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芥川最晩年の諸作は死を覚悟し、予感しつつ書かれた病的な精神の風景画であり、芸術的完成への欲求と人を戦慄させる鬼気が漲っている。出産、恋愛、芸術、宗教など、自らの最も痛切な問題を珍しく饒舌に語る「河童」、自己の生涯の事件と心情を印象的に綴る「或阿呆の一生」、人生の暗澹さを描いて憂鬱な気魄に満ちた「玄鶴山房」、激しい強迫観念と神経の戦慄に満ちた「歯車」など6編。(解説・吉田精一)
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Posted by ブクログ
「大導寺信輔の半生」(だいどうじしんすけ) 大正十四 年一月 芥川の自書自伝ということ とても、とても興味深いです 本所、牛乳、貧困、学校、本、友だち、、 「玄鶴山房」(げんかくさんぼう) 昭和二年 一、二月 読み進めるうちにぞわぞわぞくぞく、、山房内の物理的には狭い空間での出来事。しかし内部の人...続きを読む間の仄暗い思いがどこまでも這うように広がっていくかんじがする。 解説によると、これは“念には念を入れた、まったく用意周到な、細工のこまかい、小説である”と。 「蜃気楼」 昭和二年 三月 文庫解説より“芥川がもっとも自信をもった作品であり、(中略)全篇無気味な美しさから成立っている。” 「河童」 昭和二年 三月 kappa memo 医者 チャック 漁師 バッグ 最初に見かけた 硝子会社の社長 ゲエル 資本家 学生 ラップ 詩人 トック 超人倶楽部 哲学者 マッグ 超人倶楽部 作曲家 クラバック 超人倶楽部 裁判官 ペップ 政治家 ロッペ クオラックス党 新聞社社長 クイクイ プウ・フウ新聞 音楽家 ロック 元郵便配達員 グルック 万年筆を盗んだ 長老 これは何度読んでも傑作。大好き 「或阿呆の一生」 昭和二年 十月(死後発表) ほぼ遺書なんだろうけどもう死の淵にもう両足を突っ込んでいるであろう闇 「歯車」 昭和二年 十月(死後発表) 未読、、、また別の機会に読む
書物には良薬と劇薬があるというけれど、これは後者である。「羅生門」の文体を想定して読み進めたら痛い目を見た。 個人的には、最晩年の作品はかなり好み。理知の枠から漏れ出す激情と不安が作品全体を包む。故に小説は小説の形を保っておらず、むしろ詩に近い印象を抱かせる。 一度読んだくらいでは味わいきれないくら...続きを読むい深い作品。
怖くて怖くて悪寒を感じながら読んだ 私が今まで知っていた作者とは違う それでも惹きつけられる世界観に 次々とページをめくってしまう 心が軋む音が聴えそうな1冊
表題作と「大導寺信輔の半生」が良かったです。芥川は教科書以来触れるのは初めてでしたが、とても面白かった。
4.0/5.0 世の中を見つめる冷めた視線や皮肉っぽい視点が全編に貫かれているように感じた。 生きることに対する絶望や、恐怖、やるせなさ等々晩年に芥川が抱えていた苦痛がひしひしと伝わってくる。 明らかに死を意識して書かれたであろう『或阿呆の一生』や『歯車』、当時の日本社会に対する皮肉や捩れを異世界...続きを読むを通して描いた『河童』 自らに対する嫌悪感や劣等感の捌け口として文学に頼っていたことが伺える箇所が多く、勝手に親近感を感じたりもした。
河童の出産のシーンが最高でした。 カワウソとの戦争はアニメーションで見てみたい。 きっと可愛いから。
最晩年の短編集。幻覚を見、狂気の中に書かれたと思われる「歯車」では、発狂寸前の内面の描写と、ギリギリのところで社会と接している「彼」の描写とが、明確な境界を持たずに迫ってくる。まるで、自分の狂気を原稿に絞り出す様子のパラレルを思わせる。そして、ギリギリで保たれていた正気が力尽きていく最後は、理由は分...続きを読むからないが引き込まれるものがある。
タイトル作「河童」 芥川晩年の作品。生活やお金、宗教、芸術などに関する芥川の考えが記されているような作品。河童の設定が絶妙に近未来的でとてもSFチック。職工屠殺法の部分が衝撃で印象的。
全体的に暗いがどこか共感できてしまう静寂感に包まれた本。 遺作になることを分かっていたんだろうなと思う。
芥川龍之介、最晩年の作品集。 「大導寺信輔の半生」という、冒頭の小説の書出しが好きだ。自叙伝的なものだと思うのだが、「大導寺信輔の生まれたのは本所の回向院の近所だった。彼の記憶に残っているものに美しい町は一つもなかった。…」で始まり、生まれた辺りには、穴蔵大工や古道具屋や泥濘や大溝ばかりで美しい...続きを読むものが何もなかったにもかかわらず、信輔は物心ついた時からその町を愛していたこと、毎朝、父親と家の近所へ散歩に行ったことが幸福だったことが書かれている。 美しくないと断言しているのに、幼い時から愛着を持った町は、回想することが美しい。映画の回想シーンのように、淡い光に包まれている感じがする。 標題作の一つ、「河童」は登山中に河童を発見し、追いかけた所、河童の国に迷い混んだ男の話。目が覚めると河童の医者が彼を診察しており、以外にも彼は河童の国で好待遇で歓迎される。河童の国にも医者も社長も技術者や詩人も音楽家も哲学者もいる。人間の暮らしと殆ど変わらないのだが、河童の国では、雌が気にいった雄を見るとなりふり構わず、追いかけて飛びつくことなど、人間と異なる部分もある。 人間より技術が進んでいるので、次々新しい機械が発明され、工場の生産が上がると要らなくなった労働者は解雇されるどころか、殺され、食肉にされてしまうなど、残酷だが河童からすると「合理的」らしい面もある。解説にスウィフトの「ガリバー旅行記」のようなジャンルに属する作品らしいが、なるほど、異世界から人間界を風刺、批判しているような作品である。芥川龍之介という人はこういう作品も書いていたのだ。面白かった。 「或阿呆の一生」は多分死を決意し、作品を友人の久米正雄氏に託している。自叙伝みたいなものらしいが、詩的で私には分かりにくかった。 短い生涯だったが、年代によって作品の色が随分変わったいるのだろう。今度は若い時の作品を読もう。
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