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たらちね怪談
「最愛」にして「最恐」。 母に纏わる怖ろしい話、不思議な話。追憶の怪異蒐集録! 母より優しきものはなし、恐ろしきものもまたなし。 世に賢母あれば毒母あり。 すべてが母の胎から生まれるように、怪もまた母より生まれいづる。 ・母の愛を求め想像の世界で生み出した理想の母。いつしかそれに魂が…「三母の似 創母」(郷内心瞳) ・一枚の心霊写真から紐解かれる母と家の怪…「出窓」(川奈まり子) ・父の暴力から物置で一生を終えた母の遺志…「夫婦水いらず」(つくね乱蔵) ・怪と縁の深い女性が占い師に告げられた自身と母と運命…「糾える」(久田樹生) ・人生のハレの日に現れ踊る裸婦。その正体は死んだ母?…「狂女乱舞」(蛙坂須美) ・彼女の隣に立つ首吊り自殺で死んだ母の霊。彼氏にしか見えないその意味は…「帰り道」(内藤駆) ・龍を見ることができた母。さがそれは凶事の先触れ…「天を駆ける龍」(服部義史) ・子を殺された母猿の怨念が本懐を果たすまで…「母猿」ひびきはじめ 他、怪談作家20名が競筆、母に纏わる追憶の怪異談集。 -
Re:リベンジ ─欲望の果てに─
赤楚衛二主演 「野心」と「復讐心」が入り乱れた 「欲望」だらけのリベンジサスペンス! フジテレビ系木曜10時ドラマ、 『Re:リベンジ -欲望の果てに-』を完全ノベライズ! 日本屈指の巨大病院「天堂記念病院」理事長の息子・天堂海斗。海斗は父親と仲たがいし、医師にはならず、週刊誌記者として働いていた。プライベートでは恋人へプロポーズをしようとしていたが、その直前に父親が事件に巻き込まれたと聞き、疎遠になっていた「天堂記念病院」へ足を運ぶことに。その事件から父親の真意を知った海斗は、過去に父親と交わした大切な約束を思い出す。一方、父親が残した巨大病院にはさまざまな問題が隠されていた。父親が築き上げてきた大切なモノを取り返すため、愛する人を守るため、海斗は巨大病院と闘うことを決意するが――。 -
おかるとらべる 365日ホラー旅
オカルト女子厳選 激こわ心霊スポット 「#心霊スポットで踊ってみた」でSNSを沸かせたホラーインフルエンサーCocoが厳選する日本全国の怖い場所 ――オカルト女子がアガるスポットに行ってみた! 全国心スポ500箇所制覇 ホラープランナーCocoが激ヤバスポットを厳選! 戦慄の伝承や体験談を披露 青木ヶ原樹海に佇む女幽霊の姿(山梨) 永楽ダムの闇から聞こえる金属音(大阪) 相坂トンネルの壁から顔が浮き出る(兵庫) 田原坂公園での生配信中に霊が…(熊本) 蘇我入鹿の霊が出る!?旧鹿路トンネル(奈良) 死者が谷底へ引きずり込む八木山橋(宮城) 夜中の小笠山で謎の老婆と遭遇(静岡) サラという謎の外国人が憑依する廃墟(島根) -
ヴァネッサの伝言 故郷
時は中世、ヨーロッパ内陸部。魔境ギガロッシュの果てからヴァネッサの民が開放されて3年半、プレノワールの領民として生まれ変わろうとしていた村人のもとに、少年ラフィールが帰ってきた。彼もまたプレノワールで新しい生活を始めるが、今は亡き兄シルヴィア・ガブリエルの大きすぎる存在が彼の心を悩ませる。ヴァネッサの民は、その高い技術が大きな利益を生むことから政治に利用され、領民の根深い偏見も消えることはなく、試練が次々と彼らを襲う。兄に対する憧れ、拒絶、理解を経て、ラフィールがようやく掴みかけたものとは? そして、ギガロッシュの向こうへ捨ててきた故郷をもう一度ヴァネッサの民の心に取りもどすために、鍛冶職人の親方ガストンが起こす行動とは? 誇りを持って生きるために必要なものは何かを問う、長編ノベル。 -
明智恭介の奔走
神紅大学ミステリ愛好会会長・明智恭介。小説に登場する探偵に憧れ、事件を求めて名刺を配り歩く彼は、はたしてミステリ小説のような謎に出合えるのか――大学のサークル棟で起きた不可解な盗難騒ぎ、商店街で噂される日常の謎、夏休み直前に起きた試験問題漏洩事件など、書き下ろしを含む全五編を収録。『屍人荘の殺人』以前、助手であり唯一の会員・葉村譲とともに挑んだ知られざる事件を描く、待望の〈明智恭介〉シリーズ第一短編集!/【目次】最初でも最後でもない事件/とある日常の謎について/泥酔肌着引き裂き事件/宗教学試験問題漏洩事件/手紙ばら撒きハイツ事件 -
合本 赤毛のアン・シリーズ 全8巻
日本初の全文訳・訳註付『赤毛のアン』シリーズ全8巻の合本版。 文春文庫版は、本国カナダと同じ順番、同じ内容。 さらに付録として、小説中に引用される英文学と聖書の句、衣食住、植物、時代背景、地理などを解説した訳註(全8巻で合計3000項目以上)、写真、地図、翻訳者・松本侑子氏による解説を収載した決定版。 アンの人生の半世紀を、カナダの19世紀から20世紀の激動の時代とともに描いた大河小説。 <収録書籍と概要> 第1巻『赤毛のアン』 アン誕生~16歳、グリーン・ゲイブルズの少女アン 第2巻『アンの青春』 16~18歳、アヴォンリー村の若き教師 第3巻『アンの愛情』 18~22歳、カナダ本土の大学生、恋と求婚 第4巻『風柳荘のアン』 22~25歳、サマーサイド高校の学校長、婚約時代 第5巻『アンの夢の家』 25~27歳、フォー・ウィンズでの新婚の日々 第6巻『炉辺荘のアン』 34~40歳、グレン・セント・メアリ村で6人の子を育てる母 第7巻『虹の谷のアン』 40~41歳、信頼される村の医師夫人 第8巻『アンの娘リラ』 48~53歳、第一次世界大戦、息子3人が出征、銃後の母 生きる喜び、人を愛する幸せ、誠実に生きる人々を描いた永遠不滅の名作! 20世紀カナダ英語文学として世界的に評価の高いモンゴメリ作品の奥深さ、大人の文学の魅力を、日本初の全文訳で、ぜひお楽しみください。 -
あの夏が飽和する。
