小説作品一覧
-
3.8「おまえは出来は悪いが、うちの娘だ」 思いつめたら突き進む“跳ねっ返り”女性警察官の真情。 認知症の高齢女性を助けた青年が水死体で発見された。 鈴山澪は事件の背後に悪名高い刑事の存在を探り当てる。 不審な動きを見せる刑事は何を追っているのか? 特殊詐欺の闇を抉り出す渾身の警察小説! 心優しき青年はなぜ殺されなければならなかったのか? 新潟県警に勤務する鈴山澪は地元のテレビ番組で、特殊詐欺対策啓蒙コーナーを担当している。 共演者の麻子は、恋人を詐欺被害で亡くしていた。ある日、麻子は生放送で、未だに捕まらない 犯人への憎しみを口走って炎上する。 一方、澪の友人で、大雪の日に認知症の高齢女性を保護して表彰された青年がいなくなる。 その件に絡んで謹慎となった澪は行方を探し、富山の海岸で変わり果てた姿を目にする。 辿りついた防犯映像には地元暴力団との交際が噂される刑事の姿が……。 警察組織に背を向けて事件を追う澪は、いつしか、封印した自らの過去に踏み込んでいくことに――。 新潟を舞台にした新たなる警察小説
-
5.0
-
3.9
-
3.5
-
5.0
-
3.6ストーカー殺人事件に巻き込まれ人生を狂わされた、市役所職員・佑美。 だが三年後、事件の“再検証”が、壮大な悲劇の連鎖を明らかにする――。 『ルパンの娘』の著者、デビュー10周年の最高到達点! 【あらすじ】 市役所職員・倉多佑美は、家出した恋人を捜しているという男の電話を受ける。粘着質な男の誘導に、佑美は意図せず個人情報を漏らしてしまうが、数日後、市内で起きた地下アイドル刺殺事件に戦慄する。その被害者こそ、男が捜していた相手だったのだ!自責の念と周囲の目から、佑美は辞職に追い込まれる。だが三年後、新生活を営む佑美のもとに、星谷と名乗る謎の男が現れる。星谷は、事件を再検証したいと切り出し……。 乱歩賞作家が辿り着いた、慟哭のクライム・ミステリー!
-
-★グラミー賞15冠、CDセールス6500万枚、楽曲再生65億回ーー世界的歌姫が自らの半生を赤裸々に語り尽くした著者史上最高傑作! ★米国Amazon2,600件以上で「星4.8」の超人気ベストセラー、初の邦訳! ★「自分の本当の価値を見つけ出す」ためのパワフルなメッセージに勇気づけられる人が続出! 世界で最も称賛されるミュージシャンの一人であるアリシア・キーズは、 その魂のこもった歌詞、驚異的な音域、そして心揺さぶられるピアノによって世界を魅了してきた。 しかし、華やかな人生を歩む一方で、人知れず個人的な苦しみを抱えていた―― 厄介で複雑な父親との関係、人を喜ばせたいという性格が高じて自らを追い詰めてしまった葛藤、恋愛におけるプライバシーのなさ、そして「完璧な女性であるべきだ」という期待からの重圧。 有名になるにつれ、アリシアの「表向きの個性」が奥深くにある「本当の個性」を覆い隠してしまい、彼女は何年ものあいだ、自分の本当の価値に気づくことすらできなかった。 こうして長いあいだ自らを抑え込む日々を送った末に、 彼女はついに、ある「問い」への答えを求めはじめるーー 「わたしは、本当は誰なの?」 本書を通じて、アリシアは真実を求めようとする自分自身の姿を初めてさらけ出してみせた。 自分自身について、自分の過去について、 そして、自分の気持ちを犠牲にすることをやめ、自らを大切にしようとする確固たる思いについて。 彼女が内側から変化していく姿を通して、 ぜひ、読む人一人ひとりが「本当の自分らしさ」を見つけ出すヒントにしてほしい。
-
3.9
-
-『もし深夜に子供がドアをノックしても、絶対に開けないで下さい』 ホラー小説レーベルの編集者・西任結は、子供の喘息を憂い地方への引っ越しを決めた。だが、そのマンションでは奇妙な出来事が多く起こる。川に浮かぶ幾つもの紅い流し雛、不自然に多い空き部屋、「よそ者は出て行け」と怒りを露わにする老人、そして掲示板に貼られた謎の掲示――。 結は「新居がいわくつきだったら教えて下さい」と告げた若きベストセラー作家・真木夢人に相談を持ちかけるのだが、事態は一向に変わらず。そして、ついに住人の子供が奇怪な死に巻き込まれ――。 ※本電子書籍は、『ノロワレ 怪奇作家真木夢人と幽霊マンション』全3巻を1冊にまとめた合本版です。
-
-起業した会社が倒産したため、着の身着のまま、東京の片隅にある神社に管理人として身を寄せることになった青年。都落ちを痛感しながらも、再起に向けて意気揚々と暮らし始めようとする。 ところが、この神社には3匹の猫が棲み着いていた。大きくてブサイクな虎猫と、灰色の毛玉のような仔猫2匹。実は彼らは“化け猫”だった。 傍若無人ぶりを発揮する化け猫たち。そして、それにひたすら翻弄される青年――。 どこか憎めない化け猫たちとの人間味豊かな同棲生活を愉快に描くストーリー。化け猫も、けっこう可愛いものですよ……たぶん! ※本電子書籍は、『招き猫神社のテンテコ舞いな日々』全3巻を1冊にまとめた合本版です。
-
-「今から3時間後にあなたたちは全員死にます。ただし生き残る方法もあります、それは生贄を捧げることです――」 卒業を間近に控えた高校生の篠原純一が数週間ぶりに登校してみると、何故か校庭には底の見えない巨大な“穴”が設置され、教室には登校拒否だった生徒を含むクラスメイト全員が揃っていた。 やがて正午と共に何者かから不可解なメッセージが告げられる。最初はタチの悪いイタズラだと思っていた篠原たちだが、最初の“犠牲者”が出たことにより、それは紛れもない事実であることを知り……。ジレンマの本質を世に問う問題作が合本版で登場。 ※本電子書籍は、『生贄のジレンマ』全3巻を1冊にまとめた合本版です。
-
-
-
5.0
-
3.5
-
-
-
-
-
-
-
4.0かえるはいかにして騎士となり、敬愛する女王のもとから去るに至ったのか。 名前もないかえるは、地下室の檻で寝起きする見世物暮らし。 ある夜、騒ぎに乗じて逃げだしたかえるは、行く先々でたくさんの人たちと出会う。 数奇な運命によって遠く離れた土地へと導かれたかえるは、やがて闇を支配する恐ろしき敵との戦いに身を投じてゆく。 「ぼくは何ものなのか」。長い旅の果てに、かえるは何を見つけるのか。 世にも苛酷で優しいダークファンタジー、ここに開幕! ●著者 十文字青(じゅうもんじあお) 2004年『第7回角川学園小説大賞』特別賞を受賞し『薔薇のマリア』(KADOKAWA)でデビュー。 著作に『灰と幻想のグリムガル』(オーバーラップ文庫)、『果てなき天のファタルシス』(星海社)などがある。
-
