【感想・ネタバレ】きみの鳥はうたえるのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年02月17日

再読。本当に大好きな作品。
ひと夏の幸福な時間を描いているはずなのに、最初からずっと暴力的な予感がある。

「僕は率直な気持ちのいい、空気のような男になれそうな気がした」と言うように、「僕」は意識的に静雄や佐知子に自分の中を通り抜けさせているように思う。この話は「僕」から見た静雄や佐知子の物語なんじ...続きを読むゃないかと思うくらい。

「僕」はバイト先の誰とも関わろうとせず、バーの飲み仲間ともつるまず、自分にも全然興味を持っていないのに、静雄にだけは心を開いている。
オールナイトの映画に連れ出されるシーンや、カンダタのくだりに見られるように、「僕」は生活の中で静雄に引っ張られたり影響を受けているところがかなりある。静雄がどんなに情けなくても、「僕」はずっと静雄に心を寄せ続けている。

そこに佐知子が現れて、2人が近づいていくごとに、「僕」の気持ちも、「僕」から見える静雄も変わっていく。
静雄が佐知子に「もう一度お休みを言ってくれないか」と頼んだときから、「僕」は佐知子を通して新しく静雄を知り続けているんじゃないかな。

静雄が持つ独特の愛嬌やナイーブさはとても魅力的だけど、静雄が主人公だと独り善がりの苦しい物語になっていたと思う。「僕」の目を通して初めて
静雄が憎めないキャラクターとして浮かび上がってくるのではないかなと思う。

そう考えると、「僕」の周りとの距離のとり方はすごく切ない。まるで「僕」自身に実体はなくて、静雄や佐知子やバイト先の人達といった周りの人たちとの関係によってゆらゆらと形作られた陽炎だと思っているみたい。
「空気のような男」になる必要なんてない、あなたの人生の幸福はあなただけのものにしていいのに。最後、悲劇に巻き込まれるのは静雄だけど、本当に悲しみの底にいるのは静雄も佐知子も失った「僕」なんじゃないだろうか。

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Posted by ブクログ 2023年03月27日

若者のはがゆさや生きづらさが
淡々と描かれている様が印象的
「草の響き」は
生きることへの苦悩と希望の描写が繊細

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Posted by ブクログ 2018年09月16日

走ることを文章にするのは難しい。
まして、それを軸に小説書くのも。
単純化しない。
曖昧なものを曖昧なままに表現する。
因果関係なんてせせこましいことは言わない。
ストーリー は、小説を遅延させる、のであれば、この人の話にももちろん小説はあるけど、この人の描く小説の中の今は遅延なし。

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Posted by ブクログ 2015年09月03日

いわゆる“ドリカム状態”の男女三人(表現が古い?)の青春を描いた表題作と、仕事のストレスから精神を患い医者に勧められたのがきっかけで走ることに夢中になった若者を描いた「草の響き」の二本収録。
以前読んだ「そこのみにて光輝く」同様、若者たちの間に漂う閉塞感みたいなものの描き方秀逸で、1970年代後半か...続きを読むら1980年代前半に書かれた新しくはない小説が、今の若い人たちに共感され甦ったのも頷ける。

二作のうちでより印象に強く残ったのは「草の響き」で、それは私自身がかつて精神を患ってこの主人公同様医者にかかった経験があるからで、医者とのやり取りをどこか冷めた気持ちで見ているところや、待合室で診察を待つ時に周りの患者を見ていて色々考えたことなど、あまりにも身に覚えがありすぎて苦しくなるほどだった。
身体を動かすことで精神的にも段々と上向きになってきた時に主人公が思う、「振り出しに戻りたくない」という強い思い。これはそういう病を経験した人にしか分からない、恐れと切迫感からくる切実な願いだと思う。

苦しみ抜いて死んでしまう人と、苦しみ抜いて尚生きる人の差って何だろう、と考えた。
不意に絶望を感じた瞬間を、何かの巡り合わせでその手に掴んでしまうかどうかなのだろうか、って。
両者の違いはそんなに大きなものではないようにずっと思っているのだけど、それは、死ねない側に立つ私だから思うことなのかもしれない。

そしてもうひとつ。罪を犯してしまうか、理性で踏み留まるか、という小さいようで結果的には大きな違いも、そこに至る道筋だとかそうなってしまった何かのタイミングとか、変な勢いとか、そういうものもきっとあるのだと思う。

