集英社文庫作品一覧

  • わたしの女神たち
    -
    優柔不断さこそ男の優しさであり、豊かな感受性と一途さから生まれる女のヒステリーは、けなげで可愛いといえる。男の優しさ、女の優しさ。そして男と女の強さとは。医師の冷徹な眼と作家の感性で、永遠に未知なる異性への限りない畏れと憧れをこめて、鮮やかに描く男と女のエッセイ集。
  • 新編武将小説集 かく戦い、かく死す
    3.3
    立身のためには自分の妻さえ売り、主君を平然と裏切った道三。残虐極まる行為を異様な執念で積み重ね、ついに戦国の雄となった男の生きざまを鮮やかに切り取る「斎藤道三」、上杉景勝が放った忍者・才蔵と、秀吉を主君と仰ぐ佐助が、天下を覆す策謀をめぐらす「明智光秀」など、戦国を思うがままに生きた侍たちの物語を独自の面白さで描く。
  • ハコブネ
    3.7
    十九歳の里帆は男性とのセックスが辛い。自分の性に自信が持てない彼女は、第二次性徴をやり直そうと、男装をして知り合いの少なそうな自習室に通い始める。そこで出会ったのは、女であることに固執する三十一歳の椿と、生身の男性と寝ても実感が持てない知佳子だった。それぞれに悩みを抱える三人は、衝突しあいながらも、自らの性と生き方を模索していく。芥川賞作家が赤裸々に紡いだ話題作。
  • がまんしなくていい
    -
    手術台の上で医師のために歌った女優。84歳でブログを始め本を出版したひとり暮らしのさっちゃん。自然に神経伝達物質の出方をコントロールできる生き方上手な人達――。笑いが免疫力を上げ、食べる喜びが副交感神経を刺激する。感動すると幸せホルモンが分泌され、もっと幸せになる。人を思いやると、愛情ホルモンが出て健康を守る。そんな脳の優れた仕組みを有効に使って、もっと楽に生きよう!
  • 新篇 眠狂四郎京洛勝負帖
    4.3
    京の千本通り、羅城門跡の旅籠に逗留中の眠狂四郎に、町奉行から呼び出しがかかった。禁裏から高い身分の姫が失踪、どうやら、大阪商人が関係しているようだ。御所が金のために姫を売った!? ひそかに姫を取り戻すべく、狂四郎は動きはじめる――表題作をはじめ、中、短篇8作品を集める。さらに狂四郎の創作秘話を綴ったエッセイ3篇も収録する。
  • 櫛挽道守
    4.2
    【中央公論文芸賞・柴田錬三郎賞・親鸞賞受賞作!】幕末の木曽山中。神業と呼ばれるほどの腕を持つ父に憧れ、櫛挽職人を目指す登瀬。しかし女は嫁して子をなし、家を守ることが当たり前の時代、世間は珍妙なものを見るように登瀬の一家と接していた。才がありながら早世した弟、その哀しみを抱えながら、周囲の目に振り回される母親、閉鎖的な土地や家から逃れたい妹、愚直すぎる父親。家族とは、幸せとは……。文学賞3冠の傑作!
  • 眠狂四郎異端状
    4.0
    ふらり秋田藩佐竹家領内へ入った眠狂四郎。そこでは、飢饉打開に清国の銀貨を私鋳し、密貿易がたくらまれていた。一方、水野越前守忠邦の側用人・武部仙十郎はその動きを利用し、軍資金捻出のための阿片貿易をはかる。秋田藩と仙十郎、両者の思惑をのせた抜荷船で、異人の占星学者にみちびかれ、狂四郎は清国へ。隠密との闘い、嵐、海賊…。南支那海での危機を描くシリーズ最終作にして最高傑作!!
  • 大水滸伝シリーズガイドブック(あらすじ漫画付き)
    無料あり
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【無料小冊子】駆けよ。夢追いし者、永久に。生きろ。去りし者のぶんまで。『水滸伝』『楊令伝』に続く『岳飛伝』(全17巻)、文庫版で発売開始! これを記念して「大水滸伝」シリーズの魅力を紹介する無料ガイドブックを電子書籍でも緊急配信! いのうえさきこによるあらすじ漫画『圧縮北方水滸伝』『圧縮楊令伝』や名台詞でふりかえる大水滸伝シリーズを収録。ご自由にダウンロードしてお楽しみください。

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  • ふゆイチ 文庫七福神(ふゆイチGuide2016-2017小冊子電子版)
    無料あり
    5.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【無料小冊子】集英社文庫編集部に宿る文庫を知りつくした七人の福の神。歴史の恵比寿天、感動の布袋尊、エンタメの福禄寿、恋愛の弁財天、サスペンスの寿老人、旅の大黒天、冒険の毘沙門天。彼らが全霊でオススメするNo.1お宝本を読めば運が開くかも!! そしてもう一人の神「読み逃しご用心さま」が話題のNo.1本をご紹介。読み逃しにはくれぐれもご用心を……!

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  • ふたりの余白
    -
    男と女のあいだには、永遠の溝が横たわっている――。ひとりの女性の死をめぐり、あるいは、身近にいる若者たちの恋愛をみながら、日常の中に潜む男と女の心の襞を、作家の冷徹な眼で抉り、愛の不可思議を語るエッセイ集。
  • 北国通信
    3.0
    雪を美しいものと見るのは旅人の目であり、それを悪魔と感じるのは雪国の人々の実感であるという。平原のポプラ、リラの花、とうもろこしの焼ける匂い、流氷のくる街……移ろいゆく北国の自然と風物を通して、医師から作家へとなると同時に、北海道から東京に住むようになった著者が、ふるさとへのアンビヴァレンツな心の動きを描写。渡辺文学の原風景を語る珠玉のエッセイ集。
  • 猫は怖いか可愛いか
    -
    自由自在、神出鬼没。コワイ、可愛い。赤川センセイの辺りにいる様々な猫たちの愉しい話。少年時代の思い出や小説を書き初めた頃のこと。好きな映画や音楽、忙しい合間をぬっての旅行記など……。大ベストセラー作家のヒミツの日常生活と意見を飾らない言葉とユーモアで綴る。赤川ファン必読のエッセイ集。
  • 広場の孤独 漢奸
    -
    【第26回芥川賞受賞作】朝鮮戦争勃発にともない雪崩のように入ってくる電文を翻訳するため、木垣はある新聞社で数日前から働いている。そこには「北朝鮮軍」を“敵”と訳して何の疑いを持たぬ者がいる一方、良心に基づき反対の側に立とうとする者もいた。ある夜、彼は旧オーストリー貴族と再会し、別れた後ポケットに大金を発見する。この金は一体何か。歴史の大きな転換期にたたずむ知識人の苦悩と決断。日本の敗戦前後の上海を描く「漢奸」併収。
  • 箱根たんでむ 駕籠かきゼンワビ疾駆帖
    5.0
    東海道随一の難所、箱根路。箱根山を越えて西を目指す旅人で賑わう小田原宿で、ひときわ威勢のいい駕籠かきが侘助と漸吉の二人組だ。年の頃と背丈が近いという理由で親方に組まされた二人だが、とにかく息が合わず、喧嘩ばかりの問題児。そんな二人が、商売敵と「箱根一」をかけて勝負することになり――。箱根を舞台に、少年たちの成長と友情を生き生きと描く青春時代小説。
  • 築地 魚の達人 魚河岸三代目
    3.0
    世界に食文化を発信する築地市場が開設して80年。魚河岸仲卸「堺静」の三代目として誕生した著者は、築地で育ち、家業を継ぐ。築地を愛し、魚にほれ込み、魚の職人として生きてきた。魚の旬や特性、美味しさを知り尽くしているからこその料理法の数々。市場のしきたり、厚き人情から心意気まで、意外で愉しいエピソード満載。人気コミック『築地魚河岸三代目』アドバイザーが、築地の秘密を大公開!