-※本書は以下3タイトルを収録した電子書籍合本版です。 <収録タイトル> ・響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編 ・響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編 ・響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話 マーチングバンドの演奏を見て以来憧れだった立華高校吹奏楽部に入部した佐々木梓は、さっそく強豪校ならではの洗礼を受ける。厳しい練習に、先輩たちからの叱責。努力家で完璧主義の梓は、早く先輩たちに追いつけるよう練習に打ち込むが、楽器を演奏しながら動くことの難しさを痛感する。そんななか、コンクールに向けてオーディションが行われることになり……。アニメ化話題作に新シリーズ登場! ※この物語はフィクションです。作中に同一の名称があった場合でも、実在する人物、団体とは一切関係ありません。
-
4.0
-
5.0都内で女性の連続殺人事件が発生。異様なことに死体の腹部は切り裂かれ、臓器が丸ごと欠損していた。 捜査は難航。指揮を執る皆川管理官は、所轄の新人刑事・氷膳莉花に密命を下す。それはある青年の助言を得ること。阿良谷静──異名は怪物。犯罪心理学の若き准教授として教鞭を執る傍ら、数々の凶悪犯罪を計画。死刑判決を受けたいわくつきの人物だ。 阿良谷の鋭い分析と莉花の大胆な行動力で、二人は不気味な犯人へと迫る。最後にたどり着く驚愕の真相とは?全3巻の合本版で登場! ※本作品は『異常心理犯罪捜査官・氷膳莉花』シリーズ全3巻を収録しています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。
-
-私は今日、顔も知らぬ方へ嫁ぐ――。 雨月智世(うづき ともよ)、20歳。婚約者の玄永宵江(はるなが しょうえ)に結納をすっぽかされ、そのまま婚礼の日を迎えた。 しかし彼は、黒曜石のような瞳に喜びを湛えて言った。 「嫁に来てくれて、嬉しい」 意外な言葉に戸惑いつつ新婚生活が始まるが、宵江は多忙で、所属する警察部隊には何やら秘密もある様子。 帝都で横行する辻斬り相手に苦闘する彼に、智世は力になりたいと悩むが……。 これは、優しい旦那様と一生懸命な花嫁の、幸せな物語。 ※本電子書籍は「贄の花嫁」シリーズ全3冊を収録しています。 【収録作品】 『贄の花嫁 優しい契約結婚』 『贄の花嫁 新婚旅行と水神様』 『贄の花嫁 黒い夢と願いの子』
-
-高校生の小幡洸之介は、画家である父の作品が夜になると動き出すという怪奇現象に日々悩まされていた。そんなとき、クラスメイトから 「綾櫛横丁にいる大妖怪が、そうした事件を解決してくれる」 という噂を聞き、半信半疑で訪ねることにする。丑三つ時を狙って綾櫛横丁の奥へと足を進めると、たしかに怪しげな日本家屋が建っていた。意を決して中へと入った洸之介が目にしたのは、驚くような光景だった。そして洸之介は、加納環と名乗る、若く美しい女性表具師と出会う――。 人間と妖怪が織りなす、ほろ苦くも微笑ましい、どこか懐かしい不思議な物語。 ※本電子書籍は、『路地裏のあやかしたち』全3巻を1冊にまとめた合本版です。
-
4.2遠い地で、見知らぬ男と海に消えた恋人―― ●一穂ミチ3年ぶりとなる待望の長編 『光のとこにいてね』(島清恋愛文学賞受賞)、 『ツミデミック』(直木賞受賞)、 『恋とか愛とかやさしさなら』(本屋大賞ノミネート)と、 次々と話題作を発表する一穂ミチさん。 3年ぶりの長編となる今作は、 一穂さんが「いつか書きたかった」という、 「不在」と「喪失」の物語となりました。 互いに秘密を抱えながら暮らす 男女に訪れた突然の別れ――。 喪失を通して愛を問う、大人の恋愛小説です。 〔あらすじ〕 タクシー運転手の青吾が仕事を終えて家に帰ると、帰宅しているはずの恋人・多実がいない。 翌日以降も戻る気配がなく焦りを募らせる青吾のもとに、 <多実が見知らぬ男性と五島列島の遠鹿島で海難事故に遭い、 行方不明になった>というしらせが届く。 謎の多い事故の真実を求めて、 男の妻だという沙都子と遠鹿島へ向かう青吾。 多実の人生のかけらを拾い集める旅は、 青吾自身の過去をも照らしながら、 思いも寄らぬ場所へとふたりを導く――。
-
5.0一話ごとに反転する真相に驚愕必至! 「……俺はいつからハメられてたんだ?」 〈姫川玲子シリーズ〉〈ジウシリーズ〉を手掛ける警察小説の名手の新境地は、1話ごとに真相が反転する、慟哭の【警察×スパイ】ミステリー。 ◇◇◇ 警視庁公安部の佐島はある日、被疑者取調べに駆り出された。大学時代の友人・稲澤が、勤務先の女性部下・矢代を殺害した容疑をかけられていたのだ。被害者はなぜか、二人が学生時代に共に恋焦がれた女性・綾と瓜二つだった。 容疑を否認しつつ稲澤は言う。 「矢代は中国のスパイだったんじゃないか」 取調べを終え部屋を出ると、そこには特捜幹部が顔を揃えていた。彼らは1枚の紙を佐島に突きつけた――いったい、何がどうなっているんだ? ◇◇◇ 1話ごとに視点人物が移り変わり、それによって明らかになってゆく事実。 事実が事実を揺るがし、真相は煙雨のなかに彷徨う。 ラストに辿り着いたとき、あなたの頬に流れるのは、涙か、雨粒か――。 ◇◇◇ ――私に残ったのは、あの人だけだった。 だからこそ、赦せなかった。
-
3.87つのミステリを横断する、著者初の短編集 面白い小説をお探しのあなた、この本はいかがですか? 謎が謎を呼ぶ、7つの怪事件…… ミステリー界のグランドスラム(江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞、このミス1位、週刊文春ミステリー1位)を達成した著者が放つ、驚天動地の短編集! 当代随一のストーリーテラーが贈る、最高のスリルとサスペンス! 驚愕の展開と見事な謎解き、そしてドンデン返し! ミステリーをベースに、ホラー、サスペンス、SF、ファンタジーなど、エンタテインメント小説のあらゆる要素を盛り込んだ、傑作短編の豪華詰め合わせ! 短編って、こんなに面白いんだ。
-
3.9「家族って、なんだと思います?」 「現実の世界では、すんなり完全犯罪を 達成できてしまうこともあるんだって学んだんです」 2011年11月3日、裸の女性が交番に駆け込み、「事件」が発覚した。奥平美乃(おくだいら・みの)と名乗るその女性は、半年と少し前、「妹夫婦がおかしな女にお金をとられている」と交番に相談に来ていたが、「民事不介入」を理由に事件化を断られていた。 奥平美乃の保護を契機として、表に出た「死」「死」「死」…… 彼女を監禁していた「おかしな女」こと夜戸瑠璃子(やべ・るりこ)は、自らのまわりに疑似家族を作り出し、その中で「躾け」と称して監禁、暴行を主導。何十年も警察に尻尾をつかまれることなく、結果的に十三人もの変死に関わっていた。 出会ってはならない女と出会い、運命の糸に絡めとられて命を落としていく人々。 瑠璃子にとって「家族」とはなんだったのか。そして、「愛」とは。 「民事不介入」に潜む欠陥を日本中に突きつけた「尼崎連続変死事件」をモチーフとした、戦慄のクライムエンターテイメント!
