小説・文芸 - 集英社作品一覧

  • 東京ディール協奏曲
    3.0
    この世界、動けるものが勝つんだよね。東京、香港、ドバイ、ニューヨーク――。巨大資本の間隙を縫ってマネーの魔術師が疾走する! 現役の実業家が圧倒的なリアリティで描く、新時代の企業買収エンターテイメント。「電子化にあたっての追記」も収録。【著者紹介】塩野誠(しおの まこと)…ゴールドマン・サックス証券、ベイン&カンパニー、ライブドア証券(取締役副社長)等にて国内外の事業戦略立案・実行、資金調達、M&A、投資に従事。テレコム・メディア・テクノロジー業界を中心にベンチャーから企業再生までを経験。IGPI参画後は、大手メーカーの資金調達、エンターテインメント企業のM&A、大手テレコム企業のクロスボーダーM&A、事業開発等に従事。慶應義塾大学法学部卒、ワシントン大学ロースクール法学修士 。※この本は2007年に栗山誠名義で出版されましたが、電子化にあたり著者名を本名に変更しています。
  • 東京デザート物語
    3.3
    地方から上京し女子大生になった朱子は、料理研究家の叔母の家に寄宿する。朱子の毎日は刺激の連続で、ひょんなことから女性誌の読者モデルに選ばれ、彼女の生活は一変する。そして秘密の恋も始まる。叔母さんのデザートレシピとアドバイスで、朱子は素敵な恋愛レッスンを積んでゆく。恋愛長編小説。デザートのレシピも一部ついています(文庫版から一部割愛)。
  • 東京ハイダウェイ
    NEW
    4.0
    ようこそ、心休まる「隠れ家」へ。 東京・虎ノ門の企業に勤める桐人は、念願のマーケティング部に配属されるも、同期の直也と仕事の向き合い方で対立し、息苦しい日々を送っていた。 直也に「真面目な働き方」を馬鹿にされた日の昼休み、普段は無口な同僚の璃子が軽快に歩いているのを見かけた彼は、彼女の後ろ姿を追いかける。 辿り着いた先には、美しい星空が描かれたポスターがあり――「星空のキャッチボール」 桐人と直也の上司にあたるマネージャー職として、中途で採用された恵理子。 しかし、人事のトラブルに翻弄され続けた彼女は、ある日会社へ向かう途中の乗換駅で列車を降りることをやめ、出社せずにそのまま終着駅へと向かう。 駅を降りて当てもなく歩くこと数分、見知らぬとんがり屋根の建物を見つけ、ガラスの扉をくぐると――「森の箱舟」 ……ほか、ホッと一息つきたいあなたに届ける、都会に生きる人々が抱える心の傷と再生を描いた6つの物語。
  • 東京物語
    3.6
    1978年4月。18歳の久雄は、エリック・クラプトンもトム・ウェイツも素通りする退屈な町を飛び出し、上京する。キャンディーズ解散、ジョン・レノン殺害、幻の名古屋オリンピック、ベルリンの壁崩壊……。バブル景気に向かう時代の波にもまれ、戸惑いながらも少しずつ大人になっていく久雄。。80年代の東京を舞台に、誰もが通り過ぎてきた「あの頃」を鮮やかに描きだす、まぶしくて切ない青春グラフィティ。
  • 東京ロンダリング
    3.7
    1~2巻451~814円 (税込)
    内田りさ子、32歳。訳あって夫と離婚し、戻る家をなくした彼女は、都内の事故物件を一ヶ月ごとに転々とするという、一風変わった仕事を始める。人付き合いを煩わしく思い、孤独で無気力な日々を過ごすりさ子だったが、身一つで移り住んだ先々で出会う人人とのやりとりが、次第に彼女の心を溶かしてゆく――。東京の賃貸物件をロンダリング〈浄化〉する女性の、心温まる人生再生の物語。
  • 倒錯の庭
    3.3
    電灯を消した仄暗い部屋の中で、私は今、竹彦と一緒にキノコを食べている。ヌメリイグチという名の、黄色い湿ったキノコだ。(「倒錯の庭」) 恋という病に憑かれた男と、溺れゆく女の、頽廃と官能に満ちた恐怖世界を描く表題作の他、人の心に巣くう危うく妖しい欲望に取材した3つの中編を収録。精密な筆致で描きだす人間心理の襞。サイコ・サスペンス集。
  • 闘神伝説 1
    4.3
    1~4巻495円 (税込)
    パキスタンとアフガニスタンの国境付近で、映像プロデューサーの笹目京介は、銃創を負った少年を助ける。日本語を話し、タケルと名乗る少年は、名前以外のすべての記憶を失っていた。好奇心に駆られた笹目はタケルを伴って帰国し、駒引神社の宮司である八神家に預ける。だが、笹目は自分たちを尾行してきた三人の男の存在に気づいてなかった――壮大なスケールで展開するアクション・ロマン。
  • 灯台からの響き
    3.9
    板橋の商店街で、父の代から続く中華そば屋を営む康平は、一緒に店を切り盛りしてきた妻を急病で失って、長い間休業していた。ある日、分厚い本の間から、妻宛ての古いはがきを見つける。30年前の日付が記されたはがきには、海辺の地図らしい線画と数行の文章が添えられていた。差出人は大学生の小坂真砂雄。記憶をたどるうちに、当時30歳だった妻が「見知らぬ人からはがきが届いた」と言っていたことを思い出す。なぜ妻はこれを大事にとっていたのか、そしてなぜ康平の蔵書に挟んでおいたのか。妻の知られざる過去を探して、康平は旅に出る――。市井の人々の姿を通じて、人生の尊さを伝える傑作長編。
  • 凍土の狩人
    2.5
    漆原院長夫妻は、浪人中の息子の性欲処理のため、女性を誘拐する。だが、誘拐した松葉尚子を誤って殺害。スキャンダルを恐れて隠蔽をはかるが、なぜか死体が消えてしまう。一方、尚子の兄・潤一の妻が、多摩川で殺害される。刑事たちは、小さな糸口から二つの事件の繋がりを見つけ真相に迫っていくが……。性、金銭、名誉で心を満たすエリート。大都会の人間たちの激しい欲望と滑稽さを描くミステリー。
  • 蝶舞う館(東南アジア5部作)
    3.0
    ベトナム解放三十周年記念番組の収録中、日本の女性タレントが行方不明になった。番組関係者のもとに届いたのは、不当な弾圧を受ける少数民族モンタニャールの名を冠した組織からの犯行声明だった。不可解な要求にとまどいつつも救出に向かう男たち。だが、武装蜂起の予兆と見た公安部が組織壊滅に動き出し、凄絶な民族紛争に巻き込まれていく――。東南アジア5部作の掉尾を飾る傑作長編。
  • 透明人間はキスをしない
    -
    将来に可能性が感じられず、自分が存在しないみたいに思えた高校三年生の冬。俺は風逢(ふわ)に出会った。冬の神戸、三宮。確かにそこにいるのに、俺以外には見えない透明人間。不自由の中で生きる俺は、自由に生きる風逢に惹かれていった。現れては消える少女に導かれ、俺の人生は静かに動き出していく――。消えゆく君との出逢いから始まる、真冬の青春ストーリー!
