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リアルのゆくえ おたく/オタクはどう生きるか
ぼくたちは今どんな時代を生きているか。批評の言葉は怒る若者たちに届くか。サブカルチャーの諸問題から国家論、表現論まで、わかりあうつもりのない二人による8年間の世代間闘争。 -
剣難女難
大正14年に創刊された国民雑誌「キング」に発表されたこの作品で、従来の幾つかの筆名に別れを告げ、新たに吉川英治が誕生した。――美男で剣を見るのさえ身体がふるえる春日新九郎が、兄の仇、富田三家随一の名人、鐘巻自斎を相手に戦うまでの数々の辛苦と、剣難女難。――この一作が呼んだ反響、つづいて生まれた幾多の名作。本書は、吉川文学の輝かしい原点といえよう。 -
奪われぬもの
人はなぜ戦うのだろう? 戦い抜いた果てになにを見るのだろう? マラソンの有森裕子、競馬の福永洋一、ボクシングの高橋直人……。トップに立つ者の恍惚と不安。時は容赦なく彼らの夢を、力を、プライドを奪いさる。しかし、なお<奪われぬもの>の一条の光。それこそが、ファンの眼を射る。練達の筆が冴える、傑作スポーツ・ノンフィクション6篇。 -
J-ROCKベスト123 1968~1996
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本のロック・ヒストリー。伝説のはっぴいえんどからミスチルまで一挙収録! これだけは聴いておきたい名盤ガイド! ――ロカビリー、GS時代を経て、日本のロックはいかに進化したのか? フォークルの誕生、伝説のバンド・はっぴいえんどからミスチルまで、これだけは聴いておきたい名盤1123アイテムを厳選収録! 細野晴臣インタビュー、サエキけんぞうの〈J-ROCKヒストリー集中講座〉など、日本のロックのすべてがわかる1冊。 -
転生したらスライムだった件 公式キャラクターブック
『転生したらスライムだった件』を愛するすべての方に向けて、あの「転スラ」のキャラクターファンブック爆誕! カラーページでは、島耕作やシャングリラ・フロンティアなど、様々な漫画とのコラボ画像や「シリウス」の表紙画像などを余さず掲載。1色ページもボリューム満点! キャラクターの紹介はもちろん、伏瀬先生と川上先生の対談のほか、ここでしか読めないキャラクターの製作秘話、第1話のネーム公開など、もりだくさん! 「転スラ」ファンなら絶対にゲットしてほしい1冊。「転スラ」のコミックスを読んだことがない方にも、ガイドブックとして読めるのでおススメです! -
アルツ村 閉ざされた楽園
DVから逃れた女性が迷い込んだのは、高齢者だけが身を寄せ合って生きる山奥の村だった──現役医師作家のメディカル・サスペンス! 夫のDVに耐えかねて札幌の自宅を飛び出した明日香は、道北の見知らぬ村にたどり着いた。7歳になる娘のリサといっしょに。村で匿ってくれたのは修造という高齢男性と、床に臥すハツの夫妻だった。修造は認知症なのか、明日香のことを孫娘と勘違いして「なっちゃん」と呼ぶ。近隣の住民からも温かく迎えられた明日香親子であったが、この村は何かがおかしい。住民は皆高齢で、しかもほぼ全員が認知症を患っているように思われるし、そもそも自立した生活が成り立っていないようなのだ。村まるごとが高齢者用施設ということなのか。老老介護、ヤングケアラー、介護破綻……日本における「認知症のいま」を問う問題作。そして衝撃のラスト! -
なぜヒトだけが幸せになれないのか
【シリーズ累計25万部突破! 「幸せに生きる」ための生物学講義】 『生物はなぜ死ぬのか』では死の意味を、『なぜヒトだけが老いるのか』では老いの意味を生物学的に考察してきた著者によるシリーズ最新作。第三弾となる本書のテーマは「幸せ」。 生物の中でも、ヒトは「ある変化」を機に幸せに生きにくくなったという。その理由とはなにか。幸せに生きる方法はないのか。生物学から「ヒトが生きる意味」を考える。 生物学的な価値観から「幸せ」=「死からの距離が保てている状態」と定義してみます。この定義に当てはめて現状を考えると、何がヒトの幸せの妨げになっているのかが見えてきました。意外なことにその原因の一つは、私たちの細胞一つ一つに存在する「遺伝子」にあったのです。ーー「はじめに」より ・ヒトだけに見られる「遺伝子と環境の不適合」 ・幸せは「死からの距離感」で決まる ・進化的に見た生物の「幸せ」とは ・生物学的視点から考える「リーダーの四つの条件」 ・移動をやめて格差が生まれた ・ヒトはテクノロジーの使い方が上手くない ・豊かさと幸せは一致しない ・地方に住むと「幸せ」になれる? ・ため込まないことの幸せ ・「幸せ」は遺伝子に刻まれている ・長生き以外の「幸せ」の要因 ・ヒトは絶滅の危機にある? ……ほか ◆おもな内容 第1章 進化からみた生きものの幸せ 第2章 ヒトの幸せとは一体なにか 第3章 「幸せ」は遺伝子に刻まれている 第4章 なぜヒトは「幸せ」になれないのか? 第5章 テクノロジーはヒトを「幸せ」にするのか 第6章 「幸せ」になるために――生物学的幸福論 -
老化と寿命の謎
ベテラン科学記者が研究の最前線をわかりやすく紹介! 「長い老い」を豊かに過ごすためにこれだけは知っておきたい最新知識! ・400年生きるサメと若返るクラゲ ・老化を引き起こす活性酸素 ・「細胞分裂の回数券」テロメアとは? ・代謝と有害物除去を担う「オートファジー」 ・寿命に関わる遺伝子の発見 ・フレイル予防のポイント ・筋肉が衰えるサルコペニア ・転倒は結果でもあり原因でもある ・認知症と物忘れはどう違う? ・なぜ高齢者は眠りをそれほど必要としていないのか?――。 健康であっても、そうでなくても、老化と向き合うすべての人に贈る処方箋。 信濃毎日新聞の大好評連載を書籍化。 -
AIは短歌をどう詠むか
短歌AIを開発しながら考えた、人間だけにできること、AIにしかできないこと。 「型」と「らしさ」を身につけるには? AIが学んでいく姿から、短歌の面白さも見えてくる! -
王墓の謎