-
3.5こんな奇跡があるのなら、人生にNOは言えない 落合南長崎の独立系カラオケ店「BIG NECO」では、今日もドラマが巻き起こる。 「カラオケの再現映像に出ていそうな女」と過去2回言われたことのある池田。 音が鳴らないトランぺッター・加賀と、その恋敵・サナ。 反抗期の娘と暮らす、元俳優の佐藤待男。 74歳にしてカラオケでアルバイトをする謎の老人・石崎さんと、 石崎さんを心配する指導役アルバイター・小野。 「E.YAZAWA」のステッカーを集め続ける、売れない作家・染井暖。 うだつのあがらない凡人たちが起こす、ちょっとした人生の奇跡ときらめき。
-
4.3江戸も令和も、国家の命運は米価で決す! 世界初の先物取引所で繰り広げられる、享保の知られざる米騒動――大坂商人vs.将軍吉宗。究極の頭脳戦の行方はいかに!? 時は江戸時代、天下の台所――大坂堂島には全国から米が集まり、日々、値が付けられ膨大な取引がされていた。特に盛んだったのが、先々の米価を扱う先物取引(デリバティブ)。商人たちは紙と筆と頭脳を用い、利鞘の多寡で泣いたり笑ったり。 一方の江戸では、将軍吉宗はじめ、幕閣たちは忸怩たる思いを抱いていた。米価の変動はすなわち武士の年貢収入の変動であり、あろうことか、それらを商人たちが汗もかかず、意のままに決めている。そんな不実の商いは許すまじ、と堂島を支配すべく動き出すのだが……。 市場の自治を守らんとする大坂商人たちと、武士の誇り(とお金)を懸けた江戸幕府との究極の頭脳戦!
-
3.6若者たちの生を鮮やかに描く、芥川賞候補作 第173回芥川賞候補作 若者たちの生を鮮烈な文章で描く、これが文学の未来! 「かいぶつ」と呼ばれる時計台が見下ろす公園で出会った二人の少女と一人の青年。 美容外科のポスターに啓示を受け、花を食べる“異食の道化師”薗(その)。 「みんなのひと」になりたくて、フリーハグを続ける“抱擁師”ハグ。 “プロの軟派師”としてデビューしたばかりの弘愛(ひろめぐ)。 「こんなふうだったら、かんぺきだと思う」 「なにが」 「人と人とのむすびつきがさ」 ここは帰るべき家を持たない少年少女たちの残酷な楽園 21歳の新鋭が爆発させる愛と幻想の世界!
-
3.9第173回芥川賞候補作 英会話教師として日本で就職したブランドンは、アポロ11号の月面着陸計画の記録を教材に、熟年の生徒・カワムラとレッスンを続ける。 やがて、2人のあいだに不思議な交流が生まれていく。 日本に逃げたアメリカ人と、かつてアメリカに憧れた日本人。 2人の人生の軌道<トラジェクトリー>がすれ違う時、何かが起きる―― アメリカ出身の作家が端正な日本語で描く、新世代の「越境文学」 ニューオーリンズにフォークナーと小泉八雲の残影を見る珠玉の短編「汽水」併録
-
3.8著者6年ぶり、世界が待ち望んだ長篇小説400枚。 内気な人々が集まって暮らすその土地は、“アカシアの野辺”と名付けられていた。たったひとりの家族であるおばあさんが働いているあいだ、幼いリリカは野辺の老介護人に預けられて育った。野辺の人々は沈黙を愛し、十本の指を駆使した指言葉でつつましく会話した。リリカもまた、言葉を話す前に指言葉を覚えた。たった一つの舌よりも、二つの目と十本の指の方がずっと多くのことを語れるのだ。 やがてリリカは歌うことを覚える。野辺の重要な行事である“羊の毛刈り”で初めて披露された彼女の歌は、どこまでも素直で、これみよがしでなく、いつ始まったかもわからないくらいにもかかわらず、なぜか、鼓膜に深く染み込む生気をたたえていた。この不思議な歌声が、リリカの人生を動かし始める。歌声の力が、さまざまな人と引き合わせ、野辺の外へ連れ出し、そして恋にも巡り合わせる。果たして、リリカの歌はどこへと向かっていくのか? 名手の卓越した筆は、沈黙と歌声を互いに抱き留め合わせる。叙情あふるる静かな傑作。
-
3.8愛する娘を傷つけたくない。著者渾身の人情譚 痛みも後悔も乗り越えて、いつかみんなできっと笑える。 『銀花の蔵』で直木賞候補、 いま注目の作家が放つ“傑作家族小説”! 売れない芸人を続ける娘、夫の隠し子疑惑が発覚した妻、父と血のつながらない高校生…… 大阪・ミナミを舞台に、人の「あたたかさ」を照らす群像劇。 ◎松虫通のファミリア 「ピアニストになってほしい」亡妻の願いをかなえるために英才教育を施した娘のハルミは、漫才師になると言って出ていった。1995年、阪神淡路大震災で娘を亡くした吾郎は、5歳になる孫の存在を「元相方」から知らされる。 ◎ミナミの春、万国の春 元相方のハルミが憧れた漫才師はただ一組、「カサブランカ」。ハルミ亡き後も追い続けたが、後ろ姿は遠く、ヒデヨシは漫才師を辞めた。2025年、万博の春に結婚を決めたハルミの娘のため、ヒデヨシは「カサブランカ」に会いに行く。 (他、計6篇)
-
3.8~『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』の 大木亜希子が贈る最新作は、“人生が愛おしくなるお料理エンタメ”~ 「ずっと、人に振り回されてきた。私さ、心が空っぽなの。 これからはもっと、自分のために生きたい」 元料理人の主婦・白石葉は、夫のモラハラに耐える日々を送っていた。 財布の紐、交友関係、食事、体型まで徹底的に管理されてきたが、 ある日事件が起きる。家から逃げ出した葉が辿り着いたのは、 街の小さなレストランだった。 ☆大人気料理家・今井真実さんのレシピつき!☆ 自立とはなにか。その答えを葉とともに追う、旅のような物語――寺地はるな(作家) 食べることは、生きること。一つのお店を通して交差するいくつもの人生を追体験して、 何度も心が揺れました。――深川麻衣(女優)
-
4.2「痛くて切なくて、めちゃくちゃ笑える。 出し抜いたりうまく騙したりできなくても、人生はめちゃくちゃ面白くなる。 このクソみたいな世界に、上坂あゆ美は笑いと怒りと言葉で立ち向かう。 爆弾みたいな本だった。」――佐久間宣行(TVプロデューサー) 第一歌集『老人ホームで死ぬほどモテたい』が異例のヒット! 唯一無二の短歌を紡ぐ新世代歌人のパンチライン炸裂エッセイ集。 不倫にギャンブルにやりたい放題の末、家族を捨ててフィリピンに飛んだ“クズ”の父、女海賊のように豪快で腕っぷしの強い母、ギャルでヤンキーでトラブルメーカーな姉、そして真実を執拗に追求するあまり人間関係において大事故を起こしてきた私…… 数々の失敗を繰り返しながらようやく最近“人間”になってきた著者のこれまでを赤裸々かつユーモラスに物語る。 ■目次 ほんとうのことがこの世にあるとしてそれは蟻の巣的なかたちだ 人生でまだ主人公だと思う?って声がイートインコーナーからする 父がくれるお菓子はいつも騒音と玉の重みで少し凹んでた 栗南瓜の煮付けのような夕暮れに甘くしょっぱく照らされる家 めくるめく生クリームに母の声 いつかのメリー・クリスマスイヴ 人生はこんなもんだよ 眉毛すら自由に剃れない星でぼくらは ヒョウ柄とゼブラで車を埋め尽くす姉は何かを信仰している それっぽい土手とかないしサンクスの駐車場にていろいろを誓う 今日なにがあっても伸びる豆苗と必死で生きる僕たちのこと ロシア産鮭とアメリカ産イクラでも丼さえあれば親子になれる ルフィより強くてジャイアンよりでかい母は今年で六十になる ほか
