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Posted by ブクログ
あまりに主人公が痛切で、読む時期を悩んで5年くらい積んでしまった作品。宮本輝との対談「人生の道しるべ」で触れられており、時が来たので読んだ。
幼い時期にアメリカで共同生活をし、お互いの母を自死で亡くしたまこちゃんと嵯峨。日本に戻り、母の記憶を辿りながら自分を開示できる大人や友人を見つけ、ようやくいまの自分と出会いなおす物語。
最初から明るいテイストではなく、死の匂いがぷんぷん。大学での妬み嫉みはあるし、運命共同体である嵯峨との関係が噂立てられたり、悪夢も見る。嵯峨と教授はそんなまこちゃんをよく理解していて、男の優しさを男の言語で伝えようとする。嵯峨は距離が近すぎるからかなかなか伝わらないけど、教授が大人として先生として話してくれる時、すべてはつながる。
もうラストはボロ泣き。そしてやっぱり今でなければ読めなかったと確信する。ばななさんの作品には、たまにこういうタイミングがかちっとはまることがある。
Posted by ブクログ
久しぶりにばなな作品を読むと、彼女の言うところの「魂の充電」ができるような気がする。率直で美しい言葉に揺蕩い、じんわりと広がる温かみに回復しながら、心が擦り減っていたということに気づかされるのだ。
タイトルがとても好きだ。私も鳥のように自由なれたら。
お金や将来への心配、焦り、他人との摩擦が絶えない現代社会では、いとも簡単に切羽詰まった生き方へと流されてしまう。「大きな気持ち」で物事を捉え、幸せを一つ一つ噛み締めながら生きれたら。陰や深淵を遠ざけるのではなくそばに従えながら、人生の輝きを丁寧に抱擁するような、そんな大人になっていけたらとつくづく思うのだ。
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あとこれは大事なことに感じたから書き残しておくのだけれど、「水野さん」たちのような「ギラギラとした」大学生の描写は、主人公のそれと対極的な「普通の」姿であると見せかけて、全くそうではない。むしろ「変わった」まこに一定の理解を見せるところに私は成熟性を感じるし、開かれない限り相手に想いを馳せないまこの方が、異物を認めるキャパシティの無さと幼さを感じる。実は私の理想の大人というのは、そのキャパシティや成熟性を備えた人物でもあって。
彼女や彼女の親たちが持つ幼さは、良く捉えればピュアだし、悪く捉えれば夢見がちで他者を受けつけない。その均衡が取れないのがばなな小説における偏りではあるし、彼女も何か正解を示そうだとかそんな想いで書いている訳ではないと思うので、あくまで一つのスタイルだ。
いずれにせよ私にとってはこの甘美な世界が時に必要で、逆に私の中の偏りを均してくれるように思うのです。
Posted by ブクログ
いつものばなな作品とは随分ちがった重苦しい一冊。
禍々しいような、怨念のような、
何とも言えない空気が全編に漂っている。
そして、まこちゃんは、
とにかく人よりずっと辛い経験をして
周りの子たちよりひどく大人であるような感じで
毎日をようやっと生きている。
でもほんとうは、ひどく幼いままでもあることを
終盤で見つけなおしていく。
他にも増して会話での説明文が延々と続くのが
現実的でないような気もするけど、
本当はこのくらい人は言語化して
コミュニケーションを取っていかないと
お互いのことなんてわからないのかもしれない。
嵯峨のすがすがしいところは
なんだか1番救われたように感じた。
明るい、未来への気持ちで
幸せに赤ちゃんを授かってほしい。
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