「王墓はなぜ築かれたのか?」 本書のテーマは、この素朴な疑問である。 エジプトのファラオが築いたピラミッド、中国の皇帝たちが造った山稜など、 人類史には王の埋葬のためのモニュメントが数多くある。 それらは、王が自らの権力を誇示するために築造したと考えられている。 したがって、王墓の大きさは権力の大きさに比例する、 王墓は王の権力の象徴にほかならない、という理解が常識とされており、 教科書にもそう書かれている。 しかし、本書ではこの定説に真っ向から反論し、 新たな視野から王墓を理解することを目的とする。 本書では、王墓にまつわる次のような謎に挑む。 ・「王墓=権力の象徴」説は、いかにして定説になったのか ・王墓は、権力者が命じた強制労働の産物なのか ・墓造りのエネルギーを、なぜ農地の拡大や都市整備に投下しなかったのか ・葬られたのは「強い王」か「弱い王」か ・高価な品々が、なぜ一緒に埋められたのか ・なぜ人類は、世界各地で王墓を築いたのか? ・「大洪水伝説」が残る地域と、王墓の誕生した地域が重なるのはなぜか ・王墓は、危機に瀕した社会が生き残るための最終手段か ・王が神格化され強大な権力を持つと、王墓が衰退するのはなぜか この本は、「王墓=権力の象徴」というステレオタイプな理解で停止してしまっている 私たちの思考を根本から問い直すものである。 王墓は、王自らの権力欲のためのものではなく、 人々が自ら進んで社会の存続を王に託した時に、はじめて誕生する。 王墓は、王を神へ捧げるための舞台であり、 権力や富の集中を防ぐために、人類が発明した優れた機構なのだ! 古代史ミステリーの「定説」を覆す、必読の書! -
老いた今だから
伊藤忠商事会長、そして民間人初の中国大使を務めた名経営者が85歳の老境に入ったからこそ感じる、日々の味わい方と愉しみ方とは 本書のおもな内容 1章 老いの変化を受け入れる こんなに身近にあった「素晴らしい一日」の始め方 思わぬ病に襲われて学んだこと 健康は「まぁまぁ」と思えればベスト 2章 身体はマイナスになる、でも頭はプラスにできる! 脳を生き生きとさせる三つの習慣 読書で心のシワを増やすには 日記はよりよく生きるための道具 3章 最大の悩みーー定年退職後をどう生きるか 財産が少なくても気にしない あえて人間関係を整理する必要もない うまくいかない日は「バカ日記」を書こう 4章 私たちはどう働くのか 定年退職後はマインドリセットが必要 ギグ・ワーカーとしてのシニアの可能性 「オレが、オレが」はやめなさい 5章 人生の価値は最後に決まる いまでも心に残る祖母の言葉 どんな人でも死ぬときは一人 「終活」はどこまで必要か -
テロルの昭和史
青年たちの「義挙」に民衆は拍手したーー。 血盟団事件、五・一五事件、神兵隊事件、死なう団事件、そして二・二六事件……。 なぜ暴力は連鎖し、破局へと至ったのか? 昭和史研究の第一人者による「現代への警世」。 【本書の内容】 ・「安倍晋三銃撃事件」と昭和テロの共通点 ・「正義を守るための暴力」という矛盾 ・現代の特徴は「テロの事務化」 ・ピストルではなく短刀にこだわった将兵 ・「三月事件」と橋本欣五郎 ・「血盟団」井上日召の暗殺哲学 ・五・一五事件の「涙の法廷」 ・昭和テロリズムの「動機至純論」 ・愛郷塾の存在と「西田税襲撃事件」 ・言論人・桐生悠々の怒り ・大規模クーデター計画「神兵隊事件」 ・罪の意識がまったくない相沢一郎 ・血染めの軍服に誓った東條英機 ・「死のう団」のあまりに異様な集団割腹 ・二・二六事件が生んだ「遺族の怒り」 ・一貫してクーデターに反対した昭和天皇 ……ほか 【本書の目次】 序章:昭和テロリズムから見た安倍元首相銃撃事件 第一章:残虐のプロローグ――三月事件から血盟団事件へ 第二章:昭和ファシズムの形成――五・一五事件が歴史を変えた 第三章:暴力の季節への抵抗者たち――ジャーナリスト・桐生悠々と政治家・斎藤隆夫 第四章:「血なまぐさい渇望」のクロニクル――神兵隊事件から永田鉄山刺殺事件まで 第五章:国家暴力というテロリズム――死のう団事件の異観 第六章:テロから戦争への転換――二・二六事件の残虐さが意味すること 不気味な時代の再来を拒むためにーーあとがきにかえて -
シン地下アイドル(1) 【電子限定特装版】
描き下ろしの特別編『トシサン』番外編が収録された特装版! 著者の前作『トシサン 都市伝説特殊捜査本部第三課』とのコラボ特別編が収録!! 【※この小冊子付き特装版は電子のみの配信となります】 【あらすじ】 地下アイドル。そこはアイドルの放つ「光」を飲み込むほどの「闇」が渦巻く世界。 知らずに飛び込んでくる無垢な女の子もいれば、素性を隠して潜り込んでくる”訳アリ”な人間もいる。 ”地下”ゆえにヤバイ事件の匂いもするーー。 バズりたい配信者・華子(15歳)は、”撮れ高”を感じて地下アイドルグループ「ワンフェス」に潜入。 このグループ、なんだか闇が深い……。 -
未完の天才 南方熊楠
なぜ熊楠は完成を嫌ったのか? 驚くべき才能を多方面に発揮しながら、 その仕事のほとんどが未完に終わった南方熊楠。 最新の研究成果や新発見資料をとりあげながら、 熊楠の生涯を辿り、 その「天才性」と「未完性」の謎に迫る! <熊楠をめぐる13の謎> ・十数年前にとったノートの内容をそらで思い出せる記憶力 ・51篇も論考を発表していた「ネイチャー」への投稿を中止 ・渡英後、熱中していた植物学の研究を停止 ・大英博物館に迎えられてから、何をしていたのか ・語学の天才・熊楠の勉強法とは? ・「エコロジーの先駆者」だが、数年でフェードアウト ・なぜ「希少な生物」だけでなく「ありふれた植物」も守ろうとしたのか ・「人類史上、もっとも文字を書いた男」と呼ばれる理由 ・どうして一度も定職に就かなかったのか ・ともに民俗学の礎を築いた柳田国男と喧嘩別れ ・変形菌(粘菌)の新種は発表したが、キノコの新種は未発表 ・なぜ夢の研究を長年続けたのか ・集大成となるような本を、どうして出版しなかったのか -
NHKスペシャル取材班、「デジタルハンター」になる