-
3.527年前の轢き逃げ事案、あれは〈殺し〉だったのか? 電気街・秋葉原に眠る“ある一族の秘密”が、時を経ていま目覚める―― 警察小説の巨匠・佐々木譲が描く未解決事件【コールドケース】 ◆あらすじ 1997年10月、神田明神下の路地で起こった轢き逃げ事案。被害者は秋葉原【アキバ】に根を下ろす一族経営の電器店の常務だった。 未解決のままだったこの事案に、2024年11月、〈殺し〉の可能性が浮上する。 警視庁捜査一課特命捜査対策室の刑事・水戸部と、地元・万世橋署の“やる気のない年上部下”柿本のバディは、電気街の歴史をかき分け真実をつかめるのか!? 主演・松重豊でドラマ化も果たした〈特命捜査対策室〉シリーズ、待望の最新刊! ◆シリーズ既刊 『地層捜査』 『代官山コールドケース』 (ともに文春文庫刊)
-
3.7育児中も、おじさんも、俳優も、ネイルのある毎日はいつだって幸せ クスリと笑えて胸温まる――。しをん節炸裂! ザ・王道“お仕事”小説 あらすじ 月島美佐はネイルサロン『月と星』を営むネイリストだ。爪を美しく輝かせることで、日々の暮らしに潤いと希望を宿らせる――ネイルの魔法を信じてコツコツ働く毎日である。そんな月島のもとには今日も様々なお客様がやって来る。 巻き爪に苦しむも、ネイルへの偏見からサロンの敷居を跨ごうとしない居酒屋の大将。子育てに忙しく、自分をメンテナンスする暇もなくストレスを抱えるママ。ネイルが大好きなのに、パブリック・イメージからネイル愛を大っぴらにはできない国民的大河男優……。 酒に飲まれがちながらも熱意に満ちた新米ネイリスト・大沢星絵を得て、今日も『月と星』はお客様の爪に魔法をかけていく。 登場人物 月島美佐 『月と星』を営むネイリスト。丁寧で正確な施術が得意。悩みは人手不足。仕事に忙しく、恋の仕方は忘れてしまった。 大沢星絵 求職中の新米ネイリスト。独創的なセンスの持ち主だが、基礎技術に少しだけ難アリ。すぐに人と打ち解ける高い能力を持つ一方、酒に飲まれると記憶を綺麗に失う。 松永 居酒屋「あと一杯」の大将。巻き爪に苦しむも、ネイルへの偏見からサロンの敷居をまたごうとしない。煮付けを大沢に溺愛されている。 上野琴子 子育てに忙殺される。ネイルをしたいが、「母親失格」と思われるのではと気に病んでいる。 村瀬成之 国民的人気を誇るイケメン俳優。ネイルを心から愛するも、パブリック・イメージからそれを明かせずにいる。
-
3.8どうしてなんだろう―― それでも人はつながろうとする 高梨家の一人娘・真奈が婚約者の渡辺優吾を連れて実家に来た。優吾は快活でさわやか、とても好青年であることは間違いないが、両親の健一と智子とはどこか会話が噛み合わない。 真奈は優吾君とうまくやっていけるのか? 両親の胸にきざす一抹の不安。 そして健一と智子もそれぞれ心の中にモヤモヤを抱えている。健一は長年勤めた会社で役職定年が近づき、最近会社での居心地が良くない。週末は介護施設の母を見舞っている。将来の見通しは決して明るくない。 智子は着付け教室の講師をして忙しくしているが、家で不機嫌な健一に辟易している。もっと仲のいい夫婦のはずだったのに……。 娘の婚約をきっかけに一家は荒波に揺さぶられ始める。 父母そして娘。三人それぞれの心の旅路は、ときに隔たり、ときに結びつき…… つむがれていく家族の物語。
-
4.6池井戸潤の最新長編の舞台は、 「東京箱根間往復大学駅伝競走」――通称・箱根駅伝。 若人たちの熱き戦いが、いま始まる! 古豪・明誠学院大学陸上競技部。 箱根駅伝で連覇したこともある名門の名も、今は昔。 本選出場を2年連続で逃したチーム、そして卒業を控えた主将・青葉隼斗にとって、10月の予選会が箱根へのラストチャンスだ。故障を克服し、渾身の走りを見せる隼斗に襲い掛かるのは、「箱根の魔物」……。 隼斗は、明誠学院大学は、箱根路を走ることが出来るのか? 一方、「箱根駅伝」中継を担う大日テレビ・スポーツ局。 プロデューサーの徳重は、編成局長の黒石から降ってきた難題に頭を抱えていた。 「不可能」と言われた箱根中継を成功させた伝説の男から、現代にまで伝わるテレビマンたちの苦悩と奮闘を描く。
-
4.0放送作家・鈴木おさむが引退と同時に贈る、覚悟の一冊! これは「小説SMAP」である。 メンバーの脱退、トップアイドルのまさかの結婚、 誰にも言えなかった苦悩、戦い。 国民的スターとして沢山の夢を与えてきた彼らの全てが、 たった一夜の「放送」で壊れていった。そして日本中が悲しんだ解散。 彼らと20年間走ってきた放送作家にしか書けなかった奇跡の物語。 新たなテレビ文学、ここに誕生。 その先に明日はきっと、ある……。 目次より 第1章 素敵な夢をかなえておくれ 第2章 あれからぼくたちは 第3章 世界で二番目にスキだと話そう 第4章 1・2・3・4 FIVE RESPECT 第5章 WELCOME ようこそ日本へ 第6章 とってもとっても僕のBEST FRIEND 第7章 くじけずにがんばりましょう 第8章 20160118 第9章 もう明日が待っている
-
4.0スティーヴン・キングが描く、不可能な事象の裏に潜む圧倒的恐怖 完璧な証拠で逮捕された少年惨殺事件の犯人。しかし彼には鉄壁のアリバイがあって──。事件の裏に隠れた恐ろしい存在とは。 平穏な町で起きた、11歳の少年の惨殺事件。ラルフたち地元警察は、複数の目撃証言を得て、高校の教師で少年野球のコーチとしても慕われるテリーを逮捕した。しかし、彼には完璧なアリバイがあることが判明する。自身の潔白を主張するテリー。一方で、異常犯罪への憎悪を募らせる遺族と住民たち。そして、町を新たな悲劇が襲う。 ※この電子書籍は2021年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.8架空の県を舞台にした連作小説集 「黒蟹とはまた、微妙ですね」 微妙、などと言われてしまう地味な県は全国にたくさんあって、黒蟹県もそのひとつだ。 県のシンボルのようにそびえたつのは黒蟹山、その肩に目立つ北斎が描いた波のようにギザギザの岩は、地元では「黒蟹の鋏」と呼ばれ親しまれている。県庁や裁判所を有し、新幹線も停まる県のビジネス拠点としての役割を担う紫苑市と、かつての中心地で歴史的町並みや重要文化財である黒蟹城を擁する灯籠寺市とは、案の定、昔からの遺恨で仲が悪い。空港と見まごうほどの巨大な敷地を持つショッピングモールの先には延々と荒れ地や牧草地が続き、廃業して解体されてしまって今はもう跡地すらどこだかわからない百貨店に由来する「デパート通り」はいつまで経っても改称されず、同じ姓を持つ住民ばかりの暮らす村がある。 つまり、わたしたち皆に馴染みのある、日本のどこにでもある「微妙」な県なのだ。 この土地に生まれ暮らす者、他県から赴任してきた者、地元テレビ出演のために訪れた者、いちどは故郷を捨てるもひっそり戻ってきた者、しばしば降臨する神(ただし、全知全能ならぬ半知半能の)。そういった様々な者たちのささやかでなんてことないが、ときに少しの神秘を帯びる営みを、土地を描くことに定評のある著者が巧みに浮かび上がらせる。
