【感想・ネタバレ】共喰いのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年01月18日

暴力的な描写や、情景の描写が映像を見ているかのように強烈にイメージできた。作者の強烈なインパクトの受賞会見が今も記憶に残っているが、この作品もずっと鮮明に私の記憶に残ると思う。瀬戸内寂聴との対談も源氏物語に触れられており、とても面白かった。

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Posted by ブクログ 2023年08月01日

間違いなく出会った作品の中で一番記憶に残っている。短編ながら深い。文字の形をした登場人物が紙の上で繰り広げるドラマ。方言や、土地柄、主人公。入り込みずらい設定だと思うがスッと身体の中に入ってくる。
刃物のような作品だ。我が生涯の問題作。
進んで薦める事はないが、間違いなく手に取って欲しい作品。

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Posted by ブクログ 2022年01月16日

頂き本。共喰いの意味がハッとさせられる。父親のようにはなるまいと遠馬がやはり同じような感覚を覚えた瞬間。恋人の千種に首をしめたり、やらないとは自信がなくなっていく様子。実母の仁子さんが最後にとった行動は、やはり母そのものに思えた。

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Posted by ブクログ 2021年09月12日

この作品は引き込まれた。登場人物全てが魅力的で遠馬のどうしようもない血の濃さに哀しみを感じた。後半の作品も瀬戸内寂聴さんとの対談も面白く非常に満足する作品であった。
皆さんに読んでみて欲しい。

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Posted by ブクログ 2024年04月17日

暗いし、ひどいし、辛いけれど、自分の望んでいない何かが残る、印象に残った作品。なんだかこびりついた感じがした。

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Posted by ブクログ 2024年03月21日

純文学というカテゴリを初めて知りました。なるほど、たしかに娯楽というよりは芸術に近い作品なのだな、と感じました。対談に私小説は書かないとありましたが、体験や経験なしで、遠馬の性衝動をあそこまで生々しく書き上げる腕に驚嘆しました。

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Posted by ブクログ 2023年12月03日

血は争えないよなって
色んなものが川に流れていく表現が良かった
ずっとずっと雨だなって感じ

第三紀層の魚の方が好き
気づいたらぼろぼろ泣いてた

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Posted by ブクログ 2023年09月26日

純文学を感じた。
共喰いは私にはまだわからないところも多かったが、第三紀層の魚は、(すこしありがちなストーリーにも感じたが)読みやすく面白かった。
巻末の対談も良かった。

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Posted by ブクログ 2023年04月05日

男の本質と言うべきか、人間の業と言うべきか。ねじの外れた人間がリアルに描かれている。同時収録の「第三紀層の魚」のほうも毒は薄いが好き。

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Posted by ブクログ 2022年09月22日

嫌悪する父親と同じ血が流れていることに苦悩し、抗えない衝動に葛藤する主人公。細かな描写が主人公の心理を丁寧に表現する。重苦しい雰囲気だがまさにこれぞ純文学。今の時代、貴重な作家だと思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年09月01日

仁子さんが親父を殺すシーンの濁流の描写が凄まじい表現力で引き込まれた。ここのシーン、自分の脳内で浮かんだアニメとも実写ともつかない映像が印象的で、今後どんな媒体で映像化されてもこの文章を読んだ時の感動は超えられないだろうなと思った。でも実写映画もあるみたいだから観てみようかな。
第三紀層の魚も良かっ...続きを読むた。
この人の作品初めて読んだけど、なんか2作ともむき出しの田舎と少年の夏って感じで好きだな。こうやって書くとさわやかな雰囲気になるけど、夏特有のムワムワとした湿気が常に纏わりついていて薄暗い印象。文体もなんというかイマドキな感じじゃなくて格好いい。ちょっと渋いというか、芥川賞ってこういうのが取るよなあって感じ。芥川賞の作品大して読んでないけど。
ラストの瀬戸内寂聴との対談読んだら源氏物語読みたくなった。