  • サラの柔らかな香車
    3.8
    1~2巻528~638円 (税込)
    【第24回小説すばる新人賞受賞作】プロ棋士になる夢に破れた瀬尾は、毎日公園に一人でいる金髪碧眼の少女サラに出会う。言葉のやりとりが不自由な彼女に対し、瀬尾は将棋を教え込む。すると、彼女は盤上に映る“景色”を見る能力を開花させ――。棋界に新たな風を送るサラ、将棋に人生を捧げてきたスター・塔子、数多の輝く才能を持つ七海の三人を巡り、厳しくも豊かな勝負の世界を描く青春長編。
  • アンダースタディ
    3.7
    父が急死して21歳のOL、内海奈美の人生は大きく変わった。3歳の時に別れた母と双子の姉、美幸と暮らすことになって、姉の(代役)生活が始まった。身代わりデートをしたり、姉の愛人らしい大学生、安田から「連絡くれなきゃ死ぬ」って電話を受けたり、代役もなかなか大変なのだ。不穏なことは次々起きる。安田の自殺、叔父の心中事件、旧い友人の死。奇妙な糸に結ばれて意外な真相が暴かれる長編。
  • 夢みる妹たち
    5.0
    長女涼子。ひとりっ子の舞とともに別居生活を始めたばかり。舞を名門幼稚園に通わせるためで夫と離婚する訳じゃない。次女美雪。大学受験を控えて上京。独り住いの義兄の家に居候中。ただならぬ恋の予感を感じている。そして三女由香。オテンバな高校受験生。不思議な恋人ができたようだ。美しい三人の姉妹をめぐる恋模様が次々と波瀾を呼び奇妙な事件が巻き起こる。家族と愛とサスペンスの物語。
  • マイナス・ゼロ(広瀬正小説全集1)
    4.2
    1945年の東京。空襲のさなか、浜田少年は息絶えようとする隣人の「先生」から奇妙な頼まれごとをする。18年後の今日、ここに来てほしい、というのだ。そして約束の日、約束の場所で彼が目にした不思議な機械――それは「先生」が密かに開発したタイムマシンだった。時を超え「昭和」の東京を旅する浜田が見たものは? 失われた風景が鮮やかに甦る、早世の天才が遺したタイムトラベル小説の金字塔。
  • リケコイ。
    3.0
    恋愛経験ゼロ。冴えない理系大学院生の森は、ある日突然恋に落ちた。相手は、卒業研究をするためにきた、黒髪メガネの年下リケジョ・羽生さん。ところが、好みド直球な彼女にはある重大な秘密が! 妄想と現実に身悶えながら、あの手この手でアプローチを仕掛けるが、ひたすら空回り。それでも諦めきれない……。どこまでも不器用で、思わず応援したくなる、歯がゆさ満載の青春ストーリー!
  • ばらばら死体の夜
    3.4
    神保町の古書店「泪亭」二階に住む謎の美女・白井沙漠。学生時代に同じ部屋に下宿していたことから彼女と知り合った翻訳家の解(さとる)は、訝しく思いながらも何度も身体を重ねる。二人が共通して抱える「借金」という恐怖。破滅へのカウントダウンの中、彼らが辿り着いた場所とは――。「消費者金融」全盛の時代を生きる登場人物四人の視点から、お金に翻弄される人々の姿を緻密に描いたサスペンス。
  • 貧乏同心御用帳
    4.5
    独身なのに、14歳から6歳までの孤児9人を同居させているかわり者、江戸町奉行所の町方同心、大和川喜八郎・32歳。めっぽう腕は立つが、情には弱い。同僚の妻をはじめ美女が次々失踪する謎を追う「南蛮船」。巾着切が浪人者からすりとった小判には秘密があり……「埋蔵金十万両」。ほか2編の連作短編を収録。喜八郎を居候の子どもたちが助け、事件解決に大活躍する痛快大江戸人情捕物帳!
