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現代ユウモア全集 20巻 『哄笑極樂』 吉岡鳥平
僅か39歳で亡くなった異才の漫画家・吉岡鳥平、唯一の「漫文集」。旺盛な観察力と軽妙な語り口が光る全18篇を収録。 明治・大正・昭和初期を駆け抜け、僅か39歳で亡くなった異才の漫画家・吉岡鳥平、唯一の「漫文集」。東京美術学校(現・東京芸術大学)で西洋画を学びながら、在学中から「東京パック」「講談倶楽部」などに漫画を描き、卒業後は東京と大阪を舞台に新聞漫画家として活躍。「関西漫画会」の結成に関与したり、正岡容や大泉黒石、江戸川乱歩ら文化人との交流も深く、酒と騒ぎを愛する“お祭り博士”としても知られた人物。 本巻には、自叙伝から漫画、漫文、落語、笑話、探訪記事まで、旺盛な観察力と軽妙な語り口が光る、全18篇が並ぶ。「漫画家の自叙伝」では、仙台での青春時代の騒動をユーモラスに描き、「戀の雪達磨」「牽牛織女」などの短篇では、恋愛や結婚生活を風刺的に切り取る。 特に「同行二人大阪見物」「大大阪市民読本」「大阪妖怪探訪」の大阪時代を背景にした一連の作品群では、昭和初期の大阪の街並み、芸能、庶民の暮らしが生き生きと描かれ、極めて貴重な資料。さらに「萬歳四景」は、漫才成立前夜の「高級萬歳」を描き、大阪において[萬歳]が[漫才]になる過程での重要な作品ともなっている。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、外箱や表紙や裏表紙など、当時の貴重な資料も収録する。 (電子版 2026年6月26日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。 -
現代ユウモア全集 23巻 『戀を吹く喇叭』 佐々木味津三
『右門捕物帖』や『旗本退屈男』で、日本の時代小説・捕物帖の基礎を築き、昭和初期に活躍した人気大衆作家の貴重な24篇を収録。 佐々木味津三は、大正中期から作家活動をはじめ、菊池寛に認められて雑誌「文芸春秋」の創刊に関わり、横光利一や川端康成らと雑誌「文芸時代」も立ち上げ、純文学方面の新進作家として嘱望された。しかし、実家が抱える多額の負債と、弟妹三人と長兄の遺児五人の養育義務を負ったことから、金にならない純文学から、大きな収入の見込める大衆文学方面に舵を切る決断をする。 本巻には、そんな彼が純文学から大衆小説路線に移る前後の1923年~1929年の間に、文芸誌から大衆娯楽雑誌まで様々な媒体に発表された24篇を収録。一番新しい「大江山仙介の見合」が巻頭で、一番古い作品「新東京繁昌記」が巻末という構成は意図的なものを感じる。同時代のスポーツネタを入口に、読者を次第に作品世界へと呼び込み、最後にすでに過去となりつつある関東大震災直後の戯作的ルポルタージュで余韻を残す形となっている。作品傾向も社会風俗や時事的話題を取り入れた話が多い。人気絶頂の大学野球をネタにした「大江山仙介の見合」、新興映画の発信地として勢いのあった蒲田撮影所を舞台にした「忘笑症患者」、大家さんとの小競り合いを「階級闘争」という流行語で呼ぶ「お犬様」、 田山花袋「蒲団」をパロディ化した「女性軽蔑家」などなど。特に巻末の「新東京繁昌記」は、大震災の数ヶ月後に発表された作品で、混乱の中で強かに生きる東京人の姿を活写した一つの風俗史料ともなっている。なお、佐々木味津三は本巻刊行から約4年後の1934年、急性肺炎を起こして僅か37歳で亡くなった。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究者で追手門学院大学准教授・佐藤貴之。付録には、表紙や裏表紙など、当時の貴重な資料も収録する。 (電子版 2026年9月25日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。 -
現代ユウモア全集 22巻 『ヴェランダの椅子』 牧逸馬
