谷口桂子のレビュー一覧

  • 吉村昭の人生作法 仕事の流儀から最期の選択まで

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    池波正太郎の「男の作法」のような、小さなこだわりから、凛とした生き方を窺い知れる内容で非常に興味深かった。
    この著者の、吉村昭に関する書籍はもう一冊、小学館文庫から出ているようなのでそちらも購入しようと思う。今から楽しみだ。

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    2024年03月03日
  • 食と酒 吉村昭の流儀

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     吉村昭、津村節子ご夫妻の作品がお好きで、未読の方にはお薦めです。食と酒を切り口に、人間吉村昭(昭2生)を、その妻津村節子(昭3生)を、チャーミングな人となりを描いた秀作。谷口桂子「食と酒 吉村昭の流儀」、2021.8発行。章立ては5つ。①食いしん坊のルーツ(戦争と大病)②唯一の楽しみは酒 ③下町の味 ④旅の味 ⑤吉村家の食卓。「私は、ごはんも炊けないし、お味噌汁を作るのも知らないのよ」「そんなことは、一切かまわない。君は、小説さえ書いていればいいのだ」新婚旅行から帰った翌朝、食卓には美味しい朝ご飯がw。

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    2022年08月11日
  • 吉村昭の人生作法 仕事の流儀から最期の選択まで

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     吉村昭が公的な記録をも信用せず、必ず現地に足を運んだ理由は、「活字になった記録があてにならないことを痛感しているからだ。」と、著者がこの本の中に書いている。この1カ所に付箋をつけた。
     吉村昭の小説が好きだ。小説の持つ雰囲気と、この「吉村昭の人生作法」に書かれた生き方は、しっくりと重なる。

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    2022年06月25日
  • 吉村昭の人生作法 仕事の流儀から最期の選択まで

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    吉村昭氏が私の読書との大きな出会いと言っても過言ではない。
    祖父の家にあった「戦艦武蔵」を中学生の頃に読んで以来、私の蔵書記録の中では断トツの58冊(たぶんそれ以上)を読んでいる。
    ちなみに2位は司馬遼太郎氏の27冊。3位は宮脇俊三氏の19冊。
    今後の人生においても吉村氏を超える作家に出会うことはないのではないだろうかと思っている。
    どの作品も私にとっては読みやすく、氏の書く世界にどっぷり入り込み、歴史の奥深さを知ることができた作品の数々であった。
    また、氏のエッセイなどにも書かれていたが人生の流儀、仕事の作法などひと際こだわりの強い作家でもあった。
    ファンとして読んでおかなければいけないだろ

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    2022年06月19日
  • 食と酒 吉村昭の流儀

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    吉村昭さんと夫人で作家の津村節子さんのエッセイの中から主に食と酒に関わる部分が集められています。

    そこに著者の谷口桂子さんの解説と感想が加えられ、吉村昭ファンであってもなくても十分に楽しめる食と酒、旅行、夫婦の絆の本です。

    谷口さんが‘’はじめに‘’で

    文学に、人生に、真摯に向き合った、チャーミングな人となりに触れていただければ幸いです。

    と書いている通り、チャーミングな吉村昭を知るきっかけにもなりました。

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    2021年08月29日
  • 一寸先は光

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    私が死んだとき、泣いてくれる人が一体何人いるだろうか。今の私にはじんわり染み渡るような本だった。人は1人では生きていけないし、1人で生きているつもりでも誰かと繋がって支えられている。当たり前のことなのに、独りでいるうちに忘れてしまう。「ヘルプというのは、相手を救うことでもある」時には誰かに思いっきり頼ることも必要。

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    2011年11月15日
  • 吉村昭の人生作法 仕事の流儀から最期の選択まで

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     地方紙の書店員がオススメする本のコーナーで、紹介されていたので読んでみた。 「仕事の流儀から最期の選択まで」とのサブタイトルであるが、日常の作法、仕事の作法、家庭の作法、余暇の作法、人生の作法と五つの章からなっている。

     第一章の「毎日の暮らしの中で‐―日常の作法」を読んだだけで、吉村氏の生真面目さ、律義さ、堅実さと合理性が伝わってくる。さらに読みすすめると、堅実さだけではなく、時には賭けに出ることもあったのがわかる。肺の難手術や定職もないのに結婚に踏み切ったことなどだ。

