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小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年、二階建て全六室のおんぼろアパート・木暮荘。現在の住人は四人。一階には、死ぬ前の愛あるセックスに執念を燃やす大家の木暮老人と、刹那的な恋にのめり込む女子大生・光子。二階には、光子の日常を覗くことが生き甲斐のサラリーマン・神崎と、姿を消した恋人を想いながらも別の男性からの愛を受け入れた繭。一見平穏な木暮荘の日常だが、それぞれが「愛」を求めたとき、痛烈な哀しみがにじみ出す。それを和らげ、癒すのは、安普請のぼろアパートだからこそ生まれる人のぬくもりだった……。直木賞作家が紡ぐおかしくも温かな人間物語。
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Posted by ブクログ
木暮荘に住まう住民と、それを巡る人たちの物語。
第1話 ある日、3年前に付き合っていた元彼が繭子の家に現れた。繭子にはすでに半年前からつきあっている彼がいるのに、元彼がお金がないという理由で部屋に居座ってしまう。
第2話 木暮荘大家の木暮の友達が死んだ。妻にセックスさせてくれと言ったら断られたそうだ。それをきいてから、死ぬまでにセックスしたいと木暮は考え始める。
第3話 美彌は木暮荘の前を毎日通って職場に通う犬のトリマーだ。ひょんなことからヤクザの前田さんと仲良くなる。
第4話 繭の勤務先のフラワーショップは、隣に喫茶店を併設している。店長の佐伯の夫がやっているのだが、最近佐伯の妻は夫が入れてくれた珈琲は泥の味がすると思っている。
第5話 神崎は木暮荘の201号室の住民。税理士資格取得のために勉強に励んでいるが、木暮荘の壁が薄すぎて生活音がうるさすぎ、勉強に身が入らない。壁が薄いのに気がついた彼は、畳をあげて下の部屋が覗けることに気がつく。
第6話 光子は女子大生。友達が妊娠して、もうすぐ産まれるという。その後行方不明になった挙句、名前もついていない赤ちゃんを預けて去っていった。みんなで子育てに奮闘する。
第7話 繭の元彼並木は、未練タラタラで繭の勤務先を覗き、ストーキングに勤しんでいたが、フラワーショップの虹子と名乗るお客さんに見咎められ、なぜか虹子の家に居候することになる。
Posted by ブクログ
木暮荘という古くてボロいアパートの住人と、その周辺の人々の連作短編である。
これからどうなるのか気を持たせながら次の人にバトンが渡るところが、三浦しをんさんは絶妙に上手いな。
それにしても、どの話もやばい話だ。
特に、畳を上げて床の板の隙間から下の部屋の女子大生を覗くサラリーマンの男はヤバすぎる。
覗く男というより、男の目がそこに住みついているような異様な状況。
絶対捕まる、これは犯罪だ!とハラハラしてしまった。
ところが、女子大学生は覗かれているのも承知で、そのうち男の覗きが公認になる。
サラリーマンも女子大生も普通じゃないな。
でもヤバいけどなんだか笑えるオチになっていて、ちょっとほっこりしたり切なかったり…。
今は若い人も立派なマンションに住んでいる時代だが、こんなボロアパートを懐かしく思う人もいるんだろうな。
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