多筆名作家で、[文壇のモンスター]と呼ばれた破格の作家の第2弾。〈めりけん・じやつぷ〉物を中心に全18篇を収録。 牧逸馬(長谷川海太郎)は複数の筆名を使い、海外ルポ、翻訳、探偵・怪奇・恋愛・歴史・捕物小説など多彩なジャンルで人気を博し、「文壇のモンスター」と呼ばれた作家。 今巻は、そんな彼の第12巻に続いて2巻めで、「こん・げいむ」「感傷の靴」「喧嘩師ジミイ」「サム・カゴシマ」「國のない人々の國」など1925-27年に雑誌掲載された18作品を収録。今巻の初出は、巻頭「紋十と牛之介」と巻末「海へ歸る女」の林不忘名義以外は、すべて谷譲次名義作品。しかもアメリカ在住の日本人や日系人を主人公とした[めりけん・じやつぷ]物が中心。さらに[めりけん・じやつぷ]物の中でも、彼らの生活描写を端緒として、多民族国家アメリカの都市風俗を皮肉交じりに紹介する作品が多い。具体的には、奇想天外な手管を駆使した詐欺師やマイノリティの生き様、アイデンティティの揺らぎをテーマに、資本主義社会の欺瞞や、自己欺瞞を描いている。多民族国家アメリカを単身放浪した牧自身が、目に見えない線で人間を区切ることの無意味を噛みしめながら、同時に現実の人種差別の圧倒的強度を思い知った実体験が作品の根底にあるのだろう。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究者で追手門学院大学准教授・佐藤貴之。付録には、表紙や裏表紙など、当時の貴重な資料も収録する。 (電子版 2026年8月28日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。 -
現代ユウモア全集 24巻 『命のばし』 保積稻天 長崎拔天
【ご注意】※この電子書籍は紙の本のイメージで作成されており、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 [日本近代漫画の祖]と呼ばれる漫画家・北澤楽天の門下生で、時事新報社絵画係で同僚だった保積稲天と長崎拔天、唯一の作品集。 師匠を含めて、[三天]と呼ばれた。 稻天の本名は幸蔵。北澤楽天門下生となり、楽天が新しい時代の漫画家を養成するために[漫画好楽会]を設立すると、長崎拔天、田中比左良、麻生豊たちと一緒に参加。楽天に認められて時事新報社に入社。本巻には日露戦争に従軍した一兵卒の絵日記風の戦時記録「藷野二等卒」のみを収録。一コマ漫画の簡単描写だから、のんびりした戦争であったような感じを受けるが、その短い描写に、戦場の悲惨さが深く刻まれている。 後半の長崎拔天の本名は繁吉。稲天同様、楽天門下生→[漫画好楽会]→時事新報社に入社。 本巻には、「梟亭澁茶話」「初春漫味」「妻惚憲法」「近代生活覗眼鏡」「新案 金儲け祕法」など13篇が収録されている。拔天の作品は、日常生活のふつうの一コマのおもしろさを輝かせ、ホッとするような笑いを起こしてくれる。戦後、拔天はNHKラジオの「とんち教室」に生徒役で出演。ユーモアあふれる珍解答で、日本中の視聴者から大きな人気を得た。 発刊当時の書籍を新たに全ページスキャニングしているので、本巻はリフローではなく、FIX形式。本文の旧字体総ルビはもちろん、ユニークなデザインもそのまま忠実に再現している。解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、表紙や裏表紙など、当時の貴重な資料も収録。 (電子版 2026年10月30日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。 -
現代ユウモア全集 8巻『ゆがめた顏』 正木不如丘
「第二の漱石」とも称された、日本における医者兼作家の先駆者が描いた、傑作25作品を収録。 正木不如丘は、医者兼作家。竹久夢二、堀辰雄、横溝正史らが入院した、日本初の高原サナトリウム=富士見高原療養所の初代院長を勤めた人物で、文筆もこなし、大正末から昭和前半にかけて、文芸誌から大衆娯楽誌、大手新聞まで様々な媒体に作品を発表、「第二の漱石」と囁かれたことさえあった。さらに、徳冨蘆花の主治医を務め、最期も看取った。 本巻には、1922年~1927年頃にかけて新聞や雑誌に掲載された25作品を収録。随筆と小説がメインだが、その境目が見分けにくい作品もあり、読み進めるうちに徐々に虚実が曖昧になってゆくような構成にもなっている。 