国内小説作品一覧

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  • 前夜
    3.3
    1巻1,980円 (税込)
    〈蛭鬼〉の血が目覚める条件は、本当の恋に落ちること。〈蛭鬼〉になれば人として死に吸血鬼として復活する――。密室の別荘で、若き映画スター・比留間稔流が殺された。稔流は弟の真斗に、自分たちは〈蛭鬼〉の血統だと言っていた。真斗は、稔流の復活を信じて、謎を探っていく。本当の恋を求めながら――。犯人は誰なのか、兄弟は真に〈蛭鬼〉の血統なのか。本格ミステリ、幻想小説、青春小説の要素を融合した力作長編。
  • 夜想曲……別れ
    -
    1巻1,980円 (税込)
    長く勤めた大学の職を離れ、専業作家になった直後、突然の病魔が作家を襲う。不自由な身体が、次第に穏やかだった作家の心を蝕む。妻は、悩み、苦しみ、そして生命の尊厳を自問しながら、夫の介護に懸命に努めるのだが(「夜想曲」)。作家・内田康夫の妻でもある著者が、実体験をもとに、夫婦のあり方を問う表題作を始め、老いとともに変貌していく夫婦、家族の姿を描いた短編集!
  • 奇蹟のピアニスト 人生哲学 やがて鐘は鳴る
    3.3
    1巻1,980円 (税込)
    奇蹟のピアニスト、フジコ・ヘミング。幼い頃から才能を発揮し、高く評価されていたにもかかわらず、不遇の時代をすごしてきた天才ピアニスト。1969年、リサイタル直前に風邪で聴力を失い、やむなくすべてのコンサートをキャンセル。その後、耳の治療に専念する傍ら、ピアノ教師として生計を立て、演奏活動を行ってきた。1999年、そんなフジコを取り上げた『フジコ~あるピアニストの軌跡~』(NHK)が放送されたことがきっかけでブレイク。多くの苦難を乗り越えたフジコの演奏は視聴者の魂を揺さぶり、大反響を巻き起こした。ピアノと共に壮絶な人生を歩んできたフジコ。本書では「うまくいかないほうが当たり前」「じぶんらしく生きる」という、偉才ならではの人生観や死生観、生活観に迫った気持ちが軽くなるエッセイです。フジコに密着し続けてきた写真家・中嶌英雄氏の貴重写真も多数掲載。
  • ウィーン近郊
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    恐れていたことがとうとう起こった。関空に向かうはずの飛行機に兄は乗らず、四半世紀を暮らしたウィーンで自死を選んだ。報せを受け、葬儀とさまざまな手続きのために渡墺した妹。彼女に寄り添う、兄の同僚、教会の女性たち、そして大使館の領事。居場所を探し、孤独を抱えながら生きたある生涯を鎮魂を込めて描きだす中篇小説。
  • 田中家の三十二万石
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    「あんなしょうもない男が大名になれたのも、戦国というおかしな世の中のせいでござろうて」十六の歳に貧しい百姓から地元武将の小者となり、初めての禄は三石。しかし運と度胸に冷静さも併せ持ち、時に痛快に、時に歯を食いしばってついには筑後三十二万石の大名へと出世していく――。圧倒的な迫力の戦闘場面と魅力溢れる人物描写。読む者を惹きつけてやまない、著者の円熟の境地をみせる歴史小説の傑作。
  • 空の轍と大地の雲と
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    自衛官だった伯父に憧れ陸上自衛隊に入隊した道畑直也。自衛隊の現実に幻滅し除隊を決めた直後、東日本大震災が起きる。何も出来ずに除隊した後ろめたさを抱える直也は、かつて伯父と交流のあった風間という男を訪ねて北海道へと向かう。未曾有の大震災で災害派遣に行けなかった元自衛官の成長を描く長編青春小説。
  • ヘルメースの審判
    4.2
    家電商品の発火で死亡事故が発生し、マスコミから経営体質を批判された世界的電気メーカー・ニシハマ。ハーバード大を卒業し、創業一族に婿入りした梶原賢太は政界のフィクサーから、ニシハマが窮地を脱するための極秘計画を持ち掛けられる。それは、モンゴルでの使用済み核燃料の最終処分場建設という、政官財を巻き込む一大プロジェクトだった! 交錯する利権と思惑。賢太はある賭けに打って出るが――。
  • 天下一のへりくつ者
    4.2
    1巻1,980円 (税込)
    天正十八年(一五九〇年)、北条家当主・氏直とその家臣たちは、小田原城にて連日評定を行っていた。天下のほぼ全てを手中におさめた豊臣秀吉率いる二十万の大軍勢に城は囲まれ、北条家の命運は今や風前の灯火。誰もが策を見いだせず諦めかける中、亡き北条氏康の寵臣にして小田原一のへんくつ坊主侍・板部岡江雪は動き出す。舌先一つでコロリと人を動かし、奇縁を生み出し、天下をひっくり返す! 躍動感あふれる圧巻の歴史絵巻!
  • 人生は驚きに充ちている
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    キラびやかな才能を思い切り無駄遣いしてもう50歳。「私の体験した、希有な心霊現象を記す術」を探求する小説、古井由吉氏との文学問答、3・11後の福島で廃墟の声を聴き、コロナ禍で都市封鎖寸前のフランスにて無観客ライブ……多彩な顔を持つミュージシャン/作家が非情の国々を疾走し、世界を脱臼させつつ放つテキストの遊園地!
  • さのよいよい
    3.8
    1巻1,980円 (税込)
    ロケットマンがロス五輪の会場に降り立ち、「未来」が「現実」となった一九八四年の夏、世田谷では僧侶が伴侶を日本刀で斬りつけ、火が放たれ、盆踊りの終わった夜空を真っ赤に染めていた。三十二年前の放火殺人事件を探るうち、わたしは家族の秘めごとやおのれの不甲斐なさを思い知らされる。シリアスで、ちょっと熱めの長篇小説。
  • 昭和を紡いだ東洋一のナイトクラブ 実録 赤坂「ニューラテンクォーター」物語
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    “伝説のクラブ”といわれる「ニューラテンクォーター」が誕生したのは1959年。海外のトップアーティストたちの華麗なるステージと一流のサービスが話題を呼び、芸能界、スポーツ界、財界、政界、そしてヤクザのトップも集まる東洋一の社交場となる。そこで起きた「30年間に及ぶ日本の夜の昭和史」を、同クラブの山本信太郎社長の目を通して語っていく実録小説。力道山刺殺事件の真相から、ホテルニュージャパン火災の真実など、今だからこそ語れるエピソードが満載。
  • 奇跡の村 木頭と柚子と命の物語
    完結
    -
    昭和35年、徳島県の山深き寒村・木頭に赴任した一人の青年農業技師が、村人の暮らしを守るために驚愕の挑戦に着手した。植えっぱなしで見捨てられた杉の密植林を開墾し、柚子の栽培を始めたのである。桃栗三年、柿八年、柚子の大馬鹿十八年と言われるほど困難な事業であった。誰もが白眼視するなか、青年たちは粘り強い説得で少しずつ仲間を増やし、一筋の希望を見事な黄金色の「木頭柚子」というブランドに結実させる。 しかし、一度は明るい未来に手をかけたはずの村人たちを、ダム建設という過酷な現実が容赦なく呑み込んでゆく。そして、村を分断する激しい対立の果てには、予想もしなかった悲劇が待ち受けていた。 過疎高齢化、産業崩壊、自然破壊……四国の美しい自然を舞台に、地方社会の危機的未来を塗り変えようとする人々の営みを描く感動の実話小説。 山奥は“過疎”ではなく“適疎”。 時代の評価軸が回るとき、逆転の扉が開く。 藻谷浩介(地域エコノミスト)
  • 誘拐ファミリー
    3.0
    1巻1,980円 (税込)
    誘拐が七十年続く浅井家の家業。固い絆で結ばれる一家六人だったが、跡目を巡って長兄、次兄が反目しあっていた。家長は決着をつけようと、二人を競わせる課題を出す。それは、ある巨大教団の幹部二人を誘拐し身代金をせしめることだった。この課題が浅井家を二分する争いに発展する――。長編犯罪小説。
  • 霊能者たち
    3.0
    1巻1,980円 (税込)
    霊能者・長谷川裕子は、悩んでいる若い夫婦を紹介された。夫婦の二人の幼い娘たちが車に撥ねられ、姉が亡くなったという。その後生き残った妹が変なことを言い出した。「あたし、鏡に映らない。きっと吸血鬼になったんだ」(「鳥は涙を流さない」)霊を巡るさまざまなトラブルの解決のために、人知れず命まで懸ける霊能師たちの活躍を、ときに優しく、ときにシニカルに、ときにユーモラスに活き活きと描く『霊能ミステリー』登場!