新型コロナ禍で現場に行けなくなったNHKスペシャル取材班が、デジタル調査報道でミャンマー騒乱の「真相」を突き止めるまで――。 19歳少女は軍に銃殺されたのか? ミャンマー軍はなぜ暴走したのか? 報道は激動の世界で何ができるのか? NHKの特別調査チームが「オシント(OSINT:Open Source Intelligence)」を駆使した新しい調査報道に挑戦した奮闘記。インターネット上の様々な情報や、SNSに投稿された動画や画像、地図情報や衛星画像など誰もがアクセスできる「公開情報」を使って、「不都合な真実」を暴くことはできるのか? 【本書のおもな内容】 ●ロシア・ウクライナ報道でも注目される「OSINT(オシント)」 ●現地に入らずに取材をする「新しい手法」 ●1000件以上のデータ分析・検証で見えた「真相」 ●「自撮り」でドキュメンタリーを作る ●新型コロナがヒトに感染したのはいつだったのか ●世界中が注目するネット調査集団「べリングキャット」 ●ダイニング・キッチンから「軍の非道」を暴く ●SNSから投稿が突然消えていった背景 ●「4秒に満たない動画」に映っていたもの ●位置情報や衛星画像という「強力な武器」 ●市民への攻撃に使われた兵器を特定する ●元将校たちが明かした「クーデターの真の理由」 ●誰もが「権力ウォッチャー」であるために 【目次】 ■第1部 コロナ禍で模索する国際報道の現場 第1章 誰も現地に行けない…Nスペ「ミャンマー」に辿り着くまで 第2章 OSINTを駆使するデジタルハンターとの出会い 第3章 クーデター発生!「ダイニング・キッチンでの“闘い”」 ■第2部 デジタル調査団結成! オールドメディアの挑戦 第1章 「OSINTチーム」前途多難の船出 第2章 「エンジェルの死の謎」に挑む ■第3部 総勢30人の取材班が結集・奮闘の記録 第1章 オンラインでOSINT技術を学んだディレクターたち 第2章 ウェブサイトとの連動に挑戦 ■第4部 OSINTで軍暴走の闇を暴け! 第1章 未解明の“バゴー事件”の検証 第2章 軍の暴走の背景に何があったのか? -
裏道を行け ディストピア世界をHACKする
ふつうに生きていたら転落する。 知識社会化が進み、人生の難易度がますます上がっていくーー。 残酷な「無理ゲー社会」を攻略するための たった一つの生存戦略とは? 才能のある者は人生を攻略(HACK)し、 才能のない者はシステムに搾取(HACK)される。 常識やルールの「裏道を行け」! 【本書の目次】 PART1 恋愛をHACKせよーー「モテ格差」という残酷な現実 PART2 金融市場をHACKせよーー効率よく大金持ちになる「究極の方法」 PART3 脳をHACKせよーーあなたも簡単に「依存症」になる PART4 自分をHACKせよーーテクノロジーが実現する「至高の自己啓発」 PART5 世界をHACKせよーーどうしたら「残酷な現実」を生き抜けるか? 【本書の内容】 ・「女性嫌悪」に走るモテない男たち ・ナンパ師が手にし損ねた「ほんとうの愛」 ・道徳的な「モテ戦略」とは ・「寝てるだけでお金を貯めた」天才の極意 ・ブラックジャック必勝法は存在する ・ノーベル経済学賞の先を行け ・ギャンブルは「向精神薬」 ・大学生の50%が「ネット中毒」 ・「ちがう自分」という強迫観念 ・「自己実現した主体」が幸福をもたらす ・トランスヒューマニズムと「優生学2.0」 ・「寝そべり族」はなぜ生まれたか ・自己啓発としての「ミニマリズム」 ・「ストア哲学」は究極のメンタル術 ……ほか -
フォン・ノイマンの哲学 人間のフリをした悪魔
21世紀の現代の善と悪の原点こそ、フォン・ノイマンである。彼の破天荒な生涯と哲学を知れば、今の便利な生活やAIの源流がよくわかる! 「科学的に可能だとわかっていることは、やり遂げなければならない。それがどんなに恐ろしいことにしてもだ」 彼は、理想に邁進するためには、いかなる犠牲もやむを得ないと「人間性」を切り捨てた。 <本書の主な内容> 第1章 数学の天才 ――ママ、何を計算しているの? 第2章 ヒルベルト学派の旗手 ――君も僕もワインが好きだ。さて、結婚しようか! 第3章 プリンストン高等研究所 ――朝食前にバスローブを着たまま、五ページの論文で証明したのです! 第4章 私生活 ――そのうち将軍になるかもしれない! 第5章 第二次大戦と原子爆弾 ――我々が今生きている世界に責任を持つ必要はない! 第6章 コンピュータの父 ――ようやく私の次に計算の早い機械ができた! 第7章 フォン・ノイマン委員会 ――彼は、人間よりも進化した生物ではないか? ******** ノイマンがいかに世界を認識し、どのような価値を重視し、いかなる道徳基準にしたがって行動していたのかについては、必ずしも明らかにされているわけではない。さまざまな専門分野の枠組みの内部において断片的に議論されることはあっても、総合的な「フォン・ノイマンの哲学」については、先行研究もほとんど皆無に等しい状況である。 そこで、ノイマンの生涯と思想を改めて振り返り、「フォン・ノイマンの哲学」に迫るのが、本書の目的である。それも、単に「生涯」を紹介するだけではなく、彼の追究した「学問」と、彼と関係の深かった「人物」に触れながら、時代背景も浮かび上がるように工夫して書き進めていくつもりである。 ――「はじめに」より ******** ノイマンの思想の根底にあるのは、科学で可能なことは徹底的に突き詰めるべきだという「科学優先主義」、目的のためならどんな非人道的兵器でも許されるという「非人道主義」、そして、この世界には普遍的な責任や道徳など存在しないという一種の「虚無主義」である。 ノイマンは、表面的には柔和で人当たりのよい天才科学者でありながら、内面の彼を貫いているのは「人間のフリをした悪魔」そのものの哲学といえる。とはいえ、そのノイマンが、その夜に限っては、ひどく狼狽(うろた)えていたというのである。クララは、彼に睡眠薬とアルコールを勧めた。 ――第5章「第二次大戦と原子爆弾」より ******** 人類史上 最恐の頭脳! -
民主主義とは何か