どちらのお話も主人公の名前が一切出てこないところが印象的だった。それは誰でもなく、そして誰にでも当てはまる可能性がある、ということ。
貧しく、これといった希望もなく、執着心もない。だけどどこかで誰かとのつながりを求めている。
まさに“今”だな、と思う。
時代を感じつつ古くない、そんな小説。

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Posted by ブクログ 2014年07月20日

共に21歳の僕と静雄はふたり暮らし。そこに僕の彼女である佐知子が加わる。
全体をとおして常に息が詰まってしまうような淡々と語られる青春小説。
ほこり臭くて、じめっとしている。
僕が彼女である佐知子を躊躇なく静雄に渡してしまうなど、僕の心情がなかなかつかめません。
後半、静雄が気を違えてしまったり、文...続きを読む庫本に同時収録されている「草の響き」の主人公が自律神経失調症であるところなどは、著者の私生活での影響が少なからず出ているのかもしれません。
ちなみに「きみの鳥はうたえる」というタイトルは、この作品を執筆しているときにたまたま流れていたビートルズの「And Your Bird Can Sing」からなんとなく付けたのだそう。先日放送された佐藤さんのドキュメンタリー映画「書くことの重さ 作家 佐藤泰志」で語られていました。

著者は本作を筆頭に5度の芥川賞候補となるも受賞ならず。41歳という若さで自死を選ぶ。
映画「海炭市叙景」を観て、原作者の佐藤泰志さん(原作名も海炭市叙景)に興味を持ちました。全作読みたいです。

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Posted by ブクログ 2013年03月05日

多くを語らない主人公が、そのまま作者の繊細な誠実さをうつしているように思った。僕と静雄と佐知子の夏。その終幕には鳥肌が立った。言葉を失うとはこのことか。
佐藤泰志が、詩人の方々の間で名前があがる理由がなんとなくわかったような。ぐるぐる語らない語り。露悪的にならないヒントがここにあると思う。
とりあえ...続きを読むず他の作品も読むのと、依田冬派さんの詩「きみの鳥もうたえる」をもう一度読みたい。

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Posted by ブクログ 2023年07月02日

『きみの鳥はうたえる』
知らないはずの昭和の夏のにおいがする。(自分とは縁のないような)眩ゆいきらめきに満ちた日々の中に、ときおり恋愛・家族・生きることについての鈍い痛みがはしる。「僕」の捉えどころのなさ、佐知子の軽(やか)さ、静雄のナイーブさ…時に首を傾げる点もあったが、決して広くはない世界で、一...続きを読む見飄々と生きているようでも実は各々抱えたものがあるという物語は、時の流れによって色褪せることのない普遍的な題材だと思う。夏の入り口のこの時期に読んで非常に心がヒリついた一編だった。

『草の響き』
映画のビジュアルを見ていて、てっきり妻が出てくるものだと思っていたから意外だった。走ることを通じて内省する感覚はなんとなくわかる部分がある。

両作ともに主人公に名前がないこと、別の名前をつけられた男性との関係など、共通点もいくつか。作家が自死したという情報をあらかじめ知っていたので、作品自体をどうしても死のイメージから切り離すことができなかった。良いのか悪いのか。

『きみの鳥はうたえる』『草の響き』ともに映画を観ようと思う。

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Posted by ブクログ 2023年06月30日

原作が小説とは知らず先に映像を見てしまった(あまりやらないようにしてる)
こんなに古い原作だったとは
これからあの映画を作ったって考えるとあの映画は成功してる気がする(映画好きだった)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年02月26日

草の響きの映画をみるかDVDを買うか迷って、まずは原作から入った。きみの鳥は〜は、正直、よくわからない。若いとはいえ、古い時代とはいえ、ずいぶんいい加減で行き当たりばったりの男女だなと思っていたら、予想外の展開。そこを突き詰めればテーマは重いものになるのだろうけど、突き詰めることもなく。不思議。映画...続きを読む見てもよくわからなかった。
草の響きは逆にわかった。もちろんノッポの自殺の理由も明確にはわからないけど、主人公の感じる心の動きは理解できた。