-
3.9オール讀物新人賞で注目を浴びた新鋭、初の長編小説 裕福な家に嫁いだ千代と、その家の女中頭の初衣。 「家」から、そして「普通」から逸れてもそれぞれの道を行く。 「千代。お前、山田の茂一郎君のとこへ行くんでいいね」 親が定めた縁談で、製缶工場を営む山田家に嫁ぐことになった十九歳の千代。 実家よりも裕福な山田家には女中が二人おり、若奥様という立場に。 夫とはいまひとつ上手く関係を築けない千代だったが、 元芸者の女中頭、初衣との間には、仲間のような師弟のような絆が芽生える。 やがて戦火によって離れ離れになった二人だったが、 不思議な縁で、ふたたび巡りあうことに…… 幸田文、有吉佐和子の流れを汲む、女の生き方を描いた感動作!
-
4.0
-
4.0『屍人荘の殺人』の著者が仕掛ける ジュブナイル×オカルト×本格ミステリ 小学校最後の夏休みが終わった。小学校卒業まであと半年。 ユースケは、自分のオカルト趣味を壁新聞作りに注ぎ込むため、“掲示係”に立候補する。この地味で面倒だと思われている掲示係の人気は低い。これで思う存分怖い話を壁新聞に書ける!……はずだったが、なぜか学級委員長をやると思われたサツキも立候補する。 優等生のサツキが掲示係を選んだ理由は、去年亡くなった従姉のマリ姉にあった。 マリ姉は一年前の奥神祭りの前日、グラウンドの真ん中で死んでいた。現場に凶器はなく、うっすらと積もった雪には第一発見者以外の足跡は残されていなかった。犯人はまだ捕まっていない。 捜査が進展しない中、サツキはマリ姉の遺品のパソコンの中に『奥郷町の七不思議』のファイルを見つける。それは一見地元に伝わる怪談話を集めたもののようだったが、どれも微妙に変更が加えられている。しかも、『七不思議』のはずなのに六つしかない。 マリ姉がわざわざ『七不思議』を残したからには、そこに意味があるはず。 そう思ったサツキは掲示係になり『七不思議』の謎を解こうとする。ユースケはオカルト好きの観点から謎を推理するが、サツキはあくまで現実的にマリ姉の意図を察しようとする。その二人の推理を聞いて、三人目の掲示係であるミナが冷静にジャッジを下す……。 死の謎は『奥郷町の七不思議』に隠されているのか? 三人の“掲示係”が挑む小学校生活最後の謎。 こんな小学6年生でありたかった、という思いを掻き立てる傑作推理長編の誕生です。
-
3.6島田荘司推理小説賞受賞! 21世紀の『十角館の殺人』がマレーシアから登場 最愛の妻を亡くし引退したベストセラー作家がある日、 ふと目を覚ますと、そこは見知らぬ孤島だった。 やがて桟橋に船が着き、老若男女が島に降り立つ。 一行はデジタル機器に囲まれた日常の疲れを癒し、 本来の人間性を取り戻す「デジタルデトックス」のために 島に渡って来たという。 メンバー相互の会話や、視線を合わせることさえ禁じられ、 読書やメモをとること、音楽を聴くことも不可。食事は菜食のみ、 そして殺生も厳禁という環境の中でデジタル・デトックスが始まるが、 やがて残酷な連続殺人事件が発生する。 作家はそのすべてを目撃するのだが、 なぜかメンバーたちの目には彼の姿が映らないらしい……。 華人系マレーシア人の女性作家が、 ミステリ界の巨匠・島田荘司氏が提唱する21世紀本格に応えて放った、 〈21世紀の『十角館の殺人』〉!
-
4.0大型新人が放つ、幕末時代活劇 〈運びの掟〉 一つ、中身を見ぬこと。 二つ、相手を探らぬこと。 三つ、刻と所を違えぬこと。 約束の物は何があっても届け切る。それが〈運び屋〉。 母は病に倒れ、父も道場の経営に失敗して体を壊した。 自力で稼がなくてはならなくなった円十郎は〈運び屋〉を営む〈あけぼの〉に雇われることになった。 腕のいい〈運び屋〉として江戸の街を駆け回る円十郎だったが、 荷を運んでいたある夜、攘夷の志を口にする武士と手練れの忍び(?)に立て続けに襲われる。 一体何が起きているのか? 円十郎は知らず知らずのうちに時代の大きな渦に巻き込まれていく……。 オール讀物新人賞受賞の大型新人が放つ、幕末時代活劇。
-
3.7不眠、減量苦、レース中の死亡事故、謎の転落死…… どん底に落ちた男が復活を遂げた時――事件は起こった。 ベテラン騎手の元春は、6年ぶりにGIレースで優勝する。 馬主との喧嘩別れや減量苦を経ての復活だった。 しかしネットで誹謗中傷され、それを書き込んだと思われる亡き後輩の妻を訪ねると、その夜、彼女はマンションから転落死する。 ほぼ同時刻、元春は自宅で車の盗難未遂にあい、さらに数日後には空き巣に入られた。 自分はいったい何に巻き込まれているのか? そして彼女の死は事故か、自殺か、あるいは殺人なのか――。 元スポーツ紙記者の著者にしか書けない圧巻の書き下ろしサスペンス。
-
4.0
-
4.0すらっと伸びた脚と大きな目、最先端のセクシーなファッションに身を包んで政界に登場したときは、マスコミはこぞって「女性政治家の星」として好意的に取り上げた。しかし、史上最大級の選挙違反で逮捕されるや、手のひらを返したように、「稀代の悪女」としてここぞとばかりに叩いた。 河井案里。 参院議員として活動したのは19カ月に満たなかったが、世間に大きなインパクトを残した。 彼女はマスコミの寵児となったが、実のところ、彼女のプライベートをよく知る記者はいない。 筆者は、当選直後から逮捕されるまで、インタビューなどの取材だけでなく、ことあるごとに電話やメールでやり取りをしてきた稀少な存在である。筆者の手元には、膨大な量の録音、メールがある。 あらためてそれらを読み返すと、不思議なことに気が付く。 宮崎で成功した建築家の家に生まれ、慶応大学に進学し、代議士の妻、そして自身も県会議員から参院議員と、これだけ聞くと恵まれすぎた人生のように見えるが、彼女からは、いっこうに幸せそうなようすがうかがえないのだ。 生きづらい女。 筆者は彼女の生まれた宮崎を訪れることからはじめ、その人生をあらためて取材してみた。すると、そこには、マスコミで見せた鼻っ柱の強い美人政治家とは別の顔が見えてきた。 「私も黒川さんも、権力闘争のおもちゃにされたんです」 河井案里という一人の女性政治家の人生を通して、現代社会における女性の生きづらさに迫る。
-
4.6なぜ 語らないのか。 なぜ 俯いて歩くのか。 なぜ いつも独りなのか。 そしてなぜ 嫌われるのか――。 中日ドラゴンズで監督を務めた8年間、ペナントレースですべてAクラスに入り、日本シリーズには5度進出、2007年には日本一にも輝いた。 それでもなぜ、落合博満はフロントや野球ファン、マスコミから厳しい目線を浴び続けたのか。秘密主義的な取材ルールを設け、 マスコミには黙して語らず、そして日本シリーズで完全試合達成目前の投手を替える非情な采配……。 そこに込められた深謀遠慮に影響を受け、真のプロフェッショナルへと変貌を遂げていった12人の男たちの証言から、 異端の名将の実像に迫る。 「週刊文春」連載時より大反響の 傑作ノンフィクション、遂に書籍化!
