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エンジェル・ウィスパー
のどかな春の風景が広がる田舎町。“エンジェル・ウィスパー”という謎の言葉を残し、弟は失踪した――。 残された兄・鷹次が調査を進めるうち、ある自殺サイトで噂される向精神薬との関連が浮かび上がる。そんな中、鷹次の携帯には 『君ハ 選バレタ』 という謎のメールが送りつけられた。次々と届くメッセージを手がかりに彼が辿り着いたのは、『エンジェル・ウィスパー』 と銘打たれた劇が上演される不気味な地下劇場だった……。 運命に翻弄される兄と弟。不可解な事件の中に、温かくも脆い家族の絆を描くファンタジーサスペンス上巻。 -
オツベルと笑う水曜日
『私は、何一つ悪事を働いておりません。故に私は、己の身が清廉潔白である事を証明しようかと思います』 先日少年刑務所から出てきた容疑者の部屋で発見された声明文。そして殺人現場の壁に残る『私は無実です』のメッセージ──。 芸能ゴシップや都市伝説等を扱う、とある雑誌の編集部。そこは編集長の乙野辺ルイ、通称オツベルが若き女帝として君臨していた。そんな部に急遽配属された、強面で顔面に傷痕が走る巨漢、喜佐雪弘。自分を悪人だと自負するルイと真面目ながらも謎の多い新人記者・喜佐が、いつしか連続殺人事件に巻き込まれ──。 -
あなたがいてもいなくても
不倫、だけど純愛。心に迫るラブストーリー。 放送局に勤める倫子。3年近く一緒に暮らした上司であり局のディレクターである達彦が亡くなった。恋人として達彦と濃密な日々を過ごした倫子だったが、それは、許されぬ不倫の恋でもあったのだ。葬式の日に初めて会う達彦の妻・ひとみと娘。そちら側の席に自分ではない女性がいる現実に打ちのめされる。ストーリーは、葬式の日から遡り、二人の女性の間で揺れ動く達彦との日々を紐解きながら進んでいく。最後に妻ひとみから倫子へ手渡された達彦からの手紙。そこには倫子に対する深い愛情がしたためられていた。禁じられている恋だったかもしれない、だけどお互いが必要だと思えた確かな瞬間があればいい。「愛」だけを純粋に求め合った二人の軌跡をたどる物語。2007年4月に刊行した「六月の海を泳いで」からタイトルを変え、加筆改稿し待望の電子化。 -
いつか棺桶はやってくる(小学館文庫)
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 地下200メートルに20億の巨費を投じて作られた医療機器メーカーの謎の研究所で働く内藤タダオは、帰宅後、何の前触れもなく、自宅マンションから元美人受付嬢の妻がいなくなっていることに気づいた。ラッピングされた漱石の「明暗」初版本、膨大な記号の羅列で埋め尽くされたノート4冊などを残して。マンションの階段には、ここ数日、「マーちゃん」と名乗る二十代半ばの謎の女性が座り込んでいた。「まむし」と名づけられたタダオの研究内容が、「歴史上最も残酷な殺人兵器となる可能性」を秘めていることと何か関係があるのか-。三島由紀夫賞候補作。 -
美堂橋さんの優雅な日々。 ~恋のオワリと罪のハジマリ~
その確固たる美意識と優れた頭脳を元に、次々と事件を解決する刑事、美堂橋梓。“異端児”と称される同僚、烏丸や関戸と共に忙しない日々を過ごす彼には、とある心の癒しがあった。 それは、骨董店“sanctuary”。優しい叔父、遥の経営するそこで過ごす時間は何よりもの宝物だった。 しかし、巷で起こり始めた美術品を狙う連続空き巣事件が、幸せだった彼らに悲惨な別れを与え──。 これは、摩訶不思議な骨董店の店主、美堂橋がまだ刑事だった頃の物語。そしてこれは、一つの恋の終章で、悲しい運命の序章である。 -
美堂橋さんの優雅な日々。 ~恋とヒミツのつくりかた~
ある街の摩訶不思議な骨董店“sanctuary”。店主は、元刑事の経歴を持つ変わり者の男・美堂橋梓。美術品や装飾品、果てはガラクタまで、自らの美意識にかなう品のみを集めたその店で、美堂橋は今日も優雅に暮らしている――はずだった。 ある日突然居候としてやってきた天然女子高生・百合のおかげで、骨董店は毎日トラブルの連続。そんな中、元同僚の刑事・関戸により新たな事件が持ち込まれる。それは美術館から盗まれた、とある絵画の捜索依頼。しかしその事件の裏には、美堂橋の悲しい『ヒミツ』が隠されていた。 -
イン・ザ・ヒーロー
