小説・文芸 - 集英社作品一覧
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4.0罪と病という二重の試練を背負った子どもたち。医療少年院で、精神科医として彼らと向かい合う著者が、多くのケースとの関わりを通して、異常な行動の根底にある問題に迫っていく。なぜ、彼らは自らを傷つけ、他人を害さねばならなかったのか。想像もつかない冷酷な犯罪を犯してしまったのか。損なわれた心は回復できるのか。人との絆は取り戻すことができるのか…。だが、そこに浮かび上がるのは、決して特別な子どもたちだけの問題ではない――。圧倒的な事実の重みと、子どもたちの悲しみが胸をつく、臨床現場からの痛切なメッセージである。【目次】はじめに 社会を映す鏡としての医療少年院/第一章 回避空間の病理/第二章 親という名の十字架――愛情飢餓と命がけの自己アピール/第三章 劣等感に塗れて/第四章 運命を分けるもの――非行発現のメカニズム/第五章 社会が生み出す非行/第六章 壊れた心は取り戻せるのか?/第七章 本当の希望を取り戻すために/おわりに 明るい未来は明るい子ども時代がつくる/参考文献
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4.7すっかり落ちぶれた華族に生まれた櫻子は、代わって権勢を誇る蛇神一族の御曹司と政略結婚するよう決められた。しかし結婚式当日、櫻子は夫である冬夜の手によって惨殺されてしまう……という未来を予知する。鳥神の守護を受ける櫻子は、「炭鉱のかなりや」のごとく危険な未来限定の予知能力に目覚めてしまったのだ。死を回避しようと決意した櫻子は、家族を巻き込み、婚約破棄から始まりあの手この手でフラグを折るが、「面白い女だ」と冬夜から溺愛されてしまい、何度やり直してもバッドエンド!? ハッピーエンドにたどり着くまでくり返す、蛇神に嫁いだ炭鉱のかなりや令嬢櫻子の“こんなはずでは”奮闘記!
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3.0どうしたら正しいセックスができるのだろう―― 風俗通いが趣味だったシステムエンジニアの著者が、ふとしたきっかけで通い始めた新宿ゴールデン街。 老若男女がつどう歴史ある飲み屋街での多様な出会いが、彼の人生を変えてしまう。 ユーモアと思索で心揺さぶる、新世代の私小説。 電子版限定で、特別短編「人間は生きているだけでどうしようもなく何者かであるということ」を収録。
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3.0高校生になって最初の夏休み。友達と遊ぶのを楽しみにしていたけれど、みんないつの間にか彼氏を作っていた! 特殊な事情もあり、疎外感を覚えた羽美はひとり江の島へ。弁天橋で御朱印帳を拾い、落とし主の男子高校生・将との出会いをきっかけに、羽美も御朱印を集め始める。すると、なぜか弁財天と毘沙門天のケンカに巻き込まれ、御朱印集めで勝負するはめに!? 【目次】プロローグ 江島神社と弁財天/第一章 宝戒寺と毘沙門天/第二章 妙隆寺と寿老人/第三章 本覚寺と恵比寿天/第四章 長谷寺と大黒天/第五章 御霊神社と福禄寿/第六章 浄智寺と布袋尊/第七章 鶴岡八幡宮と弁財天
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3.5この本を手にとってくださって、ありがとう。でも、もし、あなたが鎌倉の飲食店のガイドブックを探しているのなら、ごめんなさい。これは、そういう本ではありません。(著者まえがきより抜粋)幼少期から鎌倉で育ち、今なお住み続ける著者が、愛し、慈しみ、ともに過ごしてきたともいえる、鎌倉の珠玉の美味を語るエッセイ集。お屋敷街に佇む未来の老舗(イチリンハナレ)、自営の畑を持つ野菜のビーン・トゥー・バー(オステリア ジョイア)、カレーもいいけれど私はビーフサラダ(珊瑚礁 本店)、今はなき丸山亭の流れをくむ一軒(ブラッスリー・シェ・アキ)、かつての鎌倉文士に想いを馳せながら(天ぷら ひろみ)……ガイドブックやグルメサイトでは絶対にわからない、鎌倉育ちだから知っているおいしさと魅力に出会える1冊。素材が豪華ならいいというものでもない、店の内装もまた味わいの一端を担うもの、いいバーとバーテンダーに出会う喜び……著者自身の思い出や実体験とともに語られる鎌倉のおいしいものたちは、自然と「いい店」「いい味」ってこういうことなんだな、という読後感をくれる。版画のように精緻なタッチで描かれた阿部伸二によるイラストも美しく、まさに読んでおいしい、これまでなかった大人のための鎌倉グルメエッセイ。
