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一つ年上の幼馴染、千種と付き合う十七歳の遠馬は、父と父の女の琴子と暮らしていた。セックスのときに琴子を殴る父と自分は違うと、自らに言い聞かせる遠馬だったが、やがて内から沸きあがる衝動に戸惑いつつも、次第にそれを抑えきれなくなって─。川辺の田舎町を舞台に起こる、逃げ場のない血と性の問題。第146回芥川賞受賞作。文庫化にあたり、瀬戸内寂聴氏との対談を収録。ほか「第三紀層の魚」併録。
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Posted by ブクログ 2024年01月18日
暴力的な描写や、情景の描写が映像を見ているかのように強烈にイメージできた。作者の強烈なインパクトの受賞会見が今も記憶に残っているが、この作品もずっと鮮明に私の記憶に残ると思う。瀬戸内寂聴との対談も源氏物語に触れられており、とても面白かった。
Posted by ブクログ 2023年08月01日
間違いなく出会った作品の中で一番記憶に残っている。短編ながら深い。文字の形をした登場人物が紙の上で繰り広げるドラマ。方言や、土地柄、主人公。入り込みずらい設定だと思うがスッと身体の中に入ってくる。 刃物のような作品だ。我が生涯の問題作。 進んで薦める事はないが、間違いなく手に取って欲しい作品。
Posted by ブクログ 2022年01月16日
頂き本。共喰いの意味がハッとさせられる。父親のようにはなるまいと遠馬がやはり同じような感覚を覚えた瞬間。恋人の千種に首をしめたり、やらないとは自信がなくなっていく様子。実母の仁子さんが最後にとった行動は、やはり母そのものに思えた。
Posted by ブクログ 2021年09月12日
この作品は引き込まれた。登場人物全てが魅力的で遠馬のどうしようもない血の濃さに哀しみを感じた。後半の作品も瀬戸内寂聴さんとの対談も面白く非常に満足する作品であった。 皆さんに読んでみて欲しい。
Posted by ブクログ 2024年04月17日
暗いし、ひどいし、辛いけれど、自分の望んでいない何かが残る、印象に残った作品。なんだかこびりついた感じがした。
Posted by ブクログ 2024年03月21日
純文学というカテゴリを初めて知りました。なるほど、たしかに娯楽というよりは芸術に近い作品なのだな、と感じました。対談に私小説は書かないとありましたが、体験や経験なしで、遠馬の性衝動をあそこまで生々しく書き上げる腕に驚嘆しました。
Posted by ブクログ 2023年12月03日
血は争えないよなって 色んなものが川に流れていく表現が良かった ずっとずっと雨だなって感じ 第三紀層の魚の方が好き 気づいたらぼろぼろ泣いてた
Posted by ブクログ 2023年09月26日
純文学を感じた。 共喰いは私にはまだわからないところも多かったが、第三紀層の魚は、(すこしありがちなストーリーにも感じたが)読みやすく面白かった。 巻末の対談も良かった。
Posted by ブクログ 2023年04月05日
男の本質と言うべきか、人間の業と言うべきか。ねじの外れた人間がリアルに描かれている。同時収録の「第三紀層の魚」のほうも毒は薄いが好き。
Posted by ブクログ 2022年09月22日
嫌悪する父親と同じ血が流れていることに苦悩し、抗えない衝動に葛藤する主人公。細かな描写が主人公の心理を丁寧に表現する。重苦しい雰囲気だがまさにこれぞ純文学。今の時代、貴重な作家だと思う。
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田中慎弥
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