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Posted by ブクログ 2021年10月30日

映画「草の響き」を観て、「きみの鳥はうたえる」を鑑賞後に小説を読んだ。普段はあまり読まない小説も、映画にのめり込んでしまったので、のめり込んで読み終わることができた。映画とストーリーがちょっと違うけど、きみの鳥はうたえるは今この年齢で読んで良かったと思う。

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Posted by ブクログ 2021年10月25日

 『きみの鳥はうたえる』に集録されている「草の響き」を先に読み上げた。
 同タイトルの映画を先に観たところ、今の自分の状況と重なるところがあり、原作を読んでみたいと思い購入したもの。
個人的な感覚では、スラスラ読めて情景が目に浮かびやすい、というものではないが、ところどころで立ち止まりながらゆっくり...続きを読む読むと良いように感じた。一度ざっと読んで、今は2周目を、今度はじっくり読んでいる。
 また、主人公と同じように、走り、心臓が張り裂けるくらいの体験をすると、また違った感想が持てるかもしれない。
 2周目を読み終えたとき、どういう感想が持てるのか、楽しみだ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年05月13日

『きみの鳥はうたえる』と『草の響き』という話が入っていた。
きみの鳥はうたえるの作中に流れている雰囲気は好き。限りなく透明に近いブルーかな、雰囲気が近いと思ったのは。たぶんいい場面なんだろうなという場面がおおかった。(傘を差して三人くっつき合って歩くところなど)だがそれをじっくり感じる間もなく次に流...続きを読むれていったところが少なからずあった。
もう一編の草の響きがとにかく好きだった。これはまた誰かに薦めたいほど。文章もひたすら体のうちに入ってきたし、主人公の思いの馳せかたが好きだ。墓地にいる暴走族とのかかわりが優しく、そして愛おしい。
それでもなんでこの本の題名がきみの鳥はうたえるなのか読み終わってから考えた。小説として評価されているのが草の響きではないとしたらその理由はなんだろう、と。話の規模の小ささ、大きさみたいなものなのかな。ちょっとこれ以上の説明はできないけれど。

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Posted by ブクログ 2020年09月06日

21歳の男女三人を描いた作品。
こういう純文学の主人公はどうしてもきっちりとした日常生活に耐えられない人になってしまうのか。
書店でバイトをする主人公・僕。しばしば無断欠勤、刹那的、時に暴力的。
同居人の静雄に至っては職も無く、人の好意にたかって生きている。
そして主人公の彼女になった同い年の佐知子...続きを読むは、静雄に惹かれて行く。

作者・佐藤泰志は私より少し上だけど近い世代。
(私とはかなり違う生き方だけど)若い時はこんなだったよなと振り返らされる。
閉塞感の中、もがいているのか?流されているのか?
「自由に生きる」と思いながらも、それを謳歌している訳でもなく、どこか苦しんでいる。
時代は変わったけど現在もそんなものなのでしょうね。多分、普遍にして不変の青春。

名文とは思わない。どこかザラリとしたストレートな文体が、突き刺さる。

併録の「草の響き」は主人公がひたすら走り続ける物語。印象的。

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Posted by ブクログ 2020年07月09日

若いときを振り返るっていうのは恥ずかしいか、なんとなく盛ってしまうか、飾ってしまうか、照れくさいものだけれど、それも振り返る時期(年齢)にも関係してくるのだろう。
この『きみの鳥はうたえる』は佐藤泰志氏30代のデビュー作でおとなになりたくもなく、おとなになりきれず、でも、おとなになってしまわないとい...続きを読むけない・・・という21歳の青春時代を私小説風に書いている。

なぜ私小説風と言うのかというと、
磊落で硬質な書店員の「僕」と書店員仲間の「佐知子」の恋人関係が、「僕」の友人「静雄」のナイーブな優しさにつつまれて、恋人関係が静雄と佐知子に何事もなく移るなんてあり得ないこと。三人の関係が壊れてしまうのかと思いきや漂っているようになるのは、やっぱり僕と静雄は同一人物で、作者の分身だからと思えてしまう。(わたしの「盛った小説」説によると)

すてきな題名はビートルズの曲「アンド・ユア・バード・キャン・シング」から。
どうしても青い鳥をさがしてしまう若いときがある、生き生きしたものを求めてあがく時がある。
平禄されている『草の響き』はもっと作者に近いという、井坂洋子さんの解説がとてもいい。