  • 文庫版 虚言少年
    4.2
    オヤジ臭く、自他ともに認める嘘吐きの内本健吾。モテたいのに女子ウケしないことばがりをし続け、味のある面白さを持つお坊ちゃまの矢島誉(ほまれ)。人心を掌握する術と場を読む能力に長け、偏った知識を持つ京野達彦。「馬鹿なことはオモシロい」という信条を持つ小学生男子三人組が繰り広げる、甘酸っぱい初恋も美しい思い出も世間を揺るがす大事件もないが、馬鹿さと笑いに満ちた日々を描く7編。
  • 御家人斬九郎
    4.0
    本所に住む貧乏御家人・松平残九郎。表ざたにできない罪人の介錯を副業としていることから、ついたあだ名が「斬九郎」。腕はめっぽう立つのだけれど、酒と女、そして何より79歳になる美食家で大食漢な母親にはからきし弱い! ふつか酔いの今日も尻をたたかれ、依頼の仕事に駆けつける。江戸の町から東海道、京都まで、事件の裏の謎を解く短編10作と中編5作を収録した、型破りな傑作時代小説。
  • やあ おげんきですか
    -
    高校創立者として名高い聖ド・ラ・サール、孟母三遷の教えの孟子の母、そしてあの美空ひばり等、時代を画した天才たちはいかにして生まれたのか? 教育界の大巨人たちがはじめて“語る”その教育法。お母さんに学生さん、そして教育関係者必携必読抱腹絶倒「ひさし版教育読本」。
  • ため息の時間
    4.0
    洋画家の僕は、「センセイ」と呼んで敬愛する十歳年上のイラストレーター辻井秋一とその妻洋子のふたりを、同時に愛してしまった。愛し合うこと、騙し合うことを繰り返し、からみ合う人間関係の終着駅はどこなのか? 現代の恋愛の先端を、スリリングな展開と抒情味豊かな筆で描く。
  • 影に恋して
    3.7
    平凡な女子高生の矢部克美は、お金持ちの従妹の“代理”で出席したパーティで、大学演劇の旗手、坂田法夫と出会い、たちまち恋におちた。しかし、つい従妹の名を名乗ってしまったせいで事態はややこしい方向へ……。グッと大人の“恋人候補”も出現し!? 突然ドラマティックに変貌した、17歳の克美の日々! 「少女」が「女性」として一歩を踏み出すまでの、危うくて、ちょっとホロ苦い成長物語。
  • ネガティヴ
    3.7
    妻に不倫の恋をさせ、それを材料に、同時進行で作品を書こうともくろんだ流行作家。この「仕組まれた恋」を発端に、不気味な連続殺人がはじまった……。いつのまにか現実と物語との境界がうすれ、この世の裏側(ネガティヴ)の世界が現実にまぎれこんでくる――底知れない怖さを描く、異色のサスペンス長篇!
  • ホーム・スイートホーム
    3.5
    部長に昇進した父、専業主婦の母、しっかり者の娘二人と末っ子の一人息子。棚原家はどこにでもある平凡な一家だったが、ある日の早朝、長女の無残な姿の帰宅から、悲劇は始まる。誘拐、脅迫、殺人――「ウチには全く関係ナイ」はずの物騒な事件に次々と巻き込まれていく。平和な家庭をたちまち破滅させてしまう現代社会の落とし穴の恐ろしさを描く辛口ミステリー。家族の絆を問い直す意欲作!
  • 貴族探偵
    3.7
    信州の山荘で、鍵の掛かった密室状態の部屋から会社社長の遺体が発見された。自殺か、他殺か? 捜査に乗り出した警察の前に、突如あらわれた男がいた。その名も「貴族探偵」。警察上部への強力なコネと、執事やメイドら使用人を駆使して、数々の難事件を解決してゆく。斬新かつ精緻なトリックと強烈なキャラクターが融合した、かつてないディテクティブ・ミステリ、ここに誕生! 傑作5編を収録。
  • 博物館のファントム 箕作博士の事件簿
    4.2
    自然史博物館で働くことになった女性新人分類学者・池之端環。植物標本の整理を命じられ、未整理の標本や資料が大量に詰め込まれた旧館「赤煉瓦」に足を踏み入れた環が出会ったのは、そこに棲みつくファントムこと変人博物学者の箕作類。「どんなものも絶対に捨ててはならない」が口癖の箕作と、片付け魔の環のでこぼこコンビが、博物館で起こるさまざまな事件の解決に動き出す!
  • 夏のバスプール
    3.5
    夏休み直前の登校中、高校一年生の涼太は女の子にトマトを投げつけられる。その女の子・久野ちゃんが気になるが、仙台からきた彼女には複雑な事情があるらしい上、涼太と因縁のある野球部の西澤と付き合っているという噂。一方、元カノは湿っぽい視線を向けてくるし、親友カップルはぎくしゃくしているし、世界は今年で終わるみたいだし――。どうする、どうなる、涼太の夏!? 胸キュン青春小説!
  • 鏡の花
    3.6
    少年が解き明かそうとする姉の秘密、曼珠沙華が物語る夫の過去、製鏡所の娘が願う亡き人との再会……。「大切なものが喪われた、もう一つの世界」を生きる人々。それぞれの世界がやがて繋がり合い、強く美しい光で、彼らと読者を包み込む。生きることの真実を鮮やかに描き出すことに成功した、今までにない物語の形。ベストセラー『光媒の花』に連なり、著者の新しい挑戦が輝く連作小説。
  • 上石神井さよならレボリューション
    3.0
    成績不振の写真部員・設楽洋輔は、眉目秀麗で天才で変態の岡江和馬の勉強指導と引換えに『フェティシズムの捕獲』を請け負うことに。高校一の美少女で生物部員の愛香の依頼で一緒に野鳥の撮影をしつつチャンスを狙う中、様々な「消失」事件に出会い……。天真瀾漫で運動神経抜群の愛香の突飛な行動、冷静かつ的確な岡江の推理を参考にしながら、設楽は意外な事件の真相に迫る。青春ミステリー!
  • 手のひらの砂漠
    4.2
    この不幸は、いつまで続くのだろうか――。平凡な結婚生活の先に待っていたのは、思いもよらぬ夫からの暴力だった。シェルターからステップハウス、DVの被害女性だけで運営される自然農園……。離婚を経て、居場所を変えながら少しずつ自立を果たそうとあがく可穂子に、元夫・雄二の執拗な追跡の手が迫ってくる……。現代の闇に恋愛小説の女王が切り込む、衝撃のノンストップサスペンス!
