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嘉永6年、黒船来航に揺れる江戸。木更津の薪炭問屋の娘おきょうは、深川の材木商との談判のため単身江戸へ向かうが、警戒を強める船番所に留置されてしまう。彼女の危機を救おうと、密かに想いを寄せる仙之助をはじめ、男たちが動き出す。騒動に乗じて悪事を企む者たちも現れ、事態が複雑化する中、若き二人の運命やいかに。川面をはしる風のように、心に爽やかな印象をはこぶ傑作時代小説。
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Posted by ブクログ
木更津の薪炭問屋の娘おきょうは、深川の材木商と談判する為に単身江戸に向かいますが、折しも江戸は黒船来航で異常なピリピリムード。 通常ならさっさと通れるはずの船番所に留置されてしまいます。彼女を救うべく、取引先の薪炭問屋の手代・仙之助をはじめ男たちが動きだします。 実は、おきょうが留め置かれてしまった...続きを読むのは、吟味女・おせいの、個人的な恨みというか意地悪のせいだったのですが、生殺与奪の権力を持った人は本当に人間性が試されるというか、権力をかさににきて弱いものいじめをするクズが多い気がします。船番所同心の堀田なんて、クズ役人の最たるもので威張るだけでなく、悪事にも手を染めようとしていました。 与力の佐野塚さんは、思慮深くていい人ではあったけど、思慮深すぎて、じれったい部分も。てか、おきょうを釈放してくれたのはいいですが、おせいはお咎め無しでしたよね?謝罪はしてほしかったです。 後半、留置の騒動に乗じた悪事を暴いて懲らしめる場面は、痛快に読めました。
山本一力の江戸時代物長編作品でしたが、本作は、黒船来襲に揺れる江戸を舞台に、お互い慕い合う木更津の薪炭問屋の娘おきょうと深川の薪炭大店の手代仙之助を中心に、おきょうが警戒を強める中川船番所に留置され、それを救い出すいきさつあり、その騒動に乗じて悪事をなそうとする者たちとの対決など、いろいろと見どころ...続きを読むの多い展開となっていて面白かったです!
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