【感想・ネタバレ】パリの最後の夜のレビュー

あらすじ

『ナジャ』と並ぶ、
謎めいたファムファタル

1920年代の夜のパリ。謎の女ジョルジェットにいざなわれた語り手は、セーヌ河岸で犯罪を目撃する……。ジュルジェットはパリだ、パリの夜そのもの。幻想・神秘・偶然は、この娼婦のファムファタルの圏内でうごめく――

『ニック・カーター』を愛読していたスーポーが綴る犯罪小説は、読者を闇の迷宮へと誘う。『ナジャ』と比べて味わいたい、パリとパリの女の驚異を描いたシュルレアリスム小説。初訳短篇『オラス・ピルエルの旅』『ニック・カーターの死』を併録。読み応えある詳細解説111頁添え。

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Posted by ブクログ

シュルレアリスト、フィリップ・スーポーの小説。短編二篇と長編一遍、訳者によるスーポーと当時のシュルレアリスムについての解説が収録されている。
 タイトルでもある長編の「パリの最後の夜」は、主人公の男が、一人の娼婦を探してパリの夜を彷徨ううちに、彼女の秘密性がパリの夜の秘密性と共通するものがあると感じつつ、なお彷徨うという作品。
 ストーリーそのものよりも、作品の独特の雰囲気、小説というより詩に近いようなその雰囲気を楽しむ作品。ある種「なんかよくわからなかったけど雰囲気良かったね」と言われるフランス映画的なところがあるかもしれない。
 訳者による解説も、読み応えがあり、中々の一冊。

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2025年08月21日

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