前半は、臍の手術にまつわる患者の訴えを題材にした喜劇「臍の悲」をはじめ、「すつぽんの血」、「腹中のコレラ菌」、「誤診物語」、「王手飛車取り」など、病院や患者にまつわるエピソードを披露する、不如丘が開拓した〝医者物〟と呼ばれるジャンルで、医療現場の悲喜交々を面白おかしく紹介している。 中盤~後半にかけては、作者の経験談と同一視しがたい、医業を中心テーマとしない小説や、叙情的な哀感を漂わせる作品が並ぶ。山間の因習と神秘を材にとった「神代櫻」は、どこか泉鏡花を思わせる民俗的世界観に何とも要約しがたい物語の余情を漂わせ、老医師と老馬の絆を中心に懐旧的な風景を映す「靑」など、割り切れない人情や世相を情緒豊かに描き出す筆致には、作家としての幅の広さを感じさせられる。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究者、追手門学院大学准教授・佐藤貴之。付録には、発刊当時の外箱や表紙など、当時の貴重な資料を収録する。 -
現代ユウモア全集 4巻 『奇妙な精神病者』 長谷川如是閑
明治~大正~昭和の3時代に渡り活躍したジャーナリスト兼作家の、入手困難で貴重なユーモア作品20編を収録。 ジャーナリスト、評論家、作家と様々な肩書きで、明治~大正~昭和という、激動の時代に活躍した著者の、明治~大正にかけて発表された、入手困難で貴重なユーモア作品、計20編を収録。 雅号=如是閑は「にょぜかん」と読む。友人による命名で、「是(かく)の如く閑」、つまり「こんなに閑」となっているが、日本新聞社→大阪朝日新聞に入社、天声人語を担当し、社会部長として、全国中等学校優勝野球大会(後の夏の甲子園)を企画創設し、大正デモクラシーを代表するジャーナリストとして進歩的、反権力的な立場で論陣を張り、戦後は最後の貴族院勅撰議員として日本国憲法の制定に携わり、実際は94歳の長寿で亡くなるまで、多忙を極めて駆け抜けた。 現在、如是閑のユーモア作品を手軽に読むことはできない。ジャーナリスト、評論家としての作品に重きが置かれ、作家としての、とくにユーモアを活かした戯曲、小説は雑文として軽視されているようだ。理由は、そのユーモアの難しさにある。 例えば、「無線電心機」では、機械文明が人間に利益を与えながら不利益を生むが、そこに思わぬ利益が起こる可能性があることを明らかにする。この文明批判的な眼力で現実を見抜く点が、如是閑の「ユーモア」となっている。 その他の作品でも、落語や講談のような直接笑いを取るユーモアではないので、多くの読者は「これがユーモア?」と感じてしまう。『現代ユウモア全集』の一巻だから、どこかに「ユーモア」はある。それを読み取るのも本巻を読む楽しみだ。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、当時の月報ほか、貴重な資料を収録する。 (電子版 2025年2月28日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。 -
現代ユウモア全集 6巻 『明るい人生』 佐々木邦
日本のユーモア小説の先駆けにして第一人者。専業作家となって最初の作品集、全7編を収録。 佐々木邦は、日本のユーモア小説の先駆けにして第一人者。1926年、明治学院大学の講師や慶應大学教授を退職して、作家生活に専念する。本巻は専業作家となってから彼の最初の作品集で、長編「夫婦者と独身者」を始め、「抜目のある男」、「ケチな人の話」、「大量生産者の話」、「重役候補の話」、「理想的良人」、「日記の発心」、の計7編を収録。これらの収録作品で、邦は、深く人間の機微に触れ、健全で明るい笑いを提供する「ユーモア小説」というジャンルを確立することになる。特に「大量生産者の話」や「理想的良人」などでは、この当時で男女を平等な視点で扱い、むしろ女性が強さを発揮する。この作品を読んで、苦笑する男性、すっきりする女性、 たくさんいたことだろう。このような雰囲気に、大正時代の自由主義も感じられる。装幀・挿絵は、田中比左良。漫画漫文だけではなく、美人画、肉筆画なども手がけて、当時、人気を博した漫画家。さらに、邦が作家デビューした大正末年は、「漫画」が市民権を得る時代でもあった。邦が新しいユーモア小説のスタイルを確立したことは間違いないが、その人気を支えた側面には「漫画」の流行と定着が貢献している点も、見逃せない。発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、本全集収録以外の田中比左良の挿絵ほか、当時の貴重な資料を収録する。 (電子版 2025年4月25日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。 -