青春サスペンスの傑作がついに文庫化。千尋は今度こそ愛する人を守れるのか? 13年前の逃避行を描いたスピンオフ初掲載。人気声優によるプロローグ朗読特典付き。全文朗読付き完全版単行本(紙書籍限定)も同時発売! 青春サスペンスの傑作がついに文庫化。 13年前の逃避行を描いたスピンオフ初掲載。 人気声優〈入野自由×茅野愛衣〉によるプロローグ朗読特典付き。 あの夏、逃避行の果てに、流花は自ら命を絶った。 そして13年後、生き写しの瑠花が現れる。 破滅に向かう瑠花と同級生の武命。 千尋は、十字架を乗りこえて2人を救えるのか? 戦慄の決行日は二学期の始業式。 命を懸けた、ひと夏の闘いが始まる。 -
正岡子規スケッチ帖
「写生は多くモルヒネを飲みて後やる者と思へ」.子規の絵は味わいある描きぶりの奥に気魄が宿る.子規にとって絵を描くことは病床の慰めや楽しみ以上の,生きるよすがであった.最晩年の三か月に描き,『果物帖』『草花帖』『玩具帖』と題してまとめられた画帖をオールカラーで収録.漱石,鼠骨ら,子規の絵をめぐる文章を併載する.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません. -
我々の死者と未来の他者 戦後日本人が失ったもの(インターナショナル新書)
なぜ日本人は、気候変動問題に対する関心が低いのか。そのヒントは司馬遼太郎や村上春樹らの小説、さらに『鬼滅の刃』『虹色のトロツキー』『満州アヘンスクワッド』などの漫画作品にあった。「未来を変えること」と「過去を新たに見出すこと」は別のものではない。両者は同じ対象を二つの側面から眺めたのであり、その視線は緊密に結びついている。哲学から現代思想、文学、サブカルチャーにまで精通する著者が、日本人が切り捨ててきた<我々の死者〉、そして〈未来の他者〉をキーワードに、過去・未来と現在との「分断」の正体を暴く。 -
結城真一郎最新刊『難問の多い料理店』刊行記念小冊子
『#真相をお話しします』で大ブレイクした結城真一郎が2年ぶりに仕掛ける、 笑いあり、驚きあり、そして怖さあり……の摩訶不思議な本格ミステリ、ここに爆誕!! ――どなたもどうかお読みください。決してご遠慮はありません。 こんなミステリを、私たちはずっと待っていた!! ビーバーイーツ配達員として日銭を稼ぐ大学生の「僕」は、注文を受けて向かった怪しげなレストランで、オーナーシェフと出会う。 彼は虚空のような暗い瞳で、「お願いがあるんだけど。報酬は1万円」と、嘘みたいな儲け話を提案し、あろうことか僕はそれに乗ってしまった。 そうして多額の報酬を貰っているうちに、僕はあることに気づく。 どうやらこの店は「ある手法」で探偵業も担っているらしい、と――。 本小冊子は著者インタビューのほか、収録作品の中の一遍「転んでもただでは起きないふわ玉豆苗スープ事件」をお読みいただけます。ぜひDLしてお楽しみください。 -
わたしたちの担うもの
全米100万部の若き桂冠詩人、初の詩集が待望の邦訳 2021年、アメリカ大統領就任式で世界を驚かせた若き桂冠詩人。パンデミックと分断の日々を尖りまくった表現で描き出す、驚愕の作品集が登場。 大統領就任式での『わたしたちの登る丘』の朗読で一躍、現代アメリカ最重要詩人となったアマンダ・ゴーマンの第一作品集。 彼女の詩は苦難の瞬間をとらえ、希望と癒しのリリックに変える。 歴史、言語、アイデンティティをかけめぐり、想像力豊かい、そして親密に、ことばをコラージュし、ときに消去する。 パンデミックの悲嘆をうけとめ、悲痛のときに光をあてる。 彼女はわたしたちの過去からのメッセンジャー、未来への声だ。 -
後宮食医の薬膳帖
暴虐な先帝の死後、帝国・剋の後宮は毒疫に覆われた。毒疫を唯一治療できるのは、特別な食医・慧玲。あらゆる毒を解す白澤一族最後の末裔であり、先帝の廃姫だった。 処刑を免れる代わりに、慧玲は後宮食医として、貴妃達の治療を命じられる。鱗が生える側妃、脚に梅の花が咲く妃嬪……先帝の呪いと恐れられ、典医さえも匙を投げる奇病を次々と治していき――。 だが、謎めいた美貌の風水師・鴆との出会いから、慧玲は不審な最期を遂げた父の死の真相に迫ることに。 ◆◆◆登場人物◆◆◆ 【慧玲(フェイリン)】 暴虐を尽くした先帝の廃姫であり、毒を熟知する白澤一族の叡智を受け継ぐ最後の末裔。助命と引き換えに、皇帝から毒疫の治療を命じられる。 【鴆(ヂェン)】 怪しげな翳をもつ美貌の青年。宮廷で活躍する風水師だが、その正体は毒を操る暗殺者。毒の効かない慧玲を気に入り、なにかと揺さぶりをかけてくる。 -
さよならの仕方を教えて
高校2年の樋口悠は久しぶりに登校した教室で転校生の有馬帆花と出会う。隣の席ということもあり仲も深まってきたある日、有間の席であるはずの隣の席にはなぜか幼馴染の水瀬凛が座っていて――。 -
薔薇姫と氷皇子の波乱なる結婚
〈薔薇姫〉と呼ばれる型破りな姫、アンジェリカは庶子ゆえに冷遇されてスラムに追放された。学者である祖父のもと文武両道に育った彼女に、ある日政略結婚の命令が下る。相手は『母殺し』と畏怖される〈氷皇子〉こと、皇国の第一皇子エイベル。しかし実際の彼は、無愛想だが心優しい美青年で――!? 皇帝が病に伏し国が揺らぐ中、第一皇位継承権を持つエイベルを陥れようと暗躍する貴族たち。孤独な彼の事情を知ったアンジェリカは、力を合わせ華麗なる逆転を狙う! 【登場人物紹介】 ◇アンジェリカ 近年台頭してきた北の強国、ノルグレン王国の亡き前王の娘。 腹違いの姉である女王の命令により、無理やり政略結婚させられた。祖父は高名な政治経済学者。 ◇エイベル 半ば没落した南の大国、マグナフォート皇国の第一皇子。 『母殺し』と恐れられているが、実際は心優しい青年。とある事情で皇子宮に蟄居している。 -
猟奇の贄
とある犯罪組織に対抗するために設立された特殊情報管理室。そこに配属された桜庭有彩には特殊能力があった。その能力を使うことで事件解決の糸口を見つけるが、数々の猟奇的な事件に巻き込まれることになり――。 -
【合本版】ヒーローズ(株)!!!
