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郊外の書店で働く「僕」といっしょに住む静雄、そして佐知子の悲しい痛みにみちた夏の終わり…世界に押しつぶされないために真摯に生きる若者たちを描く青春小説の名作。読者の支持によって復活した作家・佐藤泰志の本格的な文壇デビュー作であり、芥川賞の候補となった初期の代表作。珠玉の名品「草の響き」併録。
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「きみの鳥はうたえる」
2018年9月1日公開 出演:柄本佑、石橋静河、染谷将太
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Posted by ブクログ
映画から入ってしまったので、どうしてもイメージが現代に引っ張られちゃったけど、夏の美しさと鬱屈さが妙にリアルで今日このタイミングで読めたことを嬉しく思いました。思ったことはここに他の方が綺麗に感想として残してくれててそれもうれしい。またきっと、何年後かの夏に読むと思う。
再読。本当に大好きな作品。 ひと夏の幸福な時間を描いているはずなのに、最初からずっと暴力的な予感がある。 「僕は率直な気持ちのいい、空気のような男になれそうな気がした」と言うように、「僕」は意識的に静雄や佐知子に自分の中を通り抜けさせているように思う。これは「僕」の話ではなく、「僕」から見た静雄や...続きを読む佐知子の物語なんじゃないかと思うくらい。 「僕」はバイト先の誰とも関わろうとせず、バーの飲み仲間ともつるまず、自分にも全然興味を持っていないのに、静雄にだけは心を開いている。 オールナイトの映画に連れ出されるシーンや、カンダタのくだりに見られるように、「僕」は生活の中で静雄に引っ張られたり影響を受けているところがかなりある。静雄がどんなに情けなくても、「僕」はずっと静雄に心を寄せ続けている。 そこに佐知子が現れて、2人が近づいていくごとに、「僕」の気持ちも、「僕」から見える静雄も変わっていく。 静雄が佐知子に「もう一度お休みを言ってくれないか」と頼んだときから、「僕」は佐知子を通して新しく静雄を知り続けているんじゃないかな。 静雄が持つ独特の愛嬌やナイーブさはとても魅力的だけど、静雄が主人公だと独り善がりの苦しい物語になっていたと思う。「僕」の目を通して初めて 静雄が憎めないキャラクターとして浮かび上がってくるのではないかなと思う。 そう考えると、「僕」の周りとの距離のとり方はすごく切ない。まるで「僕」自身に実体はなくて、静雄や佐知子やバイト先の人達といった周りの人たちとの関係によってゆらゆらと形作られた陽炎だと思っているみたい。 「空気のような男」になる必要なんてない、あなたの人生の幸福はあなただけのものにしていいのに。最後、悲劇に巻き込まれるのは静雄だけど、本当に悲しみの底にいるのは静雄も佐知子も失った「僕」なんじゃないだろうか。
若者のはがゆさや生きづらさが 淡々と描かれている様が印象的 「草の響き」は 生きることへの苦悩と希望の描写が繊細
走ることを文章にするのは難しい。 まして、それを軸に小説書くのも。 単純化しない。 曖昧なものを曖昧なままに表現する。 因果関係なんてせせこましいことは言わない。 ストーリー は、小説を遅延させる、のであれば、この人の話にももちろん小説はあるけど、この人の描く小説の中の今は遅延なし。
君の鳥はうたえる、は映画を見て、草の響きは映画を見ずに読んだ。 2017年にオーバーフェンスの映画を見たころに読もうとした時はなんだか読みきれなかったのだけど、今回すらっと読めて良いのやら悪いのやら。 君の鳥はうたえる、は行き場がないわけでないのにどこにも行かない若者や大人のお話。 草の響き はやっ...続きを読むぱ運動は大事なのかな、と思った。 ストイックな人の方が辛くなるのよね、とか共感できるのはあんま良くないなあと思ったり、著者の死後にどんどん映画化されてるのも生きにくい人増えてるのかな?と思ったり。 タイトルは静雄の持ってたビートルズのレコードの曲からなのね。
佐藤泰志の初期の作品。 他の作品に比べて登場人物が若い。 主人公に名前が無い。 「草の響き」は佐藤の職業経験や病気の経験が反映されているらしい。 厳しい生活を送ってきたんだろうな。 若い頃は何があってもやり直せるし、目の前に道はあるよな、と思う。 もっと若い頃に読んでいれば違う感想を抱いたかも知れ...続きを読むない。
きみの鳥はうたえる 60 「黄金の服」をある意味での完成形だとすると、本作の立ち位置というか存在が相対的に見えてくるかも。 となると逆に、本作を通してみると「黄金の服」がとても完成度の高い作品にも思えてきます。 自分と他者との距離感の表現がとても興味深いです。 主人公と静雄と佐和子(ソウルメイト...続きを読む) アラ(他人) 専門書のあいつ、店長(ノイズ) 静雄の兄貴(他人) 手の届く自身のテリトリーの狭い世界の中に、ソウルメイトとノイズが同居しているようすが、21歳の若者のリアリティを浮き上がらせているようです。 草の響き 80 著者自身が統合失調症を患いランニングを始めた経験が基になっているらしいです。 走ることで変化していくもの。それは景色であったり、季節であったりはもちろん、関わり合う人たちや走っている自分自身であったり。 走るたび日ごとに生命力や感受性が強くなっていくものの、振り向くと、そこにある不安や闇が待っている。それでも歩みだす軽い痛みと覚悟が美しいです。
『きみの鳥はうたえる』 知らないはずの昭和の夏のにおいがする。(自分とは縁のないような)眩ゆいきらめきに満ちた日々の中に、ときおり恋愛・家族・生きることについての鈍い痛みがはしる。「僕」の捉えどころのなさ、佐知子の軽(やか)さ、静雄のナイーブさ…時に首を傾げる点もあったが、決して広くはない世界で、一...続きを読む見飄々と生きているようでも実は各々抱えたものがあるという物語は、時の流れによって色褪せることのない普遍的な題材だと思う。夏の入り口のこの時期に読んで非常に心がヒリついた一編だった。 『草の響き』 映画のビジュアルを見ていて、てっきり妻が出てくるものだと思っていたから意外だった。走ることを通じて内省する感覚はなんとなくわかる部分がある。 両作ともに主人公に名前がないこと、別の名前をつけられた男性との関係など、共通点もいくつか。作家が自死したという情報をあらかじめ知っていたので、作品自体をどうしても死のイメージから切り離すことができなかった。良いのか悪いのか。 『きみの鳥はうたえる』『草の響き』ともに映画を観ようと思う。
原作が小説とは知らず先に映像を見てしまった(あまりやらないようにしてる) こんなに古い原作だったとは これからあの映画を作ったって考えるとあの映画は成功してる気がする(映画好きだった)
映画「草の響き」を観て、「きみの鳥はうたえる」を鑑賞後に小説を読んだ。普段はあまり読まない小説も、映画にのめり込んでしまったので、のめり込んで読み終わることができた。映画とストーリーがちょっと違うけど、きみの鳥はうたえるは今この年齢で読んで良かったと思う。
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