  • 渡辺淳一文学賞創設記念 電子化作品コレクション 2016Autumn
    無料あり
    -
    【無料小冊子】渡辺淳一文学賞の創設を記念して、渡辺淳一さんの電子化作品を一挙にご紹介します。話題作・問題作から、さまざまな愛のかたちを論じたエッセイ、ユーモアをまじえて平易に語る人体の神秘、小説の書き方まで。男と女の関係を模索する作品群のカタログとなっています。※本電子書籍には2016年10月までに配信した作品を掲載しています。

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  • 0葬 ――あっさり死ぬ
    3.0
    日本の葬儀代は世界一。葬式や墓に何百万円もかける必要が本当にあるのか。遺族が散骨を行う「マイ自然葬」、そして葬儀をせず遺骨すら受け取らず、墓も作らない「0葬」へと時代は確実に進んでいる。超高齢化が進み、死者を葬り、弔うことへの意識は昔と大きく変化してきた。もはや死後、遺体を適切に処理するだけで十分なのだ。遺族へ迷惑をかけない逝き方に悩むあなたに必読の「終活」入門書。
  • おだやかな部屋
    -
    男との愛に生きながら、確かな世俗の絆を求めようともしない孤独な女の心は、日常の些細な出来事も部屋から見下す街のながめも、謎めいたものに変えてしまう。ひとり居の女心のゆらめきに微かな性の芳香を漂わせながら、一組の男と女の微妙な愛のかたちを描いて生の不思議な深淵にせまる力作長編。
  • 公園通りの午後
    5.0
    【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】脊髄の腫瘍で数日のはかない命とも知らず、少女が語る無限の未来――。癌患者に真実を伝えるべきか。そして最後まで果敢に死の恐怖と戦う人間の姿――。その存在にかぎりない心のゆとりを与えてくれる母への思い――。作家であり医師である著者が、人を愛するが故にみせる冷酷な目、虚無的な目、優しい目が行間にちりばめられた珠玉のエッセイ。
  • 秘密のひととき
    3.5
    路地の奥に隠れ住む、超能力を持つ老人(「路地裏の天才」)、夜はナイトクラブの超人気ダンサーに変身する児童劇団所属の小学生(「名優キャット」)、穏やかに余生をたのしむ老紳士の密かな欲望(「生きる歓び」)……など“一見普通”の人々が隠し持つ、「もうひとつの顔」をテーマにした短篇集。軽快な語り口で、人生の苦さや怖さ、そして切なさを見事に描く、全5篇を収録。
  • 彼女のプレンカ
    3.0
    【第23回すばる文学賞受賞作】ハワイの大学に留学していた咲と裕美子は卒業旅行にタイを訪れた。咲は自分のルーツにつながる少数民族の村に伝わるブランコ=プレンカを探すために。裕美子はある思いを抱いて。北部の町・チェンライで山岳民族アカ族の青年とその妹と出会ったことから、二人の旅は変わり始める。それぞれの交錯する物語は、やがて思いもかけない結末を迎えることに……。
  • 谷川俊太郎詩選集 1
    4.2
    1~4巻495~671円 (税込)
    「……私はひとを呼ぶ/すると世界がふり向く/そして私がいなくなる」(『六十二のソネット』所収「62」より)。時代を超えて愛される谷川俊太郎の詩作のすべてから新たに編んだ21世紀初のアンソロジー。第1巻は処女詩集『二十億光年の孤独』『愛について』『日本語のおけいこ』『旅』『ことばあそびうた』など17冊の著作と未刊詩篇より、1950~70年代の代表詩を厳選。
  • 天切り松 闇がたり 第一巻 闇の花道
    4.2
    夜更けの留置場に現れた、その不思議な老人は六尺四方にしか聞こえないという夜盗の声音(こわね)「闇がたり」で、遥かな昔を物語り始めた――。時は大正ロマン華やかなりし頃、帝都に名を馳せた義賊「目細の安吉」一家。盗られて困らぬ天下のお宝だけを狙い、貧しい人々には救いの手をさしのべる。義理と人情に命を賭けた、粋でいなせな怪盗たちの胸のすく大活躍を描く傑作悪漢小説(ピカレスク・ロマン)シリーズ第一弾。
  • 逆回りのお散歩
    3.5
    地方都市A市とC町の行政統合を目前に控え、聡美はネット掲示板で、陰謀説まで飛び交う激しい議論が起こっていることを知る。「統合反対派」による市役所への抗議電話や無許可のデモ行進。平穏に過ぎる日常の裏で、無関心に見えた人々が静かに動き出し、反対運動は他を巻き込み激しさを増していく……。日本の現在を想起させる表題作ほか、ベストセラー『となり町戦争』のスピンオフ短編も併録。
  • 回廊封鎖
    3.8
    連続する殺人事件には共通点があった。見せしめのような殺害方法、被害者は破綻した大手消費者金融「紅鶴」の元社員。それに気付いた刑事・久保田は事件を追い始める。紅鶴に人生を破壊された男たちの復讐劇の最後にして最大のターゲットは社長一族の元専務・紅林伸夫。決着の場所は、六本木の巨大ビルで行われる映画祭。その壮絶な結末とは――!? 現代社会の闇に向き合った渾身の犯罪小説。
  • 幸福な日々があります
    3.9
    「夫としてはたぶんもう好きじゃないんだよね」。三十六歳で結婚をしてから十年を迎える年の正月、お雑煮を食べながら森子は祐一に告げた。別に嫌いになったわけじゃない。親友としてなら、好き。けれどももう一緒にはいたくない。戸惑う夫を尻目に森子は一人暮らしの準備をし、離婚の手続きを進めようとする――。恋とは結婚とは、一体何なのか。女性の心に潜む本音が共感を呼ぶ長編小説。
  • 聖母たちの殺意
    3.0
    役者のエージェントとして働く美穂。ある日、女子大の同級生で“マドンナ”と呼ばれた笑子が殺され、驚く。しかも殺人の重要参考人である笑子の夫と、やはり女子大の同級生で富裕な人妻の克子とが、居候として家に転がり込んで来た! そして、もうひとりの親友、香は――。卒業後10年、かつてのマドンナたちの恐るべき変貌。すべては時の流れのなせる業なのか!? 仄かな苦さを秘めた大人のサスペンス。
  • 呪いの花園 ミステリー組曲「幻影稼業」
    4.5
    男は、その人形をいとおしむように撫でて、「これを使えばあなたの望みは叶いますよ」と言った…(表題作「呪いの花園」)。夜の街でノッペラボーの“呪い人形”を売る男や、“悪夢”を買わせてくれと頼む黒装束の人物――この世にはあなたの知らない「幻影稼業」がうごめいている! 心の闇に潜むさまざまな願望や欲望の顛末を描いた、異色の連作ホラー6篇。そっと仕掛けられた甘美な毒にご注意。
  • 家康の母お大
    3.8
    水野忠政の娘お大は十四歳で岡崎城主松平広忠に嫁ぎ、嫡男竹千代を産む。だが、実家が織田方に寝返ったため、離縁され、幼い息子と生き別れた。久松俊勝と再婚後、竹千代が、今川義元方へ人質に出されることを知る。わが子の無事を祈るお大は、命がけの行動に……。戦なき世を願う母と、その願いを果たすため天下人家康となった息子。知恵を尽くして戦乱の世を生き抜いた女の波瀾万丈の生涯。
  • 麗しき白骨
    -
    【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】T大医学部整形外科・藤本教授の定年退官の時期が迫っていた。絶大な権力を持つそのポストに、次に座るのは誰か――。有力候補の一人である東都大の可知教授は、実績作りのために、骨移植研究グループを発足させた。異種骨移植が上手くいけば、学会の注目を集めること必定である。動物実験もそこそこに、人体実験が開始されたが……。
  • 美女
    3.9
    この里芋のような女に、俺の「浮気相手」が演じられるのだろうか? 妻の妹と関係を持った男は、妻の疑いをそらすために、馴染みの居酒屋の女将に一芝居打ってくれるように頼み込んだ。男の目の前ではじまった、妻とその妹、女将――3人の女の壮絶な「芝居」は、想像もしない幕切れへ……(表題作)。逆転に次ぐ逆転! 息を呑む超絶技巧で男と女の虚実を描く、8篇の傑作ミステリアス・ノベル。
  • 弾丸スタントヒーローズ
    3.0
    千鶴は冴えない大学二年生。ある日、父から「双子の嗣美が怪我をした」という突然の連絡が。駆けつけた先は、なんと映画の撮影現場だった。そこで美作という女性スタントマンに出会った千鶴は、成り行きでスタント・チームに所属することになる――。幼い頃の火事の記憶、母親との葛藤、姉妹の確執を乗りこえて成長していく、一人の女性の物語。共感と感動と癒しの青春×家族×お仕事小説!