「なーんの面白味もない人生やったなあ」――病床にある祖父の言葉が頭から離れないコンビニ店員の修司・26歳は、ある日、借りのある同僚から『ヒーローはキミだ!』という胡散臭い求人広告のアルバイトを持ちかけられた。しぶしぶ指定された場所へ向かうとあったのは、今にも崩れ落ちそうな雑居ビル。そこの会社にいたのは、初老の紳士、ホストのようなチャラ男、そしてよくわからない話をする恰幅の良い社長。いきなり任された仕事は、今をときめく人気漫画家の“お守り”? 読んだ後はきっと元気になれる、著者会心の人生応援ストーリー第2弾!全4巻の合本版で登場! ※本電子書籍は、『ヒーローズ(株)!!!』全4巻を1冊にまとめた合本版です。 -
幻想と怪奇 不思議な本棚 ショートショート・カーニヴァル
ようこそ、物語のカーニヴァルへ。 本書では、ごく短い物語を、数多く集めました。 寄稿者各氏には、短いこととは別に、もうひとつお願いをしました。 「本について、または本のある場所についての物語を書いてください」 そして、二十七名の作家による短い物語が、この一本の本棚に収まりました。あなたが今いるのは、その不思議な本棚の前なのです。 どうぞごゆっくりお楽しみください。 (1行アキ) 第二回『幻想と怪奇』ショートショート・コンテスト入選作品を収録。全編書き下ろしの別冊『幻想と怪奇』を、ここに再び。 【収録作家(五十音順)】 相川英輔/朝松健/芦辺拓/飛鳥部勝則/荒居蘭/石神茉莉/石原三日月/井上雅彦/植草昌実/江坂遊/織守きょうや/粕谷知世/勝山海百合/菊地秀行/北原尚彦/坂崎かおる/澤村伊智/斜線堂有紀/高井信/高野史緒/立原透耶/西崎憲/西聖/深田亨/三津田信三/木犀あこ/森青花 -
ミルキー杉山のあなたも名探偵26 おくれてきた名探偵
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「まにあわないはずなのに」、「ムッシュと密室のなぞ」、「ストーカーをさがせ」の3つの事件を収録しています。 「まにあわないはずなのに」では、高級時計店から逃げた強盗・トーイボーイをつかまえるため、ミルキーとともこが電車に乗って手がかりをさがします。「ムッシュと密室のなぞ」では、ミルキーの天敵・怪盗ムッシュが登場。猫神さん夫妻の家にある名画を、またまた守りとおせるでしょうか。「ストーカーをさがせ」では、うぬぼれやのアイドル・紅井ばらひこからストーカーさがしを頼まれますが、犯人の正体はいったい? 「事件編」をよく読めば、ミルキーより先に事件を解決できるかもしれません。「解答編」はそのあとにどうぞ! どの巻から読んでも楽しめる、小学校で大人気の謎解きシリーズです。 -
なまけ侍 佐々木景久
北陸の小藩・御辻藩(みつじはん)の藩士、佐々木景久(ささきかげひさ)。人並外れた力を持つ彼は、自分が人に害をなすことを恐れるあまり、世に背を向けて生きていた。だが、あるとき竹馬の友、池尾彦三郎(いけのおひこさぶろう)が窮地に陥る。父の代から確執がある後藤左馬之助(ごとうさまのすけ)が、彼との決闘を望んだのだ。左馬之助は一流の剣客。一方、彦三郎は剣の腕がからきしで、立ち合えば命はない。景久は友を救うべく、己の生きざまを捨て、決闘に割って入ることにした。勝算はある。彼は生来の剛力だけでなく、師から秘剣・梅明かりを授けられており―― -
あの日うまくいってほしかった恋がうまくいかなくて正解だったと思える日が必ずくるから。
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 つらい恋に悩み続けているあなたへ贈る、心にそっと寄り添う89の言葉。 ・ひとりで寂しい夜に ・不安に押しつぶされそうな時に ・恋人を信じられなくなった時に ・一歩踏み出す勇気がほしい時に ・過去の恋を忘れられない人に Xフォロワー数18万人の人気恋愛心理カウンセラー・ひでまる、待望の初詩集。 Xで発表され、多くの人の心に響いた言葉たちに加え、本書のための書き下ろしも収録しました。 つらい時に、前に進みたい時に、何度も読み返したい一冊です。 写真は、SNSで注目を集める紡季(@tsumugi_pt999)が撮影。 【プロフィール】 ひでまる 恋愛心理カウンセラー 1985年生まれ。福岡県出身。 大学卒業後、教育機関にて働きながら心理学について関心を深める。 その後、心と恋愛について研究を重ねて独自の恋愛論を確立し、恋愛心理カウンセラーとして独立。 X(旧Twitter)にて恋愛と人生について投稿した言葉が多くの人の心を掴み、フォロワーは18万人を超える。現在は執筆、カウンセリングなどを中心に活動中。 著書に、『なぜなら、それが「好き」ということだから。』(大和出版)がある。 -
フルトラッキング・プリンセサイザ
選考会で激賞された第5回ことばと新人賞受賞作「フルトラッキング・プリンセサイザ」ほか、一年後をつづった「メンブレン・プロンプタ」、うつヰの学生時代を描いた「チェンジインボイス」を収録。 VRにAI、最新のテクノロジーを題材としながら、読後には人肌のような温みが残る。 読者はきっと、作中人物たちに対して抱く自分の優しさに驚くだろう。それは視点やナラティブがつくり出す仮想現実的な効果であり、それこそが作者が小説に持ち込んだテクノロジーなのだ。(滝口悠生) 情報と身体、科学と物語がますます複雑に交差し、いま「感覚の大気」が変動している。行方がわからないその変動を、この小説家は、現時点で生け捕りにしているかのようだ。(千葉雅也) 映像や3DCGを扱う制作プロダクションに勤めるうつヰの一日は長い。今夜バスタオルで体を拭くのを忘れないようメモするアプリケーションには何が最適か。部長の言うユーキューは「有給」なのか「有休」なのか?仕事を終えると「プリンセサイザ」にログインする。京王線沿線の各駅に配置された王女たちと、仮想空間システムを渡り歩けるソーシャルVRの中で交流するのだ。選考会で激賞された第5回ことばと新人賞受賞作「フルトラッキング・プリンセサイザ」ほか、一年後をつづった「メンブレン・プロンプタ」、うつヰの学生時代を描いた「チェンジインボイス」を収録。 【目次】 もくじ フルトラッキング・プリンセサイザ チェンジインボイス メンブレン・プロンプタ 【著者】 池谷和浩 1979年6月生まれ。栃木県立宇都宮高等学校卒。筑波大学日本語・日本文化学類卒。東京都在住、会社員。現職はデジタルハリウッド株式会社の執行役員として大学事業を統括。「フルトラッキング・プリンセサイザ」で第5回ことばと新人賞を受賞。 -