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Posted by ブクログ 2019年09月17日

映画が良かったので、原作があるというので購入
初めて佐藤泰志という小説家を知った。

表題作は、時代背景が80年代始め?と古いのだけれど、
20代の刹那的考えと、未来への不安とで揺れ動く不安定さ、僕と静雄それぞれのうだつのあがらなさ、等の若者が漂わせてる雰囲気の書き方が良い。
怠惰感や、閉塞感、それ...続きを読むらを隠すかのような表面上はサラっと見せよう感。が今読んでも古臭くない。
むしろ佐藤泰志は早すぎたのかもしれない。

ひと夏の物語で、夏の夜のように濃い日々が描かれてるけど、文章が暑苦しくないので、サラリと読める。
映画よりも、最後は重苦しい展開。

もう一つの短編は、作者の実体験からなのかな?ってぐらいしか、記憶に残せず....

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Posted by ブクログ 2019年01月03日

畳みかけるように短い文を連続させ、風景描写と重要描写を同列に並べ、独特な緊張感を生み出している。しかし静謐で柔らかくどこか優しい。

『きみの鳥はうたえる』は、『そこのみにて光輝く』の原型のような作品で、主人公「僕」と佐和子と静雄三人の素直で不器用な生き様が初々しい。刹那な彼らが僅かに未来を描き始め...続きを読むた矢先、静雄の事件が起こる。静雄が「僕」や佐和子と接することで捨てようとした自分の原型を揺り戻し、アイデンティティや拗れた愛情の結果だったのであろう。またそれも青春で感じる永遠であり刹那であったのかもしれない。

『草の響き』は著者自身の経験を基にしたものと思われる。生きることは脆く生き永らえることは本来的に無意味かもしれない。ノッポは人生を降りたが、しかし「僕」は10㎞超えを目指し走ることを目標とし日々を熟す。そうして一日一日を過ごすことが、ある側面では人生の意味なのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2018年10月15日

「きみの鳥はうたえる」

映画との比較もたのしみながら読んだ。
21歳というどうでもいいようでいて実に繊細な年齢を、よく描いている。

全体として「不在」が物語の転換の鍵を握る。
「僕」がバイトをサボる→佐知子と関係もつ、
「僕」が海水浴をやすむ→佐知子と静雄がくっつく、
母の代わりに叔母の手紙→...続きを読む母の病気と死、など。

「僕」ははじめて佐知子とまともに話したときからセックスの感触を想像したり、殴ったり殴られたり、そういう身体の触れ合いが大切で、それ以外には無関心。
他者との接触を通じて自分を知るので、名前はいらないし、空気のような存在でいい(と信じている)。

しかし佐知子と静雄が「海」に出かけているときに、ふたり組に襲われて「魚」になった気分に陥るのだ。
この不器用さが、いい。

「草の響き」

はじめて「彼」に少年たちがついてくるシーンがめちゃくちゃいい。文学的なヤンキー。

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Posted by ブクログ 2018年10月01日

佐藤泰志の作品は、「そこのみて光輝く」以来。 僕と静雄と佐知子が過ごした夏。 僕と静雄の距離感。 僕と佐知子の温度感。 身体の関係からか、気持ちの繋がりか。 佐知子に出会った時から、彼女に好意を抱く静雄を見守る僕。 僕を通して静雄の考えは読み手に伝えられる。それなのに、なんとなく彼が何を考え、感じて...続きを読むいたのか不思議とわかる。 夏の暑さや、汗の湿り気など、文章からにおいと湿度が伝わってくる。 「草の響き」は、そのまま作者が見えてくるようだった。

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Posted by ブクログ 2018年09月29日

佐藤泰志作品、実は初めてで、すごく硬い文章の人だと勝手に思っていたのだけど穏やかで澄み渡った、けれどすぐ足元に生の気だるさを置いた文章だった。映画版は時代も街も変わっているのにたしかにこの小説から出てきたものだと思った。終わらないようでゆっくり死んでいく時間、常に破滅がちらついている、何か、確かな予...続きを読む感を秘めた時間。