  • テノウチ、ムネノウチ 刀鍛冶として生きること
    -
    1巻1,980円 (税込)
    大学卒業後に就職するも一念発起して刀鍛冶を目指し。長野県坂城町の宮入小左衛門行平氏に弟子入り。だが入門早々破門宣告を受け……。その後再入門を許された著者の五年間の修業時代の裏話や独立時の苦労話、現代の刀剣ブームとその未来を見据えながら、刀剣の世界と刀鍛冶の生き方を綴ったエッセイ集。
  • 小説の神様 3冊合本版
    -
    【2020年10月2日(金)映画公開!】 W主演佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)&橋本環奈 「小説の神様」シリーズ3冊合本版。 小説は、好きですか――? いつか誰かが泣かないですむように、今は君のために物語を綴ろう。 僕は小説の主人公になり得ない人間だ。学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……。 物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。彼女の言う“小説の神様”とは? そして合作の行方は? 書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春! 【収録作品】 『小説の神様』 『小説の神様 あなたを読む物語(上)』 『小説の神様 あなたを読む物語(下)』
  • 食王
    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    大手外食チェーンのオーナー社長・梅森大介は、築地の仲卸「桶増」社長から中古ビルを購入した。麻布の一等地だが裏通りに面し、飲食店は死屍累々の立地だった。そんな悪所を引き受けたのは、かつて銀行に騙され死を覚悟した梅森を、資金援助で救ってくれた社長の大恩に報いるため。とはいえ買ったからには、ここで商売を成功させたい。全社員にアイディアを募るが、しかし反応は皆無だった。次第に梅森の無謀を咎める声も出始めたそんな折、ビルを丸ごと貸してほしいという人物が現われ、梅森の夢もここまでかと思われたが……
  • 私たちの望むものは
    3.3
    1巻1,980円 (税込)
    NYで亡くなった美しい叔母・千波瑠。謎を残した彼女の人生にはたった一つの秘められた恋があった――激しく切ない恋の結末。涙なくして読めない、著者7年ぶりの渾身の恋愛小説!
  • メイドの手帖 最低賃金でトイレを掃除し「書くこと」で自らを救ったシングルマザーの物語
    3.7
    シングルマザーの著者が子供を育てつつ最低賃金のメイド(清掃員)として働き、貧困、社会の偏見、DVを振るう元パートナーや経済的自立を阻む恋人、それら全てが低下させる自己肯定感に苛まれながらも作家になる夢と自らの解放を叶えていく様子を描いた自伝的作品。発売早々全米ベストセラーとなり、オバマ前大統領の2019年推薦図書にも選出。NETFLIXで映像化決定。
  • 新訳『ドラえもん』
    3.8
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 映画『スタンドバイミードラえもん』原作! 2020年8月8日に全国東宝系にて公開されるドラえもん初の3DCG映画『STAND BY MEドラえもん』の「原作本」です。映画脚本のもととなった藤子・F・不二雄先生の『ドラえもん』作品7本を完全収録しています。 「未来の国からはるばると」「たまごの中のしずちゃん」「しずちゃんさようなら」「雪山のロマンス」「のび太の結婚前夜」「さようなら、ドラえもん」「帰ってきたドラえもん」。どれも名作の誉れ高い、読み応え十分な作品ばかり。 各作品の間には、ドラえもんがのび太くんには話せなかったことを文章で綴ります。文章を書くのは映画の宣伝プロデューサー・佐々木宏さん。トヨタ自動車のドラえもんCMを手がけ、ドラえもんの大ファンでもある佐々木さんの思い入れたっぷりの文章も読みごたえ十分です。映画を観た人も、これから観る人も楽しめる一冊です。 ※この作品はカラー版です。
  • 魂の痕(きずあと)
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    在日コリアン一世の父をモデルにした代表作『血と骨』と対をなす済州島にうまれ過酷な結婚から逃げて大坂に渡ったある女の苛烈な半生を描く。梁石日の新たな代表作。
  • コミックス作家 川村リリカ
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    三十歳の美しいコミックス作家・川村リリカと、同い年の敏腕編集者・野崎百合子。「俺」「お前」と呼び合う可憐な二人が、喫茶店で、イタリアンで、カツカレーの店で、新作の打ち合わせをする。「それはそのままタイトルになるね」「なるね。メモしとこう」。物語はどのように生まれるのか。創作の秘密が垣間見える連作集。 〈挿画〉牛久保雅美 【目次】 きみはミステリーだよ いまのような密会の時間 荒野は誘惑する スクランブルド・エッグス二個をかきこむ 苦手なものはありますか 豆腐とケチャップで微笑する 梨を切ろうとしたとき オーガズムと自分の現在 裸でプッタネスカ 青い色にからめ捕られて フレンチフライドポテト 雨のコカコーラ
  • 精神科とは無縁と思っていたあなたが困ったときに精神科を味方につけるための本 こころの病への適切な対応がわかる14の短編小説集
    3.0
    精神疾患とは、精神科医療とはどのようなものか? 本書は豊富な臨床経験を有する4名の精神科医が、自身の経験から構築し書き下ろした短編集である。統合失調症、うつ病、アルコール依存症、認知症など様々な精神疾患の発症から受診、診断・治療、リハビリ、社会復帰に至る過程を14編の小説としてわかりやすく示す。本書はきっと “精神科”のハードルを下げる一助となり、受診の契機や回復への道程を照らす希望の灯となるだろう。
  • 弟は躁うつ病 双極性障害四十年の記録
    4.7
    1巻1,980円 (税込)
    弟が二十歳のときに躁うつ病(双極性障害)を発症。その病がもたらす騒動に、次第に家族が巻き込まれてゆく。兄は、弟の困ったふるまいや次々と引き起こす問題になんとか対処しようと格闘するが、その行方は果たして……? 弟の躁うつ病に巻き込まれた兄による、実話に基づく物語。躁うつ病をもつ弟の長年の経過をたどっていくとき、躁うつ病の実像が浮かび上がってくる。

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  • 乳母車・最後の女 石坂洋次郎傑作短編選
    5.0
    戦後、一世を風靡した大流行作家・石坂洋次郎。小説『青い山脈』は映画化され、1949(昭和24)年に封切られると同時に大ヒットし、その主題歌とともにほとんど戦後民主主義の代名詞と見なされるにいたりました。以後、石坂原作の映画が封切られない年は、1960年代後半までありませんでした。それほどの流行作家だったのです。しかし、70年代に入るやいなや、その流行はあっという間に衰えてしまいました。かつて『青い山脈』を明朗健全であるがゆえに評価し、暗くなりがちな戦後に爽やかな風を送ったとして称賛した読者が、こんどはその明朗健全さに飽きてしまったのでしょうか? いずれにせよ、石坂は「忘れられた作家」のひとりとなりました。しかし、石坂には、明朗健全以上に重要な特徴があると編者の三浦雅士さんは言います。それは「女を主体として描く」という特徴です。主人公と言わずに主体と言うのは、女は主人公であるのみならず、必ず、主体的に男を選び主体的に行動する存在として描かれているからです。女は見られ選ばれる客体である以上に、自ら進んで男を選び、男に結婚を促し、自分自身の事業を展開する主体なのです。明朗健全な爽やかさはこの主体的な女性が結果的に醸し出すのであって、逆ではありません。この特徴に誰も気づかずにいたのは驚くべきこと、「明朗健全なるがゆえに売れっ子となり、またそれゆえに忘れられた作家」などというのがいかに浅薄な見方であったか、いまや思い知るべき時が来たと三浦さんは説きます。かくして選び出された「女性の主体的な生き方の最終的な姿を示してほとんど常識を覆す域に達している」短編9編。いまこそふたたび石坂作品の魅力を多くの読者に知ってほしいとの思いから選ばれた傑作です。
  • リーガルハイ【脚本】
    -
    1~2巻1,980円 (税込)
    ドラマ「リーガル・ハイ」のオリジナル脚本がついに。 負け知らずの毒舌弁護士・古美門研介と、ド真面目ルーキー弁護士・黛真知子が戦う裁判は、天才子役の親権問題、ストーカー、収賄、離婚、日照権、はては公害訴訟まで! 人気脚本家、古沢良太のシナリオシリーズ第3弾、 ヒットドラマのオリジンをお楽しみください。
  • 藁の王
    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    小説家としてデビューしたが著書は一冊だけ、しかも絶版。そんな私が巨大私立大学で創作を教えることになった。だが自身の執筆は行き詰まり、教え子たちも苦悩し隘路へとはまり込んでいく。なぜ私たちは小説を志すのか――自身の経験を元に、文学の迷宮、小説の樹海を彷徨う人々を描いた表題作を初めとした渾身の作品集。
  • 窓の外を見てください
    3.3
    1巻1,980円 (税込)