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-冬の全国大会で準優勝という快挙を遂げた蒼萩高校サッカー部は、部員の父が持つクルーザーで祝勝会を開いていた。みんなが陽気に盛り上がるなか、控え選手だった陸は不思議な歌を聞いた気がした。直後に大きな縦揺れがあり、甲板から海へ放り出され意識を失ってしまう。目を覚ますと、陸は真夏の浜辺に倒れていた。周囲にはチームメイト、そして1、2年の部員やマネージャーなど合わせて10人の姿もあった。この島はどこなのか? 助けは来るのか? なぜ季節が逆転しているのか? それぞれに嫉妬や焦燥、不安、疑心を抱えたまま、無人島でのサバイバルが始まった!
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3.5目を覚ましたら、なぜか無人の遊園地にいた。園内には僕をいじめた奴の死体が転がっている。ここは死後の世界なのだろうか? そこへナイフを持ったピエロが現れ……(「潮風吹いて、ゴンドラ揺れる」)。僕らはこの見張り塔から敵を撃つ。戦争が終わるまで。しかし、人員は減らされ、任務は過酷なものになっていく。そしてある日、味方の民間人への狙撃命令が下され……(「見張り塔」)。現代日本、近未来、異世界――様々な舞台で描かれる圧倒的絶望。この物語に、救いの「カミサマ」はいるのか。見たくない、しかし目をそらせない、人間の本性をあぶり出すダークな短編集。
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4.0コロナ禍において再び大きな反響を呼んだ小説『ペスト』の作者アルベール・カミュ。彼のアルジェリアでの生い立ちから、パリでのレジスタンス活動、『異邦人』『ペスト』など代表作の執筆過程、プレイボーイとしての華麗なる女性遍歴、サルトルとの論争、ノーベル文学賞受賞の経緯、自動車事故という悲劇的な最期など、波瀾に満ちた生涯と思想・哲学にせまる。フランスを代表する作家の決定版的評伝。
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3.0おばあちゃんは背中が一番美しかったこと、下校中知らないおじさんにお腹をなめられたこと、自分の言い分を看板に書いたりする「やりかた」があると知ったこと、高校時代、話のつまらない「ニシダ」という友だちがいたこと……。大人になった「私」は雨宿りのために立ち寄ったお店で「イズミ」と出会う。イズミは東京の記録を撮りため、SNSにアップしている。映像の中、デモの先頭に立っているのは、ドレス姿の美しい男性、成長したニシダだった。イズミにつれられてやってきたデモの群衆の中、ニシダはステージの上から私を見つけ、私は逃げ出した。敷き詰められた過去の記憶とともに……。芥川賞候補の表題作他3編を収録。
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4.3世界中の映画祭で喝采を浴びたドキュメンタリー映画『選挙』や『精神』。「観察映画」というユニークな手法を実践する気鋭の映画作家が、いかにして、そしてどのような哲学のもとにドキュメンタリーを撮り、編集し、公開し、経済的にサバイバルしているのか。受講者と共にインタラクティブな形式で語る。ドキュメンタリーとは、世界を切り取り、その断片を再構成することで、作り手の見方や体験を観客と共有する芸術様式。ドキュメンタリーの作り方と哲学を通じて、読者に新たな「世界の見方」のヒントを提示する。