     「おわりに」にもあるが、確かに堅実さだけではなく、順調とは言えない状況からの挑戦は、読んでいて勇気を与えてもらった

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    2022年11月11日
  • 食と酒 吉村昭の流儀

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    吉村昭と夫人で芥川賞作家の津村節子。妻から見た夫の視点を中心に、吉村昭の食と酒について考察する。

    没後も人気の衰えない作家吉村昭。深刻なテーマの小説とは別に多くの食、酒、旅に関するエッセイを残している。綿密な取材の副産物としての地元料理など、吉村昭の流儀が丹念に描かれる。

    二人共に大作家という夫婦の絆、心温まるエピソードも楽しめる。

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    2021年09月25日
  • 食と酒 吉村昭の流儀

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    日本人の知られざる歴史と庶民の生活を描いた人気作家・吉村昭の唯一の楽しみは「食べること、吞むこと」だった。吉村昭と、夫人で芥川賞作家の津村節子の生活の細部を語る作品。

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    2021年09月04日
  • 越し人 芥川龍之介 最後の恋人

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     野茨にからまる萩の盛りかな(芥川龍之介) 大正14年に芥川龍之介と出会い、龍之介を2年長生きさせた?とされる才媛、歌人で翻訳家、14歳年上の名家、未亡人、片山廣子(松村みね子)の生涯を辿るノンフィクション。谷口桂子「越し人 芥川龍之介 最後の愛人」、2017.7発行。廣子の目に映る芥川龍之介、室生犀星、堀辰雄などから見た龍之介など、芥川龍之介を様々な角度から眺めることができました。

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    2023年11月01日
  • 吉村昭の人生作法 仕事の流儀から最期の選択まで

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     なるほど池波正太郎先生は、とか、山田風太郎さんは、とかという気分にならない。魅力の在処が見えにくい。

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    2022年08月18日
  • 越し人 芥川龍之介 最後の恋人

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    明治生まれ、昭和初期に活躍したアイルランド文学翻訳者の片山廣子の伝記かと思い読んだが、恋愛小説の要素が多く少しがっかりだった。

    今ほど海外の情報も女性の教育もそれほどでなかった時代に、いかに高い教養を身につけ、どんな人生を送ったのか。小説は主に芥川との恋愛事情と彼の自死にまつわる心情とか子どもたちとの葛藤とか。彼女の視点なので過剰な美化と批判が多く、正直読み進めるのがしんどかった。このころの価値観ってこんな感じだったのか。

    アイルランド文学というまことにニッチな分野のパイオニアで「妖精」という言葉を生み出した人である。もっと評価されてもいいのではと思う。

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    2020年12月08日
  • 一寸先は光

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    遺品処分屋のミサキが、40代で孤独死した矢沢麻利子の遺品整理をする中で、自分と重ね合わせて、何としても彼女のために泣いてくれる人を探しはじめる。遺品の引き取りを拒否していた実家に辿りつき、認知症の母がいることを知る。

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    2012年07月08日
  • 一寸先は光

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    知り合いに薦められた本は読むことにしよう、と決めたので早速読んだ。

    私も田舎から東京に出てきた人だから、共感する部分は沢山あった。「いい自分をみせたい」っていう見栄は誰にでもあるよね。見栄を張ることで前進できる時期もあると思う。

    大切なのは、その時期に応じて最重要視することを選べる自分であることなのかな。スケールは小さくても、家族、仕事、自分の学びや楽しみ、全部大事にしたい。「仕事に賭けるから家庭のことは妻(夫)にまかせる」とかして互いに明確な役割分担をし、支えあう生き方もあるし、今までそうして幸せを得てきた人も沢山いるだろう。でも、そのように役割や場所を固定してこれからの時代を生きていく

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    2012年06月18日
  • 一寸先は光

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    派遣切りにあい、彼氏にも去られた39歳の女性が、遺品整理屋で働き、49歳で孤独死した女性の人生を考えながら、自分自身の人生の方向性を見出すストーリー。「人は生きたように、死んでいく」という言葉が重い。東京で一人暮らしの高齢男性の4人に1人は相談相手がいず、今から15年後の東京の独居率は45%になるというデータが紹介されており、孤独死が今後の深刻な社会問題になるとしている。

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    2011年12月17日