気だるさはふと訪れる死の予感にとても敏感、だから未来を生きられず今の時間だけをさまよっている。破滅はふと、天気が変わるだけのこと。原作を読むと、映画版があれでもかなり「青春」に舵を切ったのだなあと思う、けど映画版もまごうことなくこの『きみの鳥はうたえる』だと思った。

映画版では時代設定が現代になってたけど原作は佐藤泰志が生きた80年代で、スマホもなく、静雄と僕が置き手紙でやり取りするのとても良いなあと思った。「水曜日さ」っていうたった一行の返信が、これ以上なく美しいものに思えた。佐知子が笑い飛ばすのもわかるなあと思った。いちばん好きな一節。

もし、映画にも静雄のAnd Your Bird Can Singをアカペラで歌うシーンがあったならどうなってたんだろうなあと思う。染谷将太がきっとあの遠くを見てる目で、間接照明に横から赤く照らされながら、曖昧なところは鼻歌も挟んで静かに愉快にうたう、彼の声以外には音のない夜だっただろう。

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Posted by ブクログ 2018年09月24日


映画を先に。

3人の世界。
いつまでも、誰にも、おかされず。
居心地のいい場所はしだいに冷えていく。

美味しいものは美味しいうちに。
今のこのぬくもりを忘れないで。

遠くにいても誰かを思います。
自分のことではない誰かを。
それもひとつあたたまる術。

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Posted by ブクログ 2016年10月06日

2作とも、
主人公の心情と、
その説明が最小限でありながら、
主人公の行動の描写と、
とりまく人物たちの独特な魅力の対比によって、
浮かび上がる生命への問い。

名前がないことによって明確になる、
空気のように意味の無いようになることを目指しながら、
限りない実感を求める物語たちに、
愛着を拭いきれ...続きを読むないのである。

無いことを知り、あることを悟る。
あることを捨て、無いことを理解することによって、
その先の、あることを見出す。

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Posted by ブクログ 2016年09月19日

映画海炭市叙景を見て、気になって作者を調べたら「きみの鳥は歌える(and your bird can sing)」、タイトルにグッときて読んでみた。最後まで読んでも、僕のことも静雄のことも佐知子のこともよく知らないままで。大人が若者を羨ましがって書いた小説かと。でもすごく分かる。

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Posted by ブクログ 2014年12月09日

洋楽の曲名の直訳をタイトルにしたものが新鮮。
男女3人の奇妙な友情と愛情が独特の情感を表している。そしてそれが不思議と心地よい。

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Posted by ブクログ 2013年06月17日

海炭市叙景に続いて読んだこの作品は、佐伯一麦氏の「芥川賞を取らなかった名作たち」でも作品名があげられていた。全編にみなぎる緊張感に拍手したい。

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Posted by ブクログ 2024年02月23日

1970年代の青春のひとつだったと思われる
この作家の夏と暑さと汗の描写にいつも感心してしまう
すこしみじめでみっともない感じがなんか懐かしい
タイトルの意味するところがまたもや判らないけどかっこいいな

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Posted by ブクログ 2023年08月09日

短中編2作品収録
青春小説で主人公に起こる出来事を
たんたんと読んでいた感じです
表題作はタイトルから謎です

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Posted by ブクログ 2022年09月07日

きみの鳥はうたえる
少し難しい。次々と男を乗り換える佐知子という女性の心の動きも、よくわからない。
草の響き
こちらの方がわかりやすい。走りたくなる。
ストーリーは静かだが、主人公が聞く音楽がロカビリーで、それを想像するとまた違った印象になる。

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Posted by ブクログ 2020年09月02日

青春を感じる。
ずっとどこかに暗い影があって、それが作品の味になっているような気がする。

草の響きもよかった。
気持ちと季節の移り変わりの描写も美しい。
その中に人としての葛藤を感じる。

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Posted by ブクログ 2019年08月04日

青春時代の爽快感
平凡だけど疾走するような毎日
恋愛と友情
こころを思わせるような、

若い頃の、ドキドキとなんとも言葉に出せない感情がうかがえる
彼らの心情とか、本音ははっきりと分からず、情景だけがつらつらと流れていくのだけど
なんとも夏の暑い日のような雰囲気を感じた

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Posted by ブクログ 2018年09月12日

映画をずっと観たり、顔馴染みの飲み屋で突然サッカーをはじめたり、どこか懐かしく、また羨ましくもある。

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