  • 透明人間は204号室の夢を見る
    3.4
    コミュニケーション能力皆無の実緒は、高校3年生の時、ある出版社の小説の新人賞を受賞する。ペンネームは「佐原澪」。デビュー当時は話題になったが、6年経った今、佐原澪の名前を覚えている人間は少ない。実緒はデビュー以降、スランプに陥り一作も小説を書けなくなっていた。自分のデビュー作が未だに置かれている書店へ行っては、誰か手に取らないかと監視する日々。するとある日、実緒の本を手に取る大学生風の男の姿を確認する。思わずあとをつけ、彼の家を特定する。部屋の番号を確認し、ポストに手を突っこみ郵便物を抜き取ると、そこには大学からの封筒と彼の名前・春臣の文字が。それからというもの、今まで一行も書けなかったことが嘘のように、実緒は春臣のことを連想した小説を書くようになる。その小説を春臣のポストに投函することで実緒は満足感を得ていた。ひょんなことから実緒は春臣の恋人と仲良くなるが――。第三十七回すばる文学賞受賞第一作。
  • 凍夜
    3.5
    高校卒業以来、20年ぶりの帰郷だった。鶴巻秀人、39歳、バツイチ。同窓会の懐かしい顔ぶれは、彼の中で風化していた記憶を呼び起こす。たまり場での仲間との会話、憧れの美人教師、初めて抱いた女の子のぬくもり、そして、夢。「俺、小説家になりたいんだ」。氷点下の夜、骨まで凍みる冷気に震えながらも希望に燃えていた1977年、冬、18歳の思い出――。二度と帰らぬ日々を鮮烈に描く青春小説の傑作。
  • 遠き落日 上
    4.2
    1~2巻605円 (税込)
    【吉川英治文学賞受賞作】1876年猪苗代湖の貧農の家に生まれた野口英世は、母シカから受けついだ天性の忍耐力で肉体的なハンデを乗り越え、医学への道をめざす。周囲の援助で21歳で上京。北里研究所を経て、横浜海港検疫所、ペスト防疫のための清国行き、同郷の山内ヨネ子への恋の破綻。やがてアメリカに渡っての研究生活。若き無名時代の苦闘の日々――。人間野口英世の生命力あふれる半生を赤裸に描く伝記小説。
  • 遠の眠りの
    3.6
    大正末期、貧しい農家に生まれた少女・絵子は、農作業の合間に本を読むのが生きがいだったが、女学校に進むことは到底叶わず、家を追い出されて女工として働いていた。ある日、市内に初めて開業した百貨店「えびす屋」に足を踏み入れ、ひょんなことから支配人と出会う。えびす屋では付属の劇場のため「少女歌劇団」の団員を募集していて、絵子は「お話係」として雇ってもらうことになった。ひときわ輝くキヨという娘役と仲良くなるが、実は、彼女は男の子であることを隠していて――。福井市にかつて実在した百貨店の「少女歌劇部」に着想を得て、一途に生きる少女の自我の目覚めと、戦争に傾く時代を描く長編小説。
  • 咎人のシジル
    -
    美貌の青年・藍沢結人は、ひとつの街でひとつの恋しかしないと決めていた。なぜなら、恋をした相手の首に縄をかけ吊るすことを最大の愛情表現だとしているから。このあかつき町でもひとりの劇団員の女性を自殺にみせかけて吊るしたので、別の街へ移ろうと考え…? 連続殺人者と犯罪被害者家族たちが入り乱れ、誰もが傷つけ傷つけられる復讐の因果が回り始める!
  • 時々、慈父になる。
    3.8
    1983年5月、『優しいサヨクのための嬉遊曲』から40年。 いつまでも自分が主役だと思うなよ。 毀誉褒貶を顧みない作風で時代を駆け抜けた作家による、 デビュー40周年記念の自伝的父子小説。 第一部「父親の変わり身」 第二部「親バカでない親はいない」 第三部「運命なんて愛したくない」 第四部「後のことはおまえに任せた」 時は1991年、島田雅彦30歳。バブルは崩壊したとは言え、執筆の他にも世界中を旅する仕事が続く中、妻の妊娠が判明する。夫は、子育てに適した新居を探し、子どもの名前を考える。「永遠に実現しない希望」を意味する弥勒菩薩からミロクと名付け、生後間もない頃から世界中へと連れ回し、家族の記憶はいつも旅の記憶。自由奔放に子どもを育てたいと思いながらも、お受験へ。入園式当日に朝帰りをしたのは、父だったからか、作家だったからか。息子が生まれ、世界が一変したはずの作家による自伝的父子小説。
  • 徳川最後の将軍 慶喜の本心
    4.4
    御三家水戸藩に生まれた徳川慶喜は、美男子で文武に秀でていた。一橋家養子となると、名君の資質を見込まれ次期将軍に推される。だが、出世欲がなく、黒船来航からの国難に対処して欲しいとの要望を初めは拒む。開国を迫る世界情勢を鑑み、諸外国から日本を護りたいとは思うが……。最後に将軍となり、最悪の評価を覚悟して最良を模索し続けた慶喜。溺れる国の未来を拓いた男の真意とは! 歴史小説。
  • 特殊害虫から日本を救え
    4.5
    日本の食を守るための、 想像を絶する戦いの記録。 数十年前まで、九州以北では南西諸島で採れる農作物の多くを食べることができなかった。 当時、ウリ類や熱帯果樹をむさぼり食う“特殊害虫”が蔓延し、法律でこれら作物の移動が禁止されていたのだ。 それが今、ゴーヤやマンゴーが日本全国の食卓に並ぶようになったのは、 害虫根絶に人生をかけた現地職員の、想像を絶する戦いがあったからだ。 本書は、根絶事業に自ら携わり、死闘の現場を間近で見てきた現役昆虫学者による奮闘の記録である。 日本の食を支えた名もなき戦士たちの、努力と情熱と執念をぜひ知ってもらいたい。
  • 床屋さんへちょっと
    3.9
    「あたし今度、自分で店、開くんだ」。海外出張先への国際電話で娘に告げられ、宍倉勲は絶句した。就職したばかりの大手企業をすぐ辞めてしまったと思ったら、今度は何を言い出すのか――(「マスターと呼ばれた男」)。時に社長として、時にヒラ社員として、誠実に働き続けてきた男。彼と娘との関係、家族の歴史を時をさかのぼりながら描く連作長編。
  • 年下男子のルイくんはわたしのことが好きすぎる! 小さな王子サマと波乱の再会!?
    5.0
    わたし、樫木結衣。私立翡翠学園に入学したばかりの中1だよ。親友のまどかと入ったバレー部で、中3の秋月昴星先輩にひとめぼれ! ひそかに片想いをしているんだけど……。ある日、幼なじみがフランスから6年ぶりに帰国したの!! ひとつ年下の男の子、風間琉生は、アイドルみたいなきれいな男の子に成長してて……!? しかもわたしが好きと宣言してきて、大混乱!! わたしの部活と恋、これからどうなっちゃうの!?
  • 年下の男
    3.0
    36歳の営業課長・川島景子は年齢差を危ぶむ声をよそに、21歳の青年と結婚した。だがふとしたことから、自分たちの出会いそのものに不自然な作意を感じ、年下の夫に疑惑の目を向けはじめる。一方、景子をあきらめきれない男がひとりに女がひとり。窮地に追いつめられた彼女にトドメは夫の衝撃の告白! ついに精神的限界を超えた景子は、母の勧めで高原のログハウスに逃げ込むが……。
  • 年下の女友だち
    3.4
    有名イラストレーターの「私」のもとには、それぞれの秘密を抱えて今日も女たちが訪ねてくる……。容姿も性格も悪くないのに縁遠い、七美。美しい男しか愛せない、地方の大富豪の娘、かおり。三十過ぎても不倫から足を洗えない、こずえ。「私」のかつての夫とつきあっている葉子。幸せになりたい――。このシンプルな欲望に、“運命”という言葉を巧みに操ってつき進む女たちを描く、連作短編集。
  • 都市は文化でよみがえる
    -
    文化(アート)は都市再生に多大な影響を与えるものである。しかし、アート単独、特に現代アートによる地域復興には限界がある。アトラクティブな美術館の建設やアートイベントは一時的な集客であり、その地に住む人々にとって真に魅力的な地域となるかは別問題だ。都市の再生や復興は、もともとそこにある文化や歴史、人々の営みを無視して成すことはできない。本書では、金沢、岡山・瀬戸内エリア、前橋、大阪、ヨーロッパ、香港など、国内外のケースを参考にしながら、アートと都市の関係性を考える。現代美術家の会田誠、フランスの元文化大臣ジャック・ラングとの対談も収録。
  • 妬心
    4.0
    夫も子供も捨て家を出るきっかけとなった年下の男との偶然の再会が、作家として世に出はじめていた牧子の心に妖しい愛の炎を呼びさます。やがて二人で暮らす日々……。だが突然、男がきりだす別れ話。不倫の愛に懊悩する女の業を描く表題作、他に情熱のおもむくままに愛の遍歴を重ねる女を多彩に描いた六篇を収録。
  • トッピング 愛とウズラの卵とで~れえピザ
    3.0
    「今日は、で~れえ暑いねぇ」。岡山弁が飛び交う奉還町商店街で、雑貨カフェ「セワーネ(岡山弁で大丈夫という意味)」を営んでいるあゆみ。夫の雅彦は毎日大忙しだ。福男になりたくて西大寺裸祭りに参加するものの失神。早く帰宅したいから部長を辞めさせてくれと社長に直訴。妻のためだ。一昨年に発見された乳がん。手術も治療も順調だが心配でならない。雅彦の行動はすべてあゆみを元気づけたい一心からだ。雅彦の愛の“暴走”は日々加速する。そしてある日、雅彦はあゆみのために“で~れえ(すごい)”ことを思いついた!! ユーモラスな筆致ながら、夫婦や家族のあり方を問う、川上ワールド全開のハートウォーミングな家族小説。あなたはここまで妻を愛せますか!?