現代ユウモア全集 21巻 『ユーモア突進』 東健而
43歳で亡くなった早すぎた作家・東健而、生前唯一の作品集。ハイカラで洗練された都会的ユーモア作品全14篇を収録。 僅か43歳で亡くなり、今巻が唯一の作品集である東健而は、映画史では、無声映画からトーキー映画への過渡期の重要な人物として、また、翻訳史や児童文学史でもジョン・ウェブスターの「足ながおじさん」の初訳者として、それぞれ名前が残っているが、作家としては完全に埋もれている。企業の広告部や出版社勤務、松竹キネマ合名会社の外国部長を経験し、「東健而」以外にも「森田みね子」、「愚教師」のペンネームを使い、一人で三人の作家として活動した。 本巻は生前唯一の作品集で翻訳、小説、随筆、放送原稿が、バランスよく収められている。 前半は、「チビ監督の復讐」「和製アドルフ・マンジュー」の翻案ユーモア小説中心で、欧米ユーモアの日本化がテーマ。中盤は、「笑つたり怒つたりの生活」など療養のために転居した逗子生活の随筆で、東健而の人柄が最もよく出ている。後半は、「世界一の法螺吹き国」「独り行くチャップリン」など放送原稿と映画漫談で、ラジオ文化と映画文化の先駆性が光る。これらは当時の外国文化に通じるハイカラで洗練された都会的ユーモアが感じられる貴重な作品ばかり。 発刊当時の旧字体総ルビに加えて、より読みやすくした新字体バージョンも新たに追加収録している。解説文は日本のユーモア文学研究の第一人者・浦 和男。付録には、外箱や表紙や裏表紙など、当時の貴重な資料も収録する。 (電子版 2026年7月31日配信開始) ※この作品は一部カラーが含まれます。 -
【原典】『日本昔ばなし』
誰の心の奥底にもある、残忍性と禁断──。それは理性の力でどんなに蓋をしようとしても、隙間から漏れ出し、生き延びてしまう……。『日本昔ばなし』の中の子殺しや子捨て、山姥の子ども食いの話、そして奔放な性の匂い……表立って語るのがはばかられるような人間の暗い面を炙り出す話には、『グリム童話』同様、人間の深層心理として世界に共通する面があります。日本の風土にじっとりとしみ込んだ人間の本性の恐ろしさと巧みな知恵、その豊かな「泉」を心ゆくまで堪能してください。収録内容手なし娘人魚と八百比丘尼食わず女房蛇の婿入りかぐや姫赤い髪の娘姥捨て山天道さんの金の鎖糠福米福六部殺し俵薬師 -
厳冬之棺
上海郊外の湖畔に建つ陸家の館で殺人事件が起こる。現場は大雨で水没した地下室で完全な密室だった! 天才漫画家探偵・安縝(あんしん)登場 -
原爆を見た少年
脳の血管病を持つ広島の崩壊家庭に育った少年・ヒカル。その命を救った脳血管外科のパイオニアの老医師・火男。命は救われたものの、天涯孤独となったヒカルは高校をドロップアウト。一方、医療崩壊といわれるすさんだ医療現場での仕事に燃え尽きた火男は、故郷の長崎に帰る途中の三原で、偶然、ヒカルと再会する。そのふたりの前に建つ、1597年に殉教した二十六聖人の一人、トマス小崎の像。その二十六聖人に導かれるようにふたりの長崎への旅が始まる。とともに長崎に旅して、<時>について思いを巡らせ、1年かけて殉教と原爆について学ぶ。そして、生命の実相に触れることで心を被っていた殻が破られてゆく……。 -
玄武塔事件<新装版>
少年探偵・狩野俊介が 次々に起こる難事件に立ち向かう! 北の方角を守る神・玄武。その屋敷には玄武をあらわすいくつもの要素が盛り込まれていた。 石神探偵事務所の野上英太郎とともに、数々の難事件を解決してきた中学生・狩野俊介がたちむかう新たな事件― それは、二人が行きつけの喫茶店「紅梅」の看板娘アキにかかわるものだった。 親友・紫織の故郷にある玄武屋敷と呼ばれる西洋館を訪れたアキ。 そこに待っていたのは、財産がらみの一族の桎梏と、謎に満ちた殺人事件だった。 そして、巨大な塔のからくりとは? 名探偵狩野俊介、デュアル文庫に初登場。 ※本作品は、「玄武塔事件」を加筆修正した新装版です。 -