“名もなきヒーロー”たちの夢が動き出す! この道25年のベテランスーツアクター・本城渉は、ブルース・リーに憧れる熱血漢。“顔出し”で映画に出演する夢を持ちながらも、新人の人気俳優・一ノ瀬リョウにその座を奪われるなど、度重なる辛酸を舐めてきた。 そんな本城に、ハリウッド映画のアクション大作からオファーがかかる。一世一代のチャンスだが、それは命をも落としかねない危険なスタントだった。 周囲の反対を振り切り、自分の夢のため、そして誰かのヒーローになるために、本城は撮影スタジオへと向かうが――!? 観客に顔を知られることなく、肉体を酷使して闘うスーツアクター。アクション映画や特撮ものには欠かせない“影の主役”である彼らに日本映画史上初めてスポットを当てた映画『イン・ザ・ヒーロー』を完全ノベライズ!! -
たんぽぽのまもり人
この世のすべての人ひとりひとりの側に降り立ち、その生涯を共に歩む、天からの使い―― 「守護者(ガーディアン)」。 修行中のガーディアン・トキオは、今回初めて女性を担当することに。彼女の名は翼。雪のクリスマス・イブに生まれた、素直で心優しい、でもちょっとそそっかしい女の子。トキオの傍らで、翼はすくすくと育っていく。だが、どんな時も彼女の良心と勇気を懸命に支え続けるトキオの姿は、決して彼女の眼に映ることはない。そして翼が初めて恋を知った時、トキオの中にはある痛みが……。人間たちと無償の愛を生きる守護者たちを巡るラブ・ストーリー。 -
絵画の住人
国分寺駅から徒歩数分のところに、まるで人の目から隠れるかのように建つ画廊がある。名画の複製ばかりが飾られている、その小さな画廊には、ある特別な秘密が隠されているらしく――。 高校を中退し、その場しのぎのバイトで食いつなぐ青年、諫早佑真。ある日、この世のものとは思えぬ美しい少女に導かれるように、AOKI画廊へと足を踏み入れる。絵画には興味のない彼だったが、画廊のオーナーから頼まれ、雇われ画廊主を務めることに。しかし、働きはじめた佑真は、すぐあることに気づく。 ――この画廊の絵、生きているんじゃないか……!? -
落第教師 和久井祥子の卒業試験
「――逃げなさい。そして自分で居場所を見つけて!」 教師として母校に赴任した祥子は、モンスターペアレントの標的にされ、気の休まらない日々を過ごしていた。それでも生徒を助けようと、解決の方法を探るのだが……。 そんな祥子も、私生活では二十代のふつうの女子。人も羨む男性から告白されるものの、旧友である晴彦との関係が変わり始めて……。 恋に仕事に悩む祥子が行き着く場所は、時間を経ても変わらない学校の片隅にある花壇だった。移りゆく季節と共に、助けられる側から、助ける側へと立場を変えて、落第教師・和久井祥子が突き進む。 -
きじかくしの庭
恋人の心変わりで突然フラれた亜由。ちょっとした誤解から、仲たがいをしてしまった千春と舞。家でも学校でも自分の居場所を見つけられずにいる祥子。高校生の彼女たちが涙を流し、途方に暮れる場所は、学校の片隅にある荒れ果てた花壇だった。そしてもう一人、教師6年目の田路がこの花壇を訪れる。彼もまた、学生時代からの恋人との付き合いが岐路を迎え、立ちつくす日々を送っていた。熱血とは程遠いけれど、クールにもなりきれない田路は、“悩み”という秘密を共有しながら、彼女たちとその花壇でアスパラガスを育て――。 躓きながらも、なんとか前を向き歩こうとする人々の物語。 -
奇祭狂想曲
おちゃらけな大学生、名雪小次郎。彼はある日、思わぬ事態に驚愕する。すなわち ―― 金がない。 このままでは卒業どころか、明日を迎えることさえ叶わないと自覚した小次郎は、夏祭り 「嗚鼓宮祭」 で、濡れ手に粟の金儲けをしようと企む。しかし、頼りの相棒・魔王が逮捕され、ピンチに陥る。しかも、かつて敵対していた女子高生・朝霞愛理を人質に、街中を逃げ回ることになってしまい……。 第17回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉受賞作である 『おちゃらけ王』 の名雪小次郎が、またまた大奮闘!? 疾走感あふれる愉快痛快な逃亡劇に、酔いしれろ! -
株式会社ハピネス計画
