作品一覧

  • 吉村昭と津村節子―波瀾万丈おしどり夫婦―
    -
    「結婚したら小説が書けなくなる」。プロポーズをいなす津村を吉村は何度もかき口説いた。「書けなくなるかどうか、試しにしてみてはどうか」。そして始まった二人の人生は、予想外の行路を辿っていく。生活のための行商旅。茶碗が飛ぶ食卓。それでも妥協せず日々を積み重ねる二人に、やがて脚光が……。互いを信じ抜いた夫婦の物語。
  • 吉村昭の人生作法 仕事の流儀から最期の選択まで
    4.4
    1巻924円 (税込)
    『戦艦武蔵』『破獄』などの作品で知られる作家・吉村昭(一九二七―二〇〇六)は、公私ともに独自のスタイル貫いた。「一流料亭より縄のれんの小料理屋を好む」が、「取材のためのタクシー代には糸目をつけない」。「執筆以外の雑事は避けたい」一方、「世話になった遠方の床屋に半日かけて通う」。合理的だが義理人情に厚く、最期の時まで自らの決断にこだわった人生哲学を、吉村自身の言葉によって浮き彫りにする。 目次 第1章 毎日の暮らしの中で――日常の作法 第2章 これは小説になる、を探して――仕事の作法 第3章 生活の中に文学を持ち込まない――家庭の作法 第4章 食と酒と旅を味わう――余暇の作法 第5章 幸せだなあ、と毎朝つぶやいて――人生の作法
  • 食と酒 吉村昭の流儀
    4.5
    人気作家・吉村昭に迫る書き下ろし文庫。 没後15年を経て、 いまだに広く愛読されている国民的作家、吉村昭。 膨大な史料の博捜と綿密な取材で、 日本人の知られざる歴史と 庶民の生活を描いた作家の唯一の楽しみは、 「食べること、呑むこと」だった。 吉村昭と、夫人で芥川賞作家の津村節子の生活の細部を、 二人が書いた随筆、小説、対談などから紐解いて、 吉村昭が愛した日本の食と酒、 そして取材旅行で訪れたさまざまな町の味を紹介する。 吉村文学の原点である戦争体験と療養生活、 夫婦で北海道をさすらった不遇時代の記憶などが、 吉村昭の「食と酒」への執着とどう関わっていたのか。 下町に生まれ、 人との関わりを何よりも大切にした吉村昭にとっての 「いい旅、いい味」とは何だったのか。 夫婦ともに多忙な作家だった吉村家の毎日の献立は?  吉村昭の食と酒、そして旅を通じて浮かび上がる夫婦の絆と愛情を、 作家・谷口桂子があますところなく記す、完全書き下ろし文庫。 巻末解説は吉村昭と交友があった直木賞作家、出久根達郎氏。
  • 崖っぷちパラダイス
    -
    1巻1,980円 (税込)
    崖っぷちの女たちのサバイバル。 ライターの翔子、コーディネイターの恵、カメラマンのルミ、スタイリストの友美。この4人は、女性誌「クワランタ」のフリーランススタッフだ。充実した仕事に追われているうちに約40歳になった4人は、気がつくと人生の崖っぷちに立っている。こじれた不倫、見合いの失敗、昔の男の接近、仕事のトラブル、親の介護、自分の健康。男の謎の失踪や犯罪への関与、はてはスパイ疑惑までが舞い込んで来て、女たちは右往左往する。 アラフォー・シングル・フリーランスの「三重苦」を抱え、それでも必死にサバイバルする女たちと、その周りの少なからず問題のある男たちを描く、笑えて泣ける連作小説。
  • 祇園、うっとこの話
    -
    1巻1,584円 (税込)
    瀬戸内寂聴『京まんだら』のモデルともなった、伝説のお茶屋「みの家」。その二代目女将が語る、祇園の今昔、しきたり、そして先代のこと……。華やぎと情けの虚実のはざまで生き抜いてきた、母と娘の物語。
  • 越し人 芥川龍之介 最後の恋人
    3.0
    1巻1,584円 (税込)
    文豪と美貌の「文学夫人」の秘められた恋。  芥川龍之介が死去したのは昭和2年(1927)7月24日。死後90年の節目にあたる2017年7月に、芥川の「最後の恋人」とひそかに語られている歌人、片山廣子を主人公とした小説を刊行いたします。14歳年上の上流夫人で、アイルランド文学翻訳者としても名を知られていた廣子と芥川の軽井沢での出会い、そして情熱的な手紙のやりとり。廣子の娘と堀辰雄の成就しなかったロマンスをサイドストーリーに、誇り高く情熱を胸に秘めた「幻視者」廣子の人生を、女性作家の視点で活写する渾身の書き下ろし長編です。  芥川が「才知の上にも格闘できる女に遭遇した」(「或阿呆の一生」)と書き、菊池寛が「最もすぐれた日本女性」とその才能を絶賛した廣子は、芥川の死後世間との関わりを絶ってひっそりと生きますが、最晩年にエッセイ集と歌集を刊行して高い評価を受け、79歳で亡くなります。女性のみごとな生き方のひとつの例として、片山廣子の人生は私たちに一筋の光を当ててくれます。
  • 一寸先は光
    3.5
    1巻1,771円 (税込)
    派遣切りにあい、彼氏に去られ、住むところも失ったミサキは、人生のどん詰まりで友人の喜久江に助けられ、彼女が営む遺品整理屋で働いている。ある日、40代で孤独死した女性の部屋を整理しながら彼女の人生に思いをめぐらせる。夢を抱いて上京し、女一人で頑張ってきたのに、死んだら迷惑がられて、弔ってくれる人もいないなんて。ミサキは、彼女のために泣いてくれる人を探し始める。

