谷昌親の作品一覧
「谷昌親」の「パリの最後の夜」「批評と臨床」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「谷昌親」の「パリの最後の夜」「批評と臨床」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
村の隅々をあちこち探索してみても、「城」への入り口は一向に見えてこない。
注の極小ポイントの活字が眼を射る。
まるでカリンティ・フェレンツ『エペペ』の、未知の言語を使用する国に迷い込んでしまったブダイのようだ。
あるいは、そもそも僕は最初から追放されてあるのだろうか?/
カフカの『流刑地にて』の「処刑機械」は、キリスト教のことではないか?
「処刑機械」は、そのシステムに拘束された者の身体に馬鍬で刑罰を書き込むのだから。
馬鍬で身体に書き込まれる刑罰=最後の審判ではないだろうか?/
【注(1)ザッヘル・マゾッホの評伝(略)の中で、ベルナール・ミッシェル(略)は、『変身』の主人公の名前そのも
Posted by ブクログ
総括して、まだまだ理解が及んでいない。全体像を理解してからまた読むことの必要性を感じている。しかし所々で自分にはなかった文学の見方、或いはそもそも世界に対する認識の視点を得ることができたと感じている。
中でもお気に入りは「l prefer not to」というそれ。この文章によって全てが曖昧になる様。この言葉を吐く人物の心情や世界への視座というものは、驚くべきものであった。
「拒否しないが、受け入れもせず、彼は前に進み、この全身の動きの中で後退するのであり、言葉のかすかな後退の中でわずかに身をさらすのだ」
すべてをその決まり文句のうちに閉じ込めてしまうことで、前進=彼がその決まり文句を使
Posted by ブクログ
シュルレアリスト、フィリップ・スーポーの小説。短編二篇と長編一遍、訳者によるスーポーと当時のシュルレアリスムについての解説が収録されている。
タイトルでもある長編の「パリの最後の夜」は、主人公の男が、一人の娼婦を探してパリの夜を彷徨ううちに、彼女の秘密性がパリの夜の秘密性と共通するものがあると感じつつ、なお彷徨うという作品。
ストーリーそのものよりも、作品の独特の雰囲気、小説というより詩に近いようなその雰囲気を楽しむ作品。ある種「なんかよくわからなかったけど雰囲気良かったね」と言われるフランス映画的なところがあるかもしれない。
訳者による解説も、読み応えがあり、中々の一冊。