トランプ大統領をはじめとする「ポピュリスト」の跋扈、旧社会主義諸国および中国など権威主義国家の台頭など、近年の世界の政治状況は、民主主義という制度の根幹を揺るがすかのような観を呈しています。日本の状況を見てみても、現行の政権が「民意」の正確な反映、すなわち「民主主義的な」政権だといわれると、頸をかしげる人も少なくないのではないでしょうか。はたして民主主義はもう時代遅れなのか? それとも、まだ活路はあるのか? それを議論するためには、まず何よりも、民主主義とは、そもそもどのような制度なのかを「正しく」知らなければならないでしょう。今では自明視されている「民主主義」という制度ですが、人が創ったものである限りそれもまた歴史的な制度として、さまざまな紆余曲折を経て現在のようなものになったのであって、決して「自然」にこのようなになったわけでではないのです。 そこで本書では、ギリシア・アテナイにおける民主主義思想の「誕生」から、現代まで、民主主義という制度・思想の誕生以来、起こった様々な矛盾、それを巡って交わされた様々な思想家達の議論の跡をたどってゆきます。その中で、民主主義という「制度」の利点と弱点が人々にどのように認識され、またどのようにその問題点を「改良」しようとしたのか、あるいはその「改革」はなぜ失敗してしまったのかを辿ることにより、民主主義の「本質」とは何なのか、そしてその未来への可能性を考えてゆきます。 またあわせて、日本の民主主義の特質、その問題点についても分析してゆきます。 民主主義という思想・制度を知るための、平易な政治思想史の教科書としても最適です。 -
証券会社がなくなる日 IFAが「株式投資」を変える
社長表彰の常連社員、労組の委員長経験者 海外修練生に選抜された営業成績優秀者…。 将来を嘱望されていた大手証券会社の エリートたちがいま続々と転身している IFA(独立系ファイナンシャル・ アドバイザー)とはいったい何なのか? 2兆円規模ともされる日本のIFAビジネスを 補助線としながら、ネット専業証券の 明暗を分けた理由、 業界が固執する「儲けのカラクリ」に迫る ととともに、次の時代に存続する証券会社の 姿を考える。 日本の証券業界を代表する「野村」は はたして生き残ることができるのか? 【本書の内容】 序 章 証券ビジネスを変える「IFA」とは何か これまでとは異なる人材流出の動き 相次いで辞めていくエリートたち 米国ではIFA=巨大証券会社の社員に比肩する存在 IFA説明会の実態 ほか 第1章 証券業界が固執する「儲けのカラクリ」 販売手数料無料化の衝撃 「回転売買」と「はめ込み営業」 テーマ型ファンドを保有していない投信会社の元役員 放置されたままの「残骸ファンド」 仕組債「早期償還条項」の罠 ほか 第2章 米国の証券業界で「いま起きていること」 注目すべきはチャールズ・シュワブの「変貌ぶり」 米国で主流の「ゴールベース・アプローチ」とは 常勝軍団「エドワード・ジョーンズ」の独創性 米国では支店長が「どぶ板営業」 激化する買収合戦の中心的存在 あのGSが個人向け無担保ローン事業に進出 ほか 第3章 誰が信頼できる「IFA」なのか むやみに数は追わない…GAIA 中桐啓貴 相場の話をしない… ファイナンシャルスタンダード 福田 猛 投信はやらない… Japan Asset Management 堀江智生 売れる商品でも売らない…いちよし証券 武樋政司 第4章 進化を止めた絶対王者・野村の苦悩 金融業界が色めき立った「野村買収」情報 野村HD前CEOが吐露していた「潰れる恐怖」 ソフトバンクの株式上場時に演じた「厳しい結末」 時代遅れの「日本型総合証券モデル」 野村HD新CEOの考え ほか 終 章 いまの証券会社がなくなる日 IFA転職支援サイトの近況 在宅勤務が助長したIFAへの“民族大移動” SBIと楽天が勝ち、 マネックスと松井が引き離された理由 玉石混交のIFA法人とプラットフォーマー ほか -
いじめの構造-なぜ人が怪物になるのか
いじめはなぜ蔓延するのか? 画期的理論をうちたて注目される〈いじめ研究〉の第一人者が、学校でのいじめ問題の本質を平易に語る。第1章 「自分たちなり」の小社会 / 第2章 いじめの秩序のメカニズム / 第3章 「癒し」としてのいじめ / 第4章 利害と全能の政治空間 / 第5章 学校制度がおよぼす効果 / 第6章 あらたな教育制度 / 第7章 中間集団全体主義 逃げ出すことのできない恐怖と絶望と悪意の世界=いじめはなぜ蔓延するのか? 画期的理論をうちたて注目される〈いじめ研究〉の第一人者が、学校でのいじめ問題の本質を平易に語る。 -
文字世界で読む文明論 比較人類史七つの視点
ラテン文字圏、ギリシア・キリル文字圏、アラビア文字圏、梵字圏、漢字圏-- 五つの文字圏を比べてみると、世界の見方が変わる! ・科挙はなぜ中国社会内部の凝集力を高めたのか? ・日本は長子相続、イスラム世界では? ・箸、フォークとナイフ、右手指食、なぜ違う? ・洋装はいかに非西欧世界に受容されたか? ・なぜ音楽は国境、民族を越えるようになったのか? ・古代ローマと現代アメリカの同化力の限界とは? ・「異才」を育てるための条件とは? ・モンゴル帝国などの開放空間型集団が瓦解した理由 ・文明成熟のためのキーワード「フィードバック」とは? 楽しみながら世界史のツボがわかる! -
「自閉症」の時代
近年、「自閉症」について多くの書物が書かれ、論じられるようになっています。これは、21世紀になって突出してきた現象で、20世紀にはなかったものです。しかもこれは、日本に限った話ではないのです。 著者は、21世紀という時代の1つの特徴が、この「自閉的傾向」の突出化には現れているのではないかと考えています。その1例に伊藤若冲のブームがあります。前世紀まで若冲は「奇想の画家」として、美術史においてはアウトサイダー的な存在に過ぎませんでした。ところがその彼が、今では昨今の「日本美術ブーム」を引っ張る存在になっています。あるいは、『君の名は』『天気の子』が立て続けに大ヒットになったアニメ作家の新海誠。彼の作品もその「自閉症的」傾向が初期の段階からしばしば指摘されていました。 この2人に共通するのは、ディテールへの過剰なまでのこだわりです。それゆえに画面は異常なまでに高精密になり、と同時に非常にフラットなものになります。一言で言えば、非常にデジタルな感じがするのです。デジタルとは、完璧なコピーと同一なものの繰り返しが可能になる技術ですが、この「高精密」で「完璧に同一なもの」の繰り返しこそは、まさに自閉症者が大好きなものです。