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Posted by ブクログ
「大導寺信輔の半生」(だいどうじしんすけ)
大正十四 年一月
芥川の自書自伝ということ
とても、とても興味深いです
本所、牛乳、貧困、学校、本、友だち、、
「玄鶴山房」(げんかくさんぼう)
昭和二年 一、二月
読み進めるうちにぞわぞわぞくぞく、、山房内の物理的には狭い空間での出来事。しかし内部の人間の仄暗い思いがどこまでも這うように広がっていくかんじがする。
解説によると、これは“念には念を入れた、まったく用意周到な、細工のこまかい、小説である”と。
「蜃気楼」
昭和二年 三月
文庫解説より“芥川がもっとも自信をもった作品であり、(中略)全篇無気味な美しさから成立っている。”
「河童」
昭和二年 三月
kappa memo
医者 チャック
漁師 バッグ 最初に見かけた
硝子会社の社長 ゲエル 資本家
学生 ラップ
詩人 トック 超人倶楽部
哲学者 マッグ 超人倶楽部
作曲家 クラバック 超人倶楽部
裁判官 ペップ
政治家 ロッペ クオラックス党
新聞社社長 クイクイ プウ・フウ新聞
音楽家 ロック
元郵便配達員 グルック 万年筆を盗んだ
長老
これは何度読んでも傑作。大好き
「或阿呆の一生」
昭和二年 十月(死後発表)
ほぼ遺書なんだろうけどもう死の淵にもう両足を突っ込んでいるであろう闇
「歯車」
昭和二年 十月(死後発表)
未読、、、また別の機会に読む
Posted by ブクログ
芥川龍之介の晩年の作品集。私小説の様相もあり、芥川が精神的に追い詰められているのがよくわかる。
読み手も心が健康でなければ、持って行かれそうだ。
「河童」は社会風刺が効いて面白い。
お腹の中の胎児にこの世に生まれたいかを聞くなんて発想、思いつかない。生まれたくないと答えたら、あっさり…。容赦無し。芥川は精神疾患の母を持っていたから、そんな思いを抱いていたのかもしれない。
そんなエピソードが満載。残酷でもある。
読み返したら、もっと理解が深まりそう。
そして「歯車」
狂気に満ちて怖い。
歯車とレエン・コートが、死神のようにまとわりつく。苦悩ぶりが、ひしひしと伝わり、最後の一文に衝撃を受ける。これだけ内面を言葉で表現できても心を癒す事ができなかったのが残念でならない。
Posted by ブクログ
芥川龍之介、最晩年の作品集。
「大導寺信輔の半生」という、冒頭の小説の書出しが好きだ。自叙伝的なものだと思うのだが、「大導寺信輔の生まれたのは本所の回向院の近所だった。彼の記憶に残っているものに美しい町は一つもなかった。…」で始まり、生まれた辺りには、穴蔵大工や古道具屋や泥濘や大溝ばかりで美しいものが何もなかったにもかかわらず、信輔は物心ついた時からその町を愛していたこと、毎朝、父親と家の近所へ散歩に行ったことが幸福だったことが書かれている。
美しくないと断言しているのに、幼い時から愛着を持った町は、回想することが美しい。映画の回想シーンのように、淡い光に包まれている感じがする。
標題作の一つ、「河童」は登山中に河童を発見し、追いかけた所、河童の国に迷い混んだ男の話。目が覚めると河童の医者が彼を診察しており、以外にも彼は河童の国で好待遇で歓迎される。河童の国にも医者も社長も技術者や詩人も音楽家も哲学者もいる。人間の暮らしと殆ど変わらないのだが、河童の国では、雌が気にいった雄を見るとなりふり構わず、追いかけて飛びつくことなど、人間と異なる部分もある。
人間より技術が進んでいるので、次々新しい機械が発明され、工場の生産が上がると要らなくなった労働者は解雇されるどころか、殺され、食肉にされてしまうなど、残酷だが河童からすると「合理的」らしい面もある。解説にスウィフトの「ガリバー旅行記」のようなジャンルに属する作品らしいが、なるほど、異世界から人間界を風刺、批判しているような作品である。芥川龍之介という人はこういう作品も書いていたのだ。面白かった。
「或阿呆の一生」は多分死を決意し、作品を友人の久米正雄氏に託している。自叙伝みたいなものらしいが、詩的で私には分かりにくかった。
短い生涯だったが、年代によって作品の色が随分変わったいるのだろう。今度は若い時の作品を読もう。
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