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Posted by ブクログ
去年、「チャレンジ」と称して、収益目標を達成させようとした結果、ダークサイドに堕ちてしまい、不正会計が発覚して問題になったあの大企業。会社ではないが、施政方針演説で「挑戦」を何度も使ったあの指導者。スローガンを声高に叫んでも達成できなかったという太平洋戦争の苦い教訓を学んでいないようだ。「チャレンジ」はあの通信添削教材だけでたくさんだ。
ここではいろいろな病が取り上げられている。人事、出世、派閥、上司、会議、残業、現場無視、就活、数字、創業者など多岐にわたっている。
年功序列、終身雇用はうまく時代の波に乗ってスイスイといったのだろうが、今の時代になるとほころびが出ている。終身雇用は、何百年前からある制度でもなければ、あっても一部の大企業に限定される。その上、終身と言っても永遠に保証されるとは限らない。ダイヤモンドは永遠の輝きというCMがあるが、ダイヤモンドの輝きと違って企業の輝きがなくなったら人員整理でさようならの可能性がある。あなたの色に染まりますなどと言っても、いらなくなったらはいさようなら。そんなに甘くはない。
会社とはつかず離れずが一番だ。必要以上にべったりくっついて会社命なんて思っていても、会社にとっては「うざい」と思われている可能性があるのだから。
Posted by ブクログ
第一勧銀勤務経験を有する作家による、会社における問題点をまとめたもの。第一勧銀という大会社を題材に、日本の企業がどのような状況に陥りやすいのか、経営者や役員などの性向など興味深い内容だった。
学術的というより、経験論的な記述が多く、過激な論調も散見されるが、説得力があった。
「「もっと働け、もっと稼げ」経営者は叫び、叱咤する。だが社員たちは経営者に「Why?」と疑問を投げかけ、出した答えが偽装だったり不正だったりということなのだろう」p4
「(社長、役員などの特質)目に付くようになったのは、出世に伴う責任という負の分け前の増大だ」p28
「若者にはある種の野心が必要だ。出世欲が仕事や人間の幅を広げてくれることもある」p36
「人間(じんかん)到るところに青山(せいざん)あり」p62
「(根回しバカ)会議なんてその場で多くの意見を戦わせれば実りがあるもの、侃々諤々の方がエキサイティングになるものだ。ところが実際の会議では、意見がまったく出ないのが、いい会議だと認識している人間が多い。そのため、異論が出ないように事前にくだらない根回しに回るバカがいるのだ」p81
「経営者に必要なのは哲学だ。それがないのに、現場だ現場だ、と騒いでもそれは単なる従業員へのプレッシャーにすぎない。これまた、形を変えた現場軽視なのである」p102
「なぜ年功序列が機能しなくなったのか。それは成長が止まったからだ。企業経営者は、もはや成長の果実を多くの社員たちに配分できなくなってしまったのだ」p136
「(本部での評価は噂で決まる)本部エリートというのはみな優秀である。だから、そこでの優劣を決定的に分けるのは、「彼はできるね」「彼は優秀だね」「あいつはダメだね」という噂、すなわち風評である」p141
「(中国電力、クラレを創業した大原孫三郎)取締役の10人が賛成したら、それはダメ。3人くらいの賛成がちょうど良い」p158
「営業の要諦は、聞くにある。俗に、セールストークと言うくらいだから大方の人は、営業=話すこと、と思っている。それは大きな間違いだ。営業は耳だ。口ではない」p202
「新規事業は麻薬だ。経営者を気持ちよくする麻薬である」p231
「(事件のたびに)同じ人物を長期間、経理に配属させ続けてはいけない、と言われるのだが、不思議なことになかなか改まることはない。なぜ改まらないのだろうか。代わる人が見つからないほど経理の仕事は専門的すぎるのであろうか。そうではあるまい。経営者が、ごく限られた専門家にしか任せられない、特殊な経理案件を依頼しているからではないか。表に出せない金の処理を、口の堅い経理マンに任せてしまってはいないだろうか」p244
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