  • 十津川警部 愛と祈りのJR身延線(十津川警部シリーズ)
    1.5
    探偵・橋本の叔母みさ子は、旅行会社の早田敬子の添乗で身延山参拝へ出発。だが予定日を過ぎても戻らず、橋本が問い合わせると、早田という社員はいなかった。さらに、早田とホテルにいた男が刺殺され……。男が残した16枚の名刺とみさ子の失踪は関連があるとみた十津川警部は身延山へ。遺族の切ない思いを叶える“ポストマン”の存在を知る。善意の人々を巧妙に欺く巨悪に挑む!旅情ミステリー。
  • 十津川警部 あの日、東海道で(十津川警部シリーズ)
    -
    日下刑事は大学時代に「青春18きっぷ」を使い、東海道本線を西へ向かう旅に出た。その出発当日に2件の鉄道人身事故が起こり足止めされた。それから5年後、日下がかつて旅の途中に寄った静岡県吉原駅の喫茶店店主が轢き逃げで死亡し、東京で音楽事務所社長が刺殺される。事件を結ぶ糸を感じた日下は、十津川警部に相談。あることを伝えるが……。東海道本線、岳南鉄道、大井川鐡道の三路線を舞台にした奇跡のアリバイトリックに、十津川警部の名推理が冴えわたる長編旅情ミステリー!
  • 十津川警部 飯田線・愛と死の旋律(十津川警部シリーズ)
    3.0
    K省官僚の合田仙一が、深夜帰宅途中に襲撃され、意識不明の重体に。妻の智子は、長野県諏訪へ向かい、夫の愛唱歌『琵琶湖周航の歌』のオルゴールを注文。枕元でそのメロディを聴かせ、意識回復に望みをかける。十津川警部は、合田が太平洋航空機事故の審議委員だったことを知り、K省関係者に探りを入れるが……。官僚襲撃の裏に、航空機事故隠蔽の陰謀か!? 難事件の究明に挑む十津川警部の活躍。
  • 十津川警部 小浜線に椿咲く頃、貴女は死んだ(十津川警部シリーズ)
    3.0
    十津川警部の妻・直子に、京都K女子大学同窓会の招待状が届く。同期の金井富美が、日本画の賞を受賞したお祝いだという。直子たちは、“椿の君”と呼ばれた富美をはじめ仲良し5人で、美女軍団と称していた。同窓会直前、仲間の三原敏子が殺害される。十津川警部は、同窓生から情報を得るため京都へ向かうが、また軍団メンバーが殺害され……。椿の因縁をめぐる謎を追って、東京、京都、福井を結ぶ推理行。
  • 十津川警部 九州観光列車の罠(十津川警部シリーズ)
    -
    元大臣の小西が、連続少女殺人容疑で逮捕された。愛人の手紙が、小西のアリバイを崩す証拠となった。この事件を解決した亀井刑事はご褒美休暇で、息子の健一と長崎から観光列車「或る列車」に乗車。だが、終着駅の佐世保に着いた時、健一が消えた。誘拐犯は、亀井に証拠の手紙を要求するが……。相棒の窮地を救うため、凶悪犯に挑む十津川警部! JR九州の豪華観光列車を舞台に描く旅情ミステリー。
  • 十津川警部 幻想の天橋立(十津川警部シリーズ)
    3.0
    京都・宮津。建設会社社長中西は、“東京の病院で監禁されているので助けて欲しい”という手紙が結ばれた風船を発見。内容を信じた中西は、東京の探偵事務所に調査を依頼。都内病院を探るが進展のないまま、第二の風船が天橋立の展望台で拾われ……。やがて、疑わしい家が炎上、お抱え運転手が殺害される。この殺人と監禁の謎を解くため、十津川警部は、宮津へ。天橋立と東京を結ぶ驚愕の連続殺人に挑む。
  • 十津川警部 坂本龍馬と十津川郷士中井庄五郎(十津川警部シリーズ)
    -
    東京の会社員梶本が、自宅で刺殺された。歴史研究会会員の彼の日記には、京都で十津川郷士中井庄五郎を知り、奈良十津川村へ行ったと書かれていた。捜査にあたる十津川警部は、庄五郎に惹かれた被害者の思いを探ろうと京都へ。庄五郎の墓が、坂本龍馬の墓に寄り添うように建つのを見て……。明治維新直前に死んだ幕末の志士たちを巡る歴史の闇が、驚愕の殺人を呼ぶ!? 長編歴史&旅情ミステリー。
  • 十津川警部 三陸鉄道 北の愛傷歌(十津川警部シリーズ)
    4.0
    東日本大震災から2年。近藤の携帯電話に行方不明の婚約者渚の歌声が入る。以後歌声だけの電話が続き、近藤は真相を確かめようと渚の故郷K村へ向かう。婚約者からの電話が、愛の奇跡と話題になった頃、村長が殺される。一方、東京で大臣殺害事件を捜査する十津川警部は、現場の指紋から村長殺人との繋がりを見出し、岩手へ飛ぶが……。哀しき愛の奇跡の裏に隠された謎を追う十津川警部の名推理。
  • 十津川警部 四国お遍路殺人ゲーム(十津川警部シリーズ)
    2.5
    東京深大寺。テレビ番組ディレクターの井上美奈子が、お遍路姿で殺害された。美奈子が企画したお遍路の速さを競う“お遍路ゲーム”の収録目前だった。翌日、捜査本部に「四国八十八カ所巡りで人が死ぬ」という内容の電話が入る。十津川警部は、徳島へ飛び、お遍路姿で収録を警戒。だが、お遍路さんが射殺され、事件は意想外の方向へ……。東京と四国を結ぶ難事件に挑む十津川警部の名推理!
