作品一覧

  • パリの最後の夜
    3.0
    1巻3,762円 (税込)
    『ナジャ』と並ぶ、 謎めいたファムファタル 1920年代の夜のパリ。謎の女ジョルジェットにいざなわれた語り手は、セーヌ河岸で犯罪を目撃する……。ジュルジェットはパリだ、パリの夜そのもの。幻想・神秘・偶然は、この娼婦のファムファタルの圏内でうごめく―― 『ニック・カーター』を愛読していたスーポーが綴る犯罪小説は、読者を闇の迷宮へと誘う。『ナジャ』と比べて味わいたい、パリとパリの女の驚異を描いたシュルレアリスム小説。初訳短篇『オラス・ピルエルの旅』『ニック・カーターの死』を併録。読み応えある詳細解説111頁添え。

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  • 批評と臨床
    4.0
    1巻1,430円 (税込)
    文学とは錯乱/一つの健康の企てであり、その役割は来たるべき民衆=人民を創造することなのだ。文学=書くことを主題に、ロレンス、ホイットマン、メルヴィル、カント、ニーチェなどをめぐりつつ「神の裁き」から生を解き放つ極限の思考。ドゥルーズの到達点をしめす生前最後の著書にして不滅の名著。

ユーザーレビュー

  • 批評と臨床

    Posted by ブクログ

    2010/9/14ジュンク堂で購入

    もはや愛さず、身を捧げず、取ることもしない。そのようにして自分自身の個人的な部分を救うのだ。というのも愛は個人的な部分ではなく、それは個人の魂ではないからだ。それはむしろ個人の魂を一つの自我にしてしまうものだ。ところが、自我というのは、与えるべき、あるいは取るべき何かであり、愛したがったり、愛されたがったりするのだが、寓意であり、イメージであり、主体であって、真の関係性ではない。自我は関係ではなく、反映である、主体を作り出す微かな光、瞳に輝く勝利の光である。

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    2011年12月28日
  • 批評と臨床

    Posted by ブクログ

    村の隅々をあちこち探索してみても、「城」への入り口は一向に見えてこない。
    注の極小ポイントの活字が眼を射る。
    まるでカリンティ・フェレンツ『エペペ』の、未知の言語を使用する国に迷い込んでしまったブダイのようだ。
    あるいは、そもそも僕は最初から追放されてあるのだろうか?/

    カフカの『流刑地にて』の「処刑機械」は、キリスト教のことではないか?
    「処刑機械」は、そのシステムに拘束された者の身体に馬鍬で刑罰を書き込むのだから。
    馬鍬で身体に書き込まれる刑罰=最後の審判ではないだろうか?/


    【注(1)ザッヘル・マゾッホの評伝(略)の中で、ベルナール・ミッシェル(略)は、『変身』の主人公の名前そのも

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    2023年10月19日
  • 批評と臨床

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    総括して、まだまだ理解が及んでいない。全体像を理解してからまた読むことの必要性を感じている。しかし所々で自分にはなかった文学の見方、或いはそもそも世界に対する認識の視点を得ることができたと感じている。

    中でもお気に入りは「l prefer not to」というそれ。この文章によって全てが曖昧になる様。この言葉を吐く人物の心情や世界への視座というものは、驚くべきものであった。

    「拒否しないが、受け入れもせず、彼は前に進み、この全身の動きの中で後退するのであり、言葉のかすかな後退の中でわずかに身をさらすのだ」

    すべてをその決まり文句のうちに閉じ込めてしまうことで、前進=彼がその決まり文句を使

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    2020年11月15日
  • 批評と臨床

    Posted by ブクログ

    大きな前提をふまえて書かれている留保であったり拡張であったり別の可能性を提示する内容。なので、その前提への理解がないと正確なニュアンスを感じるのは難しい。が、その目指そうとする感じは難しいけど耳を傾けてしまう不思議な魅力がある。徐々に機会を見つけて読んでいきたい人かな。

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    2017年12月18日
  • パリの最後の夜

    Posted by ブクログ

    シュルレアリスト、フィリップ・スーポーの小説。短編二篇と長編一遍、訳者によるスーポーと当時のシュルレアリスムについての解説が収録されている。
     タイトルでもある長編の「パリの最後の夜」は、主人公の男が、一人の娼婦を探してパリの夜を彷徨ううちに、彼女の秘密性がパリの夜の秘密性と共通するものがあると感じつつ、なお彷徨うという作品。
     ストーリーそのものよりも、作品の独特の雰囲気、小説というより詩に近いようなその雰囲気を楽しむ作品。ある種「なんかよくわからなかったけど雰囲気良かったね」と言われるフランス映画的なところがあるかもしれない。
     訳者による解説も、読み応えがあり、中々の一冊。

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    2025年08月21日

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