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5.0平安末期。謎の疫病が猛威をふるう京の都。多数の庶民が命を落とす中、宮廷でもまた、東宮三人が立て続けに死亡するという前代未聞の事態が起こり、貴族たちは恐怖と混乱に陥っていた。そこへ、強力な予言力をもつ賀茂の老巫女から「一時的に東宮に皇女をたてよ」という神託が届けられる。帝の兄であり、実質的にこの国を支配している上皇はこの神託を受け入れる、ただちに女東宮の候補となる数人の皇女たちが選び出された。その中には、人々から忘れ去られた寂しい暮らしをしていた16歳の火の宮も入っていた。女東宮候補となった火の宮を待つ試練とは……。
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3.9あなたは、本当の自分を他人に見せられますか――。恋愛からホラーまで、松井玲奈が覗く“人間模様”。鮮烈なデビュー短編集。■「ハンドメイド」いつもより荷物の重い日が好きだ。お昼の弁当に加えてもう二つ、夜に彼と食べる用の弁当を作る。食べる場所は決まって“ホテル”で――。■「ジャム」僕のお父さんは一人じゃない。お父さんの後ろには、真っ白な顔のお父さんたちが並んでいる――。悪夢的奇想、ホラー怪作!■「いとうちゃん」メイドになりたい。その一心で上京した十八歳の“いとうちゃん”は、メイド喫茶で働き始めるものの、ストレスから体重が増加してしまう。痩せ方がわからず、周囲にも疎まれ不安を募らせていくが――。■「完熟」何もない退屈な田舎での夏休み。年上の雰囲気を身にまとう女に僕は出会う。彼女は水辺で一心不乱に桃を食べていて……。そんな昔の記憶が、大人になった僕のフェティシズムを刺激する――。■「リアルタイム・インテンション」巷で人気の仲良しYouTuber三人組。本音を吐露してしまうという“本音ダシ鍋”を食す企画の生配信で、事件は起きる。■「拭っても、拭っても」広告代理店に勤めるアラサーのゆりは、半年ほど前まである癖(へき)を持つ男性と付き合っていた。その彼に理不尽にフラれたことが心の傷になっていて――。失恋と再生の物語。
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3.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 著者は温泉取材歴40年のベテランだが、2016年に白山に登ったのをきっかけに元来の山好きに火がつき、「日本百名山」を意識する。翌年完登したものの、意外にも温泉がないことに気づき、温泉のある名山を自らが100座選定することを決意。深田久弥の「日本百名山」に倣い、「品格」「歴史」「個性」をもった名湯のある名山を100座選定。18年より実際に選定登山に取り組み、21年に完登。温泉達人による「温泉百名山」が誕生した。 本書は名山と名湯をセットで紹介するガイドの体裁だが、すべてを一人で取材した著者の体験レポートとしても楽しめる。また選定登山に取り組む間、悪性リンパ腫や膝関節症などと闘い、病を克服しての実現となった。 「前進すれば、きっと山頂に立てる」という奮起を促す一冊! 電子特別版として写真はオールカラー。
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4.3「最近、動物園が面白い」。そんな声が聞こえてきたのは数年ほど前。ただ姿形を来場者に見てもらう「形態展示」から、動物本来の行動や能力を見せる「行動展示」へ。動物たちの行動を理解した施設を造る裏側には、飼育員を始めとする様々な人々の絶え間ない努力があった。動物たちの行動を理解し、“心の声”に耳を傾ける。それは飼育員による大胆にして緻密な翻訳作業といえる。埼玉県こども動物自然公園「ペンギン」、日立市かみね動物園「チンパンジー」、秋吉台サファリランド「アフリカハゲコウ」、京都市動物園「キリン」。計4動物園の動物翻訳家、そして動物たちの苦闘の軌跡に迫るノンフィクション! 電子版は、動物写真をカラーで収録! かわいい動物たちの姿を、カラーでお楽しみください。