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Posted by ブクログ 2022年04月10日

理性と本能、思春期の急激な変貌、遺伝子と拒絶。父親の忌避すべき類似性を己から感じ取った主人公の葛藤と苦悩が淡々とした筆致で表現されている。
繊細な情景描写も多く、読む者を灰色の田舎町へ無理矢理引き込んでいく。
独特な文体であるが違和感はなく、読後は余韻に浸ることができる。
しかし、芥川賞である表題作...続きを読むよりも、共に収録されている短編「第三紀層の魚」の方が個人的には良い。釣りにまったく興味の無い私でも涙腺が多少緩んだ。
幼い少年と死にゆく曽祖父との交流がなんとも切ない。血のつながりが全てではないと少年の成長と経験、戸惑いを通し、流れ込む。
こちらも淡々とした情景描写に、芥川賞を獲った奇才ぶりを存分に発揮した文体で表現している。

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Posted by ブクログ 2022年03月07日

迫力のあるお話。こうゆう感覚は映像化したいって思うクリエイター多いと思います。目に見えない、狂気、性(さが)、自己中心的卑しさ。程度はここまででなくとも共感しちゃう部分はあると思うんだよね。こんな人ばっかりだったら社会が変になりそうだから、ある程度までね。こうゆう感情をシーンとして情景として描かれて...続きを読むいます。凄い迫力なので私は映像が浮かびます。惹き込まれました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月02日

父親が悪人だというわけでもないのが肝であると思う。
好物の鰻を食べている場面や息子である主人公との会話場面で、父親は終始安直な感情と単純な論理を示している。そして周囲の女性たちも、最も強く対抗する人ですら、暴力を警察沙汰にすることもなく「家出」というスタンスしか取らない。
これは父親を庇ったり暴力と...続きを読むいう概念を少しでも許したりする表明ではないのだが、父親と息子の間に悪どいサイコパス的な遺伝子があるわけではなく(少なくともそれが100%というわけではないだろう)、狭い田舎に地域ぐるみで蔓延る時代錯誤した「リテラシー」にそもそものシステムの不備があるように感じる。

共喰いが起こる条件としてすぐに思い浮かぶことは、食糧が見当たらず腹を満たす手段が他にない場合だ。リテラシーが無いので大人になりきず衝動的に動く父親と、リテラシーが無いので父親の暴力を日常の一つとして受け入れてしまう周囲。描かれている閉塞的な地域社会で、衝動の行く末が「共喰い」に至るのはある意味自然だと言えるだろう。

タイトルから期待される刺激よりはパンチが足りないので、読み応えがないなと感じてしまうかもしれないが、どこまでも一貫して等身大に描かれる人物像と暮らしぶりが、いやに汗ばむような鬱屈さを読者に植え付ける。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年10月04日

おそらく誰も自分の人生なんて生きられていない
そんなもの幻想だ

“親殺し”というモチーフを、地方の絶望と人間のうちなる欲望の破壊性を用いて見事に描き出した傑作

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Posted by ブクログ 2020年10月03日

不謹慎だけど‥‥ おもしろい。
映画、探したけど、もう配信してなかった。
前は怖くて、見えなかったんだ。今は観たい。

もらっておいてやるの作家。
とんがってるのに、記者が笑ってたのが違和感で、そういうのは受け入れてくれるひとなのかなと思った。ほんと、怖いけどおもしろかった。
ただメンタルが強い...続きを読むときじゃないと落ち込むな。
すんごく重くて沈むのに、諦めに似た明るさがある。好きな作品。

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Posted by ブクログ 2021年09月27日

共喰い

独特の文体が 怪しい雰囲気をつくる。
サカナのにおいが 漂っている。
カタツムリが ゆっくりと歩いている。
怪しい文体にもかかわらず 凶暴な勢いがある。

登場人物の 抱えている闇は大きい。
昭和63年のころ。
篠垣遠馬は 17歳。高校生。
つきあっているのが 会田千種 18歳。

生みの...続きを読む母親は 魚屋で仁子。60歳。
戦争で 右腕の手首が先からなかった。
10歳年下の父親 円。
暴力を振るうことで仁子とわかれた。
決して美人というわけではないが胸と尻が大きい琴子 
35歳が 父親と一緒に住んでいる。

登場人物の設定自体も ぐにゃぐにゃしている。

川が割れ目だと言う表現に、川の表情の乏しさを感じる。
そんな川でも ウナギが釣れる。
そのうなぎを白焼きとして,おろし生姜をたっぷりのせて、
醤油で食べる父親のたくましさがある。