    江國香織さん、陶酔! 小説風に書くと、“「革新的? 確信犯的? なんといっていいかわからないわ、でも、すみずみまでほんとうにおもしろい」と香織は言った。「小説のなかで何度も発生するのね、小説が」そう続け、「それにしても、きび団子」と感に堪えたように呟いて、「こんな小説、片岡義男にしか絶対に書けないわ」と、幸福そうなためいきをついた”のでした。デビューしたばかりの青年作家・日高は、勝負の2冊目執筆のため、かつて親しかった3人の美女を訪ねようと思い立つ。その間にも、創作の素材となる出会いが次々に舞い込んできて……。小説はどのように発生し、形になるのか。めぐり逢いから生まれる創造の過程を愉しく描く。瑞々しい感性を持つ80歳の“永遠の青年”片岡義男、4年ぶりの最新長篇。
  • ディスタント
    5.0
    1巻1,980円 (税込)
    僕をあなたの部屋に連れていってほしい。そして、あなたと僕、ふたりの写真を撮らせてほしい。まるで、僕たちふたりが恋人同士であるかのような―イメージがつなぎとめる記憶、ポップカルチャーの引用、海の向こうに見た風景…気鋭の現代美術作家が描く、まったく新しい“青春小説”。
  • 崖っぷちパラダイス
    -
    1巻1,980円 (税込)
    崖っぷちの女たちのサバイバル。 ライターの翔子、コーディネイターの恵、カメラマンのルミ、スタイリストの友美。この4人は、女性誌「クワランタ」のフリーランススタッフだ。充実した仕事に追われているうちに約40歳になった4人は、気がつくと人生の崖っぷちに立っている。こじれた不倫、見合いの失敗、昔の男の接近、仕事のトラブル、親の介護、自分の健康。男の謎の失踪や犯罪への関与、はてはスパイ疑惑までが舞い込んで来て、女たちは右往左往する。 アラフォー・シングル・フリーランスの「三重苦」を抱え、それでも必死にサバイバルする女たちと、その周りの少なからず問題のある男たちを描く、笑えて泣ける連作小説。
  • 愉楽にて
    3.6
    美と恋に生きる名家の男たちは、 書物を愛でるように、女と情を交わし、 自由になるために、女から愛を求める。 東京・京都・シンガポールを舞台に、家柄にも資産にも恵まれた50代の男たちが、甘美な情事を重ねていく、その果てに―― 日経朝刊連載時から話題沸騰! 絢爛たる贅沢な官能美の世界を描く傑作長編 大手医薬品メーカー九代目、久坂隆之は53歳。副会長という役職と途方もない額の資産を与えられた素性正しい大金持ちで、シンガポールと東京を行き来し、偏愛する古今東西の書物を愛でるように女と情事を重ねる。スタンフォード留学中に知り合った友人、田口靖彦は老舗製糖会社の三男。子会社社長という飼い殺しの身が、急逝した妻の莫大な遺産により一変。家の軛から自由になるために、女からの愛を求め、京都で運命の出逢いを果たす。時代の波に流されず、優雅で退嬰的な人生をたゆたう男たちが辿り着いたのは――
  • 流砂
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    父は何者だったのか?70代の息子と90代の父親。老いた息子は父の記した奇妙な報告書を見つけた。それは戦前、思想検事だった父親が、「思想犯の保護を巡って」自己の所信を開陳した報告書だった。息子は父の過去にあえて向き合い、己の来し方の輪郭を確かめようとしはじめる……。老いと記憶を巡る小説の冒険。自伝的長編小説。
  • 【改訂新版】 ファンタジーのつくり方 クリエイターのためのファンタジー系統図
    -
    1巻1,980円 (税込)
    ロボット・AI(人工知能)、西洋神秘物語、日本の神話と民話――この3つの系統からジャンルを横断するファンタジーの遺伝子を抽出。その遺伝子を追跡し、アニメ、コミック、映画、小説、ゲームなどにまたがる古今東西の「ファンタジー」作品を系譜化。エンターテインメントの創造に不可欠な知識満載。
  • くわえ煙草とカレーライス
    3.3
    1巻1,980円 (税込)
    昭和の喫茶店に誘われるように出会う男と女、漂う音楽、そして本と珈琲とカレーライス……滝口悠生氏推薦!奇跡のような「日常」がここにはある。片岡義男が贈る、至極の7篇。
  • 名もなき王国
    3.3
    1巻1,980円 (税込)
    「あの時以来、僕は伯母の『王国』の住人でありつづけているのです」 売れない小説家の私が若手作家の集まりで出会った、聡明な青年・澤田瞬。 彼の伯母が、敬愛する幻想小説家・沢渡晶だと知った私は、瞬の数奇な人生と、伯母が隠遁していた古い屋敷を巡る不可思議な物語に魅了されていく。 なぜ、この物語は語られるのか。謎が明かされるラストで、世界は一変する。深い感動が胸を打つ、至高の“愛”の物語。
  • 立原正秋 電子全集1 『冬の旅…水仙』
    -
    強い意志と真率な感情、青春の夢と激情を抱いた若い魂にとって非行とは何かを問う長編。立原初の新聞小説で代表作の一つ。 「冬の旅」美しく優しい母を、義兄修一郎が凌辱しようとした現場を目撃した行助は、母を助けようと誤って修一郎の腿を刺して少年院に送られる……。母への愛惜の念と義兄への復讐を胸に、孤独に満ちた少年院での生活を送る行助を中心に、社会復帰を希う非行少年たちの暖かい友情と苛烈な自己格闘を描き、強い意志と真率な感情、青春の夢と激情を抱いた若い魂にとって非行とは何かを問う長編。無常としかいえない世界で健全な目を持ちながら、どんどん死に惹かれてゆく行助の宿命的な生き方に注目。「冬の旅」は立原初の新聞小説で、1968年5月から1969年4月にかけ「読売新聞」夕刊に連載され評判を呼び、立原正秋の名を一般に広めることとなった作者の代表作のひとつ。他に作者が愛した花・水仙を表題とした自伝的な作品「水仙」と、その続編もいえる「空蝉」。また作者が眠る瑞泉寺(鎌倉十刹の筆頭格。また「花の寺」として知られ、特に水仙の花の名所である)が作中に登場する「ちぎれ雲」を収容。 付録として長女・立原幹氏が父の思い出を綴る「東ケ谷山房 残像」など関連エッセイ5作収録。特別寄稿として立原ファンを自認する吉本ばなな氏の「立原正秋と私」を掲載。 ※この作品にはカラー写真が含まれます。
  • 花のお江戸で粗茶一服
    4.3
    1巻1,980円 (税込)
    弓、剣、茶の「三道」を伝える〈坂東巴流〉の嫡男・友衛遊馬、二十歳。 家出先の京都から帰還するも、家元でさえ副業しなければ家族を養えない貧乏流派ゆえ、働き口を探してこいと言われてしまう。 建造が始まったスカイツリーの警備員に収まるが、「あそこの跡継ぎはダメだ」と後ろ指を指され、ガールフレンドとの仲も“行き止まり”。 曲者ぞろいの茶人武人にやりこめられながら、遊馬は自分の進むべき道をぐるぐると探しつづける。
  • さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    愛猫よ君のために戦争を止めたい。しかし私には文学しかない。さぁ、だから文学で戦争を止めるよ。お髭ふくふく毛色白黒垂れ耳の猫神様が語る平和で幸せな猫台所日記に影を落とす戦前。愛・猫・愛・飯・戦・争・反・対ご飯とお薬、憲法守れ!本書は新聞テレビなどより良く報道しております
  • かがみの孤城
    4.8
    1巻1,980円 (税込)
    学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。 輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。 そこにはちょうど“こころ”と似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。 すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。
  • 我らがパラダイス
    3.6
    1巻1,980円 (税込)
    細川邦子(48)は兄・三樹男(53)に憤っている。父・滋(82)の面倒をみるというから、兄夫婦に実家を明け渡したのに、父のぼけがはじまった途端、兄嫁・登喜子(56)が家出をしたというのだ。嫁にガツンと言えない頼りない兄に父を任せるわけにいかない……期せずして、邦子の介護の日々が始まった。 田代朝子(54)は看護師の仕事を辞し、寝たきりの母・チヅ(78)の介護中。そこに、リストラされた弟・慎一(53)が転がり込んできた。職探しもしない弟のために家計は逼迫、朝子は広尾にある高級介護付きマンション「セブンスター・タウン」で働きはじめる。 丹羽さつき(52)はセブンスター・タウンの従業員。80間近の父・貢と、母・ヨシ子はともに元気で、周囲にうらやましがられるほどだったが、父にがんが見つかり、闘病むなしく死去。母の老いもにわかに進み、さつきの平穏な日々は終わりを告げた……。 坂道を転げ落ちるように悪化する父の認知症。より時給のいいパートを探し、セブンスター・タウンで働きはじめた邦子が目にしたのは、入居費8000万円をやすやすと支払い、ホテル並みの施設で悠々と暮らす豊かな老人たち。母を手頃な施設に入れることに決めた朝子も、老いた母と困窮していくさつきも、自らの状況と、セブンスター・タウンの住人たちとの「格差」に愕然とする。いつしか3人は力を合わせ、親を空き部屋に住まわせたり、ぼけた入居者と自分の親をすりかえたり、それぞれの危機を乗り越えるため、一世一代の「計画」を企てる! はたして「貧者の逆転劇」の結末は??