イノベーションのための超・直感力
イノベーションに天才はいらない。 必要なのは、ビジネスの常識、固定観念、前例にとらわれた 「直感」を研ぎ澄まし、アップデートすることである――。 アイデアを自由に募る → × 早めに権限委譲する → × 競合の多い市場は避ける → × スタートアップや大企業の新規事業においてイノベーションを成功させるプロセスには、 数々の落とし穴がある。 「リサーチしたら他社で類似アイデアが見つかったので、この案は不採用」「プロトタイプの精度は重要だから何度でも調整しよう」「マイクロマネジメントは現場の士気を下げるから早めに権限移譲を」――これらは一見、正しいように見えて実は新規事業開発にブレーキをかけることにつながる行動だ。とりわけ、重要な意思決定とは思わずに無意識で行ったことが、罠への誘導であることも少なくない。 無意識の意思決定とは直感(習慣や経験による行動)と言い換えることもできる。 本書では、アイデアからPSF、ビジネスモデル開発、PMF、出口戦略、サポート部隊まで、 実際のスタートアップ・プロセスに沿って「直感の罠」を徹底解剖、イノベーションという、 超難問への実践的な取り組み方を紹介する。 クレイトン・クリステンセンのInnosight社パートナーが放つ スタートアップ/新規事業開発の超実践的解説書。 -
朴さんと吉田さん
森達也氏推薦! 少数者に対して無慈悲な国家と冷酷な集団。 ここに描かれるのはまさしく現在のこの国のメタファーだ。 話題必至、超近未来ディストピア小説――この馬鹿馬鹿しくも空恐ろしい物語は、どのような結末を迎えるのか? あなたの国家観が試される?! 東京オリンピックが2020年に何事もなく成功裏に幕を閉じた後、日本とロシアは国境の領有を指相撲の勝敗で決める平和の祭典を開催した。8年後、今また韓国と日本の間で平和の祭典が開催される。 戦うのはアスリートではない。韓国の代表選手に選ばれたのは、幼少期に共和国へ渡った在日コリアンで、後に脱北した朴光雄。日本代表選手は、両親が中部アフリカからの難民である、日本生まれの吉田ユニス。 それぞれに事情を抱え、国家に翻弄される難民であり移民でもある二つの家族が、押し寄せる現実の荒波の先に見たものとは? 本書の映画化も当然期待できる。 -
埃だらけのすももを売ればよい ロシア銀の時代の女性詩人たち
詩集とはある世界観の具現であった 詩集とはある世界観の具現であった ロシア文学におとずれた興隆期「銀の時代」(1890~1920年代)。 ロシアの古書店で著者がたまたま見つけた詩集を手がかりにして、100年前の忘れられた15人の女性詩人たちのことばを一つずつ拾い上げる。 「web侃づめ」の好評連載が書き下ろしを加えて書籍化! 『女の子たちと公的機関』が増刷を重ねる著者による珠玉のエッセイ集。 「鮮烈である。もう埋もれさせはしない。忘れ去られ、あるいは神秘化された女性詩人たちの生き様と詩作を掬い出すかのようなこの本は、そんな祈りにも思える。」━━━━━水上文さん 【登場する詩人】 アンナ・アフマートワ/リジヤ・ジノヴィエワ=アンニバル/ジナイーダ・ギッピウス/チェルビナ・デ・ガブリアック/ソフィア・パルノーク 【目次】 【目次】 まえがき 1 遠い異国を見つめて アデリーナ・アダーリス 2 もっとも忘れられた詩人 マリア・モラフスカヤ 3 戦争と詩を書くこと アンナ・アフマートワ 4 詩は私の祈りである ジナイーダ・ギッピウス 5 二つの魂を生きて チェルビナ・デ・ガブリアック 6 私の身体は私のもの マリア・シカプスカヤ 7 誰も見ぬ涙を詩にして リュボーフィ・コプィローワ 8 風そよぐ音にも世界は宿り エレーナ・グロー 9 「女の言語」を創出せよ ナデージュダ・ブロムレイ 10 昼の太陽と幸福と、そして夜の闇と テフィ 11 すべての詩は啓示となる アデライーダ・ゲルツィク 12 わが歌は私が死んでも朝焼けに響く ガリーナ・ガーリナ 13 テクストの彼岸にいる私 リジヤ・ジノヴィエワ=アンニバル 14 ロシアのサッフォーと呼ばれて ソフィア・パルノーク 15 私は最期のときも詩人である マリーナ・ツヴェターエワ 「銀の時代」主要人物 参考文献 あとがき 【著者】 高柳聡子 1967年福岡県生まれ。ロシア文学者、翻訳者。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。おもにロシア語圏の女性文学とフェミニズム史を研究中。著書に『ロシアの女性誌━━時代を映す女たち』、訳書にイリヤ・チラーキ『集中治療室の手紙』、ローラ・ベロイワン「濃縮闇━━コンデンス」など。2023年にロシアのフェミニスト詩人で反戦活動家のダリア・セレンコ『女の子たちと公的機関 ロシアのフェミニストが目覚めるとき』の翻訳を刊行。 -
死んでから俺にはいろんなことがあった
