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月光の夏
若き2人の特攻隊員は、ベートーヴェンの名曲「月光」を、小学生たちの前で弾き、南溟の空に出撃していった。あの夏の日のピアノの響きは、痛切な思い出として刻みこまれた。愛と哀しみの感動にあふれるドキュメンタリー・ノベル。(講談社文庫) -
新・平家物語
12世紀の初め、藤原政権の退廃は、武門の両統“源平”の擡頭をもたらした。しかし、強者は倶に天を戴かず。その争覇興亡が古典平家の世界である。『新・平家物語』も源平抗争の歴史を描くが、単なる現代訳でなく、古典のふくらんだ虚像を正し、従来無視された庶民の相(すがた)にも力点を置く。――100年の人間世界の興亡、流転、愛憎を主題に、7年の歳月を傾けた、著書鏤骨の超大作。 -
新聞が面白くない理由
衰退一途の日本のジャーナリズム。その根本の病巣こそ「記者クラブ」である。広いスペース、税金から支出される通信費、光熱費……。官公庁から便宜供与を受けて他のメディアを締め出すさまは、中世のギルドさながら。果たして彼らに自浄作用はあるのか? 健全な民主主義のため既得権を抉った渾身の書!(講談社文庫) -
完全版 年金大崩壊
失われた年金財源は9兆円超、紛失した年金記録は5000万件……私たちの老後を支えてくれるはずの年金制度は、なぜかくも破綻したのか。年金問題を世に知らしめた2004年講談社ノンフィクション賞受賞作に、大幅改訂&加筆した完全版。本書は2003年9月刊行された『年金大崩壊』及び2004年4月に刊行された『年金の悲劇 老後の安心はなぜ消えたか』を大幅に加筆・改編したものです。(講談社文庫) -
放射能に抗う 〈福島の農業再生に懸ける男たち〉
世界一うまい米作りを目指して、革新を続けてきた福島の農業集団「ジェイラップ」。しかし、福島原発事故以降、彼らが闘う相手は、目に見えない放射能と、世間からの偏見に変わった。絶望から立ち直れるか? 大宅賞作家、10年に及ぶ取材の集大成!『それでも、世界一うまい米を作る』を全面改稿して改題。(講談社文庫) -
トレイシー 日本兵捕虜秘密尋問所
得体の知れない敵国、日本を丸裸にするため、アメリカはすさまじい執念とエネルギーを費やし極秘に捕虜尋問センターを準備した。暗号名はトレイシー。日本人の国民性、心理、戦術、思想、都市の詳細などについて捕虜たちが提供した情報が、やがて日本の命運に大きくかかわってくる。講談社ノンフィクション賞受賞作。(講談社文庫) -
空港 25時間
パイロット、パーサーなどの飛行機の乗務員だけが飛行機を飛ばすのではない。空港カウンター、貨物の搭載、機内クリーニング、整備、運航管理、航空管制、税関など、空港で働く人々が携わる仕事のすべてを取材。彼らの語る自分の仕事内容と、安全に飛ばす誇りから、飛行機は誰が飛ばしているのかを描く。※本書は1996年1月、草思社より刊行された「大空港25時」を改題し、加筆・訂正したものです。 -
〈冤罪〉のつくり方 大分・女子短大生殺人事件
冤罪――。多くの冤罪は、杜撰な見込み捜査、代用監獄での苛酷な取調べが元凶だ。人にありがちな誤謬ではなく、捜査当局のメンツ意識や責任逃れ、時には功名心の結果だ。実際にあった、女子短大生強姦殺人事件の“思い込み自白”のプロセスを明らかにし、冤罪という“罠”を浮き彫りにする力作ノンフィクション。(『夢遊裁判-なぜ「自白」したのか』改題) -
「縮み」志向の日本人
日本人がはじめて開発し、世界に送り出した商品は扇子であった――。卓抜な視点で日本人の「縮み志向」を鮮やかに説き、日本文化の本質や日本が工業化社会のトップに躍り出ることができた秘密を明快に分析する。「拡がり」に弱い日本的特性も指摘して、“数ある日本人論のなかでも最高傑作”といわれる名作。 -
牢獄の花嫁
著者は終生、捕物帳には筆を染めなかった。しかし、捕物帳的な傾向の作品といえば、本書が筆頭であろう。十手捕縄をとって30年、捕物の神様とうたわれた名与力・塙江漢が、突如、暴風のように襲った悪魔により晩年の幸福を引きちぎられ、伜郁次郎を獄門に送らねばならぬ悶々の胸中。――これは捕物帳とは一線を劃す捕物帳である。 -
親鸞
義経が牛若といって鞍馬にあった頃、同じ源氏の血をうけて十八公麿(まつまろ)(親鸞)は生れた。平家全盛の世、落ちぶれ藤家(とうけ)の倅として育った彼は、平家一門のだだっ子寿童丸の思うままの乱暴をうけた。彼は親鸞に生涯つきまとう悪鬼である。9歳で得度を許された親鸞の最初の法名は範宴。師の慈円僧正が新座主となる叡山へのぼった範宴を待っていたのは、俗界以上の汚濁であった。 -
神州天馬侠
大正末から昭和初めの「少年倶楽部」の目ざましい躍進期に、その中心読み物となったのが、佐藤紅緑の諸作と「神州天馬侠」である。織田・徳川の連合軍に滅ぼされた武田勝頼の遺子・伊那丸が、忠義の士に護られて、健気にもお家の再興をはかる。しかし、戦国群雄の圧力の前には――。当時、子供も大人もこの小説に熱狂した。今も、その底力を保ちつづける大衆児童文学の記念碑。 -