  • 黄金の時刻の滴り
    -
    夢中で読んできた小説家や詩人の生きた時に分け入り、その一人一人の心を創作へと突き動かし、ときに重苦しい沈黙を余儀なくさせてきた思いの根源に迫る十二の物語。それは「黄金の時刻」である現在を生きる喜びを喚起し、あるいは冥府へと下降していく作家の姿を描き出す。永遠の美の探求者が研き上げた典雅な文体で紡ぎ出す、瑞々しい詩情のほとばしる傑作小説集。
  • ひょうすべの国 植民人喰い条約
    -
    1巻1,980円 (税込)
    ひょうすべに支配され、暴力と抑圧が加速する世界で、詩歌は生き延びることができるのか……腐敗した現代社会に亀裂を穿つ、笙野頼子の新たなる地平! 【あらすじ】 「NPOひょうげんがすべて(ひょうすべ)」と「知と感性の野党労働者党(知感野郎)」が政権を握った国・にっほん。そこでは人殺しの〈自由〉、弱者を殴る〈平等〉、餓死と痴漢強姦の偏りなき〈博愛〉がまかり通っていた――。 千葉県S倉市に住む埴輪詩歌は、「指導教授」でもある最愛の祖母・豊子をひょうすべに殺される。母が営む花屋は世界企業に潰され、父は「少女遊郭」に入り浸り死んだ。やむなく詩歌は少女遊郭の「ヤリテ」見習いに入るがたちまち馘、そこで出会った夫も、人喰いの餌食に。時は流れ、権力者からの求愛、世界を揺るがす手紙がもたらされたのだが……詩歌の〈生〉とは何であったのか!?地に堕ちた自由と民主主義を問い直す、予言的物語。
  • わが胸の底のここには
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    私は己れを語ろうと決意した。憎悪すべき己れの過去を。生きようとする生命の火を、情熱を燃え上がらせるために――。終戦直後から五年に亘り執筆した、著者の代表作ともいえる自伝的長編小説を初文庫化。没後50年記念刊行。
  • どまんなか 全3冊合本版
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    松井秀喜氏・江本孟紀氏・桑田真澄氏が推薦! 走りこみも投げこみも禁止。猛特訓よりミーティング重視。そんな超脱力系の大代台高校野球部に入った、快速球投手のレブンこと青居礼文。初めは戸惑うことだらけだったけど、最高の仲間に恵まれて、甲子園も夢じゃなくなってきた! 野球を愛するすべての人たちに捧げたい傑作青春小説全3巻を、ひとつにまとめてお届けします。
  • 河(上) 【小田実全集】
    -
    1~3巻1,980円 (税込)
    日清・日露戦争、大逆事件、富国強兵へと邁進する激動の20世紀初頭の日本で少年主人公・重夫は朝鮮人の父と日本人の母のもとに生まれる。関東大震災で生き別れた父の後を追って母とともに神戸、上海、広州へと移り住む。アジアの独立をもとめてたたかう中国、朝鮮、インドシナの人々、そして彼らを助ける日本人、米国人、アイルランド人など、東アジアの近現代史という「河」に鳴り響く、人間の涙と血と愛がいっぱい詰った未完成交響楽物語。小田文学が到達した六千枚のライフワーク。
  • 帰らざる夏
    4.7
    省治は、時代の要請や陸軍将校の従兄への憧れなどから100人に1人の難関を突破し陸軍幼年学校へ入学する。日々繰返される過酷な修練に耐え、皇国の不滅を信じ、鉄壁の軍国思想を培うが、敗戦。〈聖戦〉を信じた心は引裂かれ玉音放送を否定、大混乱の只中で〈義〉に殉じ自決。戦時下の特異な青春の苦悩を鮮烈に描いた力作長篇。谷崎潤一郎賞受賞。
  • 御命授天纏佐左目谷行
    3.6
    1巻1,980円 (税込)
    摩訶不思議な「異界ツアー」へようこそ。猫の君子・夜見闇君の命を受けて旅に出た「私」はーー。現代版・御伽草紙。動物植物昆虫にこの世あの世が入り乱れる奇妙奇天烈、珍妙な世界を、リズミカルな擬古文調でユーモラスに描き、読者を摩訶不思議な世界へと誘い込む表題作はじめ「かげろう草紙」「行方」を収録。詩人にして野間文芸新人賞作家の新境地傑作!
  • 未刊行小説集
    3.0
    1巻1,980円 (税込)
    「あれ、こんなの書いてたっけ…?」著者自身が驚嘆。『想像ラジオ』以前に執筆された幻の長篇を含む、記憶の空白を埋める小説集。
  • ワールズ・エンド・ガーデン
    -
    1巻1,980円 (税込)
    「いとうせいこうレトロスペクティブ」シリーズ第一弾。 ある日、ムスリム・トーキョーに突如現れた謎の浮浪者。彼は偉大なる予言者なのか? それとも壮大なる詐欺師なのか? 未来を幻視したいとうせいこうの魔術的代表長編。著者自身によるあとがきと新たな解説を加え、ついに復刊。
  • ドン・キホーテの「論争」
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    マスコミVS「純文学」。最前衛の文学的レジスタンス、それは極私的言語の戦闘的保持! 「私はピエロじゃない。私はドン・キホーテ。」はじめに──純文学作家はなぜ怒ったのか
  • ウェスカの結婚式
    5.0
    1巻1,980円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ブリュッセルの王立音楽院に留学している長男が、エレーナというスペインのお嬢さんと、彼女の故郷ウェスカという田舎町で結婚するという。ユーモアとペーソスに満ちた父の心境を描出。
  • 覇権通貨 小説人民元
    4.0
    日本産業銀行の江草は北京支店に赴任した。国策銀行への出資交渉が任務だったが、中国ファンドによる産銀株買い占めの動きもあり、やがて衝撃の「マルコ・ポーロ計画」が発動される・・・。国際化を目論む中国・人民元が目指す野望とは? 中国ビジネスの第一人者が描く、国際派経済小説!