  • 嗤う名医
    3.5
    脊柱管狭窄症で尿道に管を入れられ自宅で寝たきりの状態を強いられている男性は、嫁に浣腸を頼むのが憂鬱だ。あげくに嫁は看護婦や医師にわたしが痴呆だと嘘をついて嫌がらせをしている。きっと施設送りにしようと企んでいるに違いない。そんなことはさせないと叫ぶが――「寝たきりの殺意」。豊胸手術に失敗した運の悪い女を描いた「シリコン」他、現役医師による背筋が凍るミステリー全6篇。
  • おいしいおにぎりが作れるならば。
    3.3
    日々の暮らしの中に生まれる小さな奇跡、ささやかな工夫や知恵を分かち合い、暮らしを豊かに、美しくするための役立ちを発信し続けている著者。小学生の時に母と作ったおにぎりの思い出や、父のこと、座右の本、友だちの作り方やお金のことまで。“正直、親切、笑顔、今日もていねいに”を信条にしている著者が、「暮しの手帖」編集長時代に思ったこと、感じたことを素直に綴ったエッセイ集。
  • 〈おんな〉の思想
    4.4
    森崎和江らが著作を発表した60年から80年代、フェミニズムは黎明期を迎えた。思想形成期だった著者は、自身の核に深く食い込む影響を受けた。“女が語ろうとした時「男ことば」しかなかったところから、前を行く人が苦しみを背負ってくれた。そんな彼女たちのことばがわたしの血となり肉となった――。”外国語作品を含めおんなの思想を形作ってきたパイオニアの足跡を次の世代の女たちに伝える1冊。
  • 真田十勇士(一) 運命の星が生れた
    3.5
    天正十年、真田幸村は上田城で父・昌幸と夜空を仰いだ。光を増して輝く己の星のまわりに、十の流星が飛来する。「どうやらこの幸村が智能をふりしぼって働く時、手足となって働いてくれる秀れた家来が、十人、現れましょう」武田勝頼の遺児・猿飛佐助、碧眼のイギリス人・霧隠才蔵、石川五右衛門の子・三好清海……「真田十勇士」決定版。超絶の忍術妖術、息もつかせぬ第一巻!
  • 田中角栄回想録
    4.6
    スローガンは「決断と実行」。戦後の一時代を築き、いまも人々の記憶に残る田中角栄。日中国交回復と日本列島改造論を掲げて政界の頂点に立ち、ロッキード事件を経てからもその影響力を失わなかった。28歳での代議士初当選から法廷闘争の最中、病に倒れるまでに語られた思いや本音を、腹心の秘書であった著者が肉声を交えて紹介。不世出の天才政治家の素顔を浮き彫りにする超一級ノンフィクション。
  • 野武士、西へ 二年間の散歩
    3.9
    野武士たる著者は、世の散歩ブームを受けて「大阪まで散歩しよう」と思い立った。でも大人だから、一気に踏破するなんて無茶はしない。ちょっとずつ歩いて帰りは電車で戻ってくればよしとする。途中でビールを飲んだりウマイものを食ってもよし。温泉に入ってもよし。疲れたらホテルでマッサージとか頼んでもよし。かくしてユルさと苦難がないまぜの、大人の東海道散歩500キロ超が始まった!
  • 修羅走る 関ヶ原
    4.0
    時は慶長五年九月十五日。昨夜来の雨は上がれど、濃霧が立ちこめる関ヶ原。一大決戦の秋を迎えていた。未明、小早川秀秋の裏切りの気配を伝える密使が石田三成の下にやって来る。三成は裏切りに備え、万全を期す。一方、徳川家康は、豊臣恩顧の福島正則らの動向に不安を募らせる。東西両軍、命運を賭けた戦いの火蓋が切って落とされた! 日本史上最大、関ヶ原の合戦。その長い一日を描く戦国巨編。
  • これを食べなきゃ ――わたしの食物史――
    -
    【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】今はなき母の作るイクラ漬。艶めいた絶世の美女のごとく品のよい松葉ガニ。少し失意のときに似合う焼きツブ。少年時代を思い出すトウキビの香り――。北海道に生まれ、豊饒なる大地と海の、旬の味を噛みしめて育った著者が、食べ物へのこだわりと、深い愛着をこめて語る食の自分史、美味なるエッセイ。“食べる”ということは、素材を、季節を、人生を味わうこと。
  • 秋の猫
    3.4
    【第16回柴田錬三郎賞受賞作】男はもうこりごりと思った私は、ついに念願の猫を飼うことにした。が、二匹のうちの一匹がどうしてもなつかない。表題作「秋の猫」。夫婦で犬を飼い始めたとたん、仕事は順調、夫は女をつくった。いざ離婚というときに、夫も私も犬の親権を主張して譲らない。「幸運の犬」ほか、犬や猫との交流をとおして、心を癒され、孤独の寂しさを埋めてゆく男女を描く、心温まる短編集。
  • 復讐はワイングラスに浮かぶ
    3.7
    中堅事務器会社の新人OL洋子は入社してすぐ、先輩の村上に一目ぼれ。独身でハンサムな彼と付き合うことになる。しかし、村上には秘密があった。彼は次々とやめていく女子社員をつなぎとめておくためのオトリだったのだ。逢うたびに彼にのめりこむ彼女は、ある日、その秘密に気づいてしまう。密かに復讐を決意する彼女は……。表題作含め珠玉の4編を収録した傑作サスペンス・ミステリー短編集。
  • 私小説
    -