俺はただ家に帰りたいだけなのに、それがそんなにおかしいか? ポルトガルの作家が移民の置かれた立場の悲哀を不条理かつユーモラスに描く傑作長編。 郵便配達をしていた俺は故郷の「くに」から逃げてきた。妻のカルラと幼い息子とともに「島」で不法滞在している。買い物をした帰りに乗っていた地下鉄が故障で止まってしまい、右も左もわからない場所で降ろされてしまった一家。なんとか家にたどり着こうとあれこれ画策するが、やることなすことすべてが裏目に出て━━。周囲から存在を認められず、無視され続ける移民の親子は、果たしてどうなるのか? 【目次】 ツキを呼び込む やりすぎだよ コソボチームのシャツ むしゃぶりつきたくなる 神さまの大間違い 偽りの思い出 幻ってやつは 自分で自分を刺す 好きで自分勝手になったわけじゃない 俺たちの四十キロ 訳者あとがき 【著者】 リカルド・アドルフォ 1974年にアンゴラに生まれるが、アンゴラの独立により幼少時にポルトガルに帰国。2003年に短編集『すべてのチョリソーは焼くためにある』でデビュー。初長編『ミゼー』はポルトガルでベストセラーとなる。『東京は地球より遠く』では日本で働く外国人のサラリーマンの目から見たおかしな日本の日常を描いた。同書からは2019年刊の『ポルトガル短篇小説傑作選 よみがえるルーススの声』に3篇が収録されている。ドラマや映画の脚本の執筆や絵本も発表するほか、広告界でも国際的に活躍している。2012年より東京に在住。 木下眞穂 上智大学ポルトガル語学科卒。ポルトガル語翻訳家。訳書に『ブリーダ』(パウロ・コエーリョ)、『忘却についての一般論』(ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ)、『エルサレム』(ゴンサロ・M・タヴァレス)、『象の旅』(ジョゼ・サラマーゴ)など。『ガルヴェイアスの犬』(ジョゼ・ルイス・ペイショット)で2019年に第5回日本翻訳大賞を受賞。 -
イノベーションの経済学 「繁栄のパラドクス」に学ぶ巨大市場の創り方
貧困×ジョブ理論=眠れる巨大市場。 これからの時代、真に成長が見込めるのは 買えない/買わない人々の「無消費経済」である―― Appleのジョブズ、Amazonのベゾスらに影響を与えた イノベーションの巨人、最後で最高の著作! ※『繁栄のパラドクス 絶望を希望に変えるイノベーションの経済学』改題・改訂版 ◆中国の家電メーカーはなぜ世界の電子レンジ市場の40%を占めるまで成長したのか? ◆社員5人のスタートアップは、いかにしてゼロからモバイル通信網をアフリカ各国に普及させ 34億ドル規模の会社になったのか? ◆ソニー、トヨタはどのように「無消費経済」から世界的成長を見せたのか? 日本ほか世界各国の事例とともにイノベーションの本質をひも解く、 今こそ読みたいビジネス書のマスターピース! 表面上は望みのない状況に見えても、その裏に、成長の期待できる新市場が控えていることはよくある。この知見は、これまで好機に巡り合ってこなかったイノベーターや起業家にとっても重要だ。消費経済ではなく無消費経済に集中することは、企業の新たな成長エンジンに点火するすばらしい機会になりうる。 電気のない村に暮らすアフリカの約6億人を極貧の指標として見るのではなく、巨大な市場創造の好機として見るべきなのだ。絶望ではなく、イノベーションを招いているのだ、と。 (本文より抜粋) 【クリステンセン教授への日本版特別インタビュー収録】 *本書は、ハーパーコリンズ・ノンフィクションから配信されております『繁栄のパラドクス』の新装改訂版となります。 本編に変更はありませんので、重複購入にご注意ください。 -
サメと救世主
サメに救われた少年には奇跡の力が宿りはじめる。これは真実か、ただのイカサマか? ハワイで生まれ育った注目の作家によるデビュー長編! はじまりは1995年。ハワイ島に暮らすフローレス家は、「豊かな」生活を求めて、オアフ島を目指す。そのさなか、息子のナイノアが海に落ち、サメによって助けだされる。サメに救われた少年には、奇跡の力が宿りはじめる。これは真実か、あるいはただのイカサマか? こうして家族の未来は大きなうねりに巻きこまれる。時を2000年以後に移して、描きだされるのは、楽園ではないハワイ。それは現代の豊かさをめぐるアメリカの矛盾、世界の矛盾を映しだす場だ。ほんとうの「豊かさ」とは何か━━。 ハワイとアメリカ本土(メインランド)を舞台に、ある一家の波乱にみちた運命がつづられる。バラク・オバマのベストブックリスト(2020年版)にも選ばれた、ハワイで生まれ育った作家による渾身のデビュー長編。 明かされる真実へと、ぐいぐい引きこまれろ。ウォッシュバーンはとてつもなく優れた新時代の書き手だ。この長大な家族の物語は、サメの牙のようにするどい。ページははじけて火花を散らす、そして、君をすっかり変えてしまう。 ━━━━━トミー・オレンジ(『ゼアゼア』) 【目次】 第一部 救われる 第二部 昇る 第三部 壊れる 第四部 よみがえる 謝辞 訳者あとがき 【著者】 カワイ・ストロング・ウォッシュバーン ハワイ島のハマクアコーストに生まれ育つ。2020年出版の『サメと救世主』により、PEN/Hemingway Award for Debut NovelとMinnesota Book Awardを2021年に受賞。現在は、ミネアポリス在住。 日野原慶 大東文化大学にてアメリカ文学を教えている。共訳書にモナ・アワド『ファットガールをめぐる13 の物語』、共著に『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』(ともに書肆侃侃房)。 -
読者に憐れみを
『スローターハウス5』『タイタンの妖女』などで知られる戦後アメリカを代表する作家、カート・ヴォネガットの「書くこと」と「人生について」 辛辣で、機知に富み、心優しきニヒリスト、ヒューマニストで、教師としては熱血漢、「書くことは魂を育むこと」を生涯の信条としたヴォネガットの教えを、彼自身の言葉と小説の引用、そして周囲の人々の談話からまとめた、「ヴォネガット流・創作指南+回顧録的文章読本」が生誕100年を記念し、待望の邦訳! 「本書の各所に引用されるヴォネガットの助言を読むうちに、自分にも小説が書けるという気持ちになってくる。それはとても苦しいものであることをヴォネガットが強調してもだ。何度も書き直し、声に出して読み、読者の負担を最低限にするべきことを繰り返し言う。でもしかし、その人にしか語りえないことというものがあるのだ。」 ――円城塔(作家) 本書では、彼の教え子であったマッコーネルによるヴォネガット自身の言葉と実際の作品の引用から、作家としての苦闘や、戦争体験や母親の死など、彼の人生に生涯つきまとった「影」、戦後の時代精神を体現するベストセラー作家となった成功の秘訣のほか、「つねに学び、つねに教えていた」という教師としての素顔が丁寧に分析され、余すところなく説明される。 