  • 十津川警部 修善寺わが愛と死(十津川警部シリーズ)
    2.5
    十文字多恵子32歳が、自宅で絞殺された。老舗の六国デパート元副社長秘書というには、分不相応な豪華マンション暮らしに、十津川警部は不審を抱く。多恵子は『修善寺わが愛と死』という原稿を残していた。その小説は、鎌倉幕府三代の興亡にことよせて、六国デパートのお家騒動を描いているようだった。探り始めると社長が次々交代しており…。連続殺人の悲劇に挑む十津川警部。傑作長編ミステリー。
  • 十津川警部 「スーパー隠岐」殺人特急(十津川警部シリーズ)
    3.0
    東京の老夫婦が、鳥取から津和野へ。息子が借金を苦に自殺し、その金を返済する当てのない夫婦が選んだ死出の旅だった。思い出の地・秋芳洞を訪れたとき、何者かに襲われ、妻が殺される。その頃、東京で相次ぐ老夫婦の失踪に不審を覚えていた十津川警部は、独自の捜査に乗り出す。やがて、事件の陰に謎の組織の存在を突き止めるが……。東京・山口を結ぶ、怒りの捜査行。
  • 十津川警部「ダブル誘拐」(十津川警部シリーズ)
    3.2
    三月三日、東京で七歳の少女鏑木美加が誘拐された。身代金一億五百万円を支払って解放されたが、犯人は逃走。捜査に行き詰まる十津川警部のもとへ、同じ日小樽でも美加という七歳の少女が誘拐されていたと報告が入る。身代金額まで同じという。やがて、第三、第四の誘拐事件が……。少女連続誘拐犯の真の狙いは何か! 奇怪な事件の謎を追って小樽、東京、京都へと飛ぶ十津川警部の推理行。
  • 十津川警部 秩父SL・三月二十七日の証言(十津川警部シリーズ)
    2.0
    消費者金融の元社長で資産家の秋山夫妻が殺害された。十津川警部は、秋山に恨みを抱いていたという漫画家の戸川を逮捕する。だが、事件当日に秩父SLの車中で戸川を目撃したと書かれた旅行作家のエッセイを発見。否認を続ける戸川の犯行を裏付けるため、極秘に再捜査を始めるが……。SL乗車中の犯罪! 鉄壁のアリバイの難事件に挑む十津川警部。秩父鉄道パレオエクスプレスを巡る旅情ミステリー。
  • 十津川警部 特急「しまかぜ」で行く十五歳の伊勢神宮(十津川警部シリーズ)
    3.0
    第二次世界大戦中、野々村は学徒動員で伊勢神宮を守る任務につく。終戦後、十五歳で東京に転居し考古学を研究してきた。遷宮で沸く伊勢へ七十年ぶりに帰郷し、同級生と再会。空襲で行方不明になったままの友人・加藤明が話題になる。野々村は、加藤の最後の姿を語り始めるが……。悲惨な戦争に翻弄された青春の封印が解かれた時、殺人の惨劇が! 難事件に挑む十津川警部の名推理。長編旅情ミステリー。
  • 十津川警部 特急「雷鳥」蘇る殺意(十津川警部シリーズ)
    2.5
    平成元年、和倉温泉往きお座敷列車で若い女が不審死した。自殺か他殺かわからぬまま、15年以上経って、事件車両を買った高柳という男が、奇妙な掲示板を出す。事件当日、この車両に乗っていた人に話が聞きたい、謝礼に10万円払うという主旨だった。やがて、高柳のもとへ話をしに来た男が殺され……。時効を迎えた事件が新たな殺人を呼んだ!? 東京・金沢を結ぶ推理行に十津川警部が挑む!
  • 十津川警部 鳴門の愛と死(十津川警部シリーズ)
    -
    女優の笠原由紀が東京で殺害された。カメラマンの夫・小笠原徹が疑われたが、事件当日、鳴門の渦潮を撮影していたというアリバイがあり、十津川警部はシロとした。が、捜査は難航。その一年後、作家の大下楠夫から、犯人は夫だと告発する本が届く。小笠原のアリバイを証言したお遍路の女性が、借金を返して行方不明。その女性と一緒に四国八十八カ所を巡礼していた友人も事件後に小笠原がはねて死なせていた。友情と裏切りの罠に翻弄されながらも真相究明に挑む十津川警部。東京と巡礼の聖地を結ぶ、長編トラベルミステリー。
  • 十津川警部 北陸新幹線「かがやき」の客たち
    4.0
    細野新司は、金沢の女子大生竹内綾と遠距離恋愛中。北陸新幹線開業日に綾と東京から乗車する計画を立てる。だが、綾は待ち合わせ場所に現れず、細野は金沢の彼女のマンションを訪ねるが留守だった。やがて、江戸川で綾らしい女性の溺死体が発見されたと連絡が入る。捜査担当の十津川警部は細野の行動に疑惑を……。東京、金沢を結ぶ連続殺人に挑む推理行。有名観光地を舞台に描く長編旅情ミステリー。
  • 十津川警部 雪とタンチョウと釧網本線(十津川警部シリーズ)
    -
    会社員の小柴は、毎年2月に釧路へ旅行し、行方不明の恋人ゆみを探している。今年も『SL冬の湿原号』に乗り、乗客を丹念に撮影。レンタカーに戻ると見知らぬ女の死体があり、容疑がかかる。7年前ゆみの失踪時も疑われた過去があった。小柴と同級生の十津川警部は、彼の写真を手がかりに捜査を始め、3Dカメラ開発が絡んでいると……。人気のSLが走る釧網本線を舞台に描く長編旅情ミステリー。
  • トナリの怪談
    3.5
    毎晩夢に出てくる、見知らぬ女性。夢の中で自分は彼女と幸せな恋人同士として暮らしていて――(「毎日見る夢」)。最愛の恋人の隣でほほ笑む女性の幽霊が繰り返すのは、「いつ死ぬの?」という言葉で――(「いつ死ぬの?」)。幼い頃から幽霊が見えるピン芸人が語る、日常のなかにある心霊体験の数々。今あなたの隣にいる方、足はあるし、しゃべるし……でも、幽霊かもしれませんよ?
  • となりのヨンヒさん
    4.3
    もしも隣人が異星人だったら? もしも並行世界を行き来できたら? もしも私の好きなあの子が、未知のウイルスに侵されてしまったら……? 同性愛、フェミニズム、差別と情報統制――マイノリティからのまなざしを受け止めつつ、人々の挫けぬ心を繊細に描く、「いま」と未来の物語。切なさと温かさ、不可思議と宇宙への憧れを詰め込んだ、韓国SF短編集全15編。
  • となり町戦争
    3.6
    ある日、突然にとなり町との戦争がはじまった。だが、銃声も聞こえず、目に見える流血もなく、人々は平穏な日常を送っていた。それでも、町の広報紙に発表される戦死者数は静かに増え続ける。そんな戦争に現実感を抱けずにいた「僕」に、町役場から一通の任命書が届いた…。見えない戦争を描き、第17回小説すばる新人賞を受賞した傑作。文庫版だけの特別書き下ろしサイドストーリーも収録。
  • とびはねて町を行く 「谷根千」10人の子育て
    3.0
    東京下町の地域雑誌「谷中・根津・千駄木」(愛称「谷根千(やねせん)」)編集部で日夜奮闘する3人の働く母たちはいかにして総計10人の子どもたちを育てたのか? コミュニティの中で産んで育てる生き方とは? お母さんもお父さんも、そうじゃない人もそうなろうとしている人も、読めばきっと元気になる子育てエッセイ。巻末には10人の子どもたちによる特別座談会も収録。
  • 跳べ、ジョー! B・Bの魂が見てるぞ
    5.0
    ダンクシュートとは、ジャンプ一番、バスケットリングの上からスナップを効かせてボールを叩きこむシュートのことだ。ミサワ基地のジョーは、黒人の誇りをダンクを決めることに賭けた。ああ、神さま、ちびの黒人にでっかい羽根をください! スポーツ小説の幻の傑作と言われるデビュー作がここに復活! アイスホッケー短編「新顔」も収録。還ってきた名手の再編集スポーツ小説傑作集。
  • 途方にくれて
    -
    アメリカからヨーロッパ、そしてアジアと自由気ままにさまよっている“ヒゲ”に、ぼくは沖縄にむかう船の中で出会う…。金のない二人が陸に上がってありついた仕事は、怪しげなナイト・クラブのボーイ。ヘマとドジ、涙と汗、喧嘩と恋の日々に見いだしたものは…。途方にくれた青春の彷徨を、きびきびとした文体で捉えた表題作ほか、四編を収録した傑作集。
  • トマトケチャップの青春
    5.0
    彼は学校へ行かなくなった。食事も1日に1度、すべての料理にあふれるほどトマトケチャップをかけ、皿まで真っ赤にして食べる――。そんな彼がやがて結婚し、子供をつくり、流行作家になった。妻や子供との日常生活に、ふと昔の自分の姿を思い出す。深い思索の中に苦いユーモアをちりばめた私小説。
  • トム・ソーヤの冒険 宝さがしに出発だ!