    出家した作家・宇都木のまわりには、姉の死や裁判を受けている俳優からの電話、獄中の死刑囚からの手紙などの“事件”が相次ぐ。作家として尼僧として、誠実に対応しつつ、虚が実で実が虚の世界を書き続ける。現実の展開を小説の中に映し、自らの道をわき目もふらず独り歩きつづけた作家の、人生への愛と哲学に満ちた長編。瀬戸内寂聴が得度十年目に書いた、「亡き姉に」捧げる一冊。
  • 空き缶ユートピア
    -
    「老人による老人のための老人の有料老人ホーム」を目指し共同生活をはじめた八人の老人と老人候補。人情薄い時代の心あたたまるユートピア設立の話に、マスコミはとびついた。だが、これはマスコミ受けをねらった全くのお芝居。老人たちはもっと凄い事件を企んでいた……。ユーモアと風刺をきかせたドンデン返し。新しい共同体の夢を描いた意欲作。
  • 死が二人を分つまで
    -
    心臓が止まったはずなのに、専業主婦・由利江には、はっきり意識があった。なぜか生きているのだ。だが、その代償は重く、人間の生命エネルギーを奪わないと生きられない体になっていた。他人を殺さねば、自分が死ぬ。彼女は殺すことを選択してしまう。それを知ったサラリーマンの夫・広造は銃を手に彼女を追うが……。殺しながら逃げる主婦とその夫とのスリリングな関係を描く傑作ホラー長編。
  • サラリーマンよ 悪意を抱け
    3.4
    4人のサラリーマンが、宴会の席で上司の部長をにらみつけていた。彼らは、今夜「部長殺人計画」を実行に移そうとしていたのだ(『サラリーマン四銃士』)。窓際社員・西野は出社してすぐ、席に着いたまま心臓マヒで死んだ。まるで眠るかのように。それを見た係長は決定的なミスを、死んだ彼のせいにするが……。(『雨の朝、窓際に死す』)。など、全編サラリーマンを主人公にした異色傑作ミステリー短編集。
  • 老いの戒め
    5.0
    自分の年齢は、自分が決める。他人様から老いを見つけられてはならない。年齢を言い訳にせず、努力を始めよう。年をとったら、相手を包み込む度量、心の大きさ美しさを意識したい。自分の生き方に責任をもって、潔く老いるのだ。他人に期待せず、自分に期待して生きたい――。日常のおしゃれ、言葉遣い、しぐさから、この世を去る時の思いまで、自分を戒め器量よしになる43の提案。珠玉のエッセイ。
  • 女子高生ハッカー鈴木沙穂梨と0.02ミリの冒険
    3.8
    高校生の鈴木沙穂梨は、個人情報を盗んだ疑いで逮捕された友人の父の無実を証明するため、彼氏の拓人とともに調査を開始する。そのころ世間では『サイコ・エンジェルズ』というスマホゲームが大ブームを巻き起こし、高額課金やアイテムの売買などが社会問題化しつつあった。女子高生の日常と世界的陰謀がサイバー空間で交錯し、思わぬ真相が明らかに。「いま」を描くサイバーミステリ!
  • 隠れ菊 上
    3.5
    1~2巻671~715円 (税込)
    【第9回柴田錬三郎賞受賞作】浜名湖畔の料亭「花ずみ」の跡取りと結婚した通子。名女将と評判の姑が亡くなりまもなく一年になる日、通子は夫の旬平の指示で一人の女と会う。女は通子に言った――「ご主人をいただきにきました」。とりだした離婚届には、すでに旬平の署名が。この日から、平凡な主婦だった通子の日常は一変、妻の座と店の運命を賭けた闘いが始まった。愛に商売に体当たりする女の生き様を描く、柴田錬三郎賞受賞作。
  • 検証捜査
    3.7
    1~3巻722~880円 (税込)
    神谷警部補は、警視庁捜査一課の敏腕刑事だったが、伊豆大島署に左遷中。彼に本庁刑事部長から神奈川県警に出頭命令が下る。その特命は、連続婦女暴行殺人事件の犯人を誤認逮捕した県警そのものを捜査することだった。本庁、大阪、福岡などから刑事が召集されチームを編成。検証を進めるうち、県警の杜撰な捜査ぶりが……。警察内部の攻防、真犯人追跡、息づまる死闘。神谷が暴く驚愕の真実! 警察小説。
  • 流氷への旅
    3.6
    【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】灰色の空と白い氷原に覆われた街・紋別。竹内美砂は流氷研究家・紙谷誠吾を知り、強く魅かれていく。彼はかつての恋人を奪い自殺したという友人のことで心を閉ざしていた。一途に燃える美砂の愛の炎は、そのわだかまりを解かすことができるのか。二人は結ばれることになるのか。移ろいゆく北国の四季の中で、大切なひとを見失わないよう、まっすぐな思いに自身を駆りたてる女性の、豊潤な恋愛小説。
  • 暗黒街の吸血鬼(吸血鬼はお年ごろシリーズ)
    3.0
    駅のホームで、突然見知らぬ男たちに囲まれたクロロックとエリカ。黒のマント姿といういかにも怪しい格好のために、人違いされてしまったのだ。彼らが探していたのは、恐ろしい復讐心を燃やす父娘らしいのだが……!? 暗黒街の掟に立ち向かう、正義の吸血鬼父娘が大活躍! 表題作のほか『吸血鬼は時給八八〇円』『吸血鬼の祭典』の2編を収録した、〈吸血鬼はお年ごろ〉シリーズ第15作!