レペゼン母
なんと潤沢な物語だろうか。 強烈なパンチラインであり、まさに「ブレイク」作品なのだ。 ――逢坂冬馬さん 予想する「面白い」の1000倍面白い! ――大垣書店京都本店 荒川夏名さん マイクを握れ、わが子と戦え! 山間の町で穏やかに暮らす深見明子。 女手一つで育て上げた一人息子の雄大は、二度の離婚に借金まみれ。 そんな時、偶然にも雄大がラップバトルの大会に出場することを知った明子。 「きっとこれが、人生最後のチャンスだ」 明子はマイクを握り立ち上がる――! 第16回小説現代長編新人賞受賞作。 ーーーーーー 選考委員も激賞! こんなにスカッと面白い作品が新人賞なら、いっそ清々しいじゃないか!(中略)おかんのラップが響く今宵、この余韻! ――朝井まかて 「親との戦い」ではなく、親の側から「子との戦い」を力強く描いた、大人の小説であると感じさせられた。 ――宮内悠介 -
幻告
「僕の父親は無実だったのかーー?」 時空を超えた法廷で、奇跡を手に入れろ。 感動のタイムリープミステリー! 裁判所書記官として働く宇久井傑(うぐい・すぐる)。ある日、法廷で意識を失って目覚めると、そこは五年前――父親が有罪判決を受けた裁判のさなかだった。冤罪の可能性に気がついた傑は、タイムリープを繰り返しながら真相を探り始める。しかし、過去に影響を及ぼした分だけ、五年後の「今」が変容。親友を失い、さらに最悪の事態が傑を襲う。未来を懸けたタイムリープの果てに、傑が導く真実とは。リーガルミステリーの新星、圧巻の最高到達点! -
ゾンビ3.0
日韓同時刊行された話題のホラー・ミステリーが文庫化。予防感染研究所に閉じ込められた若き研究者たちがゾンビ化の原因究明に挑む! 香月百合は新宿区戸山の予防感染研究所に休日出勤する。研究熱心で優秀な下村翔太や、医学博士で女性所員憧れの加瀬祐司も出勤していた。日曜なのに全所員の8%ほどの計40人が研究所にいるようだ。席に着いてWHOのサイトに接続すると、気になる報告があった。アフガニスタンやシリアなどの紛争地域で人が突然気絶し、1分前後経つと狂暴になって人を襲い始めるという。しばらくすると研究所内の大型テレビに、現実とは思えないニュース映像が流れた。人が人を襲う暴動が日本各地で起こっているというのだ。いや、世界中で。画面に向かって所員が呟いた。「これゾンビでしょ」。──外が騒がしくなってきた。研究所は2メートルの塀で囲われているが、このままではやがて所内もゾンビに襲われるかもしれない。脱出するには、ゾンビ化の原因を究明するしかないのだ。立ち上がる、百合たち若き研究者。そして、予防感染研究所に閉じ込められた四十人の戦いが始まった……。 -
短篇七芒星
ろくでもない人間がいる。 お前である。 SNSで「書き出しがすごい!」とバズった(46万いいね)本! これが、舞城王太郎の小説だ。言葉だ。 ろくでもない人間がいる。お前である。 くだらないことに執着して他人に迷惑をかける人間がいる。これもお前である。 何を触っても誰と関わっても、腐敗と不幸をもたらす人間がいる。まさしくお前である。(「代替」冒頭より) <収録作>奏雨/狙撃/落下/雷撃/代替/春嵐/縁起(全七篇) 「ろくでもない人間がいる。お前である」 「積乱雲と呼ばれる女の子がいて」 「私のうちの犬はストーム。本当はヒョードル・ミハイロビッチって名前」 ――直截的で幻惑的かつ挑戦的な書き出しで始まるそれぞれの小説世界が描き出すのは、現実と異界に彷徨う命と魂の真実の物語。 作家・舞城王太郎の真骨頂が宿る七短篇。 -
毎日世界が生きづらい
できないことを、数えないで。 どうやって生きていいのか分からない。 自分を責め続ける、小説家志望の私。 夢を抱いた仕事に躓く、会社員の夫。 そして、インコのピピ。 心理サスペンス『誰かが見ている』でメフィスト賞を受賞した著者が挑む新境地。 小さな家族の幸せをめぐる物語。 ――美景はうまいことやったよなー。 旦那に稼ぎがあるから、なんの心配もないだろ? パートでお小遣い稼いでたらいいんだし。(略) 傍から見れば、なんの悩みもなく、苦労もなく、ぼんやりと生きているように映るのだろう。(略) うまくいかない自分を責める妻の気持ちを、想像することもできないのだろう。――本文より 美景と雄大は結婚して十年。 ある日、妻の書斎に入った夫は何か様子が違っていることに気づく。 ままならない毎日をどのように生きてきたかを語り出す二人。 小説家になる夢を叶えたかった美景。 夢を抱いた仕事に躓く雄大。 二人をつなぐインコのピピ。 メフィスト賞作家の新境地となる、小さな家族の幸せを探す物語。
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