    -
    いたずら好きのトムはいつも新しい遊びを思いついては、ポリーおばさんを困らせている。親友ハックとの宝さがし、転校生ベッキーとのあわい恋など、好奇心いっぱいのトムにとっては毎日が冒険の連続だ。ある日、トムはハックとともに、墓地で殺人現場を目撃!! わんぱくすぎるトムがついには危険な事件にまきこまれてしまう。どきどきが止まらない、トムの青春物語。
  • 共喰い
    3.5
    一つ年上の幼馴染、千種と付き合う十七歳の遠馬は、父と父の女の琴子と暮らしていた。セックスのときに琴子を殴る父と自分は違うと、自らに言い聞かせる遠馬だったが、やがて内から沸きあがる衝動に戸惑いつつも、次第にそれを抑えきれなくなって─。川辺の田舎町を舞台に起こる、逃げ場のない血と性の問題。第146回芥川賞受賞作。文庫化にあたり、瀬戸内寂聴氏との対談を収録。ほか「第三紀層の魚」併録。
  • トラちゃん
    4.4
    “生きものは、いったい何を考えているのかなあ、と思うことがよくある。ことばは喋れないにしろ、少なくとも私たちが飼っていた生きものは、非常に感情豊かで、ペットなんていう生やさしいものではなくネコやネズミやインコの格好をした、人間であった。”生きものの仕草や表情を生き生きととらえ、家族の絆や細やかな愛を横糸に絡めて描くユーモア・エッセイ。
  • トラッシュ
    3.7
    いじめ、差別、虚無感、愛されない苦しみ、親との確執……それぞれの理由で集団自殺を試みた6人の若者達。しかし、闇サイトで入手した薬が偽物で、全員生き延びてしまう。「一遍死んだんやから、もう怖いものはない」。自分たちを死の淵に追い込んだ「加害者」に対し、6人は犯罪も辞さない世直し活動を始める。ドラッグ売人狩り、差別団体へのテロ、そして首相暗殺。その過激な行為で世間の賞賛と非難を浴びながら、6人の活動はエスカレートしていき……誰が本当の屑(トラッシュ)なのか。弱冠22歳の著者が問う「正義」と「暴力」。小説すばる新人賞受賞後第一作。
  • トラブルクッキング
    3.8
    料理下手を返上すると固く決意した著者。まずは作家モノの土鍋を購入し、お惣菜の帝王、肉じゃがに挑戦するが…。鍋の中で茶色いデンプン質の固まりと化した肉じゃがの悲劇、「土鍋と肉じゃが」に始まり、「御飯無情」、「岩おはぎ」、「玉砕かきたま汁」など、タイトルからして笑える25篇。失敗談ではあっても、思わず作ってみたくなる料理も登場。食欲と「調理本能」を刺激する傑作クッキング・エッセイ。
  • 鳥たち
    3.4
    「私たちはまだ呼ばれているのかもしれない。あの土地にしみついた死の匂いに」――それぞれの母親を自殺で失った大学生のまことパン職人の嵯峨。まこは日々、喪失感に怯えては嵯峨の子を欲しがり、そんなまこを嵯峨は、見守っている。お互いにしか癒せない傷を抱えた二人。少しずつ一歩ずつ、捕らわれていた過去から解き放たれ、未来へと飛び立っていく。大人になる直前の恋と、魂の救済の物語。
  • 鳥たちの河口
    -
    河口の鳥の観察に熱中する失業中のカメラマンは、飛翔する鳥たちが、すでに自然の習性を失いつつあることに気づく。方向感覚が狂い、季節はずれに渡来する鳥たち。油でよごれた港辺に漂う鳥の死骸。荒廃する河口でおこる鳥たちの異変に、現代の不安と焦燥を的確に描く表題作はじめ、全5編収録の初期短編集。
  • トリッククラブ キミは18の錯覚にだまされる!
    4.0
    キミは、「自分は絶対にだまされない」なんて思っていない? でも、キミたちのまわりには、じつにいろいろなワナがかくれている。見えているのにそこにはないもの、同じものがちがって見える瞬間! 本に登場するキミを錯覚させる18のトリックを見やぶれば、この世界の見え方もきっとかわってくるはず!
  • トリニティ、トリニティ、トリニティ
    -
    オリンピックに沸く2020年夏の東京。「目に見えざるもの」の怒りを背負った者たちが立ち上がる――ノンストップ近未来長編! ○「20世紀最大の呪いは、原子力の発見とその実用化だった。小林エリカは核に取り憑かれた作家だ、いや、核に取り憑いた巫女だ。その予言は私たちを震え上がらせる」――上野千鶴子氏(社会学者)
  • トルーマン・レター
    3.6
    ある事件がきっかけで新聞社を退社した峰先は、外国人同士の暴行事件に巻き込まれ、その現場で一通の手紙を手にする。それは第33代米大統領、トルーマンの私信だった。そこには広島・長崎への原爆投下の決断が書かれていた。一方、沖縄で米兵に襲われた女性の、大国に立ち向う市民運動が続けられていた。この二つの物語が絡み合い、意外な方向へ事件は発展する。なぜ原爆投下はなされたのか―――!? 歴史の闇に迫るサスペンス。
  • とんかつDJアゲ太郎 映画ノベライズ みらい文庫版
    -
    東京・渋谷にあるとんかつ屋「しぶかつ」の三代目・勝又揚太郎。仕事も恋もパッとせず、なんとなく生きる揚太郎に人生を変える出会いがあった――。クラブでかっこよく音をかけるDJ。初めてのDJ体験にテンションMAX! DJになることを決意したアゲ太郎!! 走りだしたアゲ太郎はもう止まらない! 日々DJに明けくれているある日、新人オーディションに出場することに……!?
  • トンネルの向こうへ 「あと一日だけがんばる」無謀な夢を追い続けた日々
    4.0
    大坂なおみの母が明かす、自由を求めて故郷を飛び出してから、なおみがチャンピオンになるまで。喜び、その後の苦悩、そして今ふみだそうとする、新たなスタート。 「自由に生きたい!」北海道の保守的な家庭を飛び出し、駆け落ち同然でハイチ系アメリカ人と結婚。二人の娘たちがまだ幼い頃、「ウイリアムズ姉妹のようなトップのプロテニス選手にしたい!」夫がひらめいたときから、一家四人の過酷な旅が始まった。頼る人もなく、テニス業界についての知識もなく、お金もない中で、今日一日、あともう一日、と“光の見えないトンネル”を走り続けた。努力が実を結び、なおみがチャンピオンに。喜びのあとにおとずれた、とまどい、不安。悩んだ末に、また歩き出した今の思いを綴る。
  • トーキョー・ストレンジャー
    4.0
    『悩む力』『在日』など数々のベストセラーを生み、テレビでも活躍する気鋭の政治学者である著者。東京に出てきて40年、やっと「トーキョー」に心を許し、ストレンジャーとなって「トーキョー」を楽しむことができるようになったという。「都市とは自分の正体を目覚めさせてくれる場所である」という確信のもとに東京各所を探訪。明治神宮や浅草など歴史の息づく街から、六本木や銀座など現代の欲望がダイレクトに渦巻く街まで、その土地を通して人生、文化、日本、未来etcを熱く語った、すべての現代人への応援メッセージ。若者には著者の書籍のエントリー本として、愛読者には新鮮で軽快なエッセイとして愛される1冊。
  • トーマス・マン『ヴェネツィアに死す』を読む(文芸漫談コレクション)
    -
    美。そして、陶酔、陶酔、陶酔。とにかく美しかない。美と理性、そこに忍び込んでくる魔的なものというテーマのトーマス・マン『ヴェネツィアに死す』を読む。芥川賞作家と希代の仕掛人が捨て身でおくる“漫談スタイル”の超文学実践講座。本電子書籍は、文芸誌「すばる」2009年1月号に掲載された作品の電子版シングルカットです。
  • どうか、天国に届きませんように
    3.5
    オカルトに憧れる「僕」は、ある日の下校中、自分の指へ絡む黒い糸に導かれ、死体を見つける。特別な力を得た優越感に溺れた「僕」は死体を見つける行為にのめりこんでいくが…? 偶然が偶然を呼び、不幸に魅入られた者たちは巡り合う。そして、彼らが抱く行き場のない孤独は哀しく連鎖していき――。「僕は君を殺せない」の著者が贈る、サスペンス連作短編集。 【目次】黒い糸/白い檻/灰の箱/牢獄/天国
  • 動物園 赤ちゃん誕生物語
    5.0
    動物園では飼育員さんの力をかりて育つ動物の赤ちゃんがいます。生まれてくるまでのドキドキや毎日の世話、とつぜんの病気……。赤ちゃんとすごす時間はうれしいことと同じくらい悩みもいっぱい! ホワイトタイガーやフンボルトペンギンなど4種類の赤ちゃんの心温まるお話です♪ 【目次】第1章 ホワイトタイガー/第2章 マレーバク/第3章 ヘビクイワシ/第4章 フンボルトペンギン
  • 動物哲学物語 確かなリスの不確かさ
    4.0