父親と息子の関係は 遠くなく 近い。
精神的な成長がなく、幼いのかもしれない。
父親の中に流れる獰猛な血が 息子の中にも流れている。
息子は その血にあらがいながら,その血に目覚める。
こんな父親は たまらないなぁ。
どうしようもない 男たちを とりかこむ 
けなげで、どっしりしたオンナたち。仁子、琴子、千種。 

第3紀層の魚 
共喰い のなかにある。

ひーおじいちゃん/曾御祖父 と
ひ孫との心の交流 というべきかな。

ひーおじいちゃんは、勲七等の勲章をもらったが、
それを子どもに与えて,なくしてしまった。
おじいちゃんは 自殺し
お父さんは 警察にはいったが,死んだ。

ひ孫/信道は、小学4年生。
魚釣りが好きな少年で チヌ をつろうとするが、
なかなかつることができない。
ひーおじいちゃんは 病気で 寝たきりとなり、
徐々に弱っていく。

お母さんは かしわうどんの仕事をしていて,
東京の店長 になるので、引っ越しをすると言う。

なぜか、おばあちゃんを 郷里/山口に残していく
のが さびしいと 思った。

郷里を離れる まえに 釣りに行ったら
大きな魚が ひっかかった。
チヌが つれたと思ったが、
大きな季節外れのコチだった。

少年の中に 揺れ動く 感情が
のびのびしていて よかった。

対談 瀬戸内寂聴。

源氏物語をめぐっての 話題のやり取りが。
天皇 と その周辺の 恋物語。
日本人で最初に物語になったのが 恋物語とは。

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Posted by ブクログ 2024年03月01日

共喰いは、ひたすらに欲がぶちまけられた、純文学らしい作品だった。なんというか、時代が変わったんだなぁ、良い世の中に向かってるんだなぁということを強く感じられるお話。

第三紀層の魚、こっちがとても刺さった。なんでこんな子供のときの気持ちをクリアに描けるんだろう。思い出して胸が苦しくなった。

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Posted by ブクログ 2024年01月23日

共喰いと第三紀層の魚の2編が入っており他のレビュアーも書かれていたが、私も第三紀層の魚の方が好みであった。
第三紀層の魚
田舎町で、祖母や曾祖父などと共に生きた少年の成長譚であるが、じいちゃんや、ばあちゃんがいた人ならわかる気持ちが非常に共感を得る。身近な人の死、そしてそれが悲しいことなのかどうかす...続きを読むら、わからない少年時代。鬱屈とした昭和の空気感は
逆に読んでいて新鮮であった。

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Posted by ブクログ 2023年07月28日

美しい文体に引き込まれて著者の世界観にとっぷり浸りながら読み進める面白さがあった。

迫力ある表題作と対を成すように、
優しく情緒溢れる第三紀層の魚が良かった。

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Posted by ブクログ 2023年07月01日

 芥川賞を受賞した「共食い」と「第三紀層の魚」を収録。
 共食い、父親が性交を行う時に、相手に暴力を振るうといったある種の性癖を、嫌いながらも自身の中に発見し、恋人に対して同様の行為を行ってしまうということにおいて、自身の中に父親と同様の血が流れていること、それがまるで定めでもあるかのようにも思え、...続きを読むそれが何の変哲もない川沿いの田舎でのこととして描いているだけに、よりその凄惨さが浮かび上がる。
 単純に父対子というような図式ではなく、いや果たして対立していたのかという疑問もある。また奇妙な親子関係が、描かれてはいないが性癖に影響を与えているのかもしれないとも勝手ながら憶測してしまう。そして描かれる女性は何処か閉塞している土地と分かっているものの、そこから抜け出せないところが感じられた。読む者にとっては少し耐えられないところもあるかもしれないが、確実に読み応えはある。

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Posted by ブクログ 2022年10月04日

正直がんばって読んだ。まさに芥川賞と思えるような心理描写の重さや救いがたい物語に気持ち強くないとやられる。受賞時の記者会見での「貰っといてやる」や「とっとと終えましょう」的な発言が記憶に残っていていざ作品を読むとボコボコにされる感じだ。多作ではないけれどなんか力がある作家さんだなぁ。

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Posted by ブクログ 2022年09月12日

川沿いの田舎町にへばりつく様に生きる人々の描写が生々しいのだ。
生々しいのだが、父親が複雑でリアルな像を結ばない。僕の想像力の限界だ。
映画を観ると光石研さんが軽やかに演じていた。あぁ、これだ、これが正解だと思った。
ようやく父親が実体を得たけれど、読後感が著しく悪いので再読する気はしません。