さらに、文章や物語を書く際に必要な原動力、才能、想像力の飛躍、勤勉さ、反省、ブラックジョークについて、生計を立てること、心身のケア、はたまたコミュニティの重要さにいたるまで、さまざまな角度からユーモアを交えながら真摯に語られる。加えて、物語はどこから生まれるのか、冒頭部の書き方、プロット、登場人物の書き方、耳で聞く文章と目で見る文章の違い、見直しと校閲などのコツとテクニックについても惜しげもなく披露される。その驚くほど実践的なアドバイスは、作家志望者のみならず、文章を書く時に悩んだことのある人、何かの課題と格闘して自分は無能だと感じているすべての人の心に突き刺さるだろう。ヴォネガットの手稿や実際の原稿、メモ書きや、出版社からの手紙なども多数収録した、ヴォネガットファン必見の一冊となっている。 ちょっと風変わりで、だけど読むと書き続ける勇気が湧いてくる、カート・ヴォネガットの教えを一冊にまとめた、創作指南+回顧録の決定版。 -
日常という謎を生きる
ヴァージニア・ウルフと小津にある人間不在の空間とモノへのこだわり、 三島の小説が見せる日常的事物の異貌...。さらに日常性はベケットやマキューアンが示唆するように核の脅威などの20世紀以降の災厄と裏腹でもあるらしい。 独自の視角から日常の「存在論」を試みる。 【主要目次】 断想(序に代えて) 第一部 日常的事物と映画的知覚 第一章 ヴァージニア・ウルフと日常的事物の存在論的知覚 1『ダロウェイ夫人』における死の恐怖と事物への一体化/2日常的事物の存在の生々しさ/3人間不在の空間/4映画的知覚/5結び 第二章 小津安二郎における映画的知覚と日常性 1「枕ショット」における物の前景化と人間不在/2〈現実的なもの〉/〈潜在的なもの〉と映画カメラの本性/3反出来事性・反物語性と日常性/4反出来事性・反物語性と「随筆映画」/5.結び――再びヴァージニア・ウルフの方へ 第二部 三島由紀夫と日常性の問題 概論 三島由紀夫における日常的事物 第一章 「スタア」と現実の転位 1「現実の転位」/2演技と現実/3「スタア」における現実と虚構/結び 第二章 『鏡子の家』論――戦後の虚無と日常性 1 序/2清一郎における日常性の逆説/3収、峻吉、夏雄と日常性/4日常性から日常的事物へ/5結び 第三章 『美しい星』論――核戦争の脅威と日常性 1核と宇宙人――大衆文化史的背景/2核と日常性(一)/3世界の不統一感の問題(一)/4核と日常性(二)/5世界の不統一感の問題(二)/6結び 第三部 破局・トラウマ・日常性 第一章 サミュエル・ベケットの演劇における日常生活と破局 1『勝負の終わり』と核戦争/2『しあわせな日々』とホロコースト/付論 タル・ベーラ『ニーチェの馬』とベケット 第二章 イアン・マキューアン『土曜日』における日常性とテロの記憶 1マキューアンにおける日常性の描写の特質/2『土曜日』における日常と非日常/3.結び――日常性とトラウマ あとがき -
写真文学論
写真がその成立に大きな役割はたしている文学作品――写真文学――とは何かを探求する。ローデンバック『死の都ブリュージュ』、ブルトン『ナジャ』、モディアノ『ドラ・ブリュデール』、デュラス『愛人』、ゼーバルト『アウステルリッツ』などの主要作品からその核心に迫る冒険の書。 【主要目次】 はじめに 序章 写真文学とは何か 1 小説の危機と写真文学の誕生 2 顔の物語 3 言葉のイメージと写真イメージの交点――風景としての人間 4 顔の消滅、顔の出現――写真文学の世界へ 第Ⅰ部 顔、風景、ドキュメント――写真の中の見えないもの 第1章 風景写真の使用法――ジョルジュ・ローデンバック『死の都ブリュージュ』(一八九二) 1 無人の街路――風景写真の使用法 2 写真都市ブリュージュ 3 絵葉書とは何か 4 出現のモチーフ 第2章 肖像写真の使用法――アンドレ・ブルトン『ナジャ』(一九二八、一九六三) 1 肖像写真の使用法Ⅰ――ヒロインの顔を示さないこと 2 「取り乱した証人」 3 肖像写真の使用法Ⅱ――男たちの写真 4 風景写真の使用法――凡庸さの外観、扉としての写真 第3章 ドキュメント写真の使用法――谷崎潤一郎『吉野葛』(一九三一、一九三七) 1 「初音の鼓」――『吉野葛』における写真の使用法 2 虚構の手紙の写真 3 手帳の写真――W・G・ゼーバルト「アンブロース・アーデルヴァルト」をめぐって 4 写真は実物に似ているのか 第Ⅱ部 空白のスクリーン、不在の写真 第4章 戦争の記憶、空白のスクリーン――ジョルジュ・ペレック『Wあるいは子供の頃の思い出』(一九七五)、パトリック・モディアノ『ドラ・ブリュデール』(一九九七) 1 子供の写真――空白の部屋(ペレック『Wあるいは子供の頃の思い出』Ⅰ) 2 偽りの記憶――批評的自伝(ペレック『Wあるいは子供の頃の思い出』Ⅱ) 3 透かし模様のスクリーン(モディアノ『ドラ・ブリュデール』Ⅰ) 4 ドラの顔(モディアノ『ドラ・ブリュデール』Ⅱ) 第5章 不在の写真――マルグリット・デュラス『愛人』(一九八四)、アニー・エルノー『娘の回想』(二〇一六) 1 「絶対の写真」――行為としての写真(デュラス『愛人』Ⅰ) 2 「絶望の写真」――イメージの場所(デュラス『愛人』Ⅱ) 3 撮られなかった写真――エルノーの場合(『娘の回想』) 4 写真が作り出す現実――アニー・エルノー『写真の使用法』 第6章 記憶の想起と写真――W・G・ゼーバルト『アウステルリッツ』(二〇〇一) 1 迷子の写真――主人公の肖像写真 2 リヴァプール・ストリート駅の情景――見えない写真 3 『アウステルリッツ』と『失われた時を求めて』――見出された時と写真の使用法 4 母親の肖像 第Ⅲ部 日常生活と写真 第7章 日常礼讃――ロラン・バルト『ロラン・バルトによるロラン・バルト』(一九七五) 1 伝記素――私的な生活 2 写真と俳句 3 「存在の増幅器」としての写真――ジル・モラ/クロード・ノリ『写真宣言』(一九八二) 4 肖像写真に写らないもの -
水たまりで息をする