    どんぐりの落下と発芽から「ここに在る」ことを自問するリスの青年。衰弱した弟との「間柄」のためにニワトリを襲うキツネのお姉さん。暗闇から光の世界へ飛び出し、「存在の本質」を探すコウモリの男の子。日本・南米の生き物たちが見た「世界」とは? 映画化された世界的ベストセラー『あん』著者による構想50年の渾身作は、動物の生態に哲学のひとさじを加えた21のストーリー。スピノザから老子まで哲学の入門書よりやさしく学べて、明日を「生きる」意味が見えてくる。
  • 動物翻訳家 心の声をキャッチする、飼育員のリアルストーリー
    4.3
    誰もが行ったことのある動物園。そこには知られざるドラマがある! 自然を知らない“箱入り”ペンギン、仲間に馴染めないチンパンジー、500km以上を飛翔したハゲコウの追跡……動物たちが暮らしやすく、より魅力的な施設にしたい。動物園の飼育員は、強い思いを胸に、動物たちの心の声に耳を傾け続けている。彼らの愛情あふれる奮闘の日々に迫るお仕事ルポ! 決定版。
  • 「独裁者」との交渉術――ボスニア カンボジア スリランカ国連和平調停の舞台裏
    3.9
    冷戦後、世界の安全保障の枠組みが激変するただ中で、カンボジアPKOやボスニア紛争の調停をはじめ、国連が主導した1990年代の平和活動を指揮した日本人がいた。もっとも困難な立場に立たされた交渉人―-明石康は、シアヌーク、ミロシェヴィッチ、カラジッチといった現代史に名を残す政治家・ナショナリストたちと、どのように対話し続けてきたのか? バルカン半島の現場を熟知するジャーナリスト木村元彦が、1年間にわたって連続インタビューを敢行。誰よりも苛烈な現場を潜り抜けてきたミスター・アカシの交渉テクニックに迫る!【集英社新書『「独裁者」との交渉術』改題】【目次】本書の読者のために(木村元彦)/第一章 反抗児/第二章 初の日本人国連職員/第三章 国連的アプローチ/第四章 文民統制/第五章 カンボジアPKO(一)/第六章 カンボジアPKO(二)/第七章 ボスニア/第八章 人を見る目/第九章 食事術/第十章 スリランカ問題/第十一章 スリランカ和平調停の裏側/終章 職業としての交渉者/インタビューを終えて(木村元彦)/あとがき(明石康)/カンボジアPKO関連資料(略年表・主要人物・地図)/旧ユーゴスラビアPKO関連資料(略年表・主要人物・地図)/スリランカ和平調停関連資料(略年表・主要人物・地図)/用語解説
  • 独裁者ヒトラーの時代を生きる 演説に魅入られた人びとと「つまずき石」
    5.0
    この世に強権的な指導者が現れるたび、常に引き合いに出される「稀代の独裁者・ヒトラー」。大衆を熱狂させたのは、その類まれな「演説力」。飛行機でドイツ全土を飛び回り、ラジオ放送を牛耳って全国の家庭を演説会場に変え、国民の心を掴み、破滅的な戦争へと突き進んでいった。そんなヒトラーの時代を体験した人びとの多くが鬼籍に入り、生の証言を聴ける機会も残り少ない。ヒトラーの演説を聞き熱烈に支持した人、ナチスに肉親を奪われた人、反発を覚えながらも抗えなかった人……。本書では、当時、様々な立ち位置にいた人びとをドイツ各地に訪ねて得た貴重な証言に加え、そうした街に埋められていた金色のブロック、ヒトラーにより命を落としたユダヤ人の名前が刻まれた「つまずき石」に注目。75年の時を超え、ヒトラーの時代を「追体験」していく。NHK BS1スペシャルで話題を呼んだ番組『独裁者ヒトラー 演説の魔力』をベースとした待望の書籍化。
  • 毒 POISON
    3.7
    わずか一滴で致死量に達し、しかも検出不可能という完全犯罪を約束する毒の小ビン。愛人をうとましく思う週刊誌記者から刑事、女性タレント、首相暗殺を企てる過激派へと“毒”は人々の手を転々とする。人々の心の深奥に潜む殺意を横糸に、軽妙な恋のかけひきを縦糸にからませたオムニバス長編ミステリー。
  • どさんこ大将(上)
    -
    1~2巻605円 (税込)
    男はこう闘うんだ! 北海道日高山麗に、ひとりの怪童があらわれた。姓は山丸、名は常義。幼い頃から比類のない腕力と闘争心、統率力で大人たちからも一目置かれる少年だった。ケンカ、仕事、女……。あらゆる男の闘いに裸一貫、腕と度胸で立ち向う北海道の怪男児の凄絶な生きざまを描く熱血冒険小説。
  • どすこい。
    3.8
    地響きがする──と思って戴きたい……相撲取りの討ち入りを描く「四十七人の力士」、肥満ミトコンドリアが暴れる「パラサイト・デブ」などなど数々の名作を下敷きに、パロディの極北を目指したお笑い連作巨編がついに文庫化。炸裂する京極ギャグの奔流に、いつしかあなたは肉の虜となる。しりあがり寿先生の4コマも読めるし、解説には大盛肉子ちゃんがゲスト出演。全編でぶのちゃんこ盛り!
  • DOG×POLICE 警視庁警備部警備第二課装備第四係
    3.3
    警備課に所属し、爆発物探知や自然災害での被災者救助など、警備全般を担う犬、警備犬。その訓練を行う装備第四係に配属された新人警察官の勇作は、刑事になる夢とのギャップに不貞腐れるが、個性的な同僚や優秀な犬たちとの出会いが彼の心を変えていく。そんな中、勇作は生まれつき体の弱い警備犬シロとバディを組み、巷を騒がせる爆弾魔事件に出動して……。話題の映画、原案小説書き下ろし。
  • どれみても純情
    -
    東京・阿佐谷で民芸店経営。大の巨人ファンで、長嶋茂雄氏を「神様」と崇め、みずからも草野球チームに入っている。詩人のはずが直木賞まで受賞した。子供の時から見栄っぱりで、目立ちたがり屋、そのうえ高所恐怖症ときている。多才な著者が語る、野球、家族、コトバ等々、初めてのオリジナル・エッセイ集。
  • ドンキにはなぜペンギンがいるのか
    3.7
    【24歳の著者が挑む! 日本の「いま」を切り取ったチェーンストア都市論】 私たちの生活に欠かせないチェーンストアは都市を均質にし、街の歴史を壊すとして批判を受けてきた。 だが、チェーンは本当に都市を壊したのだろうか。 1997年生まれの若き「街歩き」ライターはその疑問を明らかにすべく、32期連続増収を続けるディスカウントストア、ドン・キホーテを巡った。 そこから見えてきたのは、チェーンストアを中心にした現代日本の都市の姿と未来の可能性である。 ドンキの歴史や経営戦略を社会学や建築の視点から読み解きながら、日本の「いま」を見据える。 【推薦!】 ■石田英敬 氏(東京大学名誉教授) ドンキめぐりはクセになる、読み出したら止まらない、ドンペン探偵が読み解くチェーンストア記号論。 ■宮沢章夫 氏(作家・早稲田大学教授) まず「肯定する」という態度がここにはある。正直、ドンキが渋谷にできたとき、80年代の渋谷を知る者は苦い気持ちを味わった。世代的にそんなことなど関係ない著者はドンキを中心にロードサイドやショッピングモールを肯定する。そしてその「肯定」が、いま私たちを取り巻く資本の構造への、見事な批評になっている。
  • どんなわたしも愛してる
    4.7
    エミー賞を2018年には3冠、2019年には4冠と、連続受賞を果たした世界的人気リアリティ・ショー、『クィア・アイ』。その出演者のひとり、美容担当のジョナサン・ヴァン・ネス。番組では輝く笑顔で視聴者に元気をくれる人気者だが、その裏には過酷な半生があった……。アメリカの保守的な町でチアリーディングと女子フィギュアスケートに憧れたゲイの少年が、ファビュラスでゴージャスな現在のジョナサンになるまでを語る。
  • 内通と破滅と僕の恋人 珈琲店ブラックスノウのサイバー事件簿
    3.3
    大学生の凪は、同級生の不思議な美少女・霧香と付き合い始めたばかり。ある日ふたりは路地裏の珈琲店ブラックスノウを訪れる。店のマスターは、実はサイバーセキュリティに精通した人物だった。店を手伝うことになった凪は霧香とともに様々なサイバー犯罪に触れてゆく。一方、マスターを恨む美青年・凌が大規模な犯罪を企てていて……。過去の小さな因縁が世界を揺るがすサイバーサスペンス。
  • ナイトメアはもう見ない 夢視捜査官と顔のない男
    4.0
    夢で他人の記憶を見る異能を持つ「夢視者」の笹川硝子は、特殊捜査官として京都府警に勤めていた。遺体に触れるとその者の死の瞬間を追体験できる能力を活かし、事件を解決に導いている。そんな中、同じ特殊捜査官で先輩でもあった川上未和が、硝子に「ナイトメアはもう見ない」という謎のメッセージを残して行方不明になってしまう。さらに未和の汚職疑惑が発覚し…?
