紙の梟 ハーシュソサエティ

紙の梟 ハーシュソサエティ

1,900円 (税込)

9pt

ここは、人を一人殺したら死刑になる世界――。

私たちは厳しい社会(harsh society)に生きているのではないか?
そんな思いに駆られたことはないだろうか。一度道を踏み外したら、二度と普通の生活を送ることができないのではないかという緊張感。過剰なまでの「正しさ」を要求される社会。
人間の無意識を抑圧し、心の自由を奪う社会のいびつさを拡大し、白日の下にさらすのがこの小説である。

恐ろしくて歪んだ世界に五つの物語が私たちを導く。

被害者のデザイナーは目と指と舌を失っていた。彼はなぜこんな酷い目に遭ったのか?――「見ざる、書かざる、言わざる」

孤絶した山間の別荘で起こった殺人。しかし、論理的に考えると犯人はこの中にいないことになる――「籠の中の鳥たち」

頻発するいじめ。だが、ある日いじめの首謀者の中学生が殺害される。驚くべき犯人の動機は?――「レミングの群れ」

俺はあいつを許さない。姉を殺した犯人は死をもって裁かれるべきだからだ――「猫は忘れない」

ある日恋人が殺害されたことを知る。しかし、その恋人は存在しない人間だった――「紙の梟」

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紙の梟 ハーシュソサエティ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    これは久々自分ヒットの本になった
    死刑がテーマが故読みにくいかと思いきや
    イヤミスありグロあり涙ありで面白い本だわ

    0
    2024年05月31日

    Posted by ブクログ

    いやはや、凄いものを読んでしまった!私的には、確実に貫井さんのベスト5に入ります。
    文体としては、いつも通り読みやすく、むしろ淡々としてクールともいえる感じで、スラスラ読んでしまいますが、実は重いのです。だって、”人ひとりを殺したら死刑“って…一見シンプルなように感じそうだけど、いや、そうではない。

    0
    2023年05月09日

    Posted by ブクログ

    短編とは思えない満足感
    見ざる、書かざる、言わざる
    籠の中の鳥たち
    レミングの群れが面白かった
    こんな世の中を経験したんじゃないかってくらいリアルだった

    0
    2025年01月28日

    Posted by ブクログ

    人ひとり殺したら死刑。このルールはわかりやすく市民に歓迎された。
    僕は死刑容認派だったけれど、「死んで罪を償う」と言うのは、本当にあるのだろうか?殺人を犯した人間は「目的を果たした」達成感を持って死刑を受け入れるかもしれないし、自分のやったことの罪の重さを死を持って実感するのかもしれない。
    社会がど

    0
    2024年09月06日

    Posted by ブクログ

    死刑の是非を問うテーマだけに重い内容だったが、短編だったので、するすると一気読み。
    同じテーマなのにどれも違った味わいがあった。

    「籠の中の鳥たち」は密室殺人ミステリー風で、推理小説の面白さ。
    「レミングの群れ」は特に最後が圧巻。ゾッとするような結末だった。

    「紙の梟」は宮部みゆきの「火車」を思

    0
    2024年07月15日

    Posted by ブクログ

    「人は、悔い改めるのですよ。人は変われるのです。だから犯罪者であっても、更生の機会は与えられるべきだ。殺人を犯したら死刑という判断は、確かにわかりやすい。目には目をという発想は、受け入れやすいですよ。でもそれは、ただの思考停止だ。…考えることを放棄したら、人は人でなくなるんですよ」282ページ

    0
    2024年04月04日

    Posted by ブクログ

    評価は3と4の狭間くらいです。
    痛そうな描写があるとテンションが下がる気がするのでこういう系統の本はあまり手に取らないのですが、つい怖いもの見たさで購入してしまいました。
    読んでみると新鮮で、先が気になりつい読み進めてしまいました。
    怖い…けど続きが気になる、そういうタイプの話です。
    考えさせられる

    0
    2024年03月18日

    Posted by ブクログ

    一人でも人を殺したら死刑になる世の中という設定で、短編4話と題名になっている中編1話。今回も安定の面白さ。読みやすかった。表題作で、SNSで、匿名で不満をぶつける。不特定多数の人々から罵詈雑言を浴びせられる。改めてネット社会の怖さを感じた。

    0
    2023年06月03日

    Posted by ブクログ

    人を一人でも殺せば死刑になる世界。それを前提とした短編集。前半の短編集はその制度を悪用する者、死刑になりたくないからギリギリの犯罪を犯す者、結局死刑は犯罪抑止にならないのかと考えさせられる。後半は中編で、死刑制度に一石を投じるような作品だった。犯人が犯した犯罪に後悔を感じているなら許してあげようとい

    0
    2023年03月10日

    Posted by ブクログ

    人を一人殺したら死刑になる世界を描いた5話収録のミステリー。

    物語にはこのルールの裏をかいた事例も登場する。

    読みながら何度も死刑制度の是非を考えた。
    死刑などない世界は理想ではあるけれど、私刑が禁止されている以上、私は死刑制度は止むを得ないと思う。

    実際に起きた連続幼女誘拐殺人事件や闇サイト

    0
    2023年02月18日

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