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一等航海士・神尾修二は、友人の戸山が殺されたことを航海中に知る。神尾の婚約者を自称する教子をめぐるトラブルが原因という。婚約をした覚えのない彼にとっては、不可解な事件だった。職を辞し、横浜に上陸した神尾に、さまざまな男女が接触してくる。そして不可解な暴力が彼を襲う――男の怒り、哀しみを鮮烈に描くシリーズ第一作。
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Posted by ブクログ
北方ハードボイルドの中ではあまりメジャーではないような気がする神尾シリーズ。 でも私はこれが一番好き〜。
船を降りた一等航海士・神尾修二。 友人が殺され、自称婚約者が現れ、船を降りた瞬間から事件に巻き込まれる神尾。 かっこいいんです・・・! どこか殺伐とした雰囲気なんですけど、全てのことに投げやりっぽいんですけど! 実は誰よりも熱い! 自分に決めたルールがあって、それを守り通す・・・さすが北方さんの描く...続きを読む男! 船を降りるのと同時に辞職し、使い道がなく溜まっていった金をあっさり車買ってみたり、殴られても三倍にして返してみたり。刑事さんを出し抜いてみたり。 くあー普通の男じゃない・・・ これだけは、と自分に決めたものを身に付けようとボクシングのジムに入ってみたり。 んでそこを語るなら、秋月くんについても語らねば! 神尾が船を降りた瞬間に声をかけてきた、車いすの弁護士・八木。 何故か八木には逆らえ切れない神尾も好き。 その八木の事務所で働いている新米弁護士・秋月! 彼の成長っぷりはこの一冊の中では一番と言える。 出てきたときは、ガチガチの弁護士で神尾に振り回されてるのに、神尾について行くために自分の中で何かを決めた。そして神尾の居るジムに一緒に入り、すぐに倒れるくせに一日も練習を休まない。 一度、ボロボロになるまで殴られるのだけど、そこからまた秋月くんは大きくなるのだ! 最後、神尾を抑えて沈めるのも秋月くんだ。 なんてゆーか、もう完成している神尾よりも秋月くんの成長は楽しいものだが・・・これは神尾の物語。 神尾が苦しんで悲しむ物語。 最後、守り切れなかった悲しい叫びはいつまでも神尾と秋野の心に残る。 シリーズのしょっぱなからこんな悲しい引き込みで・・・本当北方さんは辛い小説で読者を虜にする酷い人だ。
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