  • 中上健次『枯木灘』を読む(文芸漫談コレクション)
    -
    「あの大きな人の、大きな背中を、見たかった」「まさしく、奇蹟のような一回性の小説」。今回は、中上健次の『枯木灘』を読む。芥川賞作家と希代の仕掛人が捨て身でおくる“漫談スタイル”の超文学実践講座。本電子書籍は、文芸誌「すばる」2009年1月号に掲載された作品の電子版シングルカットです。
  • 中島らもの特選明るい悩み相談室 その1
    4.0
    日本全国の悩める老若男女が駆け込む、最後の砦。中島らもの明るい悩み相談室が、装いも新たに帰ってきた! 「ゾッとするほどあんこ中毒の父」「将来の夢はピーマン屋といいはる娘」「束縛されたくないと裸で料理する夫」などなど。思わず吹き出す珍妙な相談と、思わず唸ってしまう絶妙な回答の中から、爆笑必至の70篇をよりすぐってお届けします。
  • 泣かない女 短篇セレクション ミステリー篇
    4.0
    著者の自選短篇セレクションシリーズのミステリー篇。表題作「泣かない女」、推理作家協会賞受賞作「妻の女友達」をはじめ、「悪者は誰?」「鍵老人」の4篇を収録。男の歪んだ欲望と、女の捻れた欲望がぶつかりあう。普通の人々の生活がふとしたことから崩れていき、その隙間に忍び寄る狂気。心の奥底を覗き込むようなミステリーの醍醐味を味わえる傑作の連続。
  • 中村勘三郎 最期の131日 哲明さんと生きて
    4.2
    【電子版・カラー写真多数収録】歌舞伎界のすべてが姻戚関係になったと言われた「中村屋」と「成駒屋」の結婚から30年。子供や孫にも恵まれ、中村屋は十八代目中村勘三郎を中心に、幸福の絶頂にあった。ところが、2012年6月、勘三郎は突然、ガンを告知される。食道ガンだった。入院、手術、ARDSの発症、最後の希望を託したECMO治療……。勘三郎の苛酷な闘病と、それを支え続けた家族の姿を、最愛の妻が綴った渾身の手記。――「あなたの職業は」と聞かれたら、私は迷わず答えます。「十八代目中村勘三郎の妻」。結婚して天職を得たと思いました。
  • 【電子特別版】中村屋三代記 小日向の家
    -
    【電子特別版・カラー写真収録】歌舞伎界の名門“中村屋”にゆかりの人びとが語る中村屋三代への熱い思い――多くの名舞台をのこした十七世中村勘三郎の人間的魅力。二十一世紀の歌舞伎界を担って立つ(五世)勘九郎の舞台への意気込み。そして(二世)勘太郎・(二世)七之助兄弟の歌舞伎への一途な思い。舞台では見ることのできない芸と人生のドラマが、数々のエピソードをもりこんで繰り広げられる感動の一冊。電子化にあたり、収録写真を再編集。カラー写真も収録の豪華版!
  • 中目黒リバーエッジハウス ワケありだらけのシェアオフィス はじまりの春
    3.0
    青森から上京した哲太は憧れのクリエイター職に就いたが、ブラックぶりに追い詰められ、好きな女性に醜態をさらし――限界を迎えてドロップアウト。人生に行き詰まり、クリエイターを目指すきっかけになった宗方(むなかた)を捜すうち、中目黒のシェアオフィスに辿り着く。そこでインテリアデザイナーの杢(もく)や料理研究家の千奈美と組み、カフェをプロデュースすることに…!?
  • 中山可穂コレクション 1 長編小説『感情教育』『マラケシュ心中』
    5.0
    1~2巻1,870~1,980円 (税込)
    <「全身全霊で恋をして、その体験を小説という形に昇華して綴る」という経験は、おそらく一人の小説家の人生のなかで一度しか達成できないことではないかと思う。なぜならそれほどの恋とは一生に一度しか経験できないものであり、それを書くに足る力を備え、肉体も精神も澄み切って野心に溢れ、まだ何者にもなっていない、何の評価も得ていない若いときにしかできないことだと思うからだ。(本書まえがきより)>長らく絶版状態だった、中山可穂の代表作とも言える恋愛小説の傑作長編2本が待望の電子化。ファン垂涎の電子オリジナルコレクション第1弾。本書は以下の作品を収録しています。/『感情教育』……産院に捨てられ、母を知らない那智。理不尽な大人達に振り回されて育った理緒。それぞれ懸命に少女期を生き延び、大人になった二人。那智は恋多き女になり、やがて結婚し母になった。理緒は同性愛者として自立した道を歩んでいた。しかし、内に秘めた深い孤独は埋めることはできない。そんな二つの純粋な魂が出会い、不器用にお互いを求めた時に、人生のすべてを賭けた運命の愛が燃え上がる。2000年講談社刊。/『マラケシュ心中』……「恋がいつか必ず終わるものなら、わたしたちは恋人同士になるのはやめましょう。何も契らず、何も約束せず、からだに触れ合わず、それゆえに嫉妬もない、いかなるときも自由で、平明で、対等な関係のまま、いつまでも離れずに、この世で最も美しい友になりましょう」(本文より)あえて男名前を使う、女性歌人の緒川絢彦が短歌結社の歌会で出会ったのは、師と仰ぐ大歌人の若く美しい新妻だった。近づいてはいけない相手、恋をするにはあまりに危険な存在。しかし、募る思いは止めることができずに、やがて。逃避行の果てに恋人たちを待っていた運命とは……。2002年講談社刊。
  • 長ぐつをはいたネコ
    -
    世界中で古くから親しまれている、シャルル・ペローの昔話集。その中から現代でも有名な『長ぐつをはいたネコ』『眠りの森の美女』『赤ずきんちゃん』『サンドリヨン(シンデレラ)』のほか、『青ひげ』『妖精たち』『とさか頭のリケ』『親指小僧』『新世界の葦』の9編を収録。グリム童話よりも前に世に送り出され、現代童話の基本となったペローの傑作選!【もくじ】長ぐつをはいたネコ/眠りの森の美女/赤ずきんちゃん/青ひげ/妖精たち/サンドリヨン(シンデレラ)、小さなガラスのくつ/とさか頭のリケ/親指小僧/新世界の葦、またはサトウキビ
  • 長崎・眼鏡橋の骨董店 店主は古き物たちの声を聞く
    3.0
    パワハラされて仕事を辞め、故郷・長崎へ戻ってきた結真。東京行きを応援してくれていた叔母の形見のマリア観音をそばに置きだして以来、なぜか悪夢を見るように。心配した母が「古か物にまつわる問題ば解決してくれる」骨董カフェ・一古堂へ、勝手に相談の予約を入れてしまう。しぶしぶ一古堂を訪ねた結真は、店主・司とともに、マリア観音の来歴を調べることに…? 【目次】第一話 顔のないマリア観音/第二話 オランダ商館長(カビタン)の壺/第三話 溶けた万年筆
  • 流れ星のように君は
    -
    おぼえていますか? 桜の雨が降る庭で私たちが出会ったことを。こんなに好きな人に出会ったのは初めてだったからずっと離れたくなかったんだよ。神様神様、お願いです。あの人を死なせないで。まだ、十二歳だったのに。何万回何千回だって祈るから彼とずっといっしょにいさせてください。
  • 流れる島と海の怪物
    3.5
    母に連れられた大きなお屋敷で、朱音(あかね)と朱里(あかり)という二人の神秘的な姉妹に出会った。母はなぜ「俺」を姉妹に会わせたのか。それは、母の姉である福子から聞いた、自分の出生にまつわる信じられないような秘密と、朱音たちの母の故郷である「流れる島」にまつわる悲しい神話に結びついていた――。 衝撃の『共喰い』から10年。再び下関を舞台に仕組まれた、濃密な家族と血をめぐる、少年と少女の鮮烈な神話。最新長編小説!