ある日、夫が風呂に入らなくなったことに気づいた衣津実(いつみ)。夫は水が臭くて体につくと痒くなると言い、入浴を拒み続ける。彼女はペットボトルの水で体をすすぐように命じるが、そのうち夫は雨が降ると外に出て濡れて帰ってくるように。そんなとき、夫の体臭が職場で話題になっていると義母から聞かされ、「夫婦の問題」だと責められる。夫は退職し、これを機に二人は、夫がこのところ川を求めて足繁く通っていた彼女の郷里に移住する。そして川で水浴びをするのが夫の日課となった。豪雨の日、河川増水の警報を聞いた衣津実は、夫の姿を探すが……。女性が主体として生きていくことの難しさを描いた物語。 -
ミシンと金魚
「カケイさんは、今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」――ある日、ヘルパーのみっちゃんからそう聞かれた“あたし”は、絡まりあう記憶の中から、その来し方を語り始める。母が自分を産んですぐに死んだこと、継母から薪で殴られ続けたこと、犬の大ちゃんが親代わりだったこと、亭主が子どもを置いて蒸発したこと。やがて、生活のために必死にミシンを踏み続ける“あたし”の腹が膨らみだして……。この世に生まれ落ちて、いつの日か死を迎え、この世を去る。誰もが辿るその道を、圧倒的な才能で描き出す! 著者デビュー作にして第45回すばる文学賞受賞作!! -
小江戸・川越 神様のペットカフェ楓庵
【電子版巻末にはゆいあい先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】 会社から給料カットに遭い新しい仕事を探していた美乃里は、謎の男の子・ソラを助けたことがきっかけでカフェ「楓庵」で働くことになる。 そこは、何らかの理由で上手にお別れができない飼い主とペットが訪れる場所。 飼い主とペットは言葉を交わすことができ、お別れの準備が整えば、ペットは天国に送られる。 不思議なカフェでお客様たちを見守りながら、少しずつ仕事にやりがいを見出していく美乃里。 そんな中、彼女自身の心残りにも向き合う時が訪れる――。 大正浪漫のお店が連なる小江戸・川越。 神様がいると噂のペットカフェを覗いてみませんか? -
真夜中のマリオネット
殺した後、一晩かけて遺体をバラバラにする殺人鬼――通称「真夜中の解体魔」。婚約者を殺された救急医の秋穂は、深い悲しみを抱えながらもなんとか職場に復帰をした。そこに運ばれてきたのは、交通事故で重傷を負った美少年・涼介。無事、命を救って手術室を出た秋穂に刑事が告げた。「彼は『真夜中の解体魔』だ」。復讐しようとする秋穂に、涼介は涙ながらに無実を訴え証拠を見せた。秋穂は、ためらいながらも涼介と真犯人を探すことになるが……。涼介は真犯人に操られた哀れな人形(マリオネット)なのか、それとも周囲を操る冷酷な人形遣いなのか。知念実希人が贈る、究極のクライムサスペンス! -
かぎろいの島
エブリスタ×竹書房が推すホラーの頂点 第3回最恐小説大賞受賞作は、孤島の怪奇ミステリ―! 天涯孤独の小説家・津雲佳人の元にある日届いた、伯母を名乗る人物からの手紙。 そこには幼い佳人と、十数年前に自死した若き頃の父の写真が同封されていた。 一度あなたの故郷へ来てほしいという伯母に、 佳人は九州南西部の孤島・陽炎島に渡る。 しかしそこは地元の者も近寄らぬ禁域、異人殺しの伝説が残る忌まわしき島だった。 島では異人の魂を弔う秘密の神事が行われており、 その神事を担うのが佳人の一族・白(つくも)家であるという。 現在は佳人のいとこにあたる、みのり、ハル、セイの3人がそのお役目を果たしている。 父はなぜ幼い佳人を連れて島を出たのか? 母は? 様々な疑念が渦巻く中、島で起きる殺人事件、奇怪な祭り。 犯人は異人の亡霊なのか、それとも……。 閉ざされた島で起きる戦慄の惨劇、ヴァナキュラーな孤島の怪奇ミステリー! 「あそこは異人殺しの島ですよ」 昔、陽炎島に鬼の一族が漂着した。 島民は金品と引き換えに上陸を許し、その夜、歓迎の酒宴を開いた。 宴は異様な盛り上がりを見せ、ついに島民達は酔った勢いで鬼達とまぐわってしまう。 翌朝目を覚まし我に返った島民は、鬼達が眠っている隙に彼らを惨殺し、金銀財宝を奪って死体を山に棄てた。 「その鬼が異人であると?」 「さあ。ただその亡霊が彷徨うんです、今も」 -
ショローの女
新しい生活が始まった。 熊本―東京を行き来するあたしを待つのは、 愛犬(三歳)、植物(八十鉢)、学生たち(数百人)。 ハマる事象、加齢の実状、 一人の寂しさ、そして、自由。 老いの体感をリアルに刻む最新エッセイ。 熱く共感を集めて大好評の 『閉経記』『たそがれてゆく子さん』に続く 〈伊藤比呂美の今〉 週一で早稲田に通勤 こんやくにハマる 熱中症になりかける 鉢植えをどんどん買う 靴が合わない ズンバに行かない 父の寂しさを思う 食べるのがめんどくさい 入浴剤に凝る サンディエゴに帰る オヤジたちに絶望する 『ボヘミアン・ラプソディ』礼讃 高齢者の運転を考える しょうゆ味に回帰 仔猫を拾う LINVEがおもしろすぎる 甘くない食パンが食べたい 姿勢が悪い 不安がひたひたと沁みてくる ロボット掃除機を購入 友人にマスクを送る 空港への道を忘れた 車を買う びんのふたが開けられない 学生とオンライン飲み会 母のコートを着る 譲渡犬のサイトを見る…………本書のエピソードより -
ボーンヤードは語らない
U国A州の空軍基地にある『飛行機の墓場(ボーンヤード)』で、兵士の変死体が発見された。謎めいた死の状況、浮かび上がる軍用機部品の横流し疑惑。空軍少佐のジョンは、士官候補生時代のある心残りから、フラッグスタッフ署の刑事・マリアと漣へ非公式に事件解決への協力を請う。実は引き受けたマリアたちにも、過去に対峙した事件への苦い後悔があった。高校生の漣が遭遇した雪密室の殺人。ハイスクール時代のマリアが挑んだ、雨の夜の墜落事件の謎。そしてバディを組んだ二人が初めて捜査した、緊急通報があった家庭での悲劇の真相は? シリーズ初短編集。/【目次】ボーンヤードは語らない/赤鉛筆は要らない/レッドデビルは知らない/スケープシープは笑わない/解説=香山二三郎 -