  • 女たち
    -
    六十路をむかえてなお恋の炎を燃やす女将。キャバレーのボーイに熱をあげるハイティーンの歌手。大学図書館の勤めをやめて不倫の愛に生きる女…など。奔放な情熱のおもむくままに生きる「女たち」のさまざまな愛と性にひそむ微妙な心の翳りと官能のうごめきを、多彩な人生模様に描く連作小説。
  • 妬心
    4.0
    夫も子供も捨て家を出るきっかけとなった年下の男との偶然の再会が、作家として世に出はじめていた牧子の心に妖しい愛の炎を呼びさます。やがて二人で暮らす日々……。だが突然、男がきりだす別れ話。不倫の愛に懊悩する女の業を描く表題作、他に情熱のおもむくままに愛の遍歴を重ねる女を多彩に描いた六篇を収録。
  • ある八重子物語
    -
    「水谷八重子は、それまで我が国になかった『女優』という新しい職業の確立をめざした、時代の先駆けの一人です」……神田川が隅田川に流れ込む手前の柳橋。古橋医院に集う人びとは皆、舞台の名台詞をもじって話すほどの新派好き。戦前・戦中・戦後。八重子を、そして日本語を愛してやまない庶民の口を借りて、名女優の一生が浮かび上がる……。ひさし版“昭和と女優”。
  • 創作の現場から
    -
    【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】小説のテーマはどう見つけるのか、取材の方法は? タイトルはどうつけるか、書くのに欠かせない小道具とは何か……。ベストセラーを書き続け、現代を代表する作家・渡辺淳一が、自らの体験にひき寄せて、小説をどう生み出してきたか、その秘密を赤裸々に綴るエッセイ。渡辺ファン必読の書。
  • シネマティク恋愛論
    3.0
    【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】肉体に刻みこまれた愛の深さ『愛の嵐』。妻子ある男と人妻の恋『恋におちて』。男を追いすぎた年上の女の悲劇『夏の嵐』。妻が夫以外の男に揺れる時『終着駅』。愛の不毛の行きつく果て『情事』――。14の名作映画をテキストに、さまざまな愛のかたちを論じ、恋のこころを説くエッセイ。恋愛における心と肉体の問題や、男と女の違いなど、その本質に著者が鋭く迫る。
  • 泡沫日記
    3.3
    初体験。それは若者だけのものではなく、中年期は“初体験ラッシュの第2ステージ”なのだ。自分の心身の衰えのみならず、親の死、祖母の介護など老いにまつわるものから、初めて行く国、初めて乗る列車、EXILEのコンサートなど未知の世界が広がるものまで。そして、あの東日本大震災と、その後の日々……。次々起きる初体験に戸惑いながら対応し、順応していく日日の日記風共感エッセイ。
  • 小説版 サブイボマスク
    -
    人影まばらなシャッター商店街。過疎化が進み、ダムの建設予定地になると噂されている故郷・道半町に笑顔を取り戻したい熱血青年団員の春雄は、覆面レスラーだった父の形見のマスクをかぶり、商店街の真ん中で路上ライブを始める。感動で“心のトリハダ”を呼び覚ます謎のシンガー、「サブイボマスク」見参! ファンキー加藤初主演、ハートフル“自虐”コメディ映画のノベライズ。
  • 八月の青い蝶
    4.2
    【第26回小説すばる新人賞受賞作】「わしはずっと八月を、くり返してきたんじゃ」。急性骨髄性白血病で自宅療養することになった亮輔は、中学のときに広島で被爆していた。ある日、妻と娘は亮輔が大事にしている仏壇で古びた標本箱を見つける。そこには前翅の一部が欠けた小さな蝶がピンでとめられていた。それは昭和二十年八月に突然断ち切られた、彼の切なくも美しい恋を記憶する品だった。
  • お伊勢ものがたり 親子三代道中記
    4.0
    密書を携え、伊勢参り!? わけありの武家の女三人は、それぞれの思いを抱え、頼りない案内人のもと、伊勢へといざ出立。旅も人生も山あり谷あり、風雨あり。巾着切りの若い女、不審な行動をとる老いた浪人者、犬を相棒にした抜け参りの子ども……。いくつもの出会いが祖母の、母の、孫の人生を変えていく。江戸から伊勢への百十四里の珍道中。心がほっとあたたかくなる長編時代小説。
  • 壺中の回廊
    3.3
    関東大震災からの復興の兆しを見せる昭和五年、東京。歌舞伎の殿堂木挽座に“掌中の珠を砕く”という脅迫状が届く。皆が疑心暗鬼にかられるなか『忠臣蔵』に出演中の花形役者が毒殺される。江戸の狂言作者の末裔桜木は、築地署の笹岡と真相究明に乗り出す。容疑者は、役者、裏方、観客すべて。だが、嘘をつくのが商売の役者を相手に捜査は難航……。変革の時代を背景に描く歌舞伎バックステージミステリー。
  • 天使の柩
    4.1
    家にも学校にも居場所を見出せず、自分を愛せずにいる14歳の少女・茉莉。かつて最愛の人を亡くし、心に癒えない傷を抱き続けてきた画家・歩太。20歳年上の歩太と出会い、茉莉は生まれて初めて心安らぐ居場所を手にする。二人はともに「再生」への道を歩むが、幸福な時間はある事件によって大きく歪められ――。いま贈る、終わりにして始まりの物語。『天使の卵』から20年、ついに感動の最終章。
  • 名も無き世界のエンドロール
    4.0
    【第25回小説すばる新人賞受賞作】ドッキリを仕掛けるのが生き甲斐のマコトと、それに引っかかってばかりの俺は、小学校時代からの腐れ縁だ。30歳になり、社長になった「ドッキリスト」のマコトは「ビビリスト」の俺を巻き込んで、史上最大の「プロポーズ大作戦」を決行すると言い出した――。一日あれば、世界は変わる。男たちの命がけの情熱は、彼女に届くのか? 大いなる「企み」を秘めた衝撃作。
  • 世界地図の下書き
    3.9
    【坪田譲治文学賞受賞作】両親を事故で亡くした小学生の太輔は「青葉おひさまの家」で暮らしはじめる。心を閉ざしていた太輔だが、仲間たちとの日々で、次第に心を開いてゆく。中でも高校生の佐緒里は、みんなのお姉さんのような存在。卒業とともに施設を出る彼女のため、子どもたちはある計画を立てる……。子どもたちが立ち向かうそれぞれの現実と、その先にある一握りの希望を新たな形で描き出した渾身の長編小説。
  • 幸せ戦争
    3.3
    念願のマイホームを購入した氷見一家。そこは、元の地主の意向で隣り合う四軒の家が前庭を共有する、少し変わった敷地だった。元地主の仁木家は資産家で、夫は覆面作家だという噂。活動的な妻・美和が四軒のつきあいを主導している能生家。共働きで他三軒とは少し距離を置いている高井戸家。そんな三つの家族とともに、氷見家の幸せな暮らしが始まるが……。誰もが思い当たる「ご近所」の物語。
  • 未来国家ブータン
    3.6
    「雪男(イエティ)がいるんですよ」。現地研究者の言葉で迷わず著者はブータンへ飛んだ。政府公認のもと、生物資源探査と称して未確認生命体の取材をするうちに見えてきたのは、伝統的な知恵や信仰と最先端の環境・人権優先主義がミックスされた未来国家だった。世界でいちばん幸福と言われる国の秘密とは何か。そして目撃情報が多数寄せられる雪男の正体とはいったい――!? 驚きと発見に満ちた辺境記。
  • トルーマン・レター
    3.6
    ある事件がきっかけで新聞社を退社した峰先は、外国人同士の暴行事件に巻き込まれ、その現場で一通の手紙を手にする。それは第33代米大統領、トルーマンの私信だった。そこには広島・長崎への原爆投下の決断が書かれていた。一方、沖縄で米兵に襲われた女性の、大国に立ち向う市民運動が続けられていた。この二つの物語が絡み合い、意外な方向へ事件は発展する。なぜ原爆投下はなされたのか―――!? 歴史の闇に迫るサスペンス。
  • ぼくの守る星
    4.3
    中学2年生の翔には悩みがあった。それは、言葉を読み間違えたり言い間違えたりして周りを笑わせてしまうこと。わざとではないのに同級生から漫才の相方に指名され、母にはユーモアセンスがあると励まされる。みんなと同じことができない自分には、どんな才能があるのだろう――。生きづらさを抱えながら日々を過ごす翔と、彼を取り巻くひとびとの悩みと優しさを描き出す、切なくも愛しい物語。
  • もらい泣き
    3.8
    一族みんなに恐れられていた厳格な祖母が亡くなった。遺品の金庫に入っていた意外な中身は……(「金庫と花丸」)。東日本大震災の後、福島空港で車がなく途方にくれる著者に「乗りますか」と声をかけてくれた男性。彼の父親の、痛快すぎるエピソードとは……(「インドと豆腐」)。思わずホロリ、もらい泣き。稀代のストーリーテラーが実話を元に創作した、33話の「泣ける」ショートストーリー集。
  • 忘れじの吸血鬼(吸血鬼はお年ごろシリーズ)
    -
    閉館日が近づく映画館で『吸血鬼もの』の映画を見ていたエリカは、妙な冷気を感じる。上映終了後、近くの席で女性が気を失っていて!? その女性は、映画のロケ地だった村で生まれ育ち、子供の頃に吸血鬼に襲われたという。事件の予感に、吸血鬼父娘が立ち上がる!! 表題作のほか〈忘れじの吸血鬼〉第2話『過去の眠る村』、『吸血鬼の初恋物語』の2編を収録。大好評シリーズ第14弾!!