-
4.8
-
4.3妻子の待つ武漢へ、新型肺炎が蔓延し封鎖された中国をゆく男の決死行。 中国からの亡命を余儀なくされた作家が放つ渾身のコロナ文学。 本書は2通りの読み方ができます。まず、新型コロナ発生源となった中国で何が起きていたかを描くものとして―― 反骨の亡命文学者が、コロナ禍下の民衆の悲劇と、それを隠蔽する国家の罪を暴く告発の書として。そしてまた、 いち早くコロナ禍に正面から挑んだ現代小説として――封鎖された大地を旅する艾丁を通じて、現在の「中国」が、 スリリングに、ときに大らかに描かれてゆきます。病毒の街・武漢で、艾丁を待ちうける運命とは……。
-
4.2コロナ禍で苦境に置かれた飲食業界。 補償なき自主休業か、儲けの出ない営業か、 それとも他に道はあるのだろうか。 レストランやお店を続けることはできるのか。 料理人であり、スタッフを抱えるリーダーでもある シェフたちの心は揺れに揺れた。 2020年春の緊急事態宣言、そして冬の感染再拡大を前に シェフたちは何を思い、どう動いたのか。 そして「これから」のお店の舵取りは。 フランス料理のグランメゾン、 横丁の老舗にオフィス街の新店――。 刻々と変わりゆく状況下、 シェフたちへの取材をライフワークとする著者が、 願いを込めて書きとめた34人の言葉の記録。
-
3.5主演・トム・ホランド(『スパイダーマン』)&監督・ルッソ兄弟(『アベンジャーズ』)で映画化決定! ニューヨーク・タイムズが2018年の必読書に選出。ワシントンポストなど各紙絶賛! 「ニコ・ウォーカーは服役中の銀行強盗だ。そして必読の作家でもあることを本書で証明した」――ワシントン・ポスト 「会話は音楽的でリアルで、すぐそばから聞こえてくるようだ」――ニューヨーク・タイムズ 戦争から帰った青年はなぜ連続強盗犯になったのか。痛々しい青春小説と荒々しい犯罪小説を交錯させて獄中作家が綴ったベストセラー。 この小説では、人生の転落の軌跡が生々しい言葉で語られる。大学時代の恋人との日々、兵役についてイラクの戦地で目にした凄惨な体験。 PTSDを癒やすためのドラッグ――それが彼を追い詰めてゆく。この世界の底の底へ。 スタッカートする荒い文体と会話――戦争とドラッグと犯罪。破滅するしかなかった青年を痛ましく描き出す。 デニス・ジョンソン『ジーザス・サン』とクエンティン・タランティーノの融合と評され、 アメリカ文学界をワイルドに揺るがしたデビュー作。 著者紹介 ニコ・ウォーカー アメリカ・クリーヴランド生まれ。2005年から2006年にかけて衛生兵としてイラクに派遣され、7つの勲章を受ける。 しかし復員後にPTSDに苦しみ、やがて2011年に銀行強盗で逮捕され、複数の強盗罪で懲役刑に。デビュー作である本書は獄中で書かれた。2020年11月に出所する予定である。
-
3.6写真を撮る楽しみを教えてくれた、松原京介の不可解な死。離婚話で揉めていた彼の妻は、関与が疑われたものの、死亡時刻にはタクシーに乗っていた。どこをどう見ても、不運な事故としか考えられない状況だったが──恩人の死をその妻の仕業と確信した駆け出しカメラマンの安見直行は、祖母の助言によって六角法衣店を訪れる。店の主は代々京の辻や橋に立ち、道のさざめきから神託を受け、失せ物を見つけ出すことができるというのだ。直行は恩人の死亡事故を他殺と証明する証拠を探して欲しいと依頼するが、若くて無愛想な店主・六角聡明からは、けんもほろろに断られてしまう。だが、直行の撮った一枚の写真がきっかけで、六角は事件の証拠探しに協力を約束する。現代のガジェットによって構成された不可能犯罪を、緻密な論証で見事に解き明かす表題作ほか全五編を収録。第十六回ミステリーズ!新人賞受賞者による出色のデビュー連作集。/【目次】第一話 431秒後の殺人●これは計算尽くで偶然の可能性を限りなく必然に近くなるまで高めた――殺人事件だよ。/第二話 睨み目の穴蔵の殺人●最近、お客さんから「襖の武将の目が動いた、絵の中から睨まれた」なんて言われるんです。/第三話 眠れる映画館の殺人●幽霊でもない限り、無理やん? だって誰にも首を絞めたりする時間なんかなかったやんか。/第四話 照明されない白刃の殺人●オレ達がそいつの後を追って角を曲がるまでに、次の瞬間にはもう通りから姿が消えていたんだ。/第五話 立ち消える死者の殺人●この部屋に入院した人はな、夜中に攫われて二度と戻ってこられへんねんて。/著者あとがき
-
4.5
-
4.5「俺、昔、喋る狼に会ったことがあるんだよ」カナダの温帯雨林にやってきた三人の日本人大学生。狼の生態に関するフィールドワークのかたわら、ひとりが不思議なことを言い出して──(表題作)。大人になる前の特別な時間を鮮やかに切り出した、四つの中編を収録。『叫びと祈り』『リバーサイド・チルドレン』の著者が贈る、ミステリ仕立てのエモーショナルな青春小説。/【目次】美しい雪の物語/重力と飛翔/狼少年ABC/スプリング・ハズ・カム
-
3.5ラグビーにおける「フルハウス」とは、一試合で同じ選手が、トライ、コンバージョンゴール、ペナルティゴール、ドロップゴールをすべて決めることを言う。本書は、日本人として初めてニュージーランド代表チームのオールブラックス入りしたラガーマン、早見剛大の物語である。2027年ラグビー・ワールドカップ、プール戦でオールブラックスは日本代表とぶつかる。かつて日本で一緒にプレーしていた仲間との激突! ラガーマンの孤独、友情、絆、葛藤……。自らもラガーマンであった著者が、そのラグビー愛のすべてを込めて書き上げた究極のラグビー小説。堂場瞬一スポーツ小説の頂点とも言うべき傑作!
