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『無窮堂』は古書業界では名の知れた老舗。その三代目に当たる真志喜と「せどり屋」と呼ばれるやくざ者の父を持つ太一は幼い頃から兄弟のように育つ。ある夏の午後に起きた事件が二人の関係を変えてしまう…。
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Posted by ブクログ
情景が浮かぶ文章の美しさに虜です。 何度読んでも心の臓を掴まれるような、ぐっと惹き込まれるような。初見のごとく新鮮な読書体験ができる。 古書を扱う職種(せどり)にスポットライトを当てるコアさも素敵。
展開に劇的な波はないが、描写の一つ一つはまさに三浦しをんの才能全てが存分に発揮されている。 淡く、切なく、時に激情的に、然しその多くを作中の登場人物に直接語らせることなく、読者の心に強く直接訴え掛けるこの感覚、やっぱりこの作家さんは凄い
本を愛する者は独占欲が強いらしい それが本当なら自分もそういう所があるかもしれない 綺麗な本だと思った ナナオが勧めたから読んだ いい本だった
BLの匂わせくらいな話が読みたくて探していたらことごとく名前が上がっていて読んだ本。薄いからさらっと読めて、でも確かにその通りで満足感があった。途中の青春が詰まりまくった彼らの過去の話も良かったなあ。 古書店という設定が静かで綺麗で、一層ふたりだけの世界に閉じこめられているかんじがしたし、確かに共依...続きを読む存ではあったけど、あの2人にはずっとこのままお互いを離してやれないままでいて欲しい。 でももっと彼らの話を読みたいなあと思った。
瀬名垣が真志喜の髪を優しく愛しむように撫でる描写が堪らなく好き。 負い目を感じながらも、瀬名垣を離したくない。 本と同じように瀬名垣にも執着してしまう真志喜も、堪らなく好き。 夏の風景とそれぞれの呼吸を感じる、「生」を感じる物語でした。
『きみはポラリス』で三浦しをんを知り、2冊目に手に取った作品がこちらです。私は男性同士の友人以上の関係性に萌えを感じるいわゆる腐女子なのですが、この作品の瀬名垣と真志喜のつかず離れずな焦ったい関係性にも例に漏れず興奮しながら読んでおりました。特に大きな出来事が起こるわけではないですが、2人の主人公が...続きを読むそれぞれ相手と古本とそして過去の罪と向き合っていく過程が、美しく繊細で、どこか官能的な文章で綴られた物語。大きく2部構成になっていて、後半は主人公2人を側から傍観している第三者の視点で書かれています。物語の山場は前半にあるのですが、この後半がいいんです!瀬名垣の「妬心」とか、真志喜の「熱情(第三者からはそう見えるんだとびっくりした)」とか、直接的ではないものの、相手に対して明らかに友人以上の感情を抱いていることが感じ取れる表現があり、好きな人は好きだと思う。あさのあつこの解説も良いので最後まで読んでほしい!
三浦しをんの『月魚』は、古書業界を舞台にした物語です。 古書店『無窮堂』の若き当主、本田真志喜と、同じ業界に身を置く瀬名垣太一。二人は幼い頃から、密かな罪の意識をずっと共有してきた。瀬名垣の父親は「せどり屋」とよばれる古書界の嫌われ者だったが、その才能を見抜いた真志喜の祖父に目をかけられたことで、...続きを読む幼い二人は兄弟のように育ったのだ。しかし、ある夏の午後起きた事件によって、二人の関係は大きく変っていく…。 この本の主要なテーマは、本と人との絆です。本は、人の心に触れるだけでなく、人と人をつなぐ力があります。真志喜と瀬名垣は、本を通して互いに惹かれ合いましたが、本をめぐる事件によって離ればなれになりました。しかし、本は、彼らの間に残された唯一の繋がりでもありました。本に対する愛情と執着は、彼らの人生に大きな影響を与えました。本書のおすすめポイントは、作者の透明感のある文体と、幻想的な描写です。作者は、古書の魅力や、真志喜と瀬名垣の感情を、繊細で美しい言葉で表現しています。 総評として、この本は、古書業界の裏側や、本に対する様々な思いを描いた作品です。登場人物の感情や背景には、深い謎や秘密が隠されています。読者は、真志喜と瀬名垣の関係の変化や、事件の真相に引き込まれるでしょう。この本は、本に対する情熱や、人との絆を感じたい人におすすめです。
BL好きの中2娘からのオススメで読んでみた。三浦しおんさんの作品、初めて読みだったけれど、なんとも綺麗で情景の浮かぶ文章、心地よく読めた。 BLといえばそうだけれども、真志喜と瀬名垣の惹かれ合う様子が人としてとても微笑ましかった。 古書の世界のことも垣間見ることができて興味深く面白かった。
もう何回読んだかわからないけど。 金沢へ向かうしらさぎの中で読んだ。 なんとなく雪景色の中で読みたいな、と思っていたので。 ボリュームも、静けさも、冬の北陸旅行にはぴったりだった。 次に読むのはいつかな。
映画化でもなくドラマ化でもなく
この作品をあるシーンまで読んだ時、脳裏に下北沢の駅前劇場くらいのスペースで舞台作品として観てみたいという衝動に駆られました。脚本の力で心の奥底まで引き出せたら、どんなに素晴らしい舞台になるかと想像します。
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