現代アートに革命を起こしたアンディー・ウォーホールを早い例として、「ミニマルアート」と呼ばれるものの現代美術、現代音楽における流行も、この同じ時代の「好み」に即したものなのではないでしょうか。 そしてこの時代精神をもっとも端的に表すのが、コンピュータの存在です。開発の祖に当たるチューリング、ノイマンから始まって、スティーブ・ジョブスやフェイスブックのザッカーバーグなど、IT、AIに関わる科学者、技術者に「自閉症的傾向」が強いことは、つとに指摘されている通りです。というか、そのような人たちの存在があってこそ、コンピュータ的なものは、ここまでの洗練を見たのです。いまや「デジタル的なもの」は、否応もなく21世紀人の感性の基盤になった感があります。とすればその底に自閉症的な美意識が伏在しているのは、むしろ当然ではないでしょうか。 本書は、上記の視点のもと、21世紀という時代そのものの「自閉症的傾向」を明らかにするものです。 -
ミッドウェイ
戦争へと突き進む時局に押され、憧れの女性への思慕も個人の夢も捨て去り、戦闘機乗りに身を投じた日米の若者たち。爆撃を受け火だるまになる空母、次々と飛び立つ戦闘機。はからずも同じ女性の影を追っていたとも知らずに、降旗とロバート、それぞれの想いがミッドウェイの空に交錯する……。太平洋戦争の分岐点となった激戦ミッドウェイ海戦に正面から取り組んだ、著者渾身の戦記小説。 -
悪役なんて、ごめんです!(1)
私、紫藤ルリカ。モットーは、人生普通に、平和に生きたい。 でも中学生になる少し前、ある日私はここが前世で好きだった少女マンガ【きらゆめ】の世界で、その中の登場人物になっていることに気づいたの。 これって物語の世界に「転生」してるってこと!? しかもこの世界の私は、やがて史上最強といわれるほどの魔力を持ち、魔法学園を支配するーー「悪役」なんだって! 悪のボスなんて絶対イヤだから、私は私の運命を変えてみせるよ!! 大注目の新シリーズ! ドキドキ★ハラハラの魔法学校へようこそ! <小学・中級から・すべての漢字にふりがなつき> -
素数とバレーボール
41歳の誕生日。僕らは青春と再会する。 今年でいちばん癒やされ小説、誕生! 「性善説の小説家が探り当てた、ここが一つの到達点だーー吉田大助」 家庭も仕事もまだ諦めたわけじゃない。 それにしても40代。不惑は過ぎても迷いっぱなし。 ーー四十にして惑わずなんて、嘘じゃん。 高校卒業から20数年。 41歳の誕生日を迎えた朝、高校のバレーボール部の仲間「ガンプ君」からメッセージが届く。 「41」という数字の美しさを讃えたあとに「500万ドルのストックオプションをプレゼントする」と書かれた 謎のメッセージは他の部員たちの誕生日にも届いていたものだった。 真偽もガンプ君の消息も不明のまま「不惑」を迎えた元男子高校生たちは、再会を果たす。 仕事もひと段落。家庭も安泰。興奮するような新鮮な出来事なんて、もう簡単には起こらない。 ちょっと人生がつまらなくなってきた男たち。 「そろそろ隠居かな」と言いつつ……実はまだ「男として」人生を諦めきれていなかった。 不倫、やめる? 離婚、する? 恋、する? 出世、できる? 左遷、された? 様々な「不惑」の人生の岐路に立つとき、届いた旧友からのメッセージ。 彼らは何を選択するのか。 優しさには、力がある。 -
たちつて東大
小学5年生の娘の口から飛び出した将来の夢と進路、「東京大学→弁護士」。驚愕の大学名を聞き、親として 子供をどこまでサポートできるのか!? 地方の小学校から東大受験までの道のりや、子供への声掛け、そして親と子の関係を ありのままに描きだす、お受験リアルエッセイ。 ●地方から目指す、首都圏受験対策! ●子供への投資!? 立ち向かえ!入学金、学費、寄付金…etc. ●金曜・土曜の夜は「好きなことナイト!」 ●志望校に落ちた時、親の声かけワースト3 ●どうなる東大推薦枠!!? 「暴力亭主から逃れる10の方法」、「やめちまえ!PTAって言ってたら会長になった件」の著者が描く、リアル爆笑エッセイ第3弾!! -
さよなら日和
「別れ」は止められないけれど、止まった「想い」は動かせる。 閉園をむかえる遊園地を訪れた人々。 彼らの「さよなら」が繋がったとき、心に染みる奇跡が起こる! 閉園が決まった遊園地・星が丘ハイランドパークの最後の一日。訪れるのは、淡い思いを秘める中学生に、離れて暮らす息子と遊びにきた父親、認知症の妻をかかえた老人と、ワケありな人ばかり。営業終了時間が迫る中、なんの縁もない彼らの人生が交錯するとき、小さな奇跡が巻き起こる! 心温まる傑作群像劇。(単行本『廃園日和』を改題。) ~~~ ようこそ、星が丘ハイランドへ! ~~~ ジェットコースター 少年は淡い思いを胸に、苦手なコースターへ。 ゴーカート 久しぶりに会った息子は大人びていて――。 コーヒーカップ 遠距離恋愛の彼氏は、アタシのことをどう思ってる? ヒーローショー 20年ぶりに1日限定で出演するはめになったけど……。 メリーゴーランド 認知症の妻は、この光景を覚えていてくれるのか。 観覧車 家族のいる人との恋。このままでいいわけない――。 -
包み結びの歳時記
古代、人は生きるために必要にかられて、結ぶこと・包むことを考えました。神が人間だけに授けた特殊な技法「包みと結び」が私たちの精神文化の基調となり、“礼法”という域に昇華するまでには、どんな変遷を辿ったのでしょうか。今や当たり前の景色となった「包み」と「結び」の起源を年中行事や風習から訪ね、由来と意味を解説。日本人の豊かな美の世界を堪能する! 本書は、1991年10月、福武書店より刊行されました。 