あとは司直の判断に委ねます 私設秘書 真野正司
与党議員の政治的スキャンダルを立て続けに暴き、「国会のトマホーク」の異名を持つ衆議院議員・荒岩光輝に憧れた真野正司は、荒岩の私設秘書となる。ある日、地元選挙区に向かう新幹線の喫煙室で、荒岩が若い男とともに死亡。荒岩はロシア諜報機関に協力して情報を集めていたが、ウクライナ侵攻を批判する発言が元で暗殺されたのではないかという噂が広がり、疑問を抱いた真野が調査を進める。すると、新興宗教教団からの怪しい寄付金や総務省が絡む政治資金の不正還付など、さまざまな疑惑が持ち上がる。真野は、学生アルバイトの樽見、ロシア人貿易商イワンと協力して真相に近づいていく。新幹線内での殺人に隠された意外なトリックとは? -
TBS系日曜劇場 アンチヒーロー
2024年4月からTBS系で放送され話題沸騰! 完全オリジナルストーリーをノベライズ! 「殺人犯へ、あなたを無罪にして差し上げます。」 “アンチ”な弁護士は正義か悪かーー 日本の刑事裁判での有罪率は99.9%。 弁護士の明墨(あきずみ)は残りの0.1%を救うどころか、犯罪者である証拠が100%揃っていても無罪を勝ち取る型破りな存在である。 明墨法律事務所に入所した正義感の強い若手弁護士・赤峰は、当初彼の横暴なやり方に面食らい反発する。 しかし同僚の紫ノ宮、白木、青山と事件にあたるうちに、彼には真の目的があるのではと思い始める……。 -
グッド・バッド・ガール
ロンドンのケアホームで暮らす80歳のエディス。ここにエディスを押し込んだ娘クリオとは、当然ながらうまくいっていないものの、介護スタッフで18歳のペイシェンスとは、世代はちがえど友情を築いている。そして、ペイシェンスも、一緒に暮らしていた母親と喧嘩して家出してきた身であった。そんなある日、エディスがホームから失踪。時を同じくして施設の所長の奇妙な死体が発見されて……。冒頭から企みが始まる、母と娘をめぐる傑作サスペンス! 『彼と彼女の衝撃の瞬間』『彼は彼女の顔が見えない』のどんでん返しの女王が見せる新境地!/解説=古山裕樹 -
不連続殺人事件 附・安吾探偵とそのライヴァルたち
それは、「人生最高のゲーム」だった―― 日本の本格ミステリ史上屈指の名作『不連続殺人事件』。その誕生背景には、若き文学者たちが戦時下に行なった伝説の「犯人当て」イベントがあった。 荒正人・大井広介・平野謙ら、坂口安吾の〈ライヴァル探偵〉たちによる貴重な回想・証言と、小説本文を初めて一冊に。 〈解説〉野崎六助 【目次】 [小説] 坂口安吾『不連続殺人事件』 [資料編](※は書籍初収録) 平野謙:平野探偵の手記 大井広介:犯人当て奨励/「現代文学」の悪童たち※ 荒正人:『回想・昭和文学四十年(抄)』 荒正人・江戸川乱歩・大井広介:鼎談・評論家の眼※ 江戸川乱歩:『不連続殺人事件』を評す/坂口安吾の思出 埴谷雄高:遠い記憶から――『不連続殺人事件』/署名本 佐々木基一:「現代文学」回想※ [解説] 野崎六助 -
シルバービュー荘にて
スパイ小説の巨匠の遺作私自身がずっとル・カレに対して抱いていた「なぜ、あの時代の、あの場所を書かないのだろうか」という疑問に応えてくれた感激の一作だ。――真山仁(小説家)「真山メディア」より英国の危機をめぐり、「部(サービス)」と元スパイ、巻き込まれた書店主の運命とは?ロンドンで敏腕トレーダーだったジュリアンは海辺の町で書店主となった。まもなく亡父の友人だというエドワードが現われ、書店の地下室に強い興味を示す。その頃イギリスの情報機関「部(サービス)」で国内保安の責任者を務めるプロクターが、子連れの若い女性に渡された手紙から自国の危機を知り、調査を開始。やがて、その調査はジュリアンの周囲に迫っていく。スパイ小説の巨匠の遺作。あとがき/ニック・コーンウェル -
鑑識写真係リタとうるさい幽霊
幼い頃から幽霊が見えるリタは、その力ゆえに孤立し故郷のナボハ居留地を去った過去を持つ。一方で霊能力は鑑識の仕事に役立つ面も。霊が事件の手がかりを示すことがあるのだ。ある日、自分は殺されたと主張する被害者の霊が現れた。強い力を持つ霊に殺人犯への復讐を強いられたリタは独自調査を行うことに―― -
金融破綻列島
金融庁に潜り込んだ理由はただ一つ。 父の告発を握りつぶした犯人を見つけ出し、必ず復讐する。 日本国債の暴落を図る中国の脅威が増す中、 支援途上の大田原自工に降って湧いた買収計画ーー。 金融庁職員の彩は買収を目論む中国系企業を探りながら、 父の死の真相に迫っていく。 緊張感溢れる ノンストップ 経済ミステリ 金融庁・金融危機対応室に勤める香月彩は、業績悪化の一途を辿る地銀と中小企業のテコ入れを図る一方、父親の死の真相を探っている。 20年前、父は経営していた運送会社の粉飾決算に手を染めていた。良心の呵責に耐えかね告発を試みた父だが、告発文は握りつぶされ自死してしまったのだ。 もみ消した人間は証券取引等監視委員会の中にいる。絶対見つけ出し復讐するーー。 必死に勉強し金融庁に潜り込んだ彩の悲願は、果たして叶うのか。 -
九人のレジェンドと愚か者が一人
26年前、パ・リーグのペナントレースを制した阪和バーバリアンズ。6回2死まで0封された後、満塁ホームラン3本が飛び出して9点差をひっくり返すという史上稀に見る逆転試合をきっかけに、リーグ優勝、そして日本一へと駆け上った。その後の低迷期を経てこの夏、来季の新監督に抜擢されたのは、当時4番を務めた夏川誠だ。大阪毎朝放送がレジェンドと呼ばれたメンバーたちのインタビューと再現試合で構成する特別番組を企画。取材を進める中で、10人目のレジェンドともいえるマネージャーの存在が浮かび上がる。ところが、あの試合中に盗難事件があり、疑われたマネージャーは退団、そののち非業の死を遂げたという……。チーム思いのマネージャーがなぜ盗難を行ったのか? 主要メンバー9人の中に、嘘をついた人物がいるのではないか? そして仲間を裏切った愚か者は誰なのか――。吉川英治文学新人賞作家が贈る、企みに満ちた長編ミステリ。
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