  • 国家とハイエナ
    4.0
    破綻国家の国債を二束三文で買い叩き、欧米で債務国相手に訴訟を起こし、勝訴判決を受けるやタンカーや人工衛星を差し押さえ、投資額の10倍、20倍のリターンをむしり取る「ハイエナ・ファンド」。 狙われた国家は、その強奪的金融手法に対して徹底抗戦しようとするが、権力者たちの既得権益に群がる腐敗体質が手枷足枷となり、なかなか光明を見出せない。 そうしたヘッジファンドのやり口と破綻国家の汚職を防止しようと、国際NGOが動き出した。しかし、肝心のNGOの中からも金に窮してヘッジファンドへ転職するメンバーが出現。 正義と欲望の狭間で、三者はいつしか三つ巴の熾烈な金融バトルを繰り広げ始める。 最後に笑うのは、果たして誰なのか? 「本書に書いてあることはすべて現実に起きたことである。国、企業、団体、政治家、著名アーティストなど、実名になっている箇所や社会的出来事の記述は事実に沿っている」(著者)
  • 【合本版】百鬼夜行とご縁組 全6巻
    値引きあり
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    「このホテルを守るため、僕と結婚してくれませんか」  結婚願望0%、仕事一筋の花籠あやね27歳。上司とのいざこざから、まさかの無職となったあやねを待っていたのは、なんと眉目秀麗な超一流ホテルの御曹司・太白からの“契約結婚”申し込みだった!  しかも彼の正体は、仙台の地を治める大妖怪!? 次々に訪れる妖怪客たちを、あやねは太白と力を合わせて無事おもてなしできるのか――!?  杜の都・仙台で巻き起こる、契約夫婦のホテル奮闘記!全6巻の合本版で登場! ※本電子書籍は、『百鬼夜行とご縁組』全6巻を1冊にまとめた合本版です。
  • 【3冊合本版】新海誠『小説 君の名は。』+『小説 言の葉の庭』+『小説 秒速5センチメートル』 ダ・ヴィンチ新海誠特集付
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    1巻1,940円 (税込)
    記録的な大ヒットとなった映画『君の名は。』の、新海誠監督みずから執筆した原作が『小説 君の名は。』です。 これに、新海監督がこれまでに執筆した小説2作(『小説 言の葉の庭』『小説 秒速5センチメートル』)をセットにし、 さらに新海監督に迫る特集記事(本とコミックの情報誌『ダ・ヴィンチ』より)を加えた合本です。 新海監督の小説世界を一気に味わえる、大ボリュームのセットです。 ※本電子書籍は『小説 君の名は。』『小説 言の葉の庭』『小説 秒速5センチメートル』『ダ・ヴィンチ 2016年9月号特集「新海誠の“言葉”」』の合本版です。
  • 浪漫疾風録/星になれるか(合本)
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    1巻1,936円 (税込)
    翻訳ミステリ雑誌『EQMM』編集長を経て日本におけるハードボイルド小説の先駆者となった直木賞作家の自伝的実名小説。 一九五六~六四年の疾風怒濤の編集者時代を描いた『浪漫疾風録』と、『傷痕の街』でのデビュー後、六四~七八年の綺羅星のような作家たちの交遊を描いた『星になれるか』の合本。 ■目次 ◎『浪漫疾風録』 地獄へようこそ/悪戦苦闘/汗みどろの日々/粋で貧乏で/色やら恋やら/走り出す人々/ミステリ戦国時代/さらば編集者/あとがき ◎『星になれるか』 星になれるか/面白き罪/バンコク有情/ドリアンの謎/モンスターの尻尾/独り砂漠を/甘美なる腐敗/回帰への終章
  • NHK大河ドラマ「いだてん」完全シナリオ集 第1部
    5.0
    1~2巻1,936~2,000円 (税込)
    2019年のNHK大河ドラマ「いだてん」第1部(第1回~24回)のシナリオ集。 「日本マラソンの父」金栗四三編の興奮が蘇る! 「いだてん」は宮藤官九郎氏が、4年近い月日をかけて完成させた大傑作だ。 第1部は、日本人で初めてオリンピックに出場した選手で「日本マラソンの父」と言われる金栗四三の半生を描いている。 同時代に生きた落語家の古今亭志ん生の生き様を織り交ぜながら、日本の明治から昭和のスポーツ史を見事に面白く“物語”に仕立てた。 これができるのは、エンターテインメント界のリーダー、宮藤官九郎しかいないだろう。 スポーツへのリスペクトと、落語に対する愛がぎっしりと詰まった作品だ。 この「完全シナリオ集」は、いわゆる決定稿と言われる役者やスタッフに配られる台本をまとめたものである。 台本は撮影現場で適宜変更されるため、実際放送されたものとの違いを楽しむのも、通にはおすすめ。 通でなくても、シナリオを読むことで、金栗四三の熱量や、若き志ん生の破天荒ぶりに泣いたり笑ったりができる。 そして、じっくりと宮藤氏の天才性を知ることになるだろう。 巻頭にはカラーでドラマの名シーンが、巻末には、豪華なオリジナル企画が3本収録。 中村勘九郎×綾瀬はるか対談/松尾スズキインタビュー/森山未來インタビュー 役者が、宮藤脚本をどう解釈し、どう演じたかが分かり、これも面白い。 何度も読みたくなる作品だ。 *本電子書籍は生田斗真さんの写真を掲載しておりません
  • 宮部みゆき全一冊
    4.1
    1巻1,936円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 未収録エッセイ15本、映画監督や作家との未収録対談、超ロングインタビュー、作家生活&全作品年表、いしいひさいち漫画2本、藤田新策・新潮文庫装画画廊、こより・『この世の春』挿画ギャラリー……など。秘められていた宮部作品のルーツと創作の原点を収録。※当電子版には、朗読CDは付属しておりません。
  • 絵で見る十字軍物語
    3.8
    1巻1,936円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現代にもつながるキリスト教vs.イスラム教、その対立の原点。聖地イェルサレム奪還のための遠征はどう始まり、どう戦われ、どう破綻したのか――。複雑に絡み合う歴史背景をわかりやすく解きほぐし、美しい挿絵とともに壮大な物語へと誘い出す。「ローマ人の物語」に続く待望の新シリーズ「十字軍物語」の第一弾が登場!※当コンテンツはタブレット端末など見開き対応端末での閲覧を推奨いたします。文字拡大、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能はございません。ご了承ください。
  • 歳時記夢幻舞台 24の旅
    -
    1巻1,929円 (税込)
    シークワーサーの台木に、甘い蜜柑の穂木を接ぐ接ぎ木の映像を見た主人公は、幼い頃の生々しい匂いが満ちた混乱の記憶を呼び起こしてしまう「接ぎ木」。 聡子の友だちは14歳になってすぐに病気で亡くなってしまうが、数日後の夕方、誰もいない音楽室から知っているピアノの曲が聞こえて、亡くなった友だちに思いを馳せる「迷鳥(まよいどり)」。 死者に触れてしまったことでしばらくの期間、物忌みの日々を過ごさなければならなかった平安時代の貴公子・在原業平は、その日々を手の先からするりと消える蛍になぞらえた。現代にもまた、儚い思い出から抜け出そうと生きる男がいる「蛍」 などをはじめ、場所も時代も立場も様々な人間模様を、まるで空想と現実が混ざり合ったような不思議な物語として描く珠玉の短編24編を収録。
  • 我拶もん
    3.7
    【第36回小説すばる新人賞受賞作】 寛保二年。大名や旗本の駕籠を担ぐことを生業とする陸尺の桐生は売れっ子として江戸で人気を誇っていた。ある日、芝居小屋の《市村座》で木戸番と陸尺の大乱闘が勃発。相方の龍太が巻き込まれたと知った桐生は仲間の翔次と共に駆けつける。だが龍太は捕えられ、騒ぎを収めようとしたはずの桐生も結託した仲間に裏切り者扱いされ仕事を干されてしまう。暇を持て余していた八月のある日、大雨により江戸で大洪水が発生。桐生は辛うじて生き延びるも商売道具の右腕に大怪我を負い、かつて恋仲であった娘・おみねも目の前で濁流に呑まれてしまう。何もかも失った桐生は《市村座》の騒動を機に知り合った玄蕃頭・有馬頼ユキ(※)に救われ屋敷で世話になることになり、懇ろだった深川芸者の粧香とも再会。一方、頼ユキの近習である坂西小弥太は、主君が桐生を気に入り、また幼い頃から恋心を抱いていた頼ユキの姉・梅渓院までもが執心であることにいら立ちを覚えていた。そして、使い物にならず腐っていた桐生を痛罵し、桐生は有馬家を去るのだが……。※ぎょうにんべんに童
  • 夜露がたり
    3.9
    1巻1,925円 (税込)
    「どいつもこいつも、こけにしやがって」「難儀だね、身内って奴から逃れられないものさ」、追い詰められ女と男は危うい橋を渡ろうとする。「あの場所の生まれでなければ」と呪い、「死んどくれよ」と言葉の礫をぶつけながら、その願いが叶いそうになると惑う。ここに江戸八景の本物がある。「傑作」と呼ぶしかない短篇集。
  • この会社、後継者不在につき
    3.6
    自分が引退しても、我が子のように大切な会社には末永く続いてほしい――経営者の願いも虚しく、中小企業の後継者不足が問題となって久しい。 二人の息子のどちらかに会社を継がせたい、洋菓子店の二代目社長。 社内に目ぼしい人材がいないとボヤく、ワンマンバッグメーカー社長。 社長の急な逝去により外国人オーナーのもとで働くこととなった、刃物メーカー社員。 会社の行く末に三者三様の悩みを抱える人々に、型破りな中小企業診断士・北川は、前代未聞の経営改革案を提示する。 『県庁の星』著者がおくる、痛快お仕事エンタテインメント!
  • ともぐい
    3.7
    1巻1,925円 (税込)
    明治後期の北海道の山で、猟師というより獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男、熊爪。図らずも我が領分を侵した穴持たずの熊、蠱惑的な盲目の少女、ロシアとの戦争に向かってきな臭さを漂わせる時代の変化……すべてが運命を狂わせてゆく。人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる、河﨑流動物文学の最高到達点!!
  • 京都東山邸の小鳥遊先生
    4.7
    京都東山の住宅街に佇む洋館「東山邸」には、年の離れた小鳥遊姉妹――葉月と美沙が暮らす。葉月は人気脚本家だったが、批判を受け、思うように書けないでいた。ある夜、祇園の小料理屋で駆け出し俳優の鈴木英輔の出演ドラマを酷評していると、お忍びで来ていた英輔本人と遭遇。「あなたのヒギンズ教授になってあげる」と啖呵をきった葉月は英輔と京都を舞台に奔走するが事件が起きて…? ラストは胸が一杯になり涙する傑作長編!