目次 はしがき 一 年中行事と歳時 はじめに 1年中行事の始まりと広がり 2「包み」の働き 3「結び」のしくみ 4暮らしの中の包み結び 5年中行事と包み結び 6中国の歳時記 二 新年の季寄 はじめに 1門松 2しめ飾り 3結び昆布 4生花初め 5馬騎初め 6着衣始め 7おけら祭り 8お年玉 9掛鯛 10幸木 11猿廻し 12しめ縄の四手 13綱引き 14包み蓬莱 15蘇散 16綯い初め 17縫初め 18初髪結い 19箸包み 20常陸帯の神事 21宝引縄 22万歳と鼓 23結び柳 24大黒天と布袋 三 春の季寄 はじめに 1梅若忌 2事始め 3桜餅 4凧 5新茶 6針供養 7三つ葉 四 夏の季寄 はじめに 1青簾 2菖蒲打ちと菖蒲の枕 3葵祭り 4鵜縄 5団扇 6扇子 7蚊帳 8柏餅 9祇園会 10鱚 11薬玉 12三社祭り 13代掻きと田植え 14襷 15端午の節句と粽 16茅の輪 17夏帯 18夏足袋 19夏場所 20匂い袋 21袋掛け 22 浴衣 23蚊遣り火 五 秋の季寄 はじめに 1牛祭り 2風祭り 3霞網 4鴨 5菊供養 6島田帯祭り 7ずいき祭り 8相撲節会と衣裳 9晴明神社祭 10俵編み 11七夕 12中元 13盆行事 14重陽 15風呂敷 六 冬の季寄 はじめに 1綾取り 2亥の子餅 3襟巻 4縁結び 5事納め 6紙衾 7角巻 8七五三と紐解き 9しめ作り 10障子 11頭巾 12歳暮祝い 13鎮魂祭 14縄跳び 15袴着 16日蔭の鬘 17鰤 18頬被り 19足袋 20羽織と胸紐 21節分 七 通過儀礼 はじめに 1新生児 2誕生祝い 3褌祝い 4結納祝い 5婚礼 6岩田帯 7還暦祝い 8葬礼 9法要 10水引 11熨斗(のし) 12袱紗(ふくさ) 八 日本文化における包み結び はじめに 1神道的なもの 2仏教的なもの 3陰陽五行的なもの 4再び年中行事を考える 5包み結びとのかかわり あとがき -
そば学大全 日本と世界のソバ食文化
日本が誇る伝統食にして健康食、そば。しかし、植物であると同時に作物でもあるソバの文化は、日本だけのものではない。ソバの本場・信州で研究を積んだ農学者が、世界のソバ食文化を探訪して日本のそばの魅力を再発見する。さらにその栄養と味覚、健康食品としての機能や、品種改良についても解説。 江戸の農書に表れる「ソバめくそ」「めくそ飯」とは何か? 「普通種」よりも収量が多くて安定しているダッタンソバ、ニガソバは、なぜ日本で栽培されなかったのか? なぜ「手打ちそば」が上等なのか? 朝鮮半島のシミョン、カルクッス、中国の「猫の耳たぶ」マオアルドウ、ネパールのソバの腸詰、ウクライナのソバカーシャ、スロベニアのソバ団子、フランスのガレットに、イタリアのポレンタ・・・各地のソバ食レシピをみれば、日本の「そば切り」を本流とする麺食ばかりがソバではない。縄文時代から親しまれる、ソバをもっと楽しむ本。〔原本:平凡社、2002年刊〕 -
やめちまえ!PTAって言ってたら会長になった件
暴力亭主から逃れて実家に帰ってきたら、問答無用で小学校のPTA役員にされてしまった塔子さん。PTAの役員なんて、絶対無理無理やりたくない!!と言い続けた結果、何故か会長になってしまった…。こんなことって、ホントにあります?? という衝撃の仕事が目白押し!! ●学校行事で、地引き網! ●モンスターペアレンツのご意見、キッチリ伺います! ●広報誌掲載NG者リストって!? などなど、PTA会長を経験した作者本人の経験もとに、PTAの面白さを余すところなくお届け。 うっかりPTA役員になった人も、現在、PTAから逃げまわっている人も、これさえ読めば、もう怖くない! -
日本の敬語
東京は京都より敬語が多い? 「ご遠慮ください」は失礼? 「お前」は敬語だった? 貴人は「する」より「なる」? 「敬語は日本語の美しさである。しかし、度をすぎるとうんざりする。」敬語はなぜ生まれたのか。尊敬と相殺される親愛の感情は、どう表現したらいいのか。原日本語、上代から奈良、平安、そして現代へ。敬語の起原と変遷をたどり、情況にふさわしい使い方を考える。一級の言語学者がじっくり向き合う、敬語の歴史と実用。(解説・滝浦真人) 底本:『日本の敬語』角川新書、1959年 【本書の内容】 第一章 序説 一 英語と日本語 二 日本の敬語は文法的 三 日本の敬語は相対性敬語 四 敬語の起原と階級 五 敬語の起原とタブー 六 アイヌの妻女 七 アイヌの婦人語と敬語 八 アイヌ代名詞の構造 九 日本代名詞の構造 一〇 名詞の敬称 一一 結 論 第二章 起原:どうして日本の敬語が起ったか 一 原日本語と敬語法 二 上代日本語の敬語法1 「ます」考 三 上代日本語の敬語法2 「せす・けす・めす・をす・なす・こやす」考 四 上代日本語の敬語法3 「たまふ」考 五 上代日本語の謙称動詞1 「たぶ・たばる・まつる」考 六 上代日本語の謙称動詞2 「まをす(申)」考 第三章 変遷:奈良から平安への敬語のずれ 一 上代敬語と古代敬語の対比 二 平安時代の敬語助動詞の起原 三 奈良・平安の相違 四 万葉語における「頂戴す」について 五 「見めす」の忘却 六 「せす」のまちがい 七 御立為之の誤訓 八 物語文学と敬語 九 後代の敬語 第四章 現代の敬語:どうあり、どうなるべきものか 一 序 論 二 名詞・代名詞 三 動詞 四 地方別 五 現代敬語の無軌道さについて 第五章 結論 一 敬語のとどかない名歌 二 歌から見た敬語の本質 三 結びの言葉 付録 これからの敬語 解説 滝浦真人 -
日本の古式捕鯨
本書の中心は太地五郎作氏の著作『熊野太地浦捕鯨乃話』です。古式捕鯨とそれを行った人々の思考と感情を、内部から正確に観察し繊細に表現した驚異的な著作です。国際社会からの深刻な問い「日本人はなぜ捕鯨をあきらめないのか」という問いに対して、答えるための必読書です。 捕鯨には二つの側面があります。 一つは海中を泳ぐ「富」=鯨を捕らえた後、その富を貨幣へと変えるマニファクチュアの原初形態があったことです。鯨を、肉、油、髭、骨、皮などに分けて、利用しつくすための加工過程のすべてが集合し緊密に組み合わされています。 そして、二つめが鯨を捕るという行為に、組み込まれた「戦争機械」において、人間は媒介を通さず、直接的に自然の力と戦うことです。物理的な力では鯨に劣る人間が、知力をもって集団で鯨に対峙し、執拗な攻撃を加え、鯨を弱らせ、最後に羽刺と呼ばれる若者が海中に飛び込み、一騎打ちをおこないます。その戦いで鯨を仕留めることが、この戦争機械の活動の終了地点となります。 この古式捕鯨の二重構造は、とても日本的と言えるでしょう。