作品一覧

  • 鳩

    -
    1巻220円 (税込)
    別れるかやりなおすか、迷いを胸に公園を歩く若い二人の前に鳩をすすめる青年が現われた――生の断面をあざやかに切り取った珠玉の小品。デビューして間もない頃に書かれた単行本未収録作品。
  • きみの鳥はうたえる
    3.9
    1巻715円 (税込)
    郊外の書店で働く「僕」といっしょに住む静雄、そして佐知子の悲しい痛みにみちた夏の終わり…世界に押しつぶされないために真摯に生きる若者たちを描く青春小説の名作。読者の支持によって復活した作家・佐藤泰志の本格的な文壇デビュー作であり、芥川賞の候補となった初期の代表作。珠玉の名品「草の響き」併録。

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  • 大きなハードルと小さなハードル
    4.2
    1巻836円 (税込)
    「彼は憎しみでも怒りでも何でもいい、身体に満ちることを願った。…大きなハードルも小さなハードルも、次々と乗り越えてみせる」危機をひたむきに乗り越えようとする主人公と家族を描く表題作をはじめ八〇年代に書き継がれた「秀雄もの」と呼ばれる私小説的連作を中心に編まれた没後の作品集。最後まで生の輝きを求めつづけた作家・佐藤泰志の核心と魅力をあざやかにしめす。

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  • そこのみにて光輝く
    3.9
    1巻880円 (税込)
    北の夏、海辺の街で男はバラックにすむ女に出会った。二人がひきうけなければならない試練とは―にがさと痛みの彼方に生の輝きをみつめつづけながら生き急いだ作家・佐藤泰志がのこした唯一の長篇小説にして代表作。青春の夢と残酷を結晶させた伝説的名作が二〇年をへて甦る。

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  • もうひとつの朝 佐藤泰志初期作品集
    5.0
    1巻1,760円 (税込)
    20年の時をへて復活した伝説的な作家・佐藤泰志の文壇デビュー以前の未刊行作品を集成。みずみずしく痛々しい青春を描いていまなお鮮烈な光を放つその文学の誕生をはじめてあかす。

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  • 黄金の服
    4.3
    1巻649円 (税込)
    復活した悲運の作家の青春小説集 泳いで、酔っ払って、泳いで、酔っ払って…。夏の大学町を舞台に、若い男女たちが織りなす青春劇。プール、ジャズ、ビール、ジン、ラム、恋愛、セックス、諍い、そして暴力。蒸し暑い季節の中で、「僕」とアキ、文子、道雄、慎の4人は、プールで泳ぎ、ジャズバーで酒を飲み、愛し合い、諍いを起こし、他の男たちと暴力沙汰になり、無為でやるせなく、しかし切実な日々を過ごす。タイトルの出典であるガルシア・ロルカの詩の一節「僕らは共に黄金の服を着た」は、「若い人間が、ひとつの希望や目的を共有する」ことの隠喩。僕たちは「黄金の服」を共に着ることができるのだろうか? 他に、職業訓練校での野球の試合をモチーフとした「オーバー・フェンス」、腎臓を患って入院している青年の日々を描く「撃つ夏」を収録。青春の閉塞感と行き場のない欲望や破壊衝動を鮮烈に描いた短篇集。「黄金の服」と「オーバー・フェンス」は芥川賞候補作品。

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  • 移動動物園
    3.3
    1巻627円 (税込)
    復活した悲運の作家、幻のデビュー作。 『海炭市叙景』で奇跡的な復活を果たした悲運の作家、佐藤泰志のデビュー作の文庫版を電子化。山羊、栗鼠、兎、アヒル、モルモット…。バスに動物たちを乗せ、幼稚園を巡回する「移動動物園」。スタッフは中年の園長、二十歳の達夫、達夫の三つ上の道子。「恋ヶ窪」の暑い夏の中で、達夫は動物たちに囲まれて働き、乾き、欲望する。青春の熱さと虚無感をみずみずしく描く短篇。他に、マンション管理人の青年と、そこに住むエジプト人家族の交流を描く「空の青み」、機械梱包工場に働く青年の労働と恋愛を描写した「水晶の腕」を収録。作者が最も得意とした「青春労働小説」集。