幸せを売る会社って、どんな会社なんだろう。 恋人から婚約を破棄されたうえに、会社からはリストラにも遭い、不幸のどん底にあった氏家譲は、中学時代の友人であった武蔵と10年ぶりに再会する。 「よう、久しブリ照り!」 いきなりそう話しかけてきた武蔵は、「自分の愛人の相手をしてやってほしい」と譲に頼んできた。武蔵の依頼を引き受けた譲だったが、当の愛人からあらぬ誤解(ロリコン疑惑)を受け、インチキ臭い神社へ連れていかれることに。 そこで譲は中学時代の同級生の女性・藤原たまりに出会う。さらに武蔵がステキに胡散臭く経営している会社「ハピネス計画」で働きはじめ、譲の人生は転々としていく。 怪しいけれどどこか憎めない人物たちの行動に巻き込まれ、振り回されつづける譲に、やがて小さなハピネスが。 -
彼女との上手な別れ方
でも、それは最高の愛し方。 チケットを違法に高値で転売することを生業とするガジロウは、金と女がすべての冷徹な遊び人だ。交通事故がきっかけで、願いを叶えてくれたら預金通帳の中身をすべてくれるという四人(女三人男一人)と出会ったガジロウは、いいカモを見つけたと小躍りする。しかし、願いは四人それぞれで無理難題ばかり。それでも大金を得るためと奔走するガジロウに、やがて変化が訪れ、物語は最後、想像すらしなかったクライマックスを迎える。 タイトルの意味を知ったとき、きっと大きな感動に包まれます! 読み手の予想を鮮やかに裏切る、最高に素敵な物語!! 「これまでに体験したことのない読後が待っていました」などなど全国の書店員さんも絶賛! -
カップルズ
男と女の噂の真相を、小説に仕立てた作品集 その街ではいくつもの噂話がささやかれている。 結婚から五年が経ち、すっかり冷えきった仲になった夫婦の噂(「好色」)。 酒と博打と女が原因で街から夜逃げした若い男の噂(「カップル」)。 不幸な事件で命をおとした夫と、未亡人となった女の噂(「アーガイルのセーターはお持ちですか?」)。 街のデパートに勤務する男と、街から上京して活躍している女優との噂(「輝く夜」)。 ある交通事故をきっかけに男が悔やむことになる冬場だけあらわれる娼婦の噂(「あなたの手袋を拾いました」)。 アーケード街で似顔絵を描いて街に住み着いた男の噂(「いまいくら持ってる?」)。 かつて街じゅうの男が群がったホステスとある男の噂(「グレープバイン」)。 そしてその街にはひとりの「小説家」が暮らしていた――。 噂はいつも事実よりひと回り大きい。ただ「小説家」にとってこれほど興味をひかれるものもない。噂の収集に余念のない語り手の「私」はその真相を探りつつ、実際に耳にした噂の数々を可笑しみと皮肉にみちた小説へと仕立てあげてゆく。 文壇屈指の小説巧者・佐藤正午が、その街に暮らす「小説家」の視点を借りて描いた、著者真骨頂とも言える作品集。全七篇を所収。 -
遠ざかる家
人生という「なぞなぞ」に正解はあるのか? 語り手は、一人暮らしを続ける四十七歳歯科医・和也。実家の父親の看病を名目に妻は不在、大学生になる二人の息子も家を出ている。三歳になるアメリカン・ショートヘアと自適の生活を続けていたが、NHKに勤務する兄・靖彦がアルコール依存症のため緊急入院したことから、物語は動き出す。記憶のなかに留まる、ゼラニウムを描いた一枚の油絵を発端に、入院先の病室から問わず語りに幼少期の記憶を紐解いていく兄。 やがて、その絵は、彼ら兄弟の亡き父が描いたものであることへと逢着する。そして、ゼラニウムとともにその絵に描かれていた少女は、戦時中に五歳で亡くなった叔母であった。同じく五歳で亡くなった彼らの妹と同じ、明子という名の――。 物語終盤。愛娘を過剰に守ろうとするあまり、兄・靖彦は心を乱し、自身の家族を軟禁しての先の見えない小旅行へと事態は発展する。兄の行方を突き詰め、対話を試みる和也。そのなかで、和也は、無自覚にひた隠してきた自身の持つ生の不全感のルーツに思い至る。 -
移動動物園
復活した悲運の作家、幻のデビュー作。 『海炭市叙景』で奇跡的な復活を果たした悲運の作家、佐藤泰志のデビュー作の文庫版を電子化。山羊、栗鼠、兎、アヒル、モルモット…。バスに動物たちを乗せ、幼稚園を巡回する「移動動物園」。スタッフは中年の園長、二十歳の達夫、達夫の三つ上の道子。「恋ヶ窪」の暑い夏の中で、達夫は動物たちに囲まれて働き、乾き、欲望する。青春の熱さと虚無感をみずみずしく描く短篇。他に、マンション管理人の青年と、そこに住むエジプト人家族の交流を描く「空の青み」、機械梱包工場に働く青年の労働と恋愛を描写した「水晶の腕」を収録。作者が最も得意とした「青春労働小説」集。
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