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黒社会とつながる警察内部の〈黒色分子〉である沢渡。義兄弟の契りを結ぶ「義水盟」の沈は、インドネシア人実業家を巻き込み、沢渡らの中国諜報機関摘発に協力する。やがて3人の前にシンシア・ユンと名乗る謎の美女が現れるのだが……。
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Posted by ブクログ
月村了衛『黒涙』朝日文庫。 日本に於ける黒社会の暗躍を描いた、なかなかハードな作品だった。心の中を一迅の風が吹いていくような読後感。最後まで読ませてくれる。 主人公の猿渡は黒社会とつながりながら、警察組織の内部に潜み、義兄弟の沈と復讐の機会を狙う。ある日、警察が中国スバイ網の摘発に乗り出し、猿渡...続きを読むは摘発部隊に選抜される。騙し合いと裏切りの果てに猿渡が見る世界は…… 本体価格740円 ★★★★★
黒警の続編。 格好いい男の運命が常に似ている感じがするところが少し残念ですが、日中の情報戦に個人的事情から日本側に立つ中国系の第三勢力という展開は面白い。 日本側の悪役に小物したいないのが多少残念。
楽しく読めました。 中国への機密情報漏洩ルート調査用に創設された公安、外事、捜二、警察を横断する特捜チームに佐渡が選出。「何故俺が?」疑問持つ暇も無く、同じくウダツの上がらない公安の平川を相棒にさせられて捜査を進めていきます。捜索が行き詰まり黒の義兄弟の沈とその友人のウラタンの捜査協力を得て事件の核...続きを読む心に迫る中、浮かび上がる疑惑と真実。そして黒の因子を疑う特捜トップ「敵はこの中にいる」。 機龍兵の狼眼殺手の様な展開で伏線回収も素晴らしく警察小説としての面白さは味わえました。 ただ、ディティールが甘い。もう少し人物や事件を深堀りして物語の厚みが欲しかった。
月村作品だけど何故かあまり響かなかった。多分主人公の沢渡に魅力がないことが大きい。警察内部の描き方が甘い点はあるが、黒社会や中国スパイ等を巡るストーリも良かったし、沢渡以外の主要人物は確り描かれていたけど、やはり主人公に魅力がないとねえ。それに内通者もすぐわかっちゃったし。
個性豊かな登場人物たちに惹きつけられた。異なるキャラクターをうまく描いていると感じる。 後半の手に汗を握る展開、一気に読んでしまった。 ラストのシーンは余韻があり、読者に主人公とそのパートナーの行く末を想像させる。 惜しいなと感じたのは、ハニートラップにリアリティがなかったこと。佐藤優さんの著書に慣...続きを読むれているので、どうしても現実味に欠けると感じてしまう。 シンシアもラウタンも、魅力的な人物であるだけに、稚拙なハニートラップの加害・被害者として終わってしまうのは呆気なかった。
重みのあるテーマでありながら、非常に読みやすかった。ダークヒーローとも言うべき主人公で、そこに決して正義を感じることは出来ないものの、不器用でくだらないジョークを言うキャラクターなのが好感を持てた。最終的にはストーリーに出てくるかなりの人数が殺されてしまうという復讐の連鎖という構図だったが、すっきり...続きを読むとする終わり方だった。
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