  • 泣きたくなるような青空
    4.1
    旅ってやっぱりいいもんだ。そこには人や場所との出会いがあり、人や場所の匂いがあり、人や場所の声が聞こえ、人や場所の手触りがある。台北や博多の屋台で舌鼓を打ち、沖縄やマレーシアの真っ青な空に目を奪われる。旅に出ることが出来る、それだけで奇跡。ANA機内誌連載をまとめた、ベストセラー作家・吉田修一の素顔が垣間見えるエッセイ集。
  • 「泣き虫」チャーチル 大英帝国を救った男の物語(集英社インターナショナル)
    4.0
    チャーチルには、それが弱点なのか強味なのか、よく分からないクセがある。……泣き虫。感きわまると目をうるませて涙を浮かべる。人前であろうとおかまいなし。弱味を見せてしまうなどとはまったく考えない――「20世紀における最高の戦争指導者」と言われたチャーチルの素顔を最新資料を駆使して描ききった、著者渾身の本格評伝。巻末にはチャーチル名言集を日英対照で収録。
  • 泣き娘
    3.8
    可憐な姿のそのひとは、哭女として今日も葬儀で涙を流す――。中国唐代、神都随一と噂される“哭女”の泪飛は葬式に引っ張りだこ。涙をもって故人の功績を称え謳われることが家の格を表すため、いい家柄の葬儀では優秀な哭女が雇われるのだ。しかし泪飛は妹弟を養うため、性を偽り「哭女」として葬儀で泣くことを職にしたのだった。身分を偽りながら様々な事件や謎に立ち向かう泪飛の思春期の苦悩と成長、そして年上の貴族青年・青蘭との奇跡のような関係を描く、歴史青春ミステリー小説。
  • 泣き娘
    3.5
    舞台は唐代の中国、神都随一と噂される哭女の“泪飛”は葬式に引っ張りだこ。葬儀では涙を絶やすことは許されない。そこで盛大に涙し故人の功績を称え謳うことが家の格を表すため、いい家柄の葬儀では優秀な哭女が雇われるのだ。しかし泪飛にはある重大な秘密があった。それは周旋屋の老婆・右聴と泪飛だけが知る事実――泪飛は少年なのだ。女装姿で哭女を続けなければいけない少年の苦悩と成長、そして年上の貴族青年・青蘭との奇跡のような友情を描く。新時代の旗手が放つ歴史青春ミステリ小説!
  • 渚くんをお兄ちゃんとは呼ばない ~ひみつの片思い~
    5.0
    あたし、鳴沢千歌、小学5年生。まんが好きの地味女子。きょうは、今までの人生でいちばん緊張している。なぜなら、パパの再婚相手に会うから…だけじゃなくて、その息子が、学校1のモテ男子・渚くんだから。「鳴沢、おれの妹な」。渚くんからの突然の宣言(…なんでこんなにえらそうなの!?)。だけど、近すぎる距離の渚くんに、ときめいてしまって…?
  • 凪の光景(上)
    3.5
    1~2巻550円 (税込)
    何の享楽も知らず、己の信念のために戦うことを生き甲斐とする元小学校校長・大庭丈太郎。謹厳実直な夫に仕えて40年。糟糠の妻・信子。庭続きには息子一家が住み、老夫婦は傍目には「幸福」そのものに写るのだが……。ある日、信子は戦中戦後の苦闘の中に埋もれた青春の日々を何とか取り戻すのだと突然、丈太郎に「シルバー革命」を宣言し、次々と企てを起こし始めた…。
  • なくしたものたちの国
    4.3
    いつのまにかなくなったもの、というのが、人生にはたくさんある。たとえば、赤ん坊のときに好きだったぬいぐるみ。水玉模様のかさ。初めてできた友だち。恋とは気づけなかった幼くてまばゆい初恋……。松尾たいこの彩り豊かなイラストから角田光代が紡いだ5編の小説には、そんな愛しくてなつかしい記憶がぎっしり。人生の出会いと別れをこまやかに綴った、せつなくもあたたかい作品集。
  • なげださない
    4.0
    チェルノブイリ原発事故で消えた村。いつかみんなが戻ってくる日を信じて、教会を再建するおじいさん。がんのため、痛みと闘いながら歌い続けたジャズ・シンガー。阪神大震災で隣に寝ていた母を亡くし、自分を責めて生きてきた女の子。過酷な状況、深刻な病気でも、ひとつのいのちを丁寧に生きる人々。大切なかけがえのないものを、なげださない姿を、あたたかく見つめる医師の希望と感動のエッセイ。
  • なぜ豊岡は世界に注目されるのか
    4.3
    兵庫県豊岡市は、市内にある城崎温泉が「ロンリープラネット」のベスト温泉タウンナンバー1に選ばれ、インバウンドが急増。 豊岡演劇祭では1億3700万円の経済効果を達成。 移住したい街ランキングでも上位に入り、近年、国内外から注目を集める。 なぜそれが実現したのか。 人口が減少し、産業も衰退する中で、地方が輝きを放つ方法とは? 前市長が全国の自治体にも応用可能な視点を示しながら、その秘策を綴る。 【推薦コメント】 小島慶子氏(エッセイスト) 広まれ、豊岡モデル!「女、子どもは黙ってろ」で故郷が滅ぶと気づいた市長の本気のジェンダーギャップ解消作戦。胸熱です。子どもたちが、給食のお米をコウノトリ米にすることや震災の被災地にお米を送ることを思い立ち、真剣に大人に掛け合って実現するくだりでは涙が出ました。ここで子育てをしたいと思う人は多いのでは。 内田樹氏(思想家・芸術文化観光専門職大学客員教授) コウノトリ、有機農業、演劇、ジェンダーギャップの解消…着眼点はどれもすばらしいのですが、何よりもそれらを貫くのが「深さをもったまちづくり」という哲学である点を僕は高く評価します。その土地の土着の文化と整合しなければ、どんな「正しい」政策も成果を得ることはできません。中貝さんは豊岡の土着の文化が何を求めているのかを皮膚感覚でとらえ、それを政策的に展開できた例外的な市長だったと思います。 藻谷浩介氏(地域エコノミスト) 突き抜けた文化、世界とつながる地下水脈、経済力ある女性と生活力ある男性。小さな世界都市・豊岡に、ワクワクが止まらない。巨大化する東京でガラパゴス化する日本と心中するか。小さな世界都市で、世界に通じる文化と暮らしを担うか。あなたはどっちだ? 【目次】 序章 「小さな世界都市」の萌芽 第1章 コウノトリ「も」住めるまちを創る 第2章 受け継いできた大切なものを守り、育て、引き継ぐ 第3章 深さをもった演劇のまちづくり 第4章 ジェンダーギャップの解消 終章 これからのこと――子どもたちへ

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