ユーザーレビュー

  • 吉村昭の人生作法 仕事の流儀から最期の選択まで

    Posted by ブクログ

    池波正太郎の「男の作法」のような、小さなこだわりから、凛とした生き方を窺い知れる内容で非常に興味深かった。
    この著者の、吉村昭に関する書籍はもう一冊、小学館文庫から出ているようなのでそちらも購入しようと思う。今から楽しみだ。

    0
    2024年03月03日
  • 食と酒 吉村昭の流儀

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     吉村昭、津村節子ご夫妻の作品がお好きで、未読の方にはお薦めです。食と酒を切り口に、人間吉村昭(昭2生)を、その妻津村節子(昭3生)を、チャーミングな人となりを描いた秀作。谷口桂子「食と酒 吉村昭の流儀」、2021.8発行。章立ては5つ。①食いしん坊のルーツ(戦争と大病)②唯一の楽しみは酒 ③下町の味 ④旅の味 ⑤吉村家の食卓。「私は、ごはんも炊けないし、お味噌汁を作るのも知らないのよ」「そんなことは、一切かまわない。君は、小説さえ書いていればいいのだ」新婚旅行から帰った翌朝、食卓には美味しい朝ご飯がw。

    0
    2022年08月11日
  • 吉村昭の人生作法 仕事の流儀から最期の選択まで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     吉村昭が公的な記録をも信用せず、必ず現地に足を運んだ理由は、「活字になった記録があてにならないことを痛感しているからだ。」と、著者がこの本の中に書いている。この1カ所に付箋をつけた。
     吉村昭の小説が好きだ。小説の持つ雰囲気と、この「吉村昭の人生作法」に書かれた生き方は、しっくりと重なる。

    0
    2022年06月25日
  • 吉村昭の人生作法 仕事の流儀から最期の選択まで

    Posted by ブクログ

    吉村昭氏が私の読書との大きな出会いと言っても過言ではない。
    祖父の家にあった「戦艦武蔵」を中学生の頃に読んで以来、私の蔵書記録の中では断トツの58冊(たぶんそれ以上)を読んでいる。
    ちなみに2位は司馬遼太郎氏の27冊。3位は宮脇俊三氏の19冊。
    今後の人生においても吉村氏を超える作家に出会うことはないのではないだろうかと思っている。
    どの作品も私にとっては読みやすく、氏の書く世界にどっぷり入り込み、歴史の奥深さを知ることができた作品の数々であった。
    また、氏のエッセイなどにも書かれていたが人生の流儀、仕事の作法などひと際こだわりの強い作家でもあった。
    ファンとして読んでおかなければいけないだろ

    0
    2022年06月19日
  • 食と酒 吉村昭の流儀

    Posted by ブクログ

    吉村昭さんと夫人で作家の津村節子さんのエッセイの中から主に食と酒に関わる部分が集められています。

    そこに著者の谷口桂子さんの解説と感想が加えられ、吉村昭ファンであってもなくても十分に楽しめる食と酒、旅行、夫婦の絆の本です。

    谷口さんが‘’はじめに‘’で

    文学に、人生に、真摯に向き合った、チャーミングな人となりに触れていただければ幸いです。

    と書いている通り、チャーミングな吉村昭を知るきっかけにもなりました。

    0
    2021年08月29日

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