  • 幸せの国殺人事件
    3.0
    1巻1,925円 (税込)
    中学一年の薗村海斗は、最近は学校に来なくなってしまっている同級生・桶屋太市、同じく同級生の女子・烏丸未夢と、オンラインゲームを通して交流を深めていた。ある日三人は、廃園になった遊園地≪ハピネスランド≫で撮影されたと思われるある動画を見てしまい、その動画が一体何なのかを突き止めるため、ハピネスランドに侵入することに…。思わぬ方向へ展開していく事件を追いながら、海斗たちは少しずつ真実に近づいていく―。
  • 校庭の迷える大人たち
    3.6
    1巻1,925円 (税込)
    小六の息子・颯太の授業参観で母校を訪れた幹太。学校での颯太の様子を見て、幹太は動揺する。三十年前、自分がこの小学校に転校してきた際の奇妙な出来事を思い出したからだ(「シェルター」)。M小に異動してきた真奈は、給与明細に記された「危険業務手当」に気付く。三年二組のだれかが手のかかる児童らしいのだが――(「危険業務手当」)。保護者、教員、事務職員、PTA、校長――学校に集う大人たちに起きた五つの奇談。
  • 小津安二郎 老いの流儀
    -
    1巻1,925円 (税込)
    『東京物語』『晩春』など数々の傑作を生んだ世界的名監督・小津安二郎。粋と美学に彩られた60年の生涯において貫き通した”流儀”とは? 「古くならないことが、新しいこと」「品行はなおせても、品性はなおらない」「なんでもないことは流行に従う、重大なことは道徳に従う、芸術のことは自分に従う」……小津自身がインタビューや作品で残した60の名言を手がかりに、人生を深く、豊かに味わうための珠玉の一冊。
  • キツネ狩り
    3.6
    1巻1,925円 (税込)
    三年前のバイク事故で右眼を失明した警察官の尾崎冴子は、訪れた事故現場でその一部始終を目撃する。以来、尾崎の右眼は三年前の光景を映すようになった。それを知った署長の深澤は尾崎の信頼する弓削警部補と共に、未解決一家四人殺害事件の再捜査に乗り出すが――選考委員全会一致の第9回新潮ミステリー大賞受賞作。
  • 猫にならって
    3.6
    1巻1,925円 (税込)
    ときには、猫のように生きてみる。 高校生、バーの店員、獣医師……のら猫との出会いと、生命をめぐる8つの物語。 ・病気で臥せっている小学生・芳子の部屋で子猫が4匹生まれた。芳子は小さな子猫チビのことが気がかりで……(「ミー子のおしえ」)。 ・高校を中退し新宿二丁目のゲイバーで働いているエーイチ。ごみ収集を生業にしながら、のら猫をバーの屋上に住まわせている伝説の「エルヴィスさん」と出会い……(「逃げればいい」)。 ・孤独な獣医の湯出。思いがけないトラブルから逮捕されてしまい……(「猫の恩返し」)。 『おれのおばさん』『大きくなる日』『駒音高く』ほか家族小説の名手が描く感動の連作短編集。 ◆目次◆ 第一話 ミー子のおしえ 第二話 やさしく透きとおる 第三話 それぞれのスイッチ 第四話 男の子たち 第五話 エイミー先生 第六話 気になるあのひと 第七話 逃げればいい 第八話 猫の恩返し 装画/とりごえまり
  • 悪と無垢
    3.5
    「逃げなきゃ。この女のそばにいるのは危険すぎる」 新人作家、汐田聖が目にした不倫妻の独白ブログ。ありきたりな内容だったが、そこに登場する「不倫相手の母親」に感情をかき乱される。美しく、それでいて親しみやすさもある完璧な女性。彼女こそ、聖が長年存在を無視され、苦しめられてきた実の母親だった。ある時は遠い異国で、ある時は港の街で。名前も姿さえも偽りながら、無邪気に他人を次々と不幸に陥れる……。果たして彼女の目的は、そして、聖は理解不能の母にどう向き合うのか?
  • 沖縄の離島 路線バスの旅
    5.0
    1巻1,925円 (税込)
    沖縄の離島の路線バスを乗り尽くし、離島を旅する紀行エッセイ。今回、旅するのは路線バスが運行している久米島、宮古島、石垣島、竹富島、西表島、与那国島、座間味島、伊江島、伊平屋島、粟国島、渡嘉敷島。以前、多良間島の路線バスにも乗っている。島民にとって大切な生活の足である路線バスにのんびり揺られながら、変わりゆく沖縄と、変わらない沖縄の日々の営みに思いを馳せる。バス運転手と会話を交わし、食堂で沖縄そばを啜り、民宿に泊まってビールを飲む――そんな離島の旅の心地よさを再発見する1冊。写真や沖縄料理などのコラムも多数収録。
  • ハヤブサ消防団
    4.0
    【2023年夏、TVドラマ化決定!】 ミステリ作家vs連続放火犯 のどかな集落を揺るがす闘い! 東京での暮らしに見切りをつけ、亡き父の故郷であるハヤブサ地区に移り住んだミステリ作家の三馬太郎。地元の人の誘いで居酒屋を訪れた太郎は、消防団に勧誘される。迷った末に入団を決意した太郎だったが、やがてのどかな集落でひそかに進行していた事件の存在を知る───。連続放火事件に隠された真実とは? 地方の小さな町を舞台にした、池井戸作品初の“田園”小説として、「小説すばる」連載中から話題を呼んだ珠玉のミステリ。
  • その殺人、本格ミステリに仕立てます。
    3.8
    1巻1,925円 (税込)
    音更風゛(おとふけぶう)は、ミステリ作家の一家にメイドとして就職した。だが一族は不仲で、兄妹間で殺人計画さえ持ち上がる始末。これを止めるべく、風゛は計画を請け負った男・豺に接触し、彼と「殺人偽装計画」を練るのだが、なんと予想外の人物が殺されてしまい……。死者を出さない“殺人計画” VS. 孤島のクローズドサークル。胸躍るノンストップ・本格ミステリ!
  • 連鎖犯
    3.8
    1巻1,925円 (税込)
    七年前に新潟市内で起きた誘拐事件。凛(中一)と翔(小六)の姉弟が連れ去られるも、二人は無事生還。しかし、過激発言が売りのコメンテーターが二人の母・尚子を批判したことから猛烈な「母親バッシング」が起こり、尚子は廃ビルで転落死してしまう。事件の真相が解決されぬまま月日は流れ、件のコメンテーターが他殺体で発見される。同じ頃、姉弟は引き取られた施設を退所し、置き手紙を残して姿を消していた……。
  • 僕は失くした恋しか歌えない
    3.5
    1巻1,925円 (税込)
    これは、「僕」でなければ見つけられなかった景色、紡げなかった言葉。同級生男子への片思い、出会い系サイトでの冒険、そして人生初の大失恋に家族へのカミングアウト……。胸に湧き起る想いを短歌にしながら、御曹司として生まれた少年が数々の出会いと別れを経て歌人になるまでを描く、瑞々しく切ない自伝的青春小説。
  • 本日も晴天なり 鉄砲同心つつじ暦
    3.8
    時は幕末。江戸城下、大久保の地。長く泰平の世が続き、代々この地を守ってきた鉄砲同心たちは火薬の原料を転用したつつじ栽培の内職に励み、時季には美しい花々を求めて多くの人が集まる江戸名所となっていた。礫家は鉄砲同心の御役に固執する頑固者の老父・徳右衛門、つつじ作りに類まれな才を発揮する息子・丈一郎、物忘れが多くなってきた祖母・登代乃、温和な母・広江、勝気な嫁・みどり、生真面目な孫・市松の六人暮らし。喧嘩も笑いも絶えない一家が大小様々な事件に巻き込まれて――。温かな“お江戸家族小説”。
  • 象牛
    3.5
    1巻1,925円 (税込)
    自分を弄んだ男性教師を追ってたどり着いたインド・ガンジス河岸の聖地。傷心の女子大生は、ここでも「象牛」なる謎の存在に翻弄される。果たして彼女はこの懊悩から解脱できるのか――表題作の他、大阪「比ラカ駄(ひらかた)」を流れる淀川河岸を舞台に、恋に似た短く激しい熱情を描く「星曝し」を収める、芥川賞受賞後初の作品集。※「ラ」は手偏に「羅」、「カ」は「加」の下に「可」
  • ハヤブサの血統
    3.0
    米国の新型戦闘機は欠陥品だ――ムサシ重工に勤める光崎は、空自の次期主力戦闘機に内定したF-53が試験中墜落していたことを知る。米国が事実を隠蔽する中、光崎は国内各社の力を集結して国産機の開発に挑む!