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-ハチ公は「焼き鳥」が、大好きだった……。誰もが知ってるハチ公。だが、本当の素顔は意外と知られていない? そんな日本の有名犬たちを、犬好きノンフィクション作家・片野ゆかが、愛犬ダルマ号と徹底追跡。いぬのおまわりさんはコリー犬。西郷さんの犬は祇園で鰻を食べていた、などなど……。続々と明かされるオドロキの史実と真実。犬たちの謎を追いかけた日本縦断びっくり犬紀行。電子版のみオールカラーで写真を収録。
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-「では、ここで質問。『伊豆の踊子』は恋愛小説なのでしょうか?」(奥泉)今回は、「私」と旅芸人の一座との淡いかかわりを描いた『伊豆の踊子』を読む。芥川賞作家と希代の仕掛人が捨て身でおくる“漫談スタイル”の超文学実践講座。本電子書籍は、文芸誌「すばる」2010年11月号に掲載された作品の電子版シングルカットです。
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4.3SNS時代の情報収集術、メタバースやNFTの今後。ウクライナ戦争後の世界の行方、核融合技術と原発。自分が今35歳のサラリーマンだったら?社債転換型トークン、“安い国”日本の可能性。自分の頭で考えるためには?会話の最中に意識していることは?…などなど、現在進行形にして普遍性のあるテーマを語りあいつつ、それぞれの「考え方」「読み方」「話し方」まで披露。どうにも知的雑談が足りないコロナ時代に、「頂上の雑談」をお届けします。
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4.0【電子特別版・カラー写真多数収録】実力・人気ともに歌舞伎界の若手ナンバーワンと目される五世・中村勘九郎(十八世・中村勘三郎)が、厳しかった父(十七世)勘三郎の教えと思い出の数々、愛情あふれる家庭のこと、そして心に残る舞台や芝居ごころを、多彩なエピソードを織り交ぜて語った、わが青春、わが舞台。電子化にあたり、収録写真を再編集。カラー写真も多数収録の豪華版!
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3.5【電子特別版・カラー写真多数収録】(五世)中村勘九郎として『桃太郎』で初舞台を踏み、やんちゃだった子どもの頃。父・十七代目中村勘三郎と母の思い出、名優たちとの数々の出会いと熱き交流。浅草に復元させた平成中村座を、演劇の国ニューヨークでも大成功させた喜び! 人気歌舞伎役者(五世)中村勘九郎が、自分の誕生日から、(十八世)勘三郎襲名が決まった日、襲名直前までをエポックごとに書いた驚天動地の「日付入り」半世記。(五世)勘九郎の全てがわかる一冊。(五世)勘九郎の出演舞台の軌跡を網羅した年譜付き。電子化にあたり、収録写真を再編集。カラー写真多数収録の豪華版!
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4.3【電子特別版・カラー写真多数収録】まずは楽屋ばなしから、父・(十七世)勘三郎の思い出、母の死、子供たちへの夢と期待、そしてゴルフ談義、ダイエットの苦労ばなしまで……。(五世)中村勘九郎が多彩な話題を自在な語りくちで明かす、芝居ごころと歌舞伎への愛情。歌舞伎を知っている人も知らない人も、大いに楽しめる、素顔の勘九郎の魅力がいっぱいの一冊。電子化にあたり、収録写真を再編集。カラー写真も多数収録の豪華版!
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4.0【電子特別版・カラー写真収録】赤穂・山科から本所・泉岳寺への旅で、大石内蔵助の心が乗り移った。隅田川ぞいの両国から柳橋へそぞろ歩けば、踊りの稽古に通った思い出とともに、「瞼の母」や「三人吉三」の台詞がすらすらと口をついて出る――。骨の髄まで役者魂の染みこんだ(五世)勘九郎が、初舞台から続けた“芸の旅”を締めくくる、行ってびっくり、演って納得の芝居ゆかりの旅エッセイ。電子化にあたり、収録写真を再編集。カラー写真も収録の豪華版!