-
3.9一攫千金を夢見て忍び込んだ砂漠の街にある高レートカジノで、見事大金を得たジョージ。誰にも見咎められずにカジノを抜け出し、盗んだバイクで逃げだす。途中、バイクの調子が悪くなり、調整するために寄った小屋で休むが、翌朝外へ出ると、カジノがあった砂漠の街は一夜のうちに跡形もなく消えていた──第76回日本推理作家協会賞短編部門の候補に選ばれた表題作を始め、奇跡の如き消失劇を5編収録。稀代のトリックメーカー・北山猛邦の新たな代表作となる、傑作推理短編集。/【目次】一九四一年のモーゼル/神の光/未完成月光 Unfinished moonshine/藤色の鶴/シンクロニシティ・セレナーデ
-
-天然痘と闘い続けた医師・伊東玄朴。その「誤解」に満ちた生涯とは!? 江戸で初めての種痘所設立、蘭方医で初の奥医師登用……数々の功績は、彼のある覚悟ゆえに成し遂げられた。佐賀の貧しい農家に生まれた伊東玄朴は、シーボルトの弟子になり、江戸参府に随行する。シーボルト事件に巻き込まれ、玄朴はお咎めなしとなったものの、義兄源三郎は獄死してしまう。江戸で医者として開業した玄朴は、当時猛威を振るっていた天然痘に立ち向かうため、種痘所の設立を決意。権力者の横槍、漢方医たちの妨害、家族の冷たい目と逆境の中、出世と金にしか興味がない男との悪評を浴びつつも、彼が貫いた決意とは。「料理人季蔵捕物控」「産医お信なぞとき帖」で人気の著者が挑む、感動の歴史小説!
-
3.6明治時代の湘南といえば、大磯だった! この地には、明治20年代後半から、伊藤博文、大隈重信、陸奥宗光などの大物政治家や、岩崎弥之助など経済人が別荘を建て、そこを目指して多くの人が集まるようになった。また大磯は、日本初の海水浴場として、老若男女が集う一大リゾート地だったのである。本書は、この地をこよなく愛し、後に宰相となる少年・吉田茂と、謎の隣人・天人(あまと)の二人が、別荘地で起きる様々な事件を解決していく連作活劇ミステリー。茂が少年時代を過ごした吉田家の別荘は、父・健三によって「松籟邸」と名付けられていた。一方、隣人・天人が住んでいたのは、瀟洒な洋館。アメリカ帰りとも思えるこの若者は、一体何者なのか。そんな天人によって人間性を育まれた茂は……。『天離(あまさか)り果つる国』で注目を集めたエンタメ作家が、虚と実を巧みに織り交ぜて紡ぎ出した「明治浪漫」。
-
3.5一杯二千円もするコーヒーを週に三度注文しては、飲み残していく客「朝からブルマンの男」、途中下車して遅刻しそうだった友人が、先に行った自分となぜか同時に高校入試の会場に到着した「受験の朝のドッペルゲンガー」、単身赴任中の父親が帰宅する金曜日の夕食だけ味が落ちるという、郷土料理研究会の会員宅のご飯の秘密「ウミガメのごはん」など、桜戸大学ミステリ研究会の二人組が出合った謎を描く全五編を収録。謎の魅力、推理する楽しみを詰めこんだデビュー短編集。※本電子書籍は、『朝からブルマンの男』(ミステリ・フロンティア 2025年6月初版発行)を電子書籍化したものです。/【目次】朝からブルマンの男/学生寮の幽霊/ウミガメのごはん/受験の朝のドッペルゲンガー/きみはリービッヒ
-
3.6避暑地の別荘で、事件は起こった。三十歳を間近に控え、久しぶりに顔を揃えた五人の男女。インターナショナルスクールで出会って以来二十年以上の付き合いになる重成、聡也、梨愛、夏澄、雛乃は、海外赴任が決まった重成の送別も兼ねて、葉山にある聡也の別荘で旧交を温めていた。ところが深夜、雛乃が頭から血を流した状態で死体となって発見される。続けて梨愛が「私が殺したの」と告げ、警察に連行されてしまう。五人の関係は、一夜にしてひとりが被害者に、ひとりが被疑者になる悲劇へ転じた。幼馴染みの面会も拒否し、殺害の動機を語ろうとしない被疑者。弁護士は、残された関係者三人の証言をあつめる。しかし、同じ出来事を語っていても、当事者たちの思惑は三者三様に異なり、証言を重ねるごとに人物像と関係性はめまぐるしく変貌していく。果たして五人の間には何があったのか。あの夜、なぜ事件は起きたのか。関係者の証言から展開される、息を呑む心理劇の結末は――。
-
3.2飾り職人の夫・新吉が帰ってこない――。不安に駆られたおいちだったが、新吉は朝になって、何事もなかったかのように家に戻ってきた。しかし、新吉が言付けを頼んだ職人らしき人物が、菖蒲長屋近くで殺されていたことが判明する。しかもその懐には、きれいなビードロの風鈴がしのばせてあった。おいちは、身重であることも忘れ、岡っ引の仙五朗とともに、事件の解明に乗り出す。そんな折、おいちは石渡塾で共に学ぶ和江が、血飛沫を浴びたかのように紅く染まった幻を見てしまう。これは何かの予兆なのか。おいちは忍び寄る禍々しい気配に身をすくませる。シリーズ累計46万部突破! 仕事も家庭も大事にしたい娘の奮闘と成長を描いた青春「時代」ミステリー第七弾!
-
3.8過疎化が進んだ町で小学校時代を過ごした大地は、二十年以上前の卒業以来初めて東京で同級生二人と再会する。虫取りやスイカ割りなどのノスタルジックな思い出話は、自然と五年生の時に起こった事故の話に移っていく。リーダー格の少年・翔貴が沼に落ちて昏睡状態となり、目覚めぬまま最近亡くなった水難事故の真相とは? 第一回創元ミステリ短編賞受賞作「嘘つきたちへ」など、全五編の“嘘つきたちの競演”。注目新人のデビュー短編集。※本電子書籍は、『嘘つきたちへ』(ミステリ・フロンティア 2025年5月初版発行)を電子書籍化したものです。/【目次】このラジオは終わらせない/ミステリ好きな男/赤い糸を暴く/保健室のホームズ/嘘つきたちへ
-
4.3
-
3.8
-
3.7かつて、名探偵の時代があった。ひとたび難事件が発生すれば、どこからともなく現れて、警察やマスコミの影響を受けることなく、論理的に謎を解いて去っていく正義の人、名探偵。そんな彼らは脚光を浴び、黄金時代を築き上げるに至ったが、平成中期以降は急速に忘れられていった。……それから20年あまりの時が過ぎ、令和の世になった今、YouTubeの人気チャンネルで突如、名探偵の弾劾が始まった。その槍玉に挙げられたのは、名探偵四天王の一人、五狐焚風だ。「名探偵に人生を奪われた。私は五狐焚風を絶対に許さない」と語る謎の告発者とは? 名探偵の助手だった鳴宮夕暮——わたしは、かつての名探偵――風とともに、過去の推理を検証する旅に出る。平成を見つめ直しながら令和を照射する、一大ミステリ・エンタテインメント!