  • 昨日壊れはじめた世界で
    3.9
    1巻1,925円 (税込)
    幼馴染の翔子と再会した書店店主・大介は、忘れていた小学校時代の出来事を思い出す。同級生四人と忍び込んだ町で一番高いマンションの最上階。そこにいた不思議な男は、世界の終わりを予言した。三十年の時を経て、大介と翔子は謎の男を探し始めるが、男がマンションから飛び降りたという噂を耳にして……。ひび割れた世界のかすかな希望を力強く描く連作短篇集。
  • 犯人は、あなたです
    3.0
    1巻1,925円 (税込)
    上用賀バラバラ殺人事件が発生。被害者は、若手敏腕編集者。そして被害者遺族は、あの、日本一有名な家族だった!現代日本をぶった切るブラックユーモアの傑作!
  • 廉太郎ノオト
    4.2
    1巻1,925円 (税込)
    廉太郎の頭のなかには、いつも鳴り響いている音があった―― 最愛の姉の死、厳格な父との対立、東京音楽学校での厳しい競争、孤高の天才少女との出会い、旋律を奏でることをためらう右手の秘密。 若き音楽家・瀧廉太郎は、恩師や友人に支えられながら、数々の試練を乗り越え、作曲家としての才能を開花させていく。そして、新しい時代の音楽を夢みてドイツ・ライプツィヒへと旅立つが……。「西洋音楽不毛の地」に種を植えるべく短い命を燃やした一人の天才の軌跡を描き出す。 時代小説家最注目の俊英が、ついに新境地・明治へ!
  • 猫道 単身転々小説集
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    失礼ですが御主人は? 収入は? 本籍地は? 保証人は? バブル後期の東京で"単身女性の安全な住まい"を求めて漂流する長編「居場所もなかった」に加え、後の"家族"キャト、ドーラ、ギドウ、モイラ、ルウルウをめぐる住居転々の短編。さらに不意の別れを描く「モイラの事」、その悲しみを越える単行本未収録の「この街に、妻がいる」、作者と猫の書き下ろし近況エッセイ二編も収録。
  • 猫の王 猫伝承とその源流
    5.0
    猫は突然、姿を消すことがある。彼らはみな阿蘇山の猫岳を目指して旅に出るという。帰ってきたものは耳が裂け、尻尾は二股に割れて、踊り出す。家に帰ってこないものは猫の王となって猫岳に君臨する。 この「猫の王」伝承をたどり、日本各地からアジア、ユーラシア大陸を経て、ヨーロッパ、古代エジプトへ。古今東西の豊富な資料を基に、招き猫・猫また屋敷・踊る猫・猫魂ほか、海を越えて伝わった猫の怪異と魔性の謎を解き明かす。
  • 【合本版】異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花 全3巻
    5.0
    都内で女性の連続殺人事件が発生。異様なことに死体の腹部は切り裂かれ、臓器が丸ごと欠損していた。 捜査は難航。指揮を執る皆川管理官は、所轄の新人刑事・氷膳莉花に密命を下す。それはある青年の助言を得ること。阿良谷静──異名は怪物。犯罪心理学の若き准教授として教鞭を執る傍ら、数々の凶悪犯罪を計画。死刑判決を受けたいわくつきの人物だ。 阿良谷の鋭い分析と莉花の大胆な行動力で、二人は不気味な犯人へと迫る。最後にたどり着く驚愕の真相とは?全3巻の合本版で登場! ※本作品は『異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花』シリーズ全3巻を収録しています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。
  • 「贄の花嫁 優しい契約結婚」シリーズ全3冊合本版 『贄の花嫁 優しい契約結婚』~『贄の花嫁 黒い夢と願いの子』
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    私は今日、顔も知らぬ方へ嫁ぐ――。 雨月智世(うづき ともよ)、20歳。婚約者の玄永宵江(はるなが しょうえ)に結納をすっぽかされ、そのまま婚礼の日を迎えた。 しかし彼は、黒曜石のような瞳に喜びを湛えて言った。 「嫁に来てくれて、嬉しい」 意外な言葉に戸惑いつつ新婚生活が始まるが、宵江は多忙で、所属する警察部隊には何やら秘密もある様子。 帝都で横行する辻斬り相手に苦闘する彼に、智世は力になりたいと悩むが……。 これは、優しい旦那様と一生懸命な花嫁の、幸せな物語。 ※本電子書籍は「贄の花嫁」シリーズ全3冊を収録しています。 【収録作品】 『贄の花嫁 優しい契約結婚』 『贄の花嫁 新婚旅行と水神様』 『贄の花嫁 黒い夢と願いの子』
  • 娘が巣立つ朝
    NEW
    4.5
    1巻1,900円 (税込)
    どうしてなんだろう―― それでも人はつながろうとする 高梨家の一人娘・真奈が婚約者の渡辺優吾を連れて実家に来た。優吾は快活でさわやか、とても好青年であることは間違いないが、両親の健一と智子とはどこか会話が噛み合わない。 真奈は優吾君とうまくやっていけるのか? 両親の胸にきざす一抹の不安。 そして健一と智子もそれぞれ心の中にモヤモヤを抱えている。健一は長年勤めた会社で役職定年が近づき、最近会社での居心地が良くない。週末は介護施設の母を見舞っている。将来の見通しは決して明るくない。 智子は着付け教室の講師をして忙しくしているが、家で不機嫌な健一に辟易している。もっと仲のいい夫婦のはずだったのに……。 娘の婚約をきっかけに一家は荒波に揺さぶられ始める。 父母そして娘。三人それぞれの心の旅路は、ときに隔たり、ときに結びつき…… つむがれていく家族の物語。
  • 俺たちの箱根駅伝 上
    4.8
    1~2巻1,900円 (税込)
    池井戸潤の最新長編の舞台は、 「東京箱根間往復大学駅伝競走」――通称・箱根駅伝。 若人たちの熱き戦いが、いま始まる! 古豪・明誠学院大学陸上競技部。 箱根駅伝で連覇したこともある名門の名も、今は昔。 本選出場を2年連続で逃したチーム、そして卒業を控えた主将・青葉隼斗にとって、10月の予選会が箱根へのラストチャンスだ。故障を克服し、渾身の走りを見せる隼斗に襲い掛かるのは、「箱根の魔物」……。 隼斗は、明誠学院大学は、箱根路を走ることが出来るのか? 一方、「箱根駅伝」中継を担う大日テレビ・スポーツ局。 プロデューサーの徳重は、編成局長の黒石から降ってきた難題に頭を抱えていた。 「不可能」と言われた箱根中継を成功させた伝説の男から、現代にまで伝わるテレビマンたちの苦悩と奮闘を描く。
  • もう明日が待っている
    4.1
    放送作家・鈴木おさむが引退と同時に贈る、覚悟の一冊! これは「小説SMAP」である。 メンバーの脱退、トップアイドルのまさかの結婚、 誰にも言えなかった苦悩、戦い。 国民的スターとして沢山の夢を与えてきた彼らの全てが、 たった一夜の「放送」で壊れていった。そして日本中が悲しんだ解散。 彼らと20年間走ってきた放送作家にしか書けなかった奇跡の物語。 新たなテレビ文学、ここに誕生。 その先に明日はきっと、ある……。 目次より 第1章 素敵な夢をかなえておくれ 第2章 あれからぼくたちは 第3章 世界で二番目にスキだと話そう 第4章 1・2・3・4 FIVE RESPECT 第5章 WELCOME ようこそ日本へ 第6章 とってもとっても僕のBEST FRIEND 第7章 くじけずにがんばりましょう 第8章 20160118 第9章 もう明日が待っている
  • 播磨国妖綺譚 伊佐々王の記
    3.6
    播磨国に伝わる巨鹿の怪に、陰陽師兄弟が挑む! 室町時代、蘆屋道満の子孫として民と暮らす陰陽師兄弟。「嘉吉の乱」前夜の播磨国で、異形の式神と彼らが目にした巨大な陰謀とは。
  • 神と黒蟹県
    3.9
    1巻1,900円 (税込)
    架空の県を舞台にした連作小説集 「黒蟹とはまた、微妙ですね」 微妙、などと言われてしまう地味な県は全国にたくさんあって、黒蟹県もそのひとつだ。 県のシンボルのようにそびえたつのは黒蟹山、その肩に目立つ北斎が描いた波のようにギザギザの岩は、地元では「黒蟹の鋏」と呼ばれ親しまれている。県庁や裁判所を有し、新幹線も停まる県のビジネス拠点としての役割を担う紫苑市と、かつての中心地で歴史的町並みや重要文化財である黒蟹城を擁する灯籠寺市とは、案の定、昔からの遺恨で仲が悪い。空港と見まごうほどの巨大な敷地を持つショッピングモールの先には延々と荒れ地や牧草地が続き、廃業して解体されてしまって今はもう跡地すらどこだかわからない百貨店に由来する「デパート通り」はいつまで経っても改称されず、同じ姓を持つ住民ばかりの暮らす村がある。  つまり、わたしたち皆に馴染みのある、日本のどこにでもある「微妙」な県なのだ。 この土地に生まれ暮らす者、他県から赴任してきた者、地元テレビ出演のために訪れた者、いちどは故郷を捨てるもひっそり戻ってきた者、しばしば降臨する神(ただし、全知全能ならぬ半知半能の)。そういった様々な者たちのささやかでなんてことないが、ときに少しの神秘を帯びる営みを、土地を描くことに定評のある著者が巧みに浮かび上がらせる。
  • 襷がけの二人
    4.3
    1巻1,900円 (税込)
    オール讀物新人賞で注目を浴びた新鋭、初の長編小説 裕福な家に嫁いだ千代と、その家の女中頭の初衣。 「家」から、そして「普通」から逸れてもそれぞれの道を行く。 「千代。お前、山田の茂一郎君のとこへ行くんでいいね」 親が定めた縁談で、製缶工場を営む山田家に嫁ぐことになった十九歳の千代。 実家よりも裕福な山田家には女中が二人おり、若奥様という立場に。 夫とはいまひとつ上手く関係を築けない千代だったが、 元芸者の女中頭、初衣との間には、仲間のような師弟のような絆が芽生える。 やがて戦火によって離れ離れになった二人だったが、 不思議な縁で、ふたたび巡りあうことに…… 幸田文、有吉佐和子の流れを汲む、女の生き方を描いた感動作!