元禄小源太
五代将軍・綱吉治下の元禄期は、ある意味で暗黒期と言えた。将軍・幕閣のあいだに、女色はもとより男色の風がはびこり、賄賂はなかば公然とまかり通り、お犬様が人間より優遇された。この風潮に敢然と立ち向かった浪人たちがあった。冠小源太と汀十次郎――いずれも、悪政のいけにえとなった由緒ある家筋の血を引いている。ふたりの反抗は、私憤というよりむしろ世直しの気慨であった。しかし、男が志を立て事をかまえる時、そのかげで泣きくずれている美女がいるのは、いつの世も変わらない。元禄期を舞台に、剣と恋、勇気と策謀、正義と悪がからまり合う時代小説。小源太よ、お主どこへ行く? -
幻惑鎮静剤
叔父の交通事故死は計画的なものだった…? 薬の副作用とその背後に隠された陰謀 私立Y大学医学部神経内科学の准教授であり、志保梨の叔父である古閑弘道が交通事故に巻き込まれて死亡した。暴走車を運転していた男も即死。これは不幸な事故だったのか…? やがて、叔父が医療用薬剤の欠陥を告発しようとしていたことが発覚。大学と製薬メーカーの癒着、治験データの改ざんなど、さまざまな事実が浮かび上がってくる。しかし、関係者が次々に命を断っていき、事件は複雑化していく…。現役医師が描き出す、本格医療サスペンス小説。 美貌の副作用解析医・古閑志保梨が、読者の熱い要望にお応えして華麗に復活! 新シリーズ第1弾となる本作は、電子オリジナルとして執筆された。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。『死の点滴』(二見書房)、『悪医の病棟』(徳間書店)など医療ミステリーの著書多数。「女医・倉石祥子」シリーズはテレビドラマ化された。 -
ゲーテ『若きウェルテルの悩み』を読む(文芸漫談コレクション)
「ウェルテルは自分の才能を文学に使っておけばよかった。その文学性を映画化するなら、「ザ・ストーカー」というタイトルしかない。彼が荒れると世界が荒れる。殺人事件が起き、村は洪水(いとう)」。今回は、ゲーテ『若きウェルテルの悩み』を読む。芥川賞作家と希代の仕掛人が捨て身でおくる“漫談スタイル”の超文学実践講座。本電子書籍は、文芸誌「すばる」2016年1月号に掲載された作品の電子版シングルカットです。 -
ゲーム部はじめました。
指先10cmで1億人を熱狂! PCひとつでスターになれる! eスポーツは僕たちの新しい青春だ! 春の季節は大嫌い。青春はいつも他人のもの。 スポーツ強豪校の星海学園の高校一年生、七瀬遊は身体が弱く運動ができない。 運動部のマネジャーにも気が進まない中、不思議なイラストが描かれた 「ゲーム部」の勧誘チラシを発見する。 部員5人を1ヵ月以内に集めなければ部の設立は不可!? ゲーム甲子園で優勝しなければ廃部!? 苦難を仲間と乗り越えられたなら、それは青春だ。 「当たり前の日常を作家が描いたものが小説ならば、 ゲーム(eスポーツ)はすでに我々の日常だ。 もはや小説とは思えない日常のエンタテインメントがここにある」 黒川文雄(メディアコンテンツ研究家) -
ゲーム・メーカー 沈黙の侵略者
東京湾浦賀航路上で、大型商船2隻が続けて爆発・炎上した。当初、事故かと思われた事案は、海中に仕掛けられた機雷による爆発と判明し、日本はかつてないテロの恐怖に晒される。どこの国が、いったい何者が、機雷を仕掛けたのか。さらに東京湾上空を哨戒していた、『P―1』対潜哨戒機が地上から撃墜され、日本は、空と海の動きを封じられる。かつてない危機に、株価は暴落し、経済は壊滅的ダメージを受ける。掃海母艦『うらが』に乗艦した、海上自衛隊掃海隊群司令の岡本は、湾岸戦争の死地を経験した機雷処理のスペシャリスト・奥寺一佐を現場へ送り込むことを決意する──。 -
ゲー・ムーランの踊子/三文酒場