-
3.6栃木県北西部の田舎町で、八人の女性が殺害された挙げ句、解体・遺棄されるという事件があった。その十五年後、現場だった犯人の元自宅、通称「バラバラ屋敷」へ肝試しに訪れた五人の中学生は、鍵の掛かった屋敷内を覗いたところ、卓袱台に同級生の生首が置かれているのを発見し……密室化した幽霊屋敷を巡る謎を描く表題作ほか、異界駅に迷い込んだ大学生グループが、密室からの殺人犯消失に遭遇する「にしうり駅の怪談」など、怪談作家・呻木(うめき)叫子が採集した四つの怪奇犯罪譚を収める。/【目次】「バラバラ屋敷の怪談」八人の女性が殺害され、解体された猟奇殺人事件。犯人の死後、施錠されたその自宅から生首が発見される。/「青いワンピースの怪談」博物館に度々現われる謎めいた十代の少女。彼女が目撃される先では、怪死事件が続いていた。/「片野塚古墳の怪談」人体に似た数十体の石像が並ぶ災厄の古墳。そこで新たな不可能犯罪が発生する。/「にしうり駅の怪談」異界駅の噂を調べるうちに消えてしまった友人をさがす大学生グループは、想像を絶する光景を目にし……。
-
3.8
-
4.2何も持っていなかったから、走り続けることができた。誰もが心通わせられる世にどうしてもしたかった――。歴史小説界のトップランナーが郵便制度を創設した前島密を鮮やかに描き切る感動長編!郵便制度の祖と呼ばれ、現在では一円切手の肖像にもなっている前島密。だが彼は士農工商の身分制度の影響が色濃く残る時代にあって、代々の幕臣でも薩長土肥の藩士出身でもなく農家の生まれだった。生後すぐに父を亡くし、後ろ盾が何もない。勉強を誰よりしても、旅をしていくら見聞を広めても、なかなか世に出ることができなかった。そんな苦悩を乗り越え、前島は道をどう切り開いたのか。そして、誰もが想いを届けられる仕組みをいかにしてつくったのか。
-
3.31795年、フランスとの長きにわたる戦いによって、イギリス海軍は慢性的な兵士不足に陥っていた。戦列艦ハルバート号は一般市民の強制徴募によって水兵を補充し、任務地である北海へ向けて出航する。ある新月の晩、衆人環視下で水兵が何者かに殺害されるが、犯人を目撃した者は皆無だった。逃げ場のない船の上で、誰が、なぜ、そしてどうやって殺したのか? フランス海軍との苛烈な戦闘を挟んで、さらに殺人は続く。水兵出身の海尉ヴァーノンは姿なき殺人者の正体に迫るべく調査を進めるが――海上の軍艦という巨大な密室で起きる不可能犯罪を真っ向から描いた、第33回鮎川哲也賞受賞作。/第33回鮎川哲也賞選考経過、選評=辻真先 東川篤哉 麻耶雄嵩
-
3.9「武士を生かすも殺すも、わしらの腕一本や」――こう言い放つ気概ある具足師たちが、真田信繁を日の本一の兵(つわもの)にした! 本作の主人公・岩井与左衛門は、南都奈良の具足師(甲冑師)の家に生まれ、修業を積んでいたが、あるとき「ズクを打った」(不良品を作った)と言われ、勘当される。その才能を惜しみ、目をつけたのが徳川家康。徳川軍が信濃の国衆・真田との戦いに惨敗した理由は、真田兵が身に着けている「不死身(しなず)の具足」にあり、と考えた家康は、与左衛門に真田潜入を命じる。甲賀の忍びの女と夫婦を装い、真田の本拠地・上田に入った与左衛門だったが、そこで思いがけない光景を目にする。赤備えをつくった具足師たちの命がけの闘いを描いた、戦国エンタテインメント。真田vs徳川のもう一つの死闘に、手に汗握る傑作長編小説。
-
3.8反転、反転、また反転――! 本気の「仕掛け」を堪能せよ! 『珈琲店タレーランの事件簿』の著者がおくる、2023年大本命ミステリー。 ●STORY 大御所ミステリー作家・室見響子の遺稿が見つかった。それは彼女が小説家になる前に書いた『鏡の国』という私小説を、死の直前に手直ししたものだった。「室見響子、最後の本」として出版の準備が進んでいたところ、担当編集者が著作権継承者である響子の姪を訪ね、突然こう告げる。「『鏡の国』には、削除されたエピソードがあると思います」――。削除されたパートは実在するのか、だとしたらなぜ響子はそのシーンを「削除」したのか、そもそも彼女は何のためにこの原稿を書いたのか……その答えが明かされた時、驚愕の真実が浮かび上がる。
-
4.42010年10月。宮城県の港町に暮らす高校2年生の小羽(こはね)は、統合失調症を患う母を抱え、介護と家事に忙殺されていた。彼女の鬱屈した感情は、同級生である、双極性障害の祖母を介護する航平と、アルコール依存症の母と幼い弟の面倒を見る凜子にしか理解されない。3人は周囲の介護についての無理解に苦しめられ、誰にも助けを求められない孤立した日常を送っていた。しかし、町にある親族の家に身を寄せていた青葉という女性が、小羽たちの孤独に理解を示す。優しく寄り添い続ける青葉との交流で、3人が前向きな日常を過ごせるようになっていった矢先、2011年3月の震災によって全てが一変してしまう。2022年7月。看護師になった小羽は、震災時の後悔と癒えない傷に苦しんでいた。そんなある時、彼女は旧友たちと再会し、それを機に過去や、青葉が抱えていた秘密と向き合うことになる……。宮城県出身の現役看護師による、魂が震える傑作!
-
3.8
-
3.8優秀な刑事ながらも組織に迎合しない性格から、上から疎まれつつ地道な捜査を続ける埼玉県警の何森稔(いずもりみのる)。翌年春の定年を控えたある日、ベトナム人技能実習生が会社の上司を刺して姿をくらました事件を担当することになる。実習生の行方はようとして掴めず、捜査は暗礁に乗り上げたが、何森は相棒の荒井みゆきとともに、被害者の同僚から重要な情報を聞き出し──。技能実習生の妊娠や非正規滞在外国人の仮放免、コロナ禍による失業と貧困化などを題材に、罪を犯さざるを得なかった女性たちを描いた全3編を収録。渋みのある刑事たちの活躍を描く、〈デフ・ヴォイス〉シリーズスピンオフ。/【目次】「逃女(とうじょ)」――ベトナム人技能実習生による傷害事件。何森は、女性の逃亡を手助けする組織の存在を知り……/「永遠(エターナル)」――ラブホテルでの殺人事件の重要参考人は、パパ活をしていた若い女性だった……/「小火(しょうか)」――公園トイレの放火事件に、容疑者として浮かび上がったのは高齢者ホームレスだったが……/あとがき
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。