  • 運び屋円十郎
    5.0
    1巻1,900円 (税込)
    大型新人が放つ、幕末時代活劇 〈運びの掟〉 一つ、中身を見ぬこと。 二つ、相手を探らぬこと。 三つ、刻と所を違えぬこと。 約束の物は何があっても届け切る。それが〈運び屋〉。 母は病に倒れ、父も道場の経営に失敗して体を壊した。 自力で稼がなくてはならなくなった円十郎は〈運び屋〉を営む〈あけぼの〉に雇われることになった。 腕のいい〈運び屋〉として江戸の街を駆け回る円十郎だったが、 荷を運んでいたある夜、攘夷の志を口にする武士と手練れの忍び(?)に立て続けに襲われる。 一体何が起きているのか? 円十郎は知らず知らずのうちに時代の大きな渦に巻き込まれていく……。 オール讀物新人賞受賞の大型新人が放つ、幕末時代活劇。
  • 文豪、社長になる
    4.0
    1巻1,900円 (税込)
    史上最も愛された文豪/社長のすべて100年企業の土台は、人望。それだけ! 1923年、 大ベストセラー作家・菊池寛の手によって 文春は産声をあげた。 「楽しいんだ。菊池さんと仕事してると。それだけっ」 仕事が、仲間が、人生が愛おしくなる 2023年最高の感動歴史長篇。 文藝春秋創立100周年記念作品。 (あらすじ) 芥川龍之介や直木三十五、川端康成などの協力を得、 菊池寛が発行した「文藝春秋」創刊号はたちまち完売する。 読者が、時代が求めた雑誌は部数を伸ばし、会社も順風満帆の成長を遂げていく。 しかし次第に、社業や寛自身にも暗い影が。 芥川、直木という親友たちとの早すぎる死別、社員の裏切り、 戦争協力による公職追放、そして、会社解散の危機……。 激動の時代に翻弄されながらも、文豪として、社長として、 波乱に満ちた生涯を送った寛が、最後まで決して見失わなかったものとは――。 『家康、江戸を建てる』『銀河鉄道の父』の著者による、圧倒的カタルシスの感動作。
  • 祝祭のハングマン
    3.4
    1巻1,900円 (税込)
    法律が裁けないのなら、他の誰かが始末する。 司法を超えた復讐の代行者――それが〈私刑執行人(ハングマン)〉 現代版“必殺”ここに誕生! 警視庁捜査一課の瑠衣は、中堅ゼネコン課長の父と暮らす。 ある日、父の同僚が交通事故で死亡するが、事故ではなく殺人と思われた。 さらに別の課長が駅構内で転落死、そして父も工事現場で亡くなる。 追い打ちをかけるように瑠衣の許へやってきた地検特捜部は、 死亡した3人に裏金作りの嫌疑がかかっているという。 父は会社に利用された挙げ句、殺されたのではないか。だが証拠はない……。 疑心に駆られる瑠衣の前に、私立探偵の鳥海(とかい)が現れる。 彼の話を聞いた瑠衣の全身に、震えが走った――。
  • 光のとこにいてね
    4.0
    1巻1,900円 (税込)
    『スモールワールズ』を超える、感動の最高傑作 たった1人の、運命に出会った 古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。 彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。 どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。 運命に導かれ、運命に引き裂かれる ひとつの愛に惑う二人の、四半世紀の物語
  • なんとかしなくちゃ。 青雲編
    3.9
    1巻1,900円 (税込)
    「これは、梯結子の問題解決及びその調達人生の記録である。」 大阪で代々続く海産物問屋の息子を父に、東京の老舗和菓子屋の娘を母に持つ、梯結子。幼少の頃から「おもろい子やなー。才能あるなー。なんの才能かまだよう分からんけど」と父に言われ、「商売でもいけるけど、商売にとどまらない、えらいおっきいこと、やりそうや」と祖母に期待されていた。その彼女の融通無碍な人生が、いまここに始まる――。
  • 残照
    3.7
    1巻1,900円 (税込)
    不眠、減量苦、レース中の死亡事故、謎の転落死…… どん底に落ちた男が復活を遂げた時――事件は起こった。 ベテラン騎手の元春は、6年ぶりにGIレースで優勝する。 馬主との喧嘩別れや減量苦を経ての復活だった。 しかしネットで誹謗中傷され、それを書き込んだと思われる亡き後輩の妻を訪ねると、その夜、彼女はマンションから転落死する。 ほぼ同時刻、元春は自宅で車の盗難未遂にあい、さらに数日後には空き巣に入られた。 自分はいったい何に巻き込まれているのか? そして彼女の死は事故か、自殺か、あるいは殺人なのか――。 元スポーツ紙記者の著者にしか書けない圧巻の書き下ろしサスペンス。
  • 紙の梟 ハーシュソサエティ
    3.5
    1巻1,900円 (税込)
    ここは、人を一人殺したら死刑になる世界――。 私たちは厳しい社会(harsh society)に生きているのではないか? そんな思いに駆られたことはないだろうか。一度道を踏み外したら、二度と普通の生活を送ることができないのではないかという緊張感。過剰なまでの「正しさ」を要求される社会。 人間の無意識を抑圧し、心の自由を奪う社会のいびつさを拡大し、白日の下にさらすのがこの小説である。 恐ろしくて歪んだ世界に五つの物語が私たちを導く。 被害者のデザイナーは目と指と舌を失っていた。彼はなぜこんな酷い目に遭ったのか?――「見ざる、書かざる、言わざる」 孤絶した山間の別荘で起こった殺人。しかし、論理的に考えると犯人はこの中にいないことになる――「籠の中の鳥たち」 頻発するいじめ。だが、ある日いじめの首謀者の中学生が殺害される。驚くべき犯人の動機は?――「レミングの群れ」 俺はあいつを許さない。姉を殺した犯人は死をもって裁かれるべきだからだ――「猫は忘れない」 ある日恋人が殺害されたことを知る。しかし、その恋人は存在しない人間だった――「紙の梟」
  • 墜落
    3.8
    1巻1,900円 (税込)
    貧困、基地、軍用地主……「沖縄の闇」に踏み込み、知られざる本当の沖縄の姿をフィクションによって抉り出す問題作! 入念な沖縄取材で明らかになった暗部が、白日の下にさらされる。 2022年6月金城華が夫の一を刺殺。DVに耐えかねた妻が夫を殺した単純な事件として解決するはずだったが、担当検事となった冨永真一は不審を感じ、みずから捜査に乗り出す。 ほぼ時を同じくして糸満市で自衛隊の戦闘機の墜落事故が発生。民間人が死亡したことで、軍事基地が集中する沖縄では、 抗議デモが巻き起こる。それに加え、航空自衛隊きってのエースパイロットによる事故は、単なる操縦ミスとは考えられない。戦闘機に何らかの不備があったのではないかと疑念が湧くが…… 一見何の関係もない、二つの事件。だが、双方の担当となった冨永が捜査を進めていくと、そこには思いもかけない接点が浮かび上がる。 かつてない臨場感で沖縄の闇に迫る、冨永シリーズ第三弾にして最高傑作が誕生!

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