未成年シャボーとデルフォスはキャバレー「ゲー・ムーラン」で閉店まで遊び、売上金を盗もうと隠れていた。だが、二人は客の一人が死んでいるのを発見し、泡を食って逃げる。翌日の夕刊は、この男が柳行李詰めの死体として発見されたと報じた。ジャンは思いを寄せる踊子の部屋に行き、そこで昨夜の客が持っていたはずのシガレットケースを見つけて真っ青になる。外に出たジャンは大柄の男につけられていた…。「三文酒場」の舞台はパリとその郊外だ。メグレはサンテ監獄で、死刑が翌日に迫ったジャン・ルノワールという男と面会する。そしてまだ捕まっていない彼の共犯者が、三文酒場なるところの常連であると明かされる。メグレは《三文酒場》を探そうとするが…。 -
蠱(こ)
恋敵への呪咀の念が、過去の“蠱毒(こどく)”を甦らせ、女子大生の胎内に蟷螂(かまきり)が宿る…。短篇処女作の「蠱」をはじめ、カメラマン志願青年の眼球すりかえ奇譚「浄眼」や、弥勒信仰をテーマにした、戦慄の生体ミイラ村物語「桃源郷」など、学園を舞台にした五篇を収録。乾いた怖さが心地よい、「現代の怪談」の傑作。 *蠱 *浄眼 *桃源郷 *実話 *分身 ●加門七海(かもん・ななみ) 東京都生まれ。オカルト・風水・民俗学などに造詣が深く、怪談、エッセイ、フィールドワーク作品などを著す。最新刊は『お咒い日和 その解説と実際』(KADOKAWA)。小説に『目嚢』『祝山』『鳥辺野にて』など、エッセイ『猫怪々』『霊能動物館』『墨東地霊散歩』など多数。 -
恋終わりの雨が7の日に降る確率
ある日を境に、夢で“視点”を共有しはじめた玲人と奏空。 その不思議な現象が、古来伝わる「恋姫伝説」と関係しているらしいと知った二人は――。 短冊への願いが巻き起こす、一途で無謀な七夕ロマン。 【神映湖の恋姫伝説】 およそ千年も昔、とある村に愛し合う男と女がいた。しかしイジワルな天の神様がお告げをする。 『男は別の娘と結ばれるのが相応しい』と。奇しくもその日は七月七日――七夕の日だった。 愛する人と引き裂かれた娘は、このような運命の者は自分で最後だと、人々の恋を助けるようになる。 そして娘はいつしか恋の神様、「恋姫」と呼ばれるようになっていったのであった。 -
恋が生まれたこの街で #東京デートストーリー
新進気鋭の人気作家・カツセマサヒコ氏をはじめとする、りょかち氏、Shin5氏が執筆する18篇の短編オムニバス小説。50の駅を巡る、おとなのデートストーリー。付き合う前の食事デートや、一緒に暮らすための雑貨を買いに行くデート、将来を想像しながらのんびり過ごすデートなど、いろんなデートを味わえます。 目次 1.「彼女は僕より本が好きだから」 2.「まだ見てなかったものを探しに」 3.「今日だけは先を歩きたい」 4.「まるであの頃の二人のように」 5.「今のままでも、大人になっても」 6.「あなたはいつも正しいよ」 7.「娘がハタチになりまして。」 8.「ゆっくりと時間が流れる場所を探して」 9.「答えなんて、出なくても。」 10.「『またね』が言えなくなる前に」 11.「『また来ようね』と言える幸せ」 12.「だからこれからもよろしくね」 13.「予想外の雨が教えてくれたこと」 14.「飽きっぽい私たち」 15.「東京を、もっと知りたくなった夜」 16.「腹が空くまで歩こうよ」 17.「未来に続く道で、ふたり」 特別書き下ろし小説「昔行ったあの店がなくても」 本書は「東京デートストーリー」のインスタグラムで連載していたものを、加筆修正のうえ、本書オリジナル書き下ろし小説1編を加え、書籍化したものです。 -
恋が始まるウィークエンド
大富豪の娘ジョーダンは弟を救うため、FBI捜査官ニックと恋人同士のふりをするはめに… 大富豪の娘ジョーダンは、FBIの依頼で、高級レストランで行われるパーティーに捜査官ニックを連れていくことになる。パーティーの主催者エックハルトの犯罪の証拠をつかみ、その見返りに、ハッキング罪で逮捕された弟を釈放してもらえる約束だったのだ。だがエックハルトが強引にジョーダンを口説きはじめ、彼女を守るため、ニックは恋人のふりをするはめになる。会ったときからジョーダンをわがまま娘と決めつけていたニックだが、送り届けた自宅前でキスまですることになり…… 『あなたとめぐり逢う予感』に続くキュートなラブコメ〈FBIと弁護士〉シリーズ第2弾! 原題:A Lot Like Love (FBI/US Attorney Book 2)
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