  • 犯罪調書
    4.0
    犯罪はその時代の意匠である。新聞の結婚案内欄を利用した連続殺人事件。イギリスの大国主義が生みだした「ピルトダウン人偽造事件」。農商務省の官吏がおこした本邦初のバラバラ殺人事件など、世界を騒然とさせた古今東西の犯罪を収集、軽妙な筆で事件の謎と人間のドラマをさぐった犯罪調書。
  • 愛のまわりに
    -
    「愛は技術です」――私たちは生まれながらにして愛する能力を与えられています。でもどんな恵まれた才能も、その技術を磨かなければ、投げかけられた愛のボールを受けそこなってしまいます。では、その愛の技術を磨くには……。恋愛に結婚に家庭に仕事に、いつも希望を失わず、自信を持っていきいきと生きていくための45話。爽やかな人生論。
  • 小さい僧の物語
    -
    とおい昔から、町や村のそこここに、長い年月の風や雨や雪にさらされて、ひっそりと佇んでいるお地蔵さま。丸い坊主姿で、衣を着て、左手に玉、右手に杖をついて立ったお姿を、人々はありがたく信仰しながら、子どもを守ってくれる仏さまとして、なつかしく親しみ、お地蔵さまのお話は幾つも語り継がれてきました。笠をかぶった地蔵さま、安寿と厨子王を守った地蔵さま。優しく説き語る20の物語。
  • 桐に赤い花が咲く
    3.5
    【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】小室聖子の扼殺体に加えられた残忍な刺傷。捜査線上に浮んだ桑原病院長を始め二、三人の容疑者も、犯人と断定することは出来ず、迷宮入りとなった。一年数ヶ月後、聖子の事件と同じ様な刺傷を加えられた男性の惨殺体が発見された。二つの事件を結ぶ線上に現われた人物は……。妖しくも不可思議な性の神秘、疎外された人間の哀しみを描く著者初の長編推理。
  • 優しさと哀しさと
    -
    【渡辺淳一文学賞創設記念電子化!】国立帝国病院長・神野博士が倒れ、兵藤医長を始め倉本医師ら総力を挙げて診察にあたった。結果は「肺癌(ルンゲン・カルチノーム)」。内科学界の重鎮である博士に、真実を告げるべきか否か、兵藤と倉本は激論をたたかわした結果……。生と死の狭間に立つ人間の偽りのない姿と、診断の宣告を強いられて苦悩する医師たちを描く表題作ほか四篇を収録。
  • 思い出のとき修理します
    4.1
    1~4巻506~660円 (税込)
    仕事にも恋にも疲れ、都会を離れた美容師の明里。引っ越し先の、子供の頃に少しだけ過ごした思い出の商店街で奇妙なプレートを飾った店を見つける。実は時計店だったそこを営む青年と知り合い、商店街で起こるちょっぴり不思議な事件に巻き込まれるうち、彼に惹かれてゆくが、明里は、ある秘密を抱えていて……。どこか懐かしい商店街が舞台の、心を癒やす連作短編集。
  • ハローサヨコ、きみの技術に敬服するよ
    3.2
    高校一年生の誠が抱える秘密、それは幼馴染の小夜子と二人でネットにまつわる事件を解決していること。誠が依頼を受け、小夜子が実作業を担当する。当初は厄介ごとが彼女に降りかからないように選んだ手段だったが、誠は次第に罪悪感を覚え始める。自分たちがしているのは人助けか、はたまた犯罪か。思い悩む彼を待ち受けていたのは予想もつかない事件だった――。甘酸っぱく愛らしい学園小説。
  • 赤と白
    3.7
    【第25回小説すばる新人賞受賞作】冬はどこまでも白い雪が降り積もり、重い灰白色の雲に覆われる町に暮らす高校生の小柚子と弥子。同級生たちの前では明るく振舞う陰で、二人はそれぞれが周囲には打ち明けられない家庭の事情を抱えていた。そんな折、小学生の頃に転校していった友人の京香が現れ、日常がより一層の閉塞感を帯びていく……。絶望的な日々を過ごす少女たちの心の闇を抉り出す。
  • クローズアップ(スクープシリーズ)
    4.3
    週刊誌の記者が何者かに殺された。偶然その場に居合わせた報道番組「ニュースイレブン」記者の布施は事件直後の現場撮影に成功、翌日のニュースで映像が流される。一方、継続捜査を受け持つ捜査一課の黒田はある暴力団の組員が殺害された事件を追う中で、記者殺害との奇妙な符合に気付く。しかし、二つの事件を繋ぐカギは踏み込んではならない聖域だった――。大人気“スクープ”シリーズ第3弾。

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