエッセイを初めて読んだが、品の良い皮肉やユーモアを混じえて事の本質に触れるなど気の利き方には感心した。
     「申し訳ありません、メッセージは削除されました」「五月三五日」等、そのままの中国に触れられている。
     他の著書も読んでみたい。

    0
    2019年03月30日
  • 雨に呼ぶ声

    Posted by ブクログ

    少し前の中国の農村の人々の生き様が少年の目を通して書かれている。国民性なのか共産党政権のせいか、あまりにも精一杯で体当たりで驚くばかりだった。素晴らしい本だと思うが、温かい気持ちにはなれなかったので星三つ。

    0
    2023年02月13日

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