そこのみにて光輝く

そこのみにて光輝く

880円 (税込)

4pt

北の夏、海辺の街で男はバラックにすむ女に出会った。二人がひきうけなければならない試練とは―にがさと痛みの彼方に生の輝きをみつめつづけながら生き急いだ作家・佐藤泰志がのこした唯一の長篇小説にして代表作。青春の夢と残酷を結晶させた伝説的名作が二〇年をへて甦る。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    やるせない、すくいようがないようでいながら不思議と清貧的なさわやかさがある小説だった。しっとりと読み応えのある小説らしい小説だった。
    特に第二部「滴る陽のしずくにも」のほうがよかった。それはたぶん、気だるく無頼に生きていた達夫が、結婚し子どもをもってそれなりに生きている様子が描かれていたから。独り身

    1
    2019年05月12日

    Posted by ブクログ

    海岸沿いの北方の小さな街での孤独な男が百円ライターがきっかけで出会う貧困と堕落した家族との物語

    この小説は2部構成になっており1部は造船会社でリストラに会って間もない孤独で無職の達夫と貧乏暮らしでバラック小屋に住んでいる拓児と姉千夏と母親、痴呆の父親の4人家族に出会って何故かこの家族に惹かれてゆく

    0
    2021年05月03日

    Posted by ブクログ

    作家が表現したいことがどんなにいびつなものでも、情理を尽くして語ることで、小説を小説たらしめることができるのだなぁ、と思う。
    主人公のスカシ具合とか、読みづらい短文の連続とか、世界のとらえ方は私の知っている世界とは違うが、この小説には読ませる何かがある。
    それが何かが言えないところが、小説を小説たら

    0
    2018年09月13日

    Posted by ブクログ

    海炭市叙景で感じた文体の瑞々しさとは、
    また少し違った眩さ溢れる作品。

    一文の短さや、
    出来事の始まりを回想で蘇らせることで、
    特別な瞬間として装飾する方法や、
    限りなく内的な移り変わりなはずなのに、
    景色で語られるその心情やらが、
    すべて抑制的なのに、
    夏の光、冬の光、
    生々しい底に?
    もしくは

    0
    2016年07月28日

    Posted by ブクログ

    纏わりつくような閉塞感と退廃的な空気を感じるのに、不思議と嫌な感じは受けなかった。そこにしか行き場がなかった人達が、そこで家族を作る。
    その気になれば、町を出ていくこともできたかもしれないのに。
    外に光を求めずに、自らの中に光を見いだしたかったのか、そうせざるを得なかったのか。生きることのひたむきさ

    0
    2025年07月08日

    Posted by ブクログ

    始めは文体に馴染めなく読み進めるのに苦労したが、段々と焦点があってくる感じがあり、半分くらいから最後までは一気に読めた。慣れるとこの文体が心地よかった。終始ヒリついた内容だったけど、嫌いじゃない。水々しい生々しい表現が非常に良い。嫌いじゃないけど嫌いな人もいるだろうな。オーバーフェンスもきみの鳥はう

    0
    2025年02月09日

    Posted by ブクログ

    「とっつきにくい文章だなあ」というのが最初の印象。“文章が重い”とでも言えばいいか。
    しかし、読んでいるうち、慣れてくる。
    徐々に、心地よい温度に感じられてくる。

    決して個性のある文章、文体ではないが、情景描写が徹底されている。いや、風景描写といったほうが相応しいかもしれない。絵を見せるような描写

    0
    2024年06月26日

    Posted by ブクログ

     好きな世界だ。ヒリヒリする感じがいい。
     映画も公開当時観たが映画の方がリアリティがあってよかったな。

     佐藤泰志は好きな作家だ。

    0
    2023年09月29日

    Posted by ブクログ

    10年近く前に映画を観て、ずいぶん暗くて行き場の無い街と人々だな、と感じた。函館行きを前に佐藤泰志「海炭市叙景」を読み返したのに続き、こちらも読んだ。映画の物語は忘れていて千夏が魅力的だったことだけ覚えてる。小説の中でもおんなじだ。炭鉱、造船所、歓楽街、競輪場、刑務所、と楽しみにしている函館旅行がま

    0
    2022年11月10日

    Posted by ブクログ

    映画を先に見たので、登場人物全員に演者さんたちを重ねて読んでしまったのが、惜しかったなあと思った
    こういうのって本と映画どちらが先がいいのだろう、、
    それでもやはり、千夏は魅力的な女性だと思う

    0
    2022年05月25日

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