非農業的マニファクチュアと農業型ものづくりマニファクチュアは、「半農半漁」を営んでいた海民の生活形態の二重構造と関係が深いと思われます。 以前の輝きを失った日本のものづくりは、農業的マニファクチュアを基礎として発達をとげてきたが、その方法論は、非物質的情報産業が中心の現代では通用しなくなっているのかもしれない。 日本はものづくり、産業の根本に立ち返った自己認識を必要としている。そのとき「異形のマニファクチュア」としてそのレガシーを今日に伝える、太地古式捕鯨の本質を再考することは、未来の文化再生に向けて重要な意義を持つ。本書は、過去を追慕するだけにとどまらない、未来的な意味を持っています。 【目次より】 学術文庫版序文(中沢新一) 太地五郎作『熊野太地浦捕鯨乃話』について 原本口絵より 熊野太地浦捕鯨乃話(太地五郎作) ・太地捕鯨の起源 ・徐福来熊の批判 ・事務所の事 ・大納屋の事 ・山見の事 ・沖合の事 ・勢子船の事 ・六鯨の事 ・鯨切り捌きの事 ・明治十一年の大惨事 和田金右衛門「明治十一年寅十二月二十四日 旧十二月朔日也 背美流れの扣へ」 追 記 ・太地にて初めて洋式にて鯨を捕りたる ・きおいの式 鯨潮を吹く吹かぬの説に就いて実例を説明して置く 熊野太地浦捕鯨の談 昔の鯨の捕り方 ・捕鯨の起源 ・熊野捕鯨の終末の原因 ・太地にて初めて洋式捕鯨の事 鯨肉の料理に就いて 原本あとがき 鯨を捕るということ(サイモン・ワーン) 解 説 中沢新一 -
草々不一
泣ける。笑える。心がほっこり温まる。 身分としきたりに縛られた暮らしにも、喜怒哀楽、切なくも可笑しい人生の諸相があった。江戸の武家の心を綴る、傑作時代小説短編集。 朝井節、ますますの名調子。 1冊に長編8作分の人生が。 「紛者(まがいもの)」助太刀を頼まれた、牢人者の信次郎。頼まれたら断れないのが武士だが。 「青雲」立身する者とできぬ者。分かれ道を説く上司に悩まされ。 「蓬莱」大身の旗本家へ婿入りしたはいいが、妻から3つの約束をさせられて。 「一汁五菜」刀ではなく包丁で仕える江戸城の料理人が、裏稼ぎに精を出す。 「妻の一分」大石内蔵助の妻、りくにとっての忠臣蔵を、そばで見守った者がいた。 「落猿」藩の外交官である江戸留守居役が、公儀との駆け引きの最中に。 「春天」剣術指南所の娘と二刀流の修行人。剣で心を通わせた二人の行く末は。 「草々不一」漢字を読めない隠居侍が、亡き妻の手紙を読むため手習塾に通い始める。 -
汚名
SFPD(サンフェルナンド市警)の予備刑事(reserve officer)として、自発的に未解決事件捜査にあたっているハリー・ボッシュのもとを、昔のパートナーだったロス市警本部強盗殺人課未解決事件班刑事のルシア・ソトが現在パートナーを組んでいるボブ・タプスコットとロス検事局のアレックス・ケネディ検事補とともに訪れ、ボッシュが三十年ほど前に逮捕し、現在も死刑囚として服役中の連続殺人犯プレストン・ボーダーズに関して、あらたな証拠が出たとして、再審がひらかれる見込みだと聞かされる。残された証拠を調べ直したところ、すでに死亡している別の死刑囚ルーカス・ジョン・オルマー(連続婦女暴行殺人犯)のDNAが被害者の着衣に精液の形で付着していたことが科学的に立証されたという。事件発生当時、DNAは、犯罪捜査の証拠として認められていなかった。証拠保管庫に収められた被害者の着衣の入っている当該事件の証拠保管箱をソトとタプスコットが開封する様子は、ビデオに録画されており、そこに問題はまるで無いように思えた。 ボーダーズの弁護士ランス・クローニンの主張は、被害者の着衣に別人のDNAが付着している以上、ボーダーズ逮捕の決定的な物証(ボーダーズの住居で見つかった被害者のペンダント)は、事件担当の捜査官(ボッシュと彼のパートナー)が仕込んだものだ、というものだった。ロス市警と喧嘩別れしたいきさつから、ロス市警と検事局のボッシュに対する心証はことのほか悪く、証拠を捏造した悪徳警官としてボッシュに責任をかぶせようという気が満々だった。おのれの信用が地に落とされる危機に際し、リンカーン弁護士ミッキー・ハラーにボッシュは相談し、ミッキーの導師であるリーガル・シーゲルの智慧を借りることになる。 一方、サンフェルナンド市警の管轄で、薬局を経営する父親と息子が薬局内で銃殺されるという事件が発生し、小規模共同体の警察としては、手が足りず、ボッシュも捜査に狩りだされる。捜査を進めるなかで、この事件が、薬局を舞台にしたオキシコドン(半合成麻薬)不正請求にまつわるものであることが判明する。すなわち、身内に引き込んだ医師に鎮痛剤でもあるオキシコドンの処方箋を書かせ、患者を装った出し子たちに薬局で大量に入手させ(料金は医療保険Medicareでカバーされる)、それを売りさばいて大金をせしめている犯罪者集団がいた。薬局の父親は、永年その片棒を担がされていたのだが、息子がその不正に気づき、手を引こうとして、犯罪者集団に処刑されたのだった。犯罪者集団のアジトを突き止め、親玉を逮捕する証拠を手に入れるため、ボッシュは、潜入捜査に赴く。 -
レイトショー
主人公レネイ・バラードは、ハワイ出身(ポリネシアとコーカソイドの混血)の三十代のロス市警女性刑事、独身、ボクサー犬ミックスの大型雌犬をコンパニオン・アニマルにしているなど、従来のコナリー作品には登場してこなかったキャラクター。ただし、警察官としての有能さと使命感は、ボッシュ刑事と共通している。 レネイは、ロス市警のエリート部門である本部強盗殺人課の殺人事件特捜班で殺人事件担当刑事として五年余り勤めていたが、二年まえ、班長に着任したロバート・オリヴァスにセクハラをされ、それを告発したものの、セクハラ現場に居合わせたパートナーのケン・チャステイン(『エンジェルズ・フライト』の最後に暴徒に襲われて死亡したロス市警内務監査課刑事ジョン・チャステインの息子)が保身のため、レネイの告発を裏付ける証言をしなかったせいで、告発は不問に終わり、レネイはハリウッド分署に飛ばされ、分署長がオリヴァスと警察学校の同期だったことから、“深夜番組(レイトショー)”と呼ばれる夜勤担当にさせられた。以来二年、深夜番組をパートナーのジョン・ジェンキンズとともに粛々と勤めているが、事件の本格的捜査は、昼勤担当刑事がおこなうため、やりがいを覚えずにいた。 -
