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三カ月後に隕石がぶつかって地球が滅亡し、抽選で選ばれた人だけが脱出ロケットに乗れると決まったとき、人はヤケになって暴行や殺人に走るだろうか。それともモモちゃんのように「死ぬことは、生まれたときから決まってたじゃないか」と諦観できるだろうか。今「昔話」が生まれるとしたら、をテーマに直木賞作家が描く衝撃の本格小説集!!
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Posted by ブクログ
再読。 読書を始めたばかりの高校生の頃に大好きすぎて何度も繰り返し読んだ思い出の一冊。 十何年ぶりに読んでみたが色褪せることなく楽しむことができた。 未来の自分にもまた読ませたい。
連作の7篇。それぞれ、世界が滅亡に向かいつつある時に、世界のどっかで起こった小さなドラマを語る。各作品の冒頭には、よく知られた日本昔話の梗概。最初はなんで?と思うが、これがのちのちボディブローのように効いてくる。 7篇の間には、登場人物の名前が似ていたり、状況が酷似していたりと、通底する部分がある。...続きを読むでも、完全につながるわけではない。そのすれ違いが、もどかしさとも懐かしさとも愛おしさともつかない不思議な余韻を醸し出している。 たとえば最後の章はいかにもSFらしいタイトル、「懐かしき川べりの町の物語せよ」。なぜ主人公は神保百助、助っ人は、僕、有馬、鳥子の3人なのか。ストーリーテラー、三浦しをんの力量を見せつけられる。
底知れない切なさを抱えながら短編集を読み進めていたのに、いつのまにか物語は思わぬ方向へ進んでいき、ずっとやるせなさを抱えたまま、感傷に浸りながら読み終えた。最後の伏線回収ともとれる結末に、しんみりしながらも面白かったと思える。ありそうなストーリー展開に、ぐっと引き込まれてしまった。果たして幸せと言え...続きを読むるのか、言えないのか…わからない結末が、読後の余韻を引き立てている。
ラブレス (かぐや姫) ロケットの思い出 (花咲か爺) ディスタンス (天女の羽衣) 入江は緑 (浦島太郎) たどりつくまで (鉢かづき) 花 (猿婿入り) 懐かしき川べりの町の物語せよ (桃太郎) の7編から成っていて「現代ならこんな話に成り得る」といった感じで書かれている(と思って読み始め...続きを読むる)。 それぞれが独立した短編集と思いきや、なんとなく関連した背景思想がある長編小説ともいえる。 これらの昔話を知らなくても最初の1ページで概要が示されているので心配ない。 私は、天女の羽衣、鉢かづき、猿婿入りの3つは知らなかった。 知ってるつもりの話も実は曖昧な記憶しかないが、昔話と本作品のつながりは殆どないので知らなくても良い。 あと数か月で死ぬことが分かった時、人はどのように振舞うか? この問いを自分に当てはめて考えてみるのも良いと思う。 「3か月後に巨大な隕石が地球に衝突する」場合、死ぬのは自分だけでなく地球人全員。 他人は元気だが自分だけ死ぬのではないし、その逆でもない。 だれも生き残らない。 こうなると、働くことに意味がなくなるので、あたりまえにできていた日常生活ができなくなるだろう。 バスも電車も動かないし、飛行機やトラックやタクシーも止まる。 物流が止まるので、すぐに物資が不足し買い物ができなくなる。 水や電気も供給が止まるかもしれない。 これは大変だ。 社会のそこら中で暴動が起きそうだ。 巨大な隕石が地球に衝突する前に、人間社会はボロボロになりそう。 現実の日常は、いつでも電車は動いているし、のどが渇いたらお茶でもコーヒーでも飲める。 汗をかいたらシャワーを浴びて、エアコンで部屋を涼しくして寝ることもできる。 昨日も今日も変化の少ない日常が繰り返されることは幸せなのだな。 当たり前で普通にできることだと思っていることは、実はいろんな人がそのために働いているからなんだ。 三浦しをんさんの小説は、現実の社会の中で生きる人たちの葛藤を描いたものが中心だと思うが、本作品には非日常的な要素がある。 かぐや姫にせよ浦島太郎にせよ桃太郎にせよSF的な設定だから、この「むかしのはなし」もそうしたのだろう。
伝聞式で昔話を一般的?な話に落とし込んで書かれていたのが新鮮で面白かった。短編集だが、各話にどこか繋がりがあるのも、面白かった。
予備知識なしで読み進めてたので、想像もしなかった内容でした。短編でありながら、微妙に様々なことがリンクしていて、もっともっと集中して読んでたら伏線に感動しただろうな。 昔話のオマージュだけど、絶妙に自分では思いつかないような捻った設定だし、いろんな他の小説にはない要素が盛り込まれていました。
やっぱ三浦しをんさんの作品好きだなぁ。 昔話を題材にして今風にオマージュされた作品だった。 読解力の乏しいわたしには理解しきれないのもあったけど、最後の地球滅亡のやつとかは中篇になってて面白かった。 自分だったらどうするかなぁとか、自分の価値観を超えて想像もできない展開を楽しんで読めた。 もっかい...続きを読む読んだら理解出来るところもあるんかな。
「現代にむかしばなしを作るなら」をテーマに著された短編作品群。それぞれ、まくらとして実在の昔話(浦島太郎など)のあらすじが描かれ、本編が始まる、という形。昔話を現代風にリファインした、というより、そもそも昔話はなぜ現代にまで受け継がれてきたのか、というところに着目して物語が描かれている。なので昔話そ...続きを読むのものとの関連性は薄い。大本となる設定があるんだけど、それを意識して読むと物語はより深く意味を持ちはじめる。
むかしむかし〜のお話が今で言うなら、、もしくは昔からのお話で伝えたい事はずっと今でも変わらない。という事なのかな。 私は一度読んだだけじゃちょっと理解できなかったけど、もう一回読みたいと思えるようなお話でした。
しをんさんは関係性を語る魔術師であると、この短編集を読んで確信。 「僕」なり「私」なりが、彼ないしは彼女に対してどう感じているか、どういうことがあってこうなったか。疑いもなくスラスラ頭の中に入ってきて納得させられる力があります。
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