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4.5日本の大手新聞社の記者・眉村梓はフランス大統領選挙取材のためパリに出張してきた。仕事も兼ねて、久しぶりに子どもにも会える。かつて夫と別れる時、離婚騒ぎの修羅場から避難させるために小学生の一人息子をパリ郊外の寄宿学校に預けていたのだ。しかし、パリに着いたその日から事件に巻き込まれてしまう。息子のパリでの後見人になってくれていた大学時代の親友・夏緒がフォンテーヌブローの森で死体で発見されたのだ。そして息子は何者かに拉致されて行方不明に……。夏緒が生前に漏らした「ナポレオンの秘宝」という一言。その「秘宝」を巡って暗躍する謎の政治組織。ナポレオンの末裔を担ぎ出す右翼政治家。ルーヴル美術館の奥に秘められた謎。フランス政界と歴史の深い闇。梓は、偶然知り合った若き鑑定医シャルルに窮地を救われ、ともに事件の解決と息子の奪還のためにパリを駆けぬける。一気読み必至のノンストップ・サスペンス、〈鑑定医シャルル・シリーズ〉最新作。
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3.7【第36回小説すばる新人賞受賞作】 寛保二年。大名や旗本の駕籠を担ぐことを生業とする陸尺の桐生は売れっ子として江戸で人気を誇っていた。ある日、芝居小屋の《市村座》で木戸番と陸尺の大乱闘が勃発。相方の龍太が巻き込まれたと知った桐生は仲間の翔次と共に駆けつける。だが龍太は捕えられ、騒ぎを収めようとしたはずの桐生も結託した仲間に裏切り者扱いされ仕事を干されてしまう。暇を持て余していた八月のある日、大雨により江戸で大洪水が発生。桐生は辛うじて生き延びるも商売道具の右腕に大怪我を負い、かつて恋仲であった娘・おみねも目の前で濁流に呑まれてしまう。何もかも失った桐生は《市村座》の騒動を機に知り合った玄蕃頭・有馬頼ユキ(※)に救われ屋敷で世話になることになり、懇ろだった深川芸者の粧香とも再会。一方、頼ユキの近習である坂西小弥太は、主君が桐生を気に入り、また幼い頃から恋心を抱いていた頼ユキの姉・梅渓院までもが執心であることにいら立ちを覚えていた。そして、使い物にならず腐っていた桐生を痛罵し、桐生は有馬家を去るのだが……。※ぎょうにんべんに童
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4.7【第64回毎日出版文化賞受賞作】1945年、夏。すでに沖縄は陥落し、本土決戦用の大規模な動員計画に、国民は疲弊していた。東京の出版社に勤める翻訳書編集者・片岡直哉は、45歳の兵役年限直前に赤紙を受け取る。何も分からぬまま、同じく召集された医師の菊池、歴戦の軍曹・鬼熊と、片岡は北の地へと向かった――。美しい北の孤島で、再び始まった「戦争」の真実とは。終戦直後の“知られざる戦い”を舞台に「戦争」の理不尽を描く戦争文学の新たなる金字塔。巻末に「浅田次郎刊行記念インタビュー」を特別収録。※本電子書籍は集英社文庫「終わらざる夏 上」「終わらざる夏 中」「終わらざる夏 下」の合本版です。
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-平成時代の基礎となった昭和の時代。戦争から経済大国へ、激動の昭和をもたらしたものは何だったのか。「二・二六事件」によって幕あけた狂気の時代を、壮大なスケールで捉えた感動の昭和史。『この作品は、日本人の運命と日本の針路を決定づけた「二・二六事件」から十数年間の歴史をつづったもので、執筆に五年の歳月を費やした。日本の動きだけでなく、世界史のなかの日本という視点に立って書いた。いいかえれば、ヒットラーやルーズベルトが何を考えたかによって、わたしたち日本人の運命も変わってきた。戦争を知らぬ世代にも経験してきた世代にも読んでいただきたいと思う。(三好徹)』
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