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  • 海炭市叙景
    4.1
    1巻924円 (税込)
    北の町に暮らす人々を描く悲運の作家の遺作 「海炭市叙景」は、90年に自死を遂げた作家、佐藤泰志(1949-90)の遺作となった短編連作です。海に囲まれた北の町、「海炭市」(佐藤の故郷である函館市がモデルです)に暮らすさまざまな人々の日常を淡々と描き、落ち着いた筆致の底から、「普通の人々」の悲しみと喜び、絶望と希望があざやかに浮かび上がってきます。この作品が執筆された当時はいわゆる「バブル」時代でしたが、地方都市の経済的逼迫はすでに始まっていました。20年の歳月を経て、佐藤泰志が描いたこの作品内の状況は、よりリアルに私たちに迫ってくると言えます。 函館市民たちが主導した映画(熊切和嘉監督・加瀬亮、谷村美月、小林薫、南果歩などが出演)の公開は2010年12月。映画化をきっかけに、心ある読者に愛されてきた幻の名作が、ついに電子書籍となって登場!

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ユーザーレビュー

  • 黄金の服

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    オーバー・フェンス 85
    過去に傷を負い、故郷に帰り職業訓練校に通ってはいるものの、未来に進めずにいる主人公白岩の苛立ちや不安、人付き合いなどの熱量が絶妙だと思いました。
    苛立ちを爆発させる森がこの小説の隠れ主人公かな。
    その他訓練生、教官などがおりなす群像劇も面白いです。

    撃つ夏 50
    入院生活を余儀なくされた淳一。入れ替わる患者達や、訪れる友人、隣室の患者たちを通して不快感をなんとなく消化していく。ちょっと物足りなかった。

    黄金の服 75
    〜10代憎しみと愛入り混じった目で世間を罵り〜
    〜20代悲しみを知って、目を背けたくって町を彷徨い歩き〜
    エレファントカシマシの「俺たちの明日」に出

    0
    2024年10月20日
  • 大きなハードルと小さなハードル

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    解説より
    みなが前がかりになっているときに、下を向くだけでなく後ろを向かなければならない自分を、あるいは、流れに逆らって後戻りしなければならない自分を見据えてみた者の焦りや怒りが、文章単位では明るく小気味のいいリズムのなかから、ふつふつとわき出してくる。

    まさに、わたしが感じていた佐藤泰志の小説でした。

    最初に読んだ佐藤泰志の小説は「美しい夏」でした。
    秀雄シリーズと言われるものの最初の作品だったんですね。
    本著にはこの秀雄シリーズが時系列に収められており、その他、表題の他「夜、鳥たちが啼く」があります。

    佐藤泰志は奇妙な三角関係、奇妙な疑似家族関係が良く出てくる設定なのでしょうか?あと

    0
    2024年10月16日
  • 海炭市叙景

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    日本文学100年の名作第8巻の中の、佐藤泰志「美しい夏」がとても良かったので読んでみました。

    結果、とても良かった。
    震えるほど(大袈裟か?)良かった。

    悲しくて閉塞感がありながらも、優しくて美しかった。

    負け組たちが織りなす群像劇
    地方都市の希望と限界

    今の時代に佐藤泰志が生きていたらどんな物語を書いていただろうか。

    巻末の解説も合わせて読んでみてほしい。

    0
    2024年10月02日
  • きみの鳥はうたえる

    Posted by ブクログ

    映画から入ってしまったので、どうしてもイメージが現代に引っ張られちゃったけど、夏の美しさと鬱屈さが妙にリアルで今日このタイミングで読めたことを嬉しく思いました。思ったことはここに他の方が綺麗に感想として残してくれててそれもうれしい。またきっと、何年後かの夏に読むと思う。

    0
    2024年07月21日
  • そこのみにて光輝く

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自らのための備忘録

     函館市文学館の佐藤泰志コーナーに展示されていた、彼の中学生の時に書いた作文を見て、是非とも読んでみたい!と思ったら、「そこのみにて光輝く」に聞き覚えがあって、そういえば家のアマプラで見たマサキッスの出ていた映画だったと思いました。そこで映画をもう一度見直して、それから本書を読みました。

     映画と原作の違いについては、映画のところでも書きましたが、拓司のイメージは菅田将暉とはかけ離れている人物のはずなのに、どうしても映画を先に見てしまったので、人物のイメージが映画の配役に引っ張られてしまいました。また、千夏も原作を読むと池脇千鶴というよりは、もう少し大人びた女性のイメー

    0
    2024年05月09日

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