しんがり 山一證券最後の12人
負け戦のときに、最後列で敵を迎え撃つ者たちを「しんがり」と言います。戦場に最後まで残って味方の退却を助けるのです。 四大証券の一角を占める山一證券が自主廃業を発表したのは、1997年11月のことでした。店頭には「カネを、株券を返せ」と顧客が殺到し、社員たちは雪崩を打って再就職へと走り始めます。 その中で、会社に踏み留まって経営破綻の原因を追究し、清算業務に就いた一群の社員がいました。彼らの一部は給与も出ないまま、「しんがり」を買って出て、無一文に近い状態になっています。この中心にいたのは、会社幹部に裏切られながら業務の監査をしていた人間たちで、証券会社では「カネを稼がない、場末の連中」と陰口を叩かれていた人々でした。・・・ 山一證券の破綻を、記者会見で号泣した社長の姿とともに記憶している方も多いことでしょう。「社員は悪くありませんから!」という絶叫でした。 社長までが泣く、その大混乱にあって、「しんがり」の彼らはなぜ筋を通そうとしたのでしょうか。逆襲なのでしょうか、意地でしょうか、優しさなのでしょうか。 山一が消えたあとも、彼らは不器用な人生を送っています。しかし、決して不幸ではないと言います。「会社の破綻なんて人生の通過点に過ぎないよ」「潰れたって、何とかなるんだ」と。 一生懸命生きていれば、きっと誰かが見ていてくれる。――そんな彼らのメッセージは、どんな会社が潰れても不思議のない、リスク多き時代を生きる人々の励ましとなるのではないでしょうか。 -
訣別
ある日、元ロス市警副本部長で、現在はセキュリティ会社トライデント・セキュリティの重役になっているクライトンに呼び出され、トライデント社の顧客の大企業のオーナーである富豪、ホイットニー・ヴァンス(八十五歳)が、ボッシュを名指しで依頼したいことがあると言っている、と告げられる。依頼内容は、クライトンも知らず、ボッシュにのみヴァンス本人から伝えるとのこと。ヴァンスに会いにいくと、高齢と疾病のため、老い先短いことを悟った老人から、大学生の頃知り合い、妊娠させながらも、親に仲を裂かれたメキシコ人の恋人を、あるいはもしその子どもがいれば、探してほしいと頼まれる。ヴァンスは未婚で、ほかに子孫はおらず、彼が亡くなれば莫大な財産の行方が気になるところで、もし血縁者がいれば、会社の将来を左右する事態になるかもしれず、そのため、会社側の利益(ひいては自分たちの利益)を優先させる行動に出る重役たちがいることが予想されるため、調査はくれぐれも極秘でおこなってほしい、と念を押される。また、この調査に関する報告は、かならずヴァンス自身にのみおこない、ヴァンス以外の人間から調査への問い合わせは一切しない旨、告げられる。 -
新装版 凍りの掌 シベリア抑留記
小澤昌一は東洋大学予科生。東京・本郷の下宿先で銃後の暮らしの中にいた。戦況が悪化する昭和20年1月末、突然名古屋から父が上京し、直接手渡された臨時召集令状。 北満州へ送られた後、上官から停戦命令の通達、すなわち終戦を知らされる。実弾を撃つことなく終わった戦争だったが、その後ソ連領の大地を北に向かわされ、ついにシベリアの荒野へ。待っていたのは粗末な収容所と、地獄のような重労働だった。 シベリア抑留の極限状況を生き抜いた著者の父親の実体験をもとに描かれた衝撃作、待望の新装版! 小澤昌一は東洋大学予科生。東京・本郷の下宿先で銃後の暮らしの中にいた。戦況が悪化する昭和20年1月末、突然名古屋から父が上京し、直接手渡された臨時召集令状。北満州へ送られた後、上官から停戦命令の通達、すなわち終戦を知らされる。実弾を撃つことなく終わった戦争だったが、その後ソ連領の大地を北に向かわされ、ついにシベリアの荒野へ。待っていたのは粗末な収容所と、地獄のような重労働だった。 -
「男はつらいよ」の効能書き
今年、第1作の公開から50周年のアニバーサリーイヤーをむかえた映画「男はつらいよ」。その人気はじつに根強く、昨年10月からスタートしたBSテレ東での放送も好評を博しています。ネットTVでの配信もすでに始まり、この日本映画史上最強のスーパーコンテンツは、若い層にもリーチしていく可能性を高めています。そしてなにより、本年12月には、23年ぶりとなる新作の公開がすでに決定。寅さんブームの再燃さえ予感されます。昭和から平成、そして新時代へと観賞され続けていく「男はつらいよ」。本書は、その全48作の鑑賞ガイドです。 もちろん、ただの鑑賞ガイドではありません。大学院で教育心理学を学び、心理カウンセラーとしてのキャリアも持つ著者。その著者が、徹頭徹尾、「心の栄養になる成分」「心の健康と成長に役立つ効能」という観点から「男はつらいよ」のすべてを解説し、鑑賞の手引きにしているのです。つまり本書は、「男はつらいよ」を精神に効く漢方薬かサプリメントに見立てた「効能書き」となっているのです。 メインはもちろん、全48作の作品ごとの効能書きです(上巻に23作品。下巻に25作品を収録)。毎回の寅さん活躍ぶりはもちろんのこと、ストーリー、マドンナ、名言名場面、ロケ地、何気なく映った小道具に至るまで、作品ごとにそれらの【成分】【効能】に言及。さらには、[笑い][感動][癒し]という成分ごとにその効き目具合を星取り表現してあります。作品別以外でも、「寅さん」のキャラクター像、妹さくらや御前様などレギュラーキャラクターをやはり効能書き風に解析。その考察には、既出の批評とは一味違う視点が散見され、ファン必読の内容になっています(上下巻)。さらには、観る人の心理状態や求める効能にごとに鑑賞すべき作品群を推薦する「お勧めコース」も20パターン以上掲載(下巻)。マニアックな上級ファンから、あらためてじっくり見返してみたいというライトファン、はたまたこれから寅さん体験をしてみたいという入門者まで、便利で使える効能書きになっています。「心に一息入れたくなったときには、本書を開いて寅さんを観ればいい」。そんな寅さんの楽しみ方と活用法を提案する、新しい「男はつらいよ」ガイド
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