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Posted by ブクログ 2022年09月11日

「共喰い」:閉塞感というか、心も身体もまわりのコミュニティも、色々な意味での狭さからくる息苦しさやどうしようもない衝動をみっちり感じた。
「第三紀層の魚」:葛藤とか寂しさとかを抱えながらうまれる、分かりやすくはないのにどこか安定感のあるやさしさの描き方がうまかった。

最後の対談でも触れられてたけど...続きを読む、どっちの物語も、登場する女性たちの魅力や皮肉のこもっていない包容力みたいなのは男性の作者だからこそ生み出せる描写なのかなあと思った。まともに一文一文噛み締めて読んでいくと体力が持たなくなりそうな感じがあった。

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Posted by ブクログ 2023年05月08日

2つある短編集の中の「共喰い」だけを読んだけれど、生々しい描写がやや印象に残るものの、肉々しい表現を抜いたら意外と普通の話だった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年09月17日

タイトルが気になって購入
二作品掲載

出先で読んだせいか、メインタイトルの方は
気持ち悪いやら方言が読みずらかったり独特の言い回し等
全然文学として楽しめず
途中でリタイアしようかと思う程
結末に何が待ってるのかその気持ちだけでなんとか読み終えた

第三紀層の魚は自宅でゆっくり読んだら
良かった、...続きを読む楽しめました

最後に瀬戸内寂聴氏との対談あり
その写真を見てこの人知ってる!!となるなど
色々と合点がいきました

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Posted by ブクログ 2021年06月22日

読書開始日:2021年6月1日
読書終了日:2021年6月22日
所感
読むのに時間がかかった。
やはり暗い雰囲気のある作品は進みが遅くなる。
共喰い
友人同士でたびたび会話上がるSかMか、その回答のSとは全くの別物の癖。
癖とは遺伝の要素が大きいことを改めて感じる。身近な存在の癖は良くも悪くも影響...続きを読むされてしまう。もしくは意識をしてしまう。
主人公の遠馬は、快楽を求めるためのDV癖に恐怖し、意識しすぎるあまり発症したと思う。
恐れていたことを永遠に恐れるよりも、恐れることが現実となることによる諦めと解放の方が増しだと心のどこかで思ってしまったのかもしれない。
DVにより増殖する快楽の描写が生々しい。
鰻に例えたり、売女の口から漏れた泡を暖めた汚物の匂いに例えたり、全身から嫌悪感が湧く。
遠馬の実母が元夫にトドメを刺したことで、遠馬が恐怖、癖から根本的に解放されたことを祈る。
 

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Posted by ブクログ 2021年05月15日

「共喰い」
血、親子の血、時間、水の流れと時間、匂い、垂れ込める空気と匂い。

川辺に漂う時間と匂いが時間を超えて血を分かち合う。すでに父のような目をそれから生じる必然な結末とともに受け継いだ青年は、父を嫌悪し父を内在させる自分を嫌悪しながら恋人を傷つける。

父は当然のように超えてはいけない時間を...続きを読む超え、青年は用意された悲惨な結末を受け入れざるを得なくなる。母によって果たして血は断ち切られたか?

「第三紀層の魚」
こっちの方が好きかな。
今度は血縁の「縁」の方の話。「縁」から見る家族。ストーリーは地味やけど、どんどん読んでまう。

風、土地、道、潮を、背景に家族のような家族の微妙なバランスを保ちながら、展開する。
そうやって家族という進行形を少年の立場で素直に受け止める良作。

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Posted by ブクログ 2021年05月13日

芥川賞受賞作
受賞の記者会見のふてぶてしさが高校生みたいだったので、読みながら今回の主人公と重なってしまった。

降り続く雨の重々しさや鰻のヌメヌメ感、匂いまでもが伝わってくるような気がした。
会話の方言が理解しづらくて読みにくかった筈なのに引き込まれてしまった。
読みながら雨の中に居るようだった。...続きを読む

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Posted by ブクログ 2021年04月17日

人間の根底にある性や暴力、血。田舎の閉塞感がより一層不穏な雰囲気を出している。自分の読解力がもう少し高ければ